「あー!君がリサちーが言ってた銘ちゃん!?」
「…はぁ」
いきなり教室に入ってきて、私の机の前で目を輝かせながらそういう誰か
誰だ、こんな人知らんぞ
リサちー、ということは恐らくリサの事
恐らくリサと同学年何だろうということは分かる
…まぁ、似たような人なら知っている
友希那が結成した『Roselia』、そのギターの人
しかし性格が違いすぎる、あちらは真面目だったのにこっちは違う…
「あ、あたしはね、氷川日菜って言うんんだ!宜しく!」
そう言ってぱあと笑顔を向けてくる氷川日菜とかいう誰か
その笑顔がまぶしくて、思わず手をかざして隠す
あぁ、恵まれた家庭だったんだろうなと思う
「…それで、その日菜さんとやらは何故ここに?」
「理由ー?んー…リサちーから聞いてるん♪って来たからかな!」
…るん?
最近また流行りだした新しい造語か
そんなことを考えていると、また教室に誰かが入ってくる
「やっぱり…日ー菜ー!銘が混乱してるでしょー!」
「お邪魔します…日菜さん、いきなりすぎて混乱してるっス」
「あ、リサちーに麻弥ちゃん!」
一人はリサ、そしてもう一人は…これまた誰だ
今日は何か知らん人がよく訪ねてくるな
「ごめんね、銘のこと話したら気になるって言ってダッシュしちゃって」
「…んにゃ、別にいいよ…それで、そっちの人は誰」
「あ、自分は大和麻弥っス、日菜さんとは同じバンドのメンバーっス」
…多分リサと同じ学年だろうに何故敬語なのか
というか目の前の日菜と麻弥といったか、この二人もバンドをやっているのか…ちょっと意外だ
まぁだからなんだって話なんだけど
日菜とやらがリサと麻弥と話しているのをよそに、教室内に視線を巡らせる
二年生が一年生のクラスに三人で、しかもクラス内で孤立している人間に話しかけている事に全員が困惑していることがよく分かる
それ自体は別に慣れたことだからそれは良い、休み時間になったら友希奈とリサ、蘭たちが教室に来るから別に慣れている
しかし何時もより騒ぎが大きい、この2人のバンドはそんなに有名なのだろうか
そんな事を考えていると、日菜とやらが再び話し掛けてくる
「ねぇねぇ、何で髪そんなに伸ばしてるの?」
…顔が殆ど隠れるように伸ばしている髪を疑問に思ったらしい
麻弥とやらも疑問に思っていたのか、特に口を挟まない
唯一事情を知っているリサが、日菜を止めようと口を開く
その前に、答えを見せてやることにした
「「…っ!」」
「はい、これで充分でしょ」
「銘!」
前髪を掻き上げて、私の顔を見せる
火傷痕や殴られたりした時に出来た傷痕を見て言葉を失う二人
そして、そんな私に怒ったような声を上げるリサ
何を怒るのだろうか、疑問に思ってたんだから素直に教えてあげただけだろうに
二人はと見れば、かなり気まずそうな顔をしている
「…ごめん」
日菜とやらが謝ってくるけど、何故謝るのか
私が見せただけなのに
「ほ、ほら!行くよ二人共!」
「は、はい…お邪魔したッス…」
リサに連れられて、教室から出ていく2人
何であんな顔をしているのか、やはり分からなかった
…何故、私は顔なんか見せたのだろうか
いや、分かってる…これは、嫉妬だ
あぁ、ほんと
「嫌になるなぁ…」
下らないことをする、自分が
あれから、あの二人が教室に来ることはなくなった
後で聞いた話だが、あの二人は『Pastel*Palettes』というバンドのメンバーで、アイドルらしい
世間的にもかなり有名だそうだ
まぁだからどうという感じなのだが
それはそうとあの後、リサに怒られたのと同時に、謝られた
何故なのかは、よく分からなかったけど
それはそうと、私は今フェスに来ている
蘭達や友希那達が出るらしくて、知らないうちに私の分のチケットが取られていた、怖
あと、『Pastel*Palettes』も出るらしい
そしてなぜ私は関係者の席から見ているのだろうか、これがよく分からない
普通に一般席かと思ったら、スタッフに案内されて。気が付いたらここにいた
だけどもう深く考えるのはやめにした、考えたところでどうせ理解できない
そうしていると、フェスが始まった
「どうだったかしら銘、私たちの演奏は」
「凄かったよ、お疲れ様」
そうとしか言いようがない
会場が熱気に包まれてるのを見て、やっぱり凄いなぁって
というより何故私は今友希那達の控室にいるのだろうかと、今更ながら考える
友希那やリサ、蘭達、そしてパスパレ(そう呼ばれているらしい)を始めとしたバンドが終わると、会場はすさまじいほどの熱気に包まれていて
この中帰るの嫌だなぁと思っていたら、スタッフにここに案内されていた
「銘、こっちの方が凄かったよね」
「銘、私たちの方が凄かったでしょう?」
私の腕を引いてそう聞いてくる蘭、そして再び聞いてくる友希那
私を挟んで火花を散らすのは是非ともやめてほしいものだ
助けを求めても他のメンバーには首を振られた
リサ、巴、頼むからこの二人を止めてくれ…目を逸らすな
「失礼します…土谷銘さんという方はいますか?」
若干遠い目をしながら二人に揺さぶられていると、誰かが部屋に入ってくる
スタッフさんかなと思いながら視線を向ければ、黄色い髪の人
…確か、『パスパレ』のメンバーだったはず、名前は…
「貴女が銘さん?初めまして、白鷺千聖です」
「…どうも」
何となく怖くて、蘭達から離れて巴の後ろに隠れる
そんな私を見て苦笑いする白鷺千聖
「それで…私になんの用が?」
「そんなに警戒されると傷つくわね…麻弥ちゃんから話は聞いたの、日菜ちゃんがごめんなさい」
そう言って頭を下げる白鷺千聖
…日菜って事はあれか、この前の件か
「別に気にしてない…というより私も悪いし、もう気にしてないって伝えといて」
あんなくだらない嫉妬で、あんなくだらないことしたんだから
「そう言ってくれてありがとう…失礼しました」
そう言って部屋から出ていく白鷺千聖とやら
…なんか、怖かったとは言わないでおこう
「あー!銘ちゃーん!」
「ゲッ…」
思わずそんな声が出てしまったが仕方ないと思う
そんな声は聞こえていないようで、勢いよく私に抱き着いてくる日菜
千聖とあんな会話をした後、もう関わることないだろうと思ってたけど、何事もなかったかのように絡んできた
蘭達や友希那達と関係があるだけで注目されるのに、千聖とのあの会話以降それに加えて日菜まで絡んでくるようになったからもう学校での視線が凄かった
それは卒業してからも変わってなくて、今もこうやってライブ会場で会ってからも抱きつかれてる
というより呼ばれるライブが何故すべて関係者扱いなのだろうか
「あら、銘ちゃん、来てたのね」
「ゲェッ…」
日菜の時より明らかに嫌な声が出ているのがよく分かる
そんな声が出た原因はというと、何時ものように笑顔を張りつかせながらこちらに来る
…いや、何故背後に般若が浮かんでいるのか
後ろにいる三人もおびえているじゃないか
「日菜ちゃん、ちょっと銘ちゃんに聞きたいことがあるからそのままでいてくれる?」
「?はーい」
逃げようと思ったけど、千聖に先手を打たれて逃げることが出来ない
私と日菜とじゃ、明らかに身体能力で勝てない
「聞いたわよ銘ちゃん、貴女二日間もご飯を抜いたらしいじゃない」
「…いや、読んでた本が面白くて」
「…」
「…気づいたら、丸二日経ってました」
千聖からの圧が怖くて、視線を逸らしながらそう言う
そんな私の頬を挟んで、正面を向かしてくる千聖
「駄目ですよ銘さん!ご飯はちゃんと食べないと!」
「そうだよ銘ちゃん!というか二日って…!」
「お腹すいたなって思わなかったんすか!?」
私の言葉を聞いて、それぞれ聞いてくる三人
「いや…昔じゃ二ヵ月飲まず食わずとかあったし…正直お腹空いたかって分かんなかった…」
私がそう言うと途端に黙り込む五人
日菜に至っては、抱きしめる力が強くなっている
強くしなくていいんだけど、何だったら離してほしい
「…このライブが終わったらお寿司行きましょう」
千聖がそう言うと力強くうなずく四人
「え、でも今私そんなにお金持ってない…」
「お金は私たちが出すから銘ちゃんは出さなくていいわよ」
「いやそれはちょっと…」
断ろうと思っていると、近づいてきた彩が千聖の両手から私の頬を奪い取る
「行こうね、銘ちゃん?」
「…ふぁい」
その時の彩は、怖かった
結局、友希那や蘭達を始めとしてかなり加わって、大所帯になった
お金どうするつもりなのかと思っていたら、事務所に払わせたらしい
ましろなんか気絶してた、当たり前だが
時は遡り、あるライブ会場
「…銘?」
「隣の女…」
「ダレ?」
次回はRAS
ホピパとハロハピはどうやっても書けん、書けた時が来たから出す
RAS以外の残りの三つは頑張ろうかな
一つはあまり情報が出てないからよく分からんけどね
因みにオリ主が読んでいるのは主に戦記物
どうでもいいけどいきなり拒絶されて無視までされたら、人間って色々歪むよね
感想頂戴