やはり俺の艦隊ラブコメはまちがっている。   作:いろはす@

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第11話:新艦娘着任!

「敬礼!」

 

 

筆頭秘書艦大淀の指示に、並んだ艦娘たちが一斉に応じる。キャラ作りに苦労しながら、様にならない敬礼を返す俺。今日は新人艦娘の着任式だ。

 

 

聞けば昨日の実弾演習では、結局吹雪と曙が突破に成功したらしい。俺が知る限り、吹雪こと留美はインドア文化系のはずだったから、この結果は意外だった。

 

 

で、曙の方は・・・初対面でいきなり罵倒されたんで、正直よく分からん。あの言動にまともに応じていたら、俺のお豆腐メンタルが持たない。まぁ、突破したってことは、それなりにできるヤツなんだろう、たぶん・・・(適当)

 

 

あと昨日の黒歴史・・・もうその話はやめてくれ。ふぅ・・・加賀さんと大淀が大人の対応をしてくれて助かったぜ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女たちはこれで、正式にショートランド前進鎮守府の一員となりました。日々鍛錬を欠かさず、任務を遂行して下さい」

 

 

この基地でいちばんキャリアの長い加賀さんが、新しい仲間へ訓示を垂れる。これはもう、彼女が提督でいいんじゃ・・・やっぱ俺、要らん子じゃん!

 

 

「では提督、お願いします」

 

 

「うぃ?」

 

 

いきなり話を振られて、おかしな声が漏れる。お願いしますって、もう貴女が纏めちゃったでしょ。いまさら何を言えと?罰ゲームなの?これ。

 

 

 

 

 

 

 

(ただいまマイクの調整中・・・)

 

 

 

 

 

 

で、着任式は滞りなく終了。さてと、本日の執務はこれにてfinish!・・・んな訳ないでしょ!え?何か忘れてないかだって?ああ、噛みまくりだった俺の訓示は紙面の都合上、省略しました。(事後承諾)

 

 

「では最後に、何か質問がある者は挙手を」

 

 

大淀が促したが、単なる形式的な問い掛けだ。真に受けて質問するヤツなんていない・・・はずが、真に受けた子がひとり。

 

 

「は、はい!」

 

 

はい?って何してんだよアイツ・・・

 

 

朝潮が手を挙げていた。みんなの視線が集中する。

 

 

「提督に質問があります!」

 

 

え?俺?

 

 

「き、昨日の実弾演習は、提督が命じたものだったんですか?」

 

 

「なっ!?」

 

 

瞬時に自らの甘さを思い知る。俺は艦娘が実弾で傷つくことばかりを恐れ、彼女たちの気持ちなど、まるで考えていなかった。しかし、着任早々あんな目に遭わされたら、指揮官に疑念や反感を抱くのは、むしろ当然だろう。

 

 

「朝潮。提督はあの演習について、何もご存知ではなかったの。それを前以てしっかりお伝えしていなかったのは、私の責任です」

 

 

加賀さんがナイスフォローを入れる。その横顔は俺に対して、暗に何も喋るなと言っていた。確かに、事実関係だけ言えばその通りだ。黙っていればこの場は凌げる。でもそれじゃ、問題の解決にはならない。単なる先送りだ。俺はもう、まちがえたくない。

 

 

「あの演習を命じたのは、俺だ」

 

 

執務室の空気が固まる。

 

 

「提督?!貴方は何も・・・」

 

 

更に助け舟を出して来た大淀も遮って、俺は続ける。たとえ素人同然だろうと、目が腐ったボッチだろうと、ここショートランドの責任者は他の誰でもない、この比企谷八幡だ。

 

 

「加賀さんの言うことも本当だ。でも、最終的に許可を出したのは俺だ。だから、責めるなら俺を責めてくれ」

 

 

静まり返る室内。やだ、無反応とか怖い。

 

 

艦娘たちの視線が、見えない刃となって切りつけてくる。すると口を開いたのは、ビッグセブンのひとり。着任式を見学していた長門だ。

 

 

「ほぅ・・・さすがは艦娘兵器論を否定して、加賀と大淀を轟沈させただけのことはあるな」

 

 

「ど、どうしてそれをっ?!」(混声三部合唱)

 

 

壁際に居たひとりの艦娘が不自然に目を逸らすのを、俺は見逃さなかった。くっ!やっぱりお前か!

 

 

壁に耳あり障子に青葉(詠み人知らず)

 

 

「提督。そのお話、詳しく伺わせて頂きましょう」ニコッ

 

 

笑顔で臨戦態勢をとる赤城さん。他の艦娘たちも、軒並み目が据わっている。もともと着任時のゴタゴタで、セクハラ提督の称号を賜っている俺だ。もはや爆散させられる未来しか見えねぇ・・・((( ;゚Д゚)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼しま~す♥️」

 

 

と、その時、場違いな声と共に開く入り口。ん?何か聞き覚えが・・・

 

 

「どうもです!昨日付けでショートランド前進鎮守府に着任した()()()、一色いろはであります!てへ♪」(あざとく敬礼)

 

 

「・・・」(全員)

 

 

敢えて言おう。一色、やはりお前の入ってくるタイミングはまちがっている。




次回予告:そして今日もまた、ショートランドに着任した迷える艦娘がひとり。彼女がもたらすものは、新たな希望か、それとも内部崩壊か。

第12話:東京急行いろはす
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