艦娘たちとの乱れた関係を従軍特派員青葉に暴露され、比企谷提督ここに進退極まれり。彼の身を守るべく、准艦娘「いろはす」は決死の覚悟で戦闘海域に突入す。(大本営発表:原文そのまま)
「どうもです!昨日付けでショートランド前進鎮守府に着任した
変態提督の汚名を着せられ、ワンパン大破待ったなしの俺を救ったのは、執務室に迷い込んできた闖入者だった・・・って、一色?!
「ちょっとお前!こんなとこで何して・・・おるのだ?」
提督っぽい口調を保とうとして、見事に爆沈する。これがホントのキャラ崩壊・・・
「うわ、誰ですかそれ?あと私、准艦なんですけど」
「じゅん、かん・・・?」
意味不明な呟きを漏らす俺に、加賀さんが補足する。
「准艦娘とは、鎮守府の各種後方業務をサポートする艦娘です。確か、提督や秘書艦の負担を軽減するために新設されたポジションだったはず・・・」
そこまで言ったところで、お互いの存在を認識し合った一色と加賀さん。次に訪れるであろう場面を予想して、俺は思わず目を瞑った。
「げ!まさかあの時の弓道コスプレイヤー・・・?!」
「あ、貴女!まさかあの時のエセ那珂ちゃ・・・?!」
『「違います!!」』(仲良くデュエット)
驚きのあまり、一色は乙女が出してはいけない声を漏らし、加賀さんは美しい顔を僅かに紅潮させる。あれ?同時にビックリしたはずなのに、随分と扱いが違うな・・・まぁいいか。
ん?ちょっと待て。
「貴官、艦娘なのになぜ本名・・・なのですっぽい?」
だ、ダメだ。もう提督さんキャラの着地点が見えねぇ・・・
「え?だって私、改装受けてませんし」
は?艦娘って改装しなくてもなれんの?ってかあの一色のことだ。まさか自称なんちゃって艦娘じゃないだろうな?
「ぶぅ!思いっきり声に出てるんですけど!o(*`ω´*)o」
両手を腰に当て、
「私、艦娘適性よりも准艦適性の方が高かったんですよー」
「つまり、出来損ないということね」ボソッ
「・・・ということなので、宜しくお願いしますね、て・い・と・く」
誰かの呟きは華麗に無視して、小首を傾げながら両手を後ろで組み、お尻を突き出してあざとさ全開の一色。容姿だけなら居並ぶ艦娘の中でもトップクラスなだけに、艦隊のアイドルとして充分通用するだろう。いや、しちゃダメだろ!那珂ちゃんはどこ行ったのよ?!
「それより生徒会長はどうした?放り出したのか?」
もう、提督キャラなんて構ってられん。いつもの口調で問い質す。一色はこんな感じだが、物事を途中で投げ出すような中途半端なヤツではなかったはずだ。
「そんなの、雪ノ下先輩に丸投げ・・・引き継いだに決まってるじゃないですかー」
いま君、丸投げって言ったよね?
「それに、やはり私が生徒会長になるのはまちがっている、みたいな?」
あざとさの向こうに本心を隠しつつ、おどけた態度を貫く一色。これはつまり、話すつもりはないってことか。
「一色さん、でしたか。提督のお言葉ではありませんが、貴女本当に・・・?」
大淀が口を挟む。
「大本営から正式な辞令貰ってますから」
大淀に最後まで喋らせず、手にした紙をひらひらさせる一色。まるで、婚姻届に判を押せと迫られている気分だ。なにそれ超怖い。((( ;゚Д゚)))ガクブル
「仕方ありませんね。では部屋を割り当てますから、こちらへ」
連れ出そうとする大淀をスルーする、いろはす。(註:ギャグじゃありません)
「あ、大丈夫です。部屋要りませんので」
「は?野宿でもするつもりなのですか?まぁ、ここは熱帯ですし・・・」
それで納得しちゃうのかよ、大淀。
「いえ、提督の私室で寝泊まりさせて頂きますので♪」(海軍式敬礼)
「「「「何だと?!」」」」(艦娘一同)
どこから出したのか、可愛らしい枕を手に満面のスマイルを浮かべる前・生徒会長さん。当たり前のように俺の私室へ入ってゆく小柄な背中を見送る、鎮守府一同・・・
艦これ、始まるよ!
その後、枕を手に艦娘たちが押し寄せてきたのはなぜ?解せぬ。
と言うか今回のタイトル、正しくは「千葉急行いろはす」ではないかしら?(加賀さん)
次回予告:ショートランド前進鎮守府を襲った緊急事態。海を護る艦娘たちの真価がいま、試される・・・
第13話:い号作戦