やはり俺の艦隊ラブコメはまちがっている。   作:いろはす@

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第13話:い号作戦

一色いろはです。

 

 

ついにやって来ました、地獄の一丁目ショートランド前進鎮守府。鬼が出ようが姫が居ようが、恋する乙女は止められないのです!

 

 

せんぱいが提督になったと知り、私は直ぐに行動を開始しました。先ずは防衛省艦娘課にネット出願。続いて両親を説き伏せて、あとは艦娘適性検査に合格するだけ、と思っていたら・・・

 

 

まさかの「適性なし」判定。応募条件に頭脳明晰、容姿端麗って書いてあったのに、Why Imperial Japanese Navy?!

 

 

ヒロインを不合格にするなんて、いったいどんな二次小説?とぶりぶり怒っていたら、准艦娘に補欠合格。あ、これせんぱいには内緒です。

 

 

准艦は希望者が少ないそうで、せんぱいの名前を出したらあっさりここ、ショートランドに配属されました。こらそこ!ご都合主義とか言わないで!お話が進まなくなっちゃうから!

 

 

で、実際着任してみたら、女の子のレベル高!ロリ巨乳に黒髪パッツン少女、正統派和風美人に隻眼爆乳娘、つるぺたツインテールに果てはスク水姿で歩き回る変態娘まで・・・

 

 

それに、なんであのクリスマスイベントに出てた子までいるんですか?選り取り見取り、つまみ食いし放題の最悪な環境じゃないですか!最初につまむのは私にしてもらいます!せんぱい!

 

 

あ・・・オホン

 

 

そこで私は、せんぱいの私室を占拠・・・じゃなくて間借りして、いまはこうして机を並べて執務中なのです。それにしても、こいつら(かんむす)邪魔っけですねー。(棒読み)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった?

 

 

俺は何度目か知れないため息をつき、部屋を見渡した。秘書艦席には加賀さん。准艦席には一色いろは。ここまでは、まぁいい。

 

 

で、膝の上には夕立、右手には時雨、左手には鹿島。執務机の前には金剛型四姉妹や長門、不幸姉妹などが並び、その後ろにも空母娘や巡洋艦、駆逐艦がひしめいている。何なのこれ?とにかく近すぎ!

 

 

ソロモンの狼によるスクープ(通称青葉砲)があって以降、なぜだか俺に対する艦娘たちの好感度は爆上がり。結果、朝から彼女たちが大挙執務室へ押し掛けてくる異常事態に。ここ、ホントに最前線なのか?

 

 

ボッチのプロとしては、即まわれ右をして私室に帰りたいところだったのだが、そこ(私室)は可愛らしくデコレーションされ、一色のお部屋と化していた。そう、いま俺は、執務室のソファーで寝起きしているのだ。解せぬ。

 

 

「た、大変です!」

 

 

カオスが頂点に達しようとしていたその時、工作艦娘の明石が飛び込んできた。

 

 

「どうした?人生でそんなに慌てる必要がある出来事なんて、そうそう無いぞ」

 

 

どっかで聞いた言いまわしを丸パクリしながら、余裕を見せ、有能な提督を演じる。しかし、事態はそれどころではない、かなり深刻なものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「備蓄が消えた??」

 

 

空っぽの倉庫を前に、俺は呻いた。燃料、弾薬、鋼材、ボーキ、全てが一晩でゼロになるなんて、あり得ない。

 

 

「提督、実はですね・・・」

 

 

明石がおずおずと開いた工厰の扉の向こうには・・・うず高く積まれたペンギンさんの山と、その前に整列した艦娘たちの姿。

 

 

「戦艦大和、推して参ります!」

 

 

「フッ、随分待たせたようだな・・・大和型戦艦二番艦、武蔵。参る!」

 

 

「そう・・・私が大鳳。出迎え、ありがとうございます」

 

 

「Guten Tag」

 

 

「自分、あきつ丸であります」

 

 

「提督、ごきげんよう。潜特型二番艦伊401です。しおいって呼んでね」

 

 

順番に着任の挨拶を述べる新規艦娘たち。ほぅ・・・随分変わった趣向の着任式だな。また新入りさんが増えたのか・・・ってこの顔触れ、熔鉱炉レシピの激レアさんばっかじゃねぇか?!どっから来たんだよ?

 

 

すると、申し訳なさそうに真実を語り始める明石・・・

 

 

「新規着任した妖精さんたちが、大型艦建造ボタンを押しまくった?!」

 

 

「はい・・・ペンギンさんが出て来るのが楽しかったらしくて・・・彼女たち(大和以下6名)はその副産物です」

 

 

ってペンギンがメインかよ!

 

 

「まことに申し訳なし・・・」

 

 

「許してちょんまげ・・・」

 

 

「今回の件、水に流してやろう・・・」

 

 

項垂れる妖精さんたちに強く当たる訳にもいかず・・・若干1名、反省していないのがいるようだが。

 

 

「大本営に支援要請は出せないのか」

 

 

「手続きが煩雑で、実際に補給物資が届くのは来月になります」

 

 

いざと言うときに使えんな・・・

 

 

食糧はあるから、日常生活には支障がない。だが、艦娘としては行動不能ということだ。補給も整備も修理もNG。ショートランドは基地機能を失い、単なるリゾート地に成り果てた。つまり、南方の最前線に男子高校生がひとりと、小学生から女子大生までの乙女が数十人。十五少年漂流記かよ?

 

 

「こうなれば、遠征任務で資材を確保するしかありません」

 

 

大淀が提案するが、そもそも遠征に行くための燃料も足りない。それに、このピンチを一気に解消できる程の報酬が得られる遠征なんて、ない。

 

 

すると一色が、

 

 

「あ、そう言えば11周年記念とか意味不明な理由で、がっぽり物資をGETできる特別遠征任務の通知が来てましたよ」

 

 

少しは言葉を選んでね、いろはさん。

 

 

執務室に戻り、通信端末で確認する。手際良くキーボードを操り、メールソフトを立ち上げる一色。こうしたスペックは高いんだけどなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

件名:軍事機密!

 

 

From:大本営@gmail.com

 

 

To:ショートランド@yahoo.co.jp

 

 

添付ファイル:タニベzip

 

 

本文:11周年記念任務「東京急行(参)」開始!南方への鼠輸送作戦を大成功させよう!誰にでもできる簡単な任務なのです!ドラム缶も忘れないでね♪獲得ボーナスは、燃料・弾薬・鋼材・ボーキ各30万だよ。(≧∇≦)

 

 

 

 

 

 

なぜか、キリンとカワウソの画像ファイルが添えられていた。確かに意味不明だ。ってか、機密文書ってフリーメールにこんなノリでいいのか?

 

 

「燃料、弾薬、鋼材、ボーキ各30万・・・」

 

 

「これだけあれば・・・ショートランドはあと10年は戦えます・・・」

 

 

「東京急行なら・・・行けます!直ちに燃費のいい高練度の水雷戦隊を編成しましょう!」

 

 

俄然みんなが活気付く中、一色が水を差す。

 

 

「あ、でも備考欄に何か書いてありますよ」

 

 

 

 

追伸:この遠征任務に参加出来るのは、新規着任の低練度な艦娘だけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オワタ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どんな任務なんでしょう?」

 

 

「うん、楽しみだね」

 

 

初めての出撃任務に、私たちは興奮していた。招集されたのは、私と睦月さん、夕立さん、電さん、曙さん、そして神通さんの6人。私以外はまだ第1次改装も終わっていないから、たぶん簡単な任務なんだろうなぁ・・・

 

 

 

 

・・・と思っていた時期もありました。

 

 

 

 

揃って提督執務室に出頭すると、はちまんや加賀さんたちが待っていた。一色さんもいる・・・そして大淀さんが口にした命令は、

 

 

「い号作戦を発動します。旗艦神通以下、臨時第3水雷戦隊はドラム缶を満載して鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)に突入し、敵リコリス飛行場姫を撃破せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、無理ゲーの始まりでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の作戦、ちょっと名前に無理がないかしら?(加賀さん)

 

 

私の頭文字から取りましたー。(いろはす)




次回予告:初めての遠征先は、アイアンボトムサウンド・・・艦娘たちはそれを『くそげえ』と呼ぶ。

第14話:嵐の前
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