やはり俺の艦隊ラブコメはまちがっている。   作:いろはす@

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第37話:時雨改三

「比企谷提督、僕は・・・ここに居ても良いの、かな?」

 

 

不安げに問いかけてくるのは、特徴的な三つ編みをほどいた駆逐艦娘。大きな蒼い瞳が涙に揺れる。

 

 

彼女の指揮官としてはもちろん、返答に迷うようなシーンではないのだが、些かシチュエーションが微妙過ぎる。現在時刻は2300。場所は俺の私室でしかもベッドの上。非番の良い子はみんな、夢の中に居るはずの深夜だ。それがなぜか、目の前にはパジャマ姿の時雨。アニメの撮影中に第三次改装を終えていたから、色んなところが()()()()になっている。そしてそんな彼女が、涙目で弱々しく俺の袖を掴んでいるのだ。しかし何ら問題はない。俺の守備範囲は16~25歳。(大炎上案件)駆逐艦娘など、はなから眼中に・・・って君、その上目遣いとか本当に駆逐艦なのかな?憲兵さんコイツ()です!!あとR-18タグの追加お願いします!!(錯乱)

 

 

・・・そ、そう言えば、間もなく彼女の改三仕様美少女プラモデルが発売されるらしい。(現実逃避開始)もちろんベテラン艦これ提督としては、購入待ったなしではあるんだが・・・防衛上の理由から、ショートランドに入ってくる荷物は全て、明石と大淀のチェックを受けなくてはならない。つまり、俺のオンラインショッピングも中身はモロバレなのだ。いや、箱買いしたマックスコーヒーの段ボール箱を二重底にすれば、ワンチャン・・・ってかそれってもうほとんど、ご禁制品の密輸じゃね?

 

 

ならば、と送付先を実家に指定する手もあるが、それだと里帰りした時の小町の反応が怖い。提督とお兄ちゃんの誇り、こんなところで失うわけには・・・いや待て。諦めるには早すぎる。まだコンビニ受け取り or 宅急便営業所止めという奥の手が・・・ってそんなもの、こんな最前線には無いし。あれ?結局俺、時雨たん改三仕様買えないじゃん。(現実逃避失敗)

 

 

万策尽きた俺は、オーバーヒートした頭でぼんやり考えていた。こうなったらもう、お決まりの回想シーンへ逃げるしかないだろう、と。(禁じ手)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~約10分前~

 

 

こんこん。

 

 

夜の静寂(しじま)に響く控え目なノックの音。ん?こんな時間に誰だ?不審に思いつつ、俺は読みかけのラノベから顔を上げた。緊急事態ならば、内線で知らせてくるはず・・・何気なくドアを開けると、

 

 

「ひゃい??!」

 

 

そこには黙って俯く、パジャマ姿の時雨が居た・・・Why?変な声が出たのは無かったことにして、数秒遅れで歴戦提督さんスイッチを入れる。(おっそーい!!)

 

 

「どうした?部屋を間違えたのか?」

 

 

さらりと大人の対応を見せ、内心の動揺を押し隠す。彼女の様子を見れば、そんなわけがないことは分かりきっていたのだが。そもそも、執務室の奥にある提督私室へ、間違えて入ってくる艦娘など居るはずがない。いや、意図的に間違えたフリをしようとするやつは、これまでにも何人か居たな・・・(汗)

 

 

暫し無言で立ち尽くすふたり。気まずさMAXな状況だが、実はこれが初めてではない。先週も磯風や浜風、涼月にお冬さんなどが、不安を訴え執務室を訪ねて来た。さらにはあのしっかり者の矢矧や、気の強い霞までも。なんというギャップ萌え・・・ゲホゲホ!と、とにかくだ、その顔触れを見れば一目瞭然。そう、あのクソアn・・・

 

 

げふんげふん!あの神アニメのラストで全滅エンドを演じたメンバーたちである。あまりにも衝撃的な展開を強いられ、いまだ精神的に参っているのだ。いわば『いつ海症候群(シンドローム)』とでもいうべきものだろうか。ゆえに、そろそろ時雨もやって来る頃だろうとは予想していたが、まさか真夜中にパジャマで俺の私室へ突撃してくるとはな・・・(歓喜)

 

 

やがて、意を決したように顔を上げた彼女がぽつりと言った。

 

 

「提督・・・ぼ、僕と一緒に寝てほしいんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい?( ゚д゚)ポカーン アナタハイッタイナニヲオッシャッテイルノデセウ?(深海八幡棲姫 -壊-)

 

 

比企谷八幡、社会的に轟沈す(死す)!!やっぱり時雨みたいな妹と一緒に寝てみたいだけの人生だった・・・いや、俺には小町が・・・でもあいつ、小3ぐらいまでは毎晩俺のベッドに潜り込んで来たのに、いつの間にかご無沙汰になっちまったんだよなぁ。(あたりまえ)お兄ちゃん、そんなに嫌われるようなことした覚え・・・あるわ。

 

 

「うむ、所属という意味合いなら、居ても良いに決まっている。お前はここ、ショートランド基地の大切な一員だからな。ただし、いま居るべき場所は自室のベッドだ。消灯時間はとっくに過ぎているぞ」

 

 

即座に年長者として模範的な解答を口にする比企谷提督。いまの八幡的に超ポイント高い。そして俺の返事を聞き、見るからに絶望的な表情を浮かべる時雨。てかあなた、最初から全然帰る気ないよね?

 

 

さらに説得する言葉を探していたら、再び彼女は俯いた。その拍子に乱れた黒髪が細い肩に広がり、ちょっとエロ・・・ゲホゲホ!憲兵さんD事案です!てかやっぱりコイツ()です!

 

 

「わかったよ、提督。迷惑かけてごめんなさい」

 

 

ん?やけにあっさり退くな。俺の脳内で再生される『R-18劇場版艦これ(仮)』とは正反対の、沈んだ声で告げる時雨。まあ、こちらとしては願ったりなんだけど。もっと粘られることも覚悟していたんだが、改三になって聞き分けも良くなったのかな?

 

 

が、続く彼女の呟きに、俺は愕然とした。

 

 

「やっぱり僕は要らない子なんだね。なら、轟沈してどこかの知らない鎮守府に転生したって、どうせ・・・」

 

 

全てを諦めたような声色と、乱れた黒髪から覗く表情に、気付けば思わずその手を掴んで引き寄せていた。鼻先を掠める微かな甘い香り。汗とシャンプーが混じりあったのだろうか。そう、これは艦娘のメンタルケア。提督の職域に含まれる立派な公務なのだ。八幡、ウソツカナイ。ホントダヨ?(深海化)

 

 

「提督・・・?」

 

 

まさか引き留められるとは思っていなかったのか、一瞬きょとんとする時雨。こちらに引き寄せた弾みで、パジャマの胸元から白い膨らみが見えたような気がした。(ワンアウト)

 

 

「今夜は眠るまでここに居ても良いぞ。ただし、二度と轟沈するなんて言わないでくれ。それが条件だ」

 

 

涙に濡れた時雨の瞳を真っ直ぐ見詰め、俺は言った。この思いを伝えるために目力を込め、決して視線は逸らさない。隙を突かれたような表情の時雨は、何も言わずに見詰め返してくるばかり。だが、このまま帰す選択肢などない。てか、あんな顔を見せられて、放っておけるはずがない。なお、下手に視線を下げると彼女はパジャマだけなんで、色々と透けたり見えたりで大問題だったりもする。(手遅れ)

 

 

それに・・・だ。時雨にあんなことを言わせてしまうなんて、指揮官たる俺の責任。いまだヘタレの万年佐官提督ではあるが、配下の艦娘はひとりも沈ませないと決めている。ここは譲れません。

 

 

え?そもそも佐官は提督じゃ無いだって?そういうツッコミは、大本営か作者にしてくれ・・・

 

 

心の中の加賀さんがドヤ顔を決めたところで、時雨は糸が切れた人形のように倒れかかってきた。文字通り、緊張の糸が切れたのだろう。

 

 

「有り難う、提督・・・」

 

 

俺にもたれかかりながら微かな声で囁くと、時雨はゆっくり目を閉じた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ってだからそこで『提督との絆』を流さないで!さっきも言ったでしょ?!これはケッコン初夜・・・ゲーホゲホ!!じゃなくて艦娘のメンタルケアなんだから!変な妄想は止めて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CM放送中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ・・・小さく息を吐いて、俺は時雨の身体から離れた。互いの体温で肌が張り付く感覚に、思わず声が漏れる。ほぅ、これが思春期少女の柔肌か・・・(ツーアウト)

 

 

え?何か問題でも?ああそうさ。俺に抱き付いたままの姿勢で、やっと時雨が眠ってくれたから離れたんだよ。だから変な妄想は止めてって言ったよね?!

 

 

「さてと・・・」

 

 

涙の跡が残る彼女の寝顔を眺めつつ、善後策を検討する。朝までこのまま寝かせておく、なんてのは論外として・・・お姫様抱っこで駆逐艦娘寮まで運ぶか?こんな深夜なら、見咎められることもあるまい。だがそんなことをしたら、インドア派の俺の腰がもたないまである。あれってかなりキツイのよね。(経験談)それに、どうせ途中で川内あたりにばったり遭遇して、試製61cm六連装酸素魚雷をぶちこまれる展開になるのは目に見えている。俺は詳しいんだ。ならば、誰かに時雨を運んで貰うしかない・・・

 

 

私室から執務室へ移動した俺は、散々迷った挙げ句、とある艦娘の部屋へ内線を繋ぐことにした。最近、戦闘シーンが無いから忘れがちだが(手抜き)ここは南方の最前線基地。誰もが、いざという時の緊急招集には備えているはずだ。ゆえに、深夜の迷惑電話も許されるのである。以上、言い訳終わり。

 

 

え?時雨を騙したのかだって?いやいやいや、人聞きの悪いことは言わないでくれ。さすがにいくら俺が捻デレぼっち(他称)でも、そんな酷いことはしない。てか、彼女との約束は果たしたし。言ったはずだぜ?『今夜は()()()()ここに居ても良い』と。だから何もウソはないのだ。以上、証明終わり。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

「はい、こちら加賀です」

 

 

ワンコールで相手は出た。さすがは常在戦場の一航戦。なお、電話の向こうの加賀さんは、ショートランドに居る3人の同型艦のうち、以前俺をスカウトしに遥々総武高校までやって来た例の彼女である。て言うか、あとのふたり(雪ノ下姉妹)が内地に帰投中で助かったぜ。もし彼女たちがここに居たら、いまごろ俺はロリ谷提督呼ばわりされ、執務棟ごと消し飛ばされていたに違いないまである。(恐怖)

 

 

「うむ、夜分遅くに済まない。実はD事案・・・じゃなくて、その、ちょっと喫緊の用件なのだが」

 

 

内容が内容だけに、いきなり用件の詳細を伝えるのは憚られたため、何か含みのある話し方になってしまった。

 

 

「はい、どのような任務もこなしてみせます。どうぞ、ご命令を」

 

 

力強い加賀さんの声。うん、これなら安心して任せられるだろう。やはり俺の人選はまちがっていない。

 

 

「頼もしいな。では、これから私の部屋まで来られるか?」

 

 

「なっ・・・?!さ、3分で行きます!」

 

 

ずいぶん速いな。まさか高速タービンとか積んでこないよね?こんな夜更けに最大戦速で来られた日には、わざわざ慎重派の彼女を指名した意味が無くなってしまう。

 

 

「いや、そこまで急ぐことはない。むしろその・・・周囲に気取られないように頼みたいのだ」

 

 

あまり派手に動いて、時雨を起こしてしまうのもかわいそうだしな。が・・・

 

 

「・・・」

 

 

なぜか暫しの沈黙。あれ?回線切れちゃった?

 

 

「・・・わかりました。ちなみにその、どんなコスプ・・・ケホケホ!装備(格好)がお好みでしょうか?」

 

 

「む?いや、取り立てて何も必要ないが・・・」

 

 

「なんっ?!ま、まさか何も必要ない(全裸で来なさい)・・・と?さすがに気分が高揚します」ザザッ

 

 

回線の調子が悪いのか、彼女の返答はあまりよく聞こえなかったが、取り敢えず用件は伝わったようだ。あとは念のため、フォローはしておくか。こんな時間にひとりで俺のところに来るのは、さすがに気まずいだろうし。

 

 

「もちろん、赤城あたりを連れて来ても構わないぞ?遠慮はするな」

 

 

「なっ・・・?!ま、まさかいきなり3Pとは・・・ケッホケホ!少し複雑な気分だけれど、でもいいの。赤城さん、先にイッて、待っているわね・・・」ザザザッ

 

 

やはり途中から雑音が酷くてよく聞こえなかったが、まあ大丈夫だろう。(ダメ!絶対!)

 

 

「いえ提督。お気遣いには及びません。ひとりで大丈夫です。一番槍は是非、この私が」

 

 

何か会話が噛み合っていないような気がするが、それこそ気のせいだと思う。たぶん、メイビー。

 

 

「では頼む」

 

 

「了解しました。それなりに期待しているわ」ボソッ

 

 

なにやら気になるひと言を残して、彼女は通話を終えた。

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・一航戦加賀、参りました」

 

 

本当に3分足らずで現れた加賀さん。マジか?さすがと言って差し上げますわ。

 

 

「うむ、入りたまえ。遅い時間に済まないn・・・ひょ?!」(*゜д゜*)

 

 

鍛え上げた歴戦提督さんスイッチが、一瞬でオーバーヒートする。えっと加賀さん、あなたちょっと装甲薄すぎじゃありません?浴衣ならぬ肌襦袢?ってどういうチョイスよ?て言うか、深夜にこの格好で加賀さんが執務室へ入るところを誰かに見られたりしたら、やはり俺の提督人生が終わる。まさに前門の加賀さん、後門の時雨。

 

 

全力疾走してきたのか、彼女の息は上がり、頬は微かに上気して、白い首筋はうっすらと汗ばんでいる。すらりとした全身から匂い立つ、正規空母の魅力。もはや自分でも、何を言っているのかよく分からない。素数を数える程度では、平常心を保つのは不可能だ。一刻も早く用件を済ませてお引き取り願わねば、D事案の発生待ったなし。我、夜戦に突入す!(ダメ!絶対!)あ、ちなみにD事案のDはデンジャラスのDね。

 

 

「あの、そんなに見詰められると私・・・感情表現が・・・その・・・私、これでもいま、とっても恥ずかしいのですけれど」

 

 

んなこと、言われなくても分かるわ!てか、恥ずかしいならなんでそんな格好で来た??

 

 

「身だしなみを整える暇もなかったのか?いくら緊急招集とは言え、加賀らしくない失態だな」

 

 

ようやく機能が回復した歴戦提督さんスイッチをオンにする。やはり俺の提督人生はまだ終わっていない・・・よね?

 

 

「いえ、これはご命令に従ったまでです。一部、拡大解釈はしましたが」

 

 

そんなご命令出してねぇよ?!だいたい、どこをどう拡大解釈したらその格好になるの??色々と限界に達しつつあった俺は、表面上は顔色ひとつ変えず本来の用件へ戻ることにした。

 

 

「そうか。では早速だが任務の内容を伝える。実はな、君にある艦娘の輸送を頼・・・」

 

 

「提督、どこ・・・?」

 

 

その時、俺の私室のドアが開き、眠っているはずの時雨がひょっこり姿を現した。Why Japanese Kanmusu?どうやら寝ぼけているらしい。つか、何というバッドタイミング・・・ほどけた黒髪はまるで()()のように乱れ、パジャマのボタンはいくつか外れて見事な中破グラフィックである。ヲワタ・・・

 

 

いつもの顔(無表情)に戻った加賀さんが、鋭い眼光で俺を射貫く。

 

 

「・・・はぁ・・・それなりに期待した私が馬鹿だったわ」

 

 

 

 

 

やはりこうなった・・・(;´д`)トホホ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういうことでしたか。いつ海などと言う作品は知りませんが、時雨たちの状況でしたら、同じ艦娘として思うところがあります。先にお話して下さったら良かったのに・・・」

 

 

すやすや眠る時雨をおんぶした加賀さんが、ジト目で睨む。いや、さっき話を聞こうとしなかったのは君の方だからね?

 

 

あの後、お約束通り問答無用で攻撃隊を発艦させようとした彼女だったが、幸い艤装を付けていなかったため(つか、ほぼ下着のみ)危うく俺は難を逃れた。そして事情を説明し、再び寝てしまった時雨を押し付け・・・ゲホゲホ!任せたところだ。

 

 

あと、念のため付け加えておくが、いま加賀さんは、さっきまで俺が寝間着代わりにしていた学校ジャージの上下を着ている。さすがに、あの格好で帰らせるのはまずいからな。一航戦の誇り、こんなことで失わせるわけには・・・(意味不明)んで、当然俺は真っ白な第二種軍装姿。だって仕方ないだろ!他にまともな私服が無いんだから!

 

 

やっぱ泣ける・・・

 

 

あと、ジャージのサイズが大きすぎて萌え袖になっている加賀さんを見て、さすがに気分が高揚している俺ガイルのは内緒。(またもD事案)

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

「では頼んだぞ。私の着ていたジャージなど不愉快極まりないだろうが、他にめぼしいものが無くてな。ここは時雨に免じて堪えてくれると助かる」

 

 

嫌悪感からか、頬をやや赤らめている彼女へ最大限の謝罪をしておく。指揮下の艦娘に、自ら脱ぎたてほやほやのジャージを着用させる提督。つかどんなプレイだよ、それ。(通報待ったなし)

 

 

「とんでもありません。むしろ(提督の匂いに包まれて)さらに気分が高揚します」

 

 

「う、うむ・・・」(?)

 

 

「それでは、失礼します」

 

 

くるりと背中を向け、ゆっくり歩き出す加賀さん。その拍子におんぶした時雨の身体が少しずり落ち、白い下着が丸見えになる。そしてそれを速攻で脳内隠しフォルダーへ保存した俺ガイル。(スリーアウトチェンジ)

 

 

「・・・提督・・・いつか、いつかあの海で・・・ううん、なんでもない、なんでもないんだ・・・」ムニャムニャ

 

 

歩み去る加賀さんと、その背中でなにやら寝言を口にする時雨を見送りながら、俺は考えていた。珍しく今回はオチがなかったな、と。(油断大敵)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ 翌朝 空母艦娘寮 ~

 

 

「おはよう加賀さん!そろそろ夏イベントだし、演習しようよ!!今日こそは負けないんだから・・・あれ?まだ寝てる?」

 

 

「ず、瑞鶴・・・!ちゃんとノックをしなくてはダメよ!」

 

 

朝から大先輩の部屋に押し掛けるツインテ空母娘と、そんな妹の行動を嗜める常識派の姉。いつもの五航戦である。

 

 

「別に大丈夫だよ、翔鶴姉。ん?加賀さんってジャージで寝てるんだ。なんか意外・・・」

 

 

先輩の思わぬ寝姿に、不思議そうな表情を浮かべる瑞鶴。そう、昨夜加賀さんは時雨を送り届けたあと、提督の生ジャージを堪能しつつ、そのまま寝落ちしてしまったのである。つまり、いま彼女が着ているのは・・・

 

 

「あんまりじろじろ見ては失礼よ、瑞鶴。演習の件は、またあとにしましょう」

 

 

暗に撤退を示唆する姉。妥当な判断である。本当なら、これで話は終わりのはずであったのだが・・・

 

 

「うん、分かったよ、翔鶴姉・・・あれ?加賀さんのジャージ、なんか提督さんの匂いがする・・・」

 

 

次の瞬間、無邪気に鼻をくんくんさせる妹の背後で空気が凍り付く。やがて重たい雰囲気を纏った姉が、ぼそりと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・なんですって?」ボソッ(濁った瞳)

 

 

「しょ、翔鶴姉・・・?ひぃ?!」ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府の一日は、まだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ おまけ ~

 

 

「おはようございます。あら加賀さん、ジャージなんて珍しいですね。いったいどうしたんですか?」

 

 

「あ、赤城さん?!こ、これは、その・・・そう、私物よ。昔からずっとお気に入りなの」

 

 

「そうですか。ではなぜ、胸元に提督のお名前が?」

 

 

「くっ・・・!雷撃処分、して下さい・・・」

 

 

「それ、私のセリフですよ・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「て言うか今夜から俺、なにを着て寝ればいいんですかね?」




次回予告:再びの冬祭り
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