やはり俺の艦隊ラブコメはまちがっている。   作:いろはす@

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【前回までのあらすじ】

学校の購買で手に入れたカレーパンを食べていた俺、比企谷八幡は提督に抜擢され、迎えの加賀さんに連れられて自宅へと向かう。(自分でも何を言ってるのか意味不明)


第4話:艦娘はトイレなんて行きません!

たまたま家に居た両親と小町は、加賀さんを連れて早退して来た愚息の姿に泣いて喜んだ。解せぬ。

 

 

「あらやだ、私もうお婆ちゃんになっちゃうの?」

 

 

「八幡、養われるのもまた、男の甲斐性だぞ!」

 

 

「ゴミいちゃんがとうとう・・・こんな上玉を・・・」

 

 

待て待て待て!未来の専業主夫を標榜する息子が、生活力のあるお相手をGETして来たとか盛大に勘違いしてませんか?いや、実際加賀さん頼もしいし、それもアリかも。

 

 

あ、向こうからお断りですかそうですか。それより小町ちゃん、上玉なんて言葉、何処で覚えたのかな?お兄ちゃん、色々と心配になっちゃうからね。

 

 

そんな俺の隣で、加賀さんが手短かに事情を説明すると、さすがに家族たちの表情が改まる。暢気な青春ラブコメの日々に忘れがちだが、今は戦時下なのだ。

 

 

「加賀さん、だったかしら?八幡を宜しく頼むわね」

 

 

やけに嬉しそうな様子の母が言う。我が親ながら、もうちょっとその、しんみりした感じには出来ませんかね?

 

 

「はい。私にとって大切な方です。健やかなる時も、病める時も、全力で彼を支えてゆく所存です」

 

 

加賀さんは、どうも天然で誤解を生む言い回しをするのが癖らしい。これじゃ明らかに、俺がお婿に行く展開だ。このままだと今に「息子さんを下さい」とか言い出しかねない。

 

 

「うむ、貴女になら安心して息子を任せられそうだ。頼みましたぞ・・・」

 

 

自らを納得させるように何度も頷きながら、涙と鼻水を堪え切れない様子の父。これはこれで、何と言うか・・・

 

 

「は!この身に代えましても!」

 

 

凛々しい敬礼を見せる彼女の姿はやはり、最前線に立つ艦娘そのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「加賀さんを泣かせるなよ、八幡!」

 

 

「気をつけてね。夜もしっかり励むのよ!」

 

 

「な・・・?!」(俺+加賀さん)

 

 

玄関で見送りを受けたが、どうにも調子が狂う。まぁ、これも両親なりの気遣いなのは分かっていたが。何しろ、息子が戦場に行くのだから。

 

 

急な話でまだ現実感はないものの、漠然とした不安を抱いていた俺は、努めていつも通りに振る舞った。だが、小町だけは最後まで伏し目がちなままだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、慌ただしい挨拶と準備を済ませ、俺は空を飛んでいた。加賀さんと一緒に。あ、別に中2病を拗らせた訳じゃない。現実だ。あれから二式飛行艇に乗せられて、任地の鎮守府に向かって絶賛フライト中。ストライクウィッチーズで、宮藤軍曹が欧州行きに使っていたあれだ。

 

 

広い機内にいるのは、俺たちふたりだけ。あとはぎっしり並んだコンテナの数々。中身は知らん。どうやらこの飛行艇は、補給品を運ぶ定期航空便らしい。んじゃ、俺も補給品扱いなのね。で、操縦は妖精さんが担当しているとか。やはり解せぬ。

 

 

手元には、急いで詰め込んだ私物で膨れたキャリングケースがひとつ。予備のマックスコーヒー足りるかな。まぁ、荷物の大半は、後で送ってもらえるらしいけど。

 

 

「それで、何処に行くんですか?」

 

 

さっきからずっと気になっていた本題に入る。そう、俺はまだ任地の場所すら聞いていなかったのだ。

 

 

「南方ソロモン海域の最前線、ショートランド前進鎮守府です。あと、私たちに対して敬語は必要ありません」

 

 

は?あなた今なんと?

 

 

目が点になるとは、まさしくこのことだ。ど素人の俺を、いきなりどこに送り込もうとしてるんだよ?アイアンボトムサウンドのお隣さんだろ、あそこ。危険度三つ星鎮守府じゃん。大丈夫か、大本営・・・

 

 

が、目下のところ、それよりも気になっていたのは、隅っこにあるトイレだ。目隠しと呼ぶにはお粗末過ぎるカーテンがぶら下がってはいるが、ほぼ丸見えなんですけど。まさかあれで用を足せと?

 

 

今ごろになって、離水前にマックスコーヒーをがぶ飲みしたのを思い出す。そろそろまずいかも知れない。モジモジしていたら、不意に加賀さんが立ち上がった。自然な足取りで向かう先は・・・

 

 

反射的に首の骨が鳴る勢いで後ろを向き、全神経を集中させて外界の音をシャットアウトする。そう、即座に俺は耳の穴を閉じたのだ。(宇宙人ジョーンズ)何も聞こえない。聞こえたりはしない。なんせ俺は紳士だからな。そしてアイドルと艦娘はトイレなんて行かない。(世の真理)

 

 

まぁ、元々四つもある発動機がうるさくて、聞こえるはずはないんだが。え?何がだって?そりゃ奥さん・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「報告!敵戦闘機、我が方に急速接近中!」

 

 

馬鹿げた思考は、緊張した飛行妖精さんの声に破られる。否応なしに、俺の提督業が始まった瞬間だった。




【次回予告】任地への赴任途中に、深海戦闘機の襲撃を受けた八幡と加賀さん。反撃手段はない。だが、絶望的な状況の中に見えた一筋の光。そして窮地を乗り越えるため、ふたりは空の上で『合体』するのであった・・・

第5話:初めての共同作業
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