「お待ちしておりました、提督」
車を降りた俺を出迎えたのは、軽巡洋艦大淀。ブラック鎮守府モノ定番の配役である。さてと、先ずは彼女を堕とし・・・じゃなくて味方につけるとしますか。(やる気満々)
葉山パパとの面会後、俺は直ちに新しい任地へと出発させられ、ここに至る。結局、愛しの小町とは会えずじまい。あれ?これってまさか、俺自身がいちばんブラック鎮守府とかいうオチ??(大どんでん返し)
「うむ、ご苦労。本日付けで着任した比企谷だ。まさか、鎮守府の頭脳たる大淀が出迎えてくれるとはな」
さらりと名前呼びしながら、お前の能力を認めているぞとアピールすれば、不遇の身を嘆いていた彼女などイチコロのはず・・・だがしかし。
「はっ!お褒め頂き恐縮です」
きびきびとした態度で応じる大淀に、こっちは戸惑うばかり。あら?なんか様子が普通じゃね?まさか彼女が、艦娘同士の壮絶な実弾演習に勝利して出迎え役の座を勝ち取っていたことなど、俺が知る由もない。なお、この演習で鎮守府の通常備蓄がほぼ吹き飛んだ模様。(笑)さて、案内された各施設はきれいに掃除が行き届き、すれ違う艦娘たちも規律正しく敬礼をしてくる。妖精さんの数も多く、どこから見てもホワイトマシマシのノーマル鎮守府である。うん、実に素晴らしい。さすがは栄光の日本海軍。
・・・いやちょっと待って?!ここはドックも執務室も荒れ放題で、澱んだ目をした第六駆逐隊や、敵意剥き出しの天龍ちゃんなんかとエンカウントするのが流れなんじゃないの?(二次小説の読みすぎ)事前に渡されていた資料によれば、提督が短期間で次々と辞任に追い込まれ、所属する艦娘はみな、とある重大な問題を抱えているとのことだったんですけど・・・俺のブラック鎮守府はいずこにありや?全世界は知らんと欲す。
「どうかなさいましたか?提督」
眼鏡をクイッと持ち上げながら、小首を傾げる大淀さん。控え目に言って、かわいい。
「なっ?!か、かわいい・・・?」
い、いかん。早速、俺の
「気にするな。これも様式美だ」
「は、はぁ・・・?」
やがて一通り鎮守府の中を巡り終え、執務室へ到着する。ちょうど作戦から帰投した艦娘たちが居たので、顔合わせも兼ねて報告を受けることにした。さぁ、どんと来いブラック鎮守府!お前たちの闇を、見せてみろ!いよいよ始まる伝説を前に、俺はキラキラ&キャラ崩壊状態だったのだが・・・
「初めまして。二水戦旗艦神通以下6隻、哨戒任務より帰還しました」
凛とした雰囲気で敬礼する、神通さんたち華の二水戦。あまりにそれらしくて、ツッコミどころ無し。
「うむ、ご苦労だった。これから宜しく頼む」
「「「「「「はっ!」」」」」」
仕方なく?それっぽい対応をすれば、きれいに重なる六つの答礼。気になる点など、どこにもない。これ以上、どうしろと言うのです?
「提督、MVPの選定をお願い致します」
極めてスムーズに進む一連の作業。大淀から受け取った戦闘詳報にざっと目を通すと、俺は告げた。
「MVPは駆逐艦夕立だな。雷撃カットインを決めて敵旗艦を撃沈するとは、さすがソロモンの悪夢だ」
「やった~!提督さん、褒めて褒めて~!」
さらりと二つ名を織り交ぜて評価すれば、嬉しそうに飛び付いてくるぽいぽい。うん、やっぱかわいい。周りのメンバーも、彼女へ温かい眼差しを向けている。初対面でこれだけフレンドリーなら、もう帰ってもいいかな?いいよね?
条件反射で夕立の頭を撫でながら、俺は早くも心の中で任務達成ボタンを押していた。ところが・・・
「ぽい・・・」
なぜか不満げに頬を膨らませる夕立。あれ?どうしてナデポしないのかな?まだ足りない?
「どうした?」
「その・・・もっと・・・っぽい」
なぜだかもじもじしながら、途切れ途切れに言葉を発する夕立。あいにく俺は難聴系主人公ではないのだが・・・なるほど。ははは、このわがままな恥ずかしがり屋さんめ。(早とちり)まるで小さい頃の小町みたいだ。微笑ましいものを見るような気持ちで、さらに彼女の頭を撫でるが反応は芳しくない。Why?
「えっと・・・もっと違うところを撫でて欲しいっぽい・・・」
「違うところ・・・?」
思わず問い返すと、不意にトロ~ンとした瞳を向けてくるぽいぬ。居並ぶメンバーの空気も、一瞬でねっとりしたものに変化する。何が起きた?
「その・・・だから夕立、穿いてないっぽい」
・・・は?あなたいまなんと?ハイテナイ?パンティー、オイテケ・・・(深海八幡棲姫 -壊-)
「提督。夕立さんは、戦闘後の火照った身体をあなたの手で
戸惑う俺に、横から大淀がフォローを入れてきた。ほぅ・・・って待て待て待て!艦これって、そんなエロゲーみたいなコンテンツだったっけ?確か艦娘を中大破させて脱がすだけのゲームでしょ?て言うか最近のイベントって、道中で一撃大破するんですけど何なのあれ?都市伝説じゃなかったの?
内心の動揺を抑え、歴戦提督さんスイッチを入れる。ふむ・・・火照った美少女の身体を、俺の手で
そう言われてみれば、心なしか夕立のスカートが短いような気もする。(狂喜乱舞)で、その下は・・・MVPのご褒美が、まさかまさかの『艦娘パンしゃぶ』なんですね有り難うございます。(錯乱&一斉検挙)
「ほぅ・・・ずいぶんとユニークなスキンシップだな」
だが、危うく俺は踏みとどまった。ふむ・・・どうやらこれは
「余興はここまでだ。そろそろ夕食の準備に取り掛かりたまえ」
「ぶぅ~!余興なんかじゃないっぽい!」
「そうか。なら、続きはあとでゆっくり聞こう」
「!!わ、分かったっぽい・・・」
敢えておとなの対応を見せれば、夕立はあっさり引き下がった。ほらな?チョロいもんだぜ。
「お疲れ様でした、提督。それでは失礼致します。どうかごゆっくり、お楽しみ下さい」
大淀の敬礼に見送られ、俺はあてがわれた私室へと足を踏み入れた。結局、夕立の
とにかく、これでは仕事にならない。お手上げだ。何しろ、ブラック要素が全く見当たらないのだから。さすがの俺も、こんなブラック鎮守府モノは読んだことがない。ん?読んだこと?
このまま何も成果を挙げられなければ、少佐への降格人事待ったなし!さて、どうしたものか・・・
手荷物として持ち込んだマッカンを片手に、ベッドへと歩み寄る。何事もなかったとは言え、やはり慣れない新任地。結構気疲れしたから、事実の究明は明日にして、今夜はさっさと寝よう・・・
「続き、お願いしに来たっぽい」
「ぶふっ?!?」
掛け布団を捲った瞬間、盛大にマッカンを吹き出す。そこには、下着姿のぽいぽいが横たわっていた。赤い瞳を光らせて。Why?そう言えばついさっき、大淀は言っていた。どうかごゆっくり、
妄想でも二次元でもない、三次元の艦娘がそこに居た。やはり俺は、
妖しく光るぽいぽいの瞳。嫌でもその瑞々しい肢体が目に入る。ほぅ・・・下着は上下とも無地のグンゼか。(ガン見)ははは、やはりまだまだお子様だな。ジュニア用の下着なんて、小町で散々見飽きているんだ。
「夕立、少し悪ふざけが過ぎるぞ。私は何とも思っていないから、早く自室に帰りなさい」
今度は敢えて子供扱いすれば、おとなしく引き下がるだろうと思ったのだが・・・残念ながら目の前に居るのは最愛の妹、小町ではなく、無垢な小悪魔だった。
「ウソ!だって提督さん、テント張ってるっぽい!」
まあ!なんてはしたないことを?!お兄ちゃん、そんな妹に育てた覚えはありませんよ?
「夕立、突撃するっぽい!」
ちょま?!ストォーップ!お巡りさんこの娘です!つか『母港に撤退ボタン』どこ?!
「のわっ?!」
避ける暇もなく飛び込んできた彼女の勢いに押され、体勢が崩れる。伸ばした右手に触れた何かを、咄嗟に俺は掴んだ。
「ぐはっ?!あつつ・・・マジかよ」
無様に尻餅をつき、痛みを堪えつつ視線を上げれば・・・なぜか下半身
「ぽい・・・♥️」
へなへなと崩れ落ちる夕立改二。ヤッちまった・・・不可抗力とは言え、艦娘のパンティー剥ぎ取っちゃったよ。憲兵さん事件です!(他人事)でも大丈夫。こんな夜更けに目撃者など、居るはずが・・・
「ひょ?!」
・・・居たっ?!ふと視線を感じて上を見ると、天井の隙間から覗く目。なぜか半裸の川内姉さんである。てかあなた、最初からずっと盗み見してたのかな?
「さすがだね、提督。まさか着任
言いながら、ひらりと音もなく飛び降りて来る川内。特徴的な改二の制服は、なぜか激しく乱れている。特に胸元は大きくはだけ、白いマフラーでギリギリ隠れているだけ。だからWhy?
「夜はいいよねぇ・・・夜はさ。あ!提督もなかなかイイよ?だから今夜は一緒に夜戦・・・しよっ?」
だから「カ~ンチ、夜戦しよ?」みたいな乗りで言わないで!俺の
目だけ笑っていない川内姉さんと対峙しながら、俺は思考を巡らせる。このままじゃ、確実に犯られ・・・ゲホゲホ!殺られる。逃走しようにも、彼女の索敵能力を振り切ることは難しいだろう。捻デレぼっちの
「ねえ・・・提督、私のこと嫌い?いや好きだよね?こう見えて私、結構
何が、とまでは言わず、じりじりと間合いを詰めて来る川内。次第にその目がヤンデレっぽい色を帯び始める。まずい・・・こんなところで深海化でもされたりしたら、最強の軽巡性器・・・ゲフンゲフン!ならぬ軽巡棲姫の爆誕待ったなし!
「ん?」
ふと、空いた左手が何かに触れた。無意識に引き寄せると・・・こ、これはっ?!
「提督、どうしたの?そんなに追い詰められた顔して・・・はっは~ん、さてはやっぱり私と夜戦したいんだな?このエッチ」
エッチなのはどっち?!だが韻を踏んだ渾身の返しも空しく、一気に突っ込んでくる夜戦バカ。俺は即座にスイッチを入れ、左手を突き出した。
「あん♥️」
Critical hit!必殺の一撃は、狙い過たず川内の
膝から崩れ落ちた川内姉さんを一瞥し、そっと私室を抜け出す。俺は、生き延びることが出来るか。
思った通り、外部との連絡手段は絶たれていた。反応が無い受話器を置き、ため息をつく。パソコンは電源が落ち、スマホも圏外。完全に孤立したらしい。まさかとは思っていたが、明らかにこの状況は人為的なもの・・・
「どういうことでしょう・・・提督のお姿を見たら、身体が火照って来てしまいました・・・」
「ひゃ?!」
小さな呟きに振り向けば、暗がりに立つのは浴衣姿で中破した神通さん。明らかに、
本能的に危険を感じて、電マ(治療用)を構える。あ、これ間違って持って来ちまったぜ。
「まだ・・・この神通は沈みません!もう一戦くらい、できます!」
いや、もうできなくていいですから!
「あの・・・提督、私のことはお嫌いですか?」
奇しくも、夜戦好きな姉と同じ内容を口にする生真面目な妹。涙目&上目遣いの強烈コラボだ。そして悲しいかな、一瞬棒立ちになる
「どひゃ?!」
「油断しましたね。
やはりこうなるな・・・(汗)この機を逃さず突進してきた神通に、敢えなく俺は押し倒された。頼みの電マが左手からすっ飛んでいく。
「あの・・・提督・・・そんなに触られると、わたし混乱しちゃいます・・・」
マウントポジションで俺の腰に跨がった神通が、切なげな声で続ける。いやだから触ってないって!いや正確には触るどころか密着してるけど、3秒以内ならセーフだよね?そう、これは単なる
もはや我が12cm単装砲は暴発寸前。うん、でもこのお話は本格艦隊シミュレーションゲームの二次小説だからハーメルンの規約にも反してないし、もう発射しちゃって良いよね?(絶対ダメぇぇぇ!!)
「ひゃ?!」
突然、俺のズボンの前ポケット付近が激しく震動した。そしてそこはちょうど、彼女が跨がっている辺りで・・・
「はぅ?!♥️」
Critical hit!!神通の華奢な身体が仰け反り、大きなヘアリボンが揺れた。はい、リアル一撃大破ですねごちそうさまでした有り難うございます。ふぅ・・・(最敬礼)え?いやだから違うってば!俺は
「ふぅ・・・」
轟沈した神通さんの下から這い出すと、俺はズボンの前ポケットから、いまだにバイブレーションし続けるスマホを取り出した。どうやら、Androidあるあるの電源トラブルらしい。そう、いましがた神通を沈めたのは
思わぬラッキーパンチで窮地を脱した俺は、身を隠す場所を探して走り出した。もはや疑う余地はない。ここの艦娘たちは・・・(以下伏せ字)彼女らの抱える重大な問題とは、恐らくこのことだったのだろう。ご褒美有り難うございます。(白目)
確かにこれでは、提督が次々と辞任するのも仕方あるまい。何しろ四六時中、貞操の危機(?)に晒されているのだから。もうお分かりだろう。俺が臨時出向してきたこの鎮守府は、ブラックならぬピンク鎮守府だったのである。゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚ワーイ ♪鎮守府良いとこ一度はおいでよ、飯は旨いし
「きゃ?!」
「あふっ?!」
脳内で妄想替え歌を再生していたら、見事に曲がり角で誰かとぶつかった。衝突注意・・・頭の中でもがみんが、もがみんが囁くのです。(赤城さん)目の前で尻餅をついているのは、第六駆逐隊の末っ子だった。スカートの中が丸見えだけど、暗いから気にしない気にしない。
「済まん。大丈夫か?」ナデナデ
こんな時でも、お兄ちゃんモードはオートで発動する。無意識に頭を撫でてしまったが、さすがにあの電ちゃんがピンク艦娘、などと言うことはあるまい。なぜなら、彼女は天使なのだから。しかし・・・
「い、電の
がばっと立ち上がるや、セーラー服に手をかける天使改め堕天使。待て待て待て!
「なんっ?!」
が、
「あ、暁は脱いでも一人前のレディなんだから!」
叫びながら胸を張るセーラー服(を脱いだ)少女。いやあなた、どこから見てもまだ
「残念だったね、提督。ここは
「提督の
その後も、行く先々で迫り来る艦娘たちから逃げ回った俺はいま、執務棟の物陰に身を潜めていた。時刻はすでに、日付を跨ごうとしている。いずれにしろ秋の夜長。朝はまだ遠い。読書の秋、食欲の秋、そして性欲の秋・・・
ついさっきまでは『艦娘メモリアル』をプレイしているつもりだったのだが、現実は明らかに『艦娘バイオハザード』になりつつあった。周囲ではいまだに、ソナーや探照灯を装備した艦娘が跋扈している。どうやら俺を探しているみたいだけど、この状況、まるで秋刀魚漁ミニイベントならぬ提督漁ミニイベントである。いずれも捕まったが最後、
「何をしておられるのですか?」
「ひゃい?!」
突然、すぐ横から声をかけられ、飛び上がる。恐る恐るそちらを見れば・・・全てを察したような表情の加賀が佇んでいた。その目は落ち着き払っており、辺りをうろついている変態艦娘たちとは明らかに違う、愁いを帯びた色を湛えている。
「はぁ・・・申し訳ありません、提督」
警戒心マックスな俺の眼前で、彼女は深々と頭を下げた。Why?
「こっちです。ついてきて下さい」
素っ気なく言うと、踵を返す。完全に信用することはできないが、いまは彼女を頼るしかなさそうだ。歩きながら、言葉少なに事情を説明する加賀さん。
「もう気付いておられるかと思いますが・・・ここに集められているのは、
もはや、何を聞かされても驚きはない。やがて彼女は、とある扉の前で立ち止まった。
「隠し部屋です。ここなら邪魔は入らないわ」
「うむ、感謝する」
ふぅ・・・どうやら助かったらしい。暫くここで、他の艦娘たちをやり過ごすとするか・・・部屋の中は薄暗く、間接照明に浮かび上がるのは二人分のお布団・・・はい?お布団?( ゚д゚)ポカーン What's that?あとなんで、枕だけ江戸時代バージョンなのかな??
「加賀。まさかお前も・・・なのか?」
「何を言っているのかしら。ここでいちばんまともなのは、私よ」デデン!
唐突に始まった『加賀岬』のイントロに、俺は自らの失態を悟った。そう、誘い込まれたのだ。とびきりの変態空母に。
「鋼の艤装は戦うために、高鳴る血潮は守るために、秘めた心はまぐわうために」
凛とした表情で宣言する正規空母。つか、しれっと本音を混ぜないでくれるかな?
「こちら加賀。目標を発見したわ。これより夜戦を開始します」
「ま、待て!話せば分かる・・・かも?!」(秋津洲ちゃん)
しかし俺は動けない。まさしく、
「さすがに気分が高揚します」
完全に組み敷かれ、もはや絶体絶命。勝利を確信したのか、加賀が妖しく微笑む。だからこっから先は有料コンテンツだって・・・
「ヤれヤれ~!!」
「早くまぐわえ~!」
「カメラを止めるな~!」
周囲を飛び交う妖精さんたちがうるさい。かわいい外見に似合わず、何気に言ってる内容がヤバいし。
「
「ああ、その通りだな」
言うと同時に、俺はスマホのバイブ機能をオンにした。
「ひゃん♥️?!」ピクピク
呆気なく轟沈した加賀の下から這い出す。もう、この鎮守府に味方は居ない。なんとか朝まで生き残るには・・・
「提督発見!全艦娘、突撃!!」
しまった!建物を出たところで、遂に変態艦娘とエンカウント。ステルスヒッキー、使えねぇ・・・例のアップテンポなBGMが流れ出す中、探照灯に照らされて走る俺。ルパン三世かよ?
「
「
追跡してくる艦娘たちはみな、なぜか着衣に乱れが・・・てかどんだけ溜まってんのよ、あなたたち?!必死に逃げながら考えを巡らせる。病んだ艦娘。見えぬ真実。絶体絶命の危機。かなりハードモードになってはきたけど、まだ何かが足りない。そう、何か大切なブラック要素が・・・
「なっ・・・?!夜間哨戒機より入電!敵艦載機群、急速接近中!」
不意に、走りながら右手を耳へ当てた大淀が叫んだ。ちなみに彼女も、すでに例のスリット入りスカートは身に着けておらず、眼鏡やヘアバンドも外している。(臨戦態勢)
・・・って、敵艦載機?!まさかこのタイミングで、だと?!いや、そうか。すっかり忘れてたぜ。ブラック鎮守府モノには、着任初日の敵襲が
発:比企谷八幡大佐
宛:GF司令長官
われ、艦娘たちと夜戦中に夜襲を受け被害甚大、完全D敗北せり。
降格処分程度じゃ済まないだろ、これ。(震え声)いや待て、まだ悲観するには早すぎる。考えろ比企谷八幡。まさにピンク・・・じゃなくてピンチはチャンス!
「総員艤装展開!夜戦空母は直ちに迎撃機を発艦させよ。その他の者は対空戦闘用意!」
内心ではキョドりまくりの八幡だったが、その指示に抜かりはない。表面上は、極めて有能な歴戦提督さんである。
「し、しかし提督!これから海に出て陣形を組むなんて不可能だ。とても間に合わないぞ?!」
「落ち着け。敢えて海に出る必要などない。各自、手近な遮蔽物を利用しつつ対空射撃を行うのだ。頭を使え。常識にとらわれるな。人としてのその身体は、何のためにある?」
「エッチなことをするためですわ」ボソッ
とある航空巡洋艦の呟きは、幸か不幸か八幡の耳には届かなかった。(難聴系)
「つまり、私たちに陸上で戦えと言うのね?」
いつの間にか、またもしれっと回復し、肌襦袢姿のままで艤装を展開した加賀さんが、冷静な瞳を向けてくる。その隣では、ブラウスだけを着用して下は生足を晒した第八駆逐隊のメンバーが、長10cm高角砲を手に命令を待っていた。どうやら非番で
「その通りだ。飲み込みが早くて助かる。空母娘は艦載機の操作に専念しろ。他の者は空母を守りつつ、対空戦闘始め!」
「「「りょ、了解!」」」
命令の意図を理解すれば、もともと練度は高いメンバーである。次々と艤装を展開しつつ、各々弓や砲を構えて戦闘態勢に入る。先ほどまでの痴態がウソのようだ。まさに、ピンク鎮守府の面目躍如と言えよう。いまや彼女たちは、変態娘から戦う艦へと変貌を遂げていた。ふっ・・・勝ったな。
続々と発進してゆく夜戦烈風の群れや、夜空を染め始めた対空砲火の光に、俺は半ば勝利を確信していた。(死亡フラグ)
~ 同時刻 鎮守府上空 ~
「くそっ!いったい何が起こっている?!」
深海攻撃隊の隊長妖精ハットン少佐は、乗機の操縦席で呻いた。夜間に奇襲を仕掛けて艦娘どもを殲滅するはずが、気付けば墜ちてゆくのは友軍機ばかり。どうしてこうなった・・・
よほど敵の司令官が優秀なのか、やつらは短時間で混乱を立て直すと、敢えて海に出ず陸上から迎撃機を飛ばして来たのだ。まさか敵の練度がこんなにも高いとは。下着姿の艦娘に気を取られ、空中戦で後手に回ったのも想定外だった。て言うか、あの格好は反則だ。いずれにしろ、どうやら今夜は負けらしい・・・
数々の死線を潜り抜けてきた彼は、自らの運命を悟った。決意を固めると、後席の偵察員に声をかける。
「デービッド。アルペジオイベントじゃ、何度もお前に助けられたよな」
「はっ・・・!」
長くペアを組む深海偵察妖精が答える。彼とは、2013年のサービス開始以来の仲だ。(意味不明)
「脱出しろ!」
「えっ?どうしてですか?!」
突然の命令に戸惑う部下へ、手短に状況を告げる。
「前を見ろ。オイル漏れだ。油圧が下がっている。残念だが、ヲ級ちゃんまで戻れそうもない」
彼らが乗る
「しかし隊長はどうするんです・・・?ま、まさか?!」
「心配するな。こんなところで死ぬつもりはない」
渋るデービッドの脱出を確認してから、操縦桿を押し込む。敵の夜戦烈風改二戊型が食いついてくるが、構わず彼は急降下を開始した。狙うは艦娘たちの後ろに控える、白い軍服姿の人影。間違いない。やつらの司令官だ。深海妖精たちは、夜目が利くのである。
「距離1500!OK!センターに捉えた!」
直角に近い急角度でダイブする機体へ次々と敵弾が命中し、計器盤の横に貼り付けた練習巡洋艦鹿島のブロマイドが、びりびりと震える。そして・・・
「1000ポンドの火の玉を、喰らいやがれ!」
深海隊長妖精は、渾身の力で爆弾投下レバーを引く。直後、その機体は爆散した。(突然のシリアス展開終了)
「敵機直上!急降下!」
はっとして振り仰げば、真っ直ぐに落ちてくる深海1000ポンド通常爆弾。視界に映る全てがスローモーションとなる。あ、これイったわ・・・♪いま願い~込~め~た~一撃、
「危ないっ!」
次の瞬間、立ち竦む俺に覆い被さる青い影。そして轟音と衝撃。誰かの柔らかな感触と微かな甘い香りの記憶を最後に、俺の意識は暗転した。
つか、今回俺の見せ場は・・・?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
くっ・・・?
覚醒した俺は身体を起こそうとしたが、誰かの下敷きになっていて、動けない。そして唐突に甦る、柔らかな身体の感触と微かな甘い香りの記憶。これは・・・
「加賀・・・?」
「ええ、そうです。本日の秘書艦を務める航空母艦、加賀よ」
言いながら、さりげなく立ち上がる一航戦の青い方。ふぅ・・・もう何度目かの夢オチ。分かっちゃいたけど、やけにリアルな夢だったわな・・・て言うかあなた、寝落ちしてた俺の上で、いったい何をやろうとしていたのかな?(お約束)
「コホン!提督、お聞きしたいことが」
T字不利を悟ったか、あからさまに話題を変えようとする加賀さん。まあ、ここは騙されたフリをするのも提督さんの務めだろう。敢えて俺は、彼女(の策)に乗っかることにした。ゲッホゲーホォ!(ダブルミーニング)
「うむ、どうした?藪から棒に」
「最近ゆきのn・・・ゴホゴホ!夜戦加賀が付けている青いヘアリボンは何なのでしょうか?」
ひゃ?!もう情報が出回ったの?いくらなんでも早すぎじゃね?にわかにヤンデレ化し始めた加賀さんの圧力に屈しながら(弱すぎ)俺は必死で言い訳を考える。
「あ、アレは海色のリボンと言ってな。まだ数が揃っていないのだ」
「それはおかしいわ。アレは今回の夏イベントで、各海域の突破報酬として複数配布されたはず。そしてすでに、当鎮守府はイベントを完走済みです」
あなた、なんでそこまで把握してるの?てか、ならわざわざ質問してくる必要ないじゃん?!あと、なんかこれって浮気がバレてヤンデレ妻に問い詰められてる専業主夫って構図じゃね?(新作二次小説)
「うむ、よく知っているな。但しアレは、丙作戦以上限定の報酬だ。この意味が、分かるな?」
あんなギミックだらけのスペシャルゲージ仕様なんて、最初からミッションインポッシブル。それでも始めは、ぜかましねっとをコピペして頑張ってたんだけど・・・あまりにギミックとゲージが多すぎて、途中から自分でもどこを攻略中なのか分からなくなってしまった。(寝落ち&時間切れ)
「・・・ええ、よく分かったわ、
「おふっ?!」
容赦ない加賀の物言いに、俺のライフはゼロになった。て言うか運営さん、丁作戦の報酬をもっと豪華にしてくれてもいいのよ? |д゚)チラッ
「特効艦情報に踊らされて海外艦娘ばかり使ったりするから、いざというとき手詰まりになるのでは?」
おっしゃる通りです。返す言葉もありませぬ。てか、これってもう加賀さんが提督やった方が良いんじゃね?
「うむ、次回は善処しよう・・・」
ぐうの音も出ない俺を静かに見詰めていた彼女が、ふと何かを思い出したように口を開いた。
「言い忘れていました。本土行きの二式大艇が間もなく離水します。お急ぎ下さい」
「へ・・・?」
意図せず間抜けな声が漏れる。そんな話、聞いてない・・・
「しっかりして下さい、比企谷提督。連合艦隊司令長官から、直々の呼び出しを受けたのでしょう?この便を逃したら遅刻は確実です」
デフォルトの無表情で告げる加賀。先にそれを言ってよ!!あれ?じゃあ、さっきのはまさかの予知夢だった、とか・・・?ならば、行く手に待ち受けるはあの鎮守府。( ≧∀≦)ノ バンザーイ! 腐り目提督がピンク鎮守府に着任しました!これより夜戦指揮を開始します!(100番煎じ)
事態を把握し、駆け出そうとしたところで、またも誰かと鉢合わせする。邪魔だぁぁ・・・どけええぇぇぇ!!(山城)
「司令官さん、お疲れ様なのです」
「へ・・・?」
またも間抜けな声を漏らす俺。そこに居たのは、電マを手にした電だった。マジ・・・??これはまだ夢の続きなのだろうか?こんな朝早くから奉仕部の活動なのかな?うん、部活動なら合法だよね?ね?(由良さん)じゃあ、まずは2時間お触りOKお試し無料コースで、ご奉仕オナシャス。(軍法会議直行)
「司令官さん、最近お休みがなくて大変そうだったので、これを使って血流を良くしてあげたいと思ったのです」
屈託のない笑顔で電マを掲げる電。天使である。その姿を目にしただけで、
「あっ!提督さん!あんまり遅いから迎えに来たっぽい!」
「なっ?!」
すると、今度は天使の後ろから悪夢が現れた。夢の中での痴態が頭をよぎる。少しスカートが短いような気がするけど、やっぱその下はパンしゃぶなのかな・・・?(変態ブラック提督)
「ぽい?」
不思議そうに見つめ返してくる夕立。対するこちらは朝勃ち・・・ゲッホゲホォォ!あふ♥️
「提督、君には失望したよ。まさか夕立にそんな目を向けるなんて。胸が熱いな」
「時雨の言う通りね。それなりに期待した私が愚かだったわ。ひえ~い」
どうやら不覚にも、夕立へ不躾な視線を送ってしまっていたらしい。即座に歴戦提督モードをオートで発動させ、その場凌ぎの言い訳を捻りだす。捻デレぼっちだけにな。てか時雨も加賀さんも、
「うむ。最近、夕立の夜戦カットイン能力が一段と向上したことを思い出してな。新たなフィット装備について考えていたのだ」
ふふ・・・我ながら完璧な言い逃れ・・・じゃなくて言い回し。さて、あとはいまのうちに脱出して大艇ちゃんに乗るだけ。一介の中佐が司令長官の呼び出しに遅れるとか、さすがに洒落にならない。
「有り難う提督さん!夕立、もっと頑張るっぽい!」
嬉しそうに飛び付いて来た夕立を軽くいなし、今度こそ俺は執務室を出ようとした。実は急ぐ理由があるのだ。そろそろまずい。バレる前に飛び立たねば・・・しかし。(またもお約束)
「あれ?なんか提督さんから変な匂いがするっぽい・・・?」
「電、初めて嗅ぐ匂いなのです」
はいストォーーーップ!もうオチは見えてるから、今日はここでお開きにするのです。艦隊、回れ右!
だが俺の制止も空しく、無情にも加賀によってとどめの一撃は放たれた。
「そうね、これはイカの臭いだわ」
「ごふっ?!」
Critical hit!提督轟沈!(艦娘からの人望)LOST!
やはり番外編でも俺の艦隊ラブコメはまちがっていた、らしい。
「今回のお話は、とても長かったのです」
「仕方ないわ。ネタを詰め込みすぎて、途中で区切れなくなってしまったのだから」
「最後までお読み頂き、有り難うございました」
「はわわっ?!い、いまのは誰なのです?!」
「電さん、あなた疲れているのではなくて?さぁ、これを使うといいわ」ヴィーン
「前回とオチが同じすでのな?!」