次の話がまた文量増えそうなので先に短めのやつを投稿。
1話のような話の正実モブちゃんバージョンです。
トリニティ内のベンチにとある2人が並んで腰掛けていた。
どちらも黒い制服を身にまとい、前髪を目元まで伸ばしている少女達。
彼女達は、1人が手作りのサンドイッチをもう1人の少女に渡しながらある事について語り合っていた。
「イチカ先輩、良いよね!」
「わかる!」
自分達と同じ正義実現委員会に所属する先輩、仲正イチカについて……
長く綺麗な黒髪に、正義実現委員会の黒い制服を着て、腰から伸びた大きな黒い翼を持っている。
その上整った顔に特徴的な糸目をしたそんなイチカの事を彼女達はとても慕っていた。
「この前体力をつけるために走り込みしてたんだけど丁度その時にイチカ先輩に会って、『偉いっすね〜、じゃあ頑張ったご褒美っす』って言って飲み物買ってくれたんだよ!」
「へぇ〜いいな〜!あ、でも私も射撃の訓練してた時にイチカ先輩がやってきて、『もう少し持ち方を変えた方が安定するっすよ』って後ろから優しく指導してくれたんだ!」
「へ〜!流石イチカ先輩!」
お互いに体験したイチカ先輩談を言い合う2人、だがそこには嫉妬などの感情はなく、”流石イチカ先輩だね”という尊敬の念が表れている。
まあ2人の周りにいる仲間たちはこっそりと盗み聞きして羨ましがっていたりするのだが、彼女達は既に2人だけの世界に入っておりまったく気がついていない。
「それに、最近イチカ先輩に同行して不良の鎮圧をした事があったんだけど、終わった後全員に『みんなお疲れ様っす』って言いながら頭を撫でてくれんだー」
「えー私も行きたかったなぁ」
「でもあの時シャーレの先生も一緒に居たんだけど、何故か凄く羨ましそうな顔で自分達を見てたんだよね、どうしてだったんだろう?」
「うーん、もしかして先生もイチカ先輩に撫でて欲しかったとか?」
「まっさかーそれは多分違うでしょ」
先生はイチカに止められている”正実モブ撫で”をしてみたくて見つめていたのが真相なのだが、そんな事は知る由もない2人はその後もわいわいと話がはずんでいく。
「イチカ先輩がね……」
「私がどうかしたっすか?」
「「ひゃあっ!!!」」
だがそんな中、話に夢中でイチカが後ろから近づいていた事に気づかなかった2人は、情けない声を上げて振り返った。
「い、イチカ先輩!いつからそこに……?」
「たった今っすよ、なんか私の名前が聞こえたから来てみたんすけど…」
「いいいい、いえ!な、何でもないです!」
「そ、そうだ!イチカ先輩、よかったら食べませんか……?」
なんとか誤魔化すために1人が弁当箱をイチカに差し出す。
「お、良いんすか?ならありがたくいただくっす」
そう言ってイチカは差し出された弁当箱からサンドイッチを受けとり食べ始める。
「あ、2人とももう少ししたら見回りの時間だけど、準備とかは大丈夫っすか?」
「え?……わっ!もうこんな時間!」
「全然気づかなかった!」
イチカに言われて時刻を確認すると、既に見回り業務の時間10分前となっていた。
「2人ともおっちょこちょいっすね〜見回り中はちゃんと頑張るんすよ〜」
「「わぁ!?」」
そう言ってサンドイッチを受け取った反対の手で2人の頭を撫でてその場を去っていくイチカ。
「…………よし、行こっか!」
「イチカ先輩もああ言ってたし頑張らなきゃ!」
尊敬する先輩に撫でられ上機嫌になった2人は急いで残りのお弁当を胃に詰め込み、自分達のロッカーへと走っていった。
「ふふっ今日もまたあの子達の可愛い所を見れたっすね〜、これは今度先生に自慢しなきゃっすね」
そう呟きながら本日の業務が終わり自室に戻ったイチカは、先生とのモモトークに今日あった出来事を打ち込んでいった。
その後トリニティを定期訪問で訪れた先生とそれらの内容で再び語り合うのは別のお話。