一方通行六歳転生(呪術廻戦)   作:木原レイリ

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第6話 暗躍(六) 最終手

 

「アクセラレータね。私の知る術師にはいないな。横文字なところを見ると異国の術師なんだろうね」

 

「あァ、似たようなもんだ、不死の術式」

 

 そこは広大な真っ白な空間。

 広大な敷地にはところどころ松の樹木が生えたりしている。 

 ここは天元の空性結界の内側。

 

「流石にその呼び方は不快だね」

 

 天元のその返答に、人間は笑った。

 

「そういやァオマエを研究する過程で面白い仮説が合ってなァ」

 

 天元の結界によって、その下で暮らす数多の人々は僅かな、つまり負の感情に従い呪力を無意識に垂れ流す程度の呪術の才能を得た。

 さながら、学園都市230万人の学生は多かれ少なかれ、レベル0ですら確かに能力持ちでありAIM拡散力場と呼ばれる微弱な力のフィールドを形成しているように。つまりは浴によって全住民を能力者にする如き蛮行。

 これは天元の企図しないこと、もし企図していたとしても術師を増やすためだろうと解釈していた。

 だが、もしこれが天元の根幹に関わるものだったら?

 

 また、天元の同化に関する資料には不思議な記述が見られる。「天元」「六眼」「星奬体」は『因果』なるもので繋がっている、というものだ。

 もちろんそれぞれ、500年前、1000年前に書かれている資料だ。「伝聞」や「感想」と「観測事実」の区別がついていない資料であって、信頼性に乏しい。

 だが、もしそれが本当ならば?

 

『不死の術式』とは、単に生命の限界を超えた永遠の長寿というだけなのだろうか。

 もしも『不死』をもたらすために、あらゆることをするとしたら?

 

 通常、術師は寒村よりも都市部や霊地のほうが回復が早い。術師は多少なりとも周囲のエネルギーを取り込むことができる。ならば日本全国に結界を展開している天元は日本全国から呪力供給を受けることができる。合理的だ。

 結界を淵源として増えた呪霊に対処する住民たちを結界を通してサポートすれば天元の結界は排斥されない。むしろ歓迎されるだろう。結界が大和王権から日本まで国境を境に拡縮し続けたのも納得できる。合理的だ。

 つまり、天元のすべての行動は「不死」という究極目標のために合理的に最適化されているとも解釈できる。

 

 ここで禪院家の呪術学研究会にて、一つの仮説が提示された。

 

 術式が発現した一般人の中には、そのまま自分の術式に飲まれ、呪いに転じてしまう者がいる。

 大抵は式神の暴走だが、そもそも呪力というのは情報の塊であり、呪霊という純粋な呪力だけの生命が成り立ってしまうほどの複雑さを持ちうる。あらゆる術式・領域が強力な呪いを生み術者を巻き込んで呪いに転じうる危険性を持っている。余談だが術式発現の前後で全く人格が異なる者もいる。

 

 仮に、『不死の術式』が暴走し、その行動が天元の意図を超えているとしたら。

 それはまさに『不死の術式』というにふさわしい存在ではないか。

 

「つまりオマエは、自我を持った術式だ」

 

 しばしの沈黙が訪れた。

 

「面白い推論だね。でも根拠はない。何より私は私の人間としての自我の存在と連続性を確信している。私の自我は今なお私の本体のところにある」

 

「かもなァ。ただの一仮説だ」

 

 呪術学研究会にて、この説に反論したのは一方通行(アクセラレータ)自身であった。

 根拠は天元が「同化」によって人間であり続けようとしていることだ。

 同化などしなければ、天元は簡単に人間から進化し、呪力力場上の存在となる事ができる。言うなれば呪術版AIM拡散力場上の天使。自律判断できる『不死の術式』がそんなチャンスを逃すだろうか。

 ただし捨てきれない、十分ありうる面白い仮説だったのでぶつけてみることにしただけだ。

 

 この仮説は一度だけ、思いつきのように話されてその後は雑談の話題にもなっていない。

 天元が人間だろうが怪物だろうが、やっていることは変わらないしやることも変わらない。その全国の結界が術師のためだろうが不死のためだろうが、天元に譲らせる以外の選択肢はない。むしろ単に不死のためのほうが落とし所が明確で都合がいいくらいだ。

 その上で天元の内情など誰も興味がなかった。そのようなことに貴重な時間を裂くほど、呪術学研究会は暇ではなかった。

 

「それで、本題はそんなことじゃないんだろう? 私の呪力を拒絶する結界を至るところに張ってまで進めていた計画というのは」

 

 天元は本題に踏み込んだ。

 一方通行(アクセラレータ)は表情を消失させた。

 

「要求は一つだ。日本列島に張られた結界を解け」

 

 それを聞いて、何が面白いのか四つ目の怪人は微笑んだ。

 

「君は私を実力で消そうとはしないのだね。私は長いこと私を殺そうと企んでいる呪詛師をひとり知っているが。君ならばできるのだろう?」

 

「目の前に悪党がいるからって問答無用で殺したらそいつも悪党だ」

 

 それを聞いて天元はまた少し笑ってから、不意に厳しい表情になる。

 

「理由を聞いてもいいだろうね」

 

「オマエの結界のせいで大気中に呪力が滞留し、その影響下にある日本人が死の間際でもねェのに呪力を垂れ流すようになりますます呪いが増える。日本の異常な呪霊発生率の原因はほとんどオマエだ」

 

「だから私は術師を助けているだろう」

 

 両者の間の緊張が高まる。

 

「その術師は呪いが生まれなきゃ戦う必要がねェんだよ」

 

「私が結界を解除しただけで呪いが生まれなくなると? むしろ呪力は拡散するんじゃないのかな」

 

「対策済みだ」

 

「それに、私の結界のサポート無しでどうやって呪いと戦う。結界の補助がなければ、全ての技術を1000年前からやり直すことになるぞ」

 

「あァそれがオマエの脅しの常套句か」

 

 コンコルド効果 やり込めばやり込むほど依存して抜け出せない

 呪術界の要と呼ばれる天元のサポートをなくせば呪術的セキュリティの崩壊だけではなく、結界術のサポートを用いている高専の『帳』、芦屋の『シン・陰流』を筆頭に重要技術をいくつも失うことになる。呪力の才が無い者ほど苦しむだろう。

 更には裏で呪霊討伐を支えている未開示機能が山のようにあると聞けば、大義すら無い狂った呪詛師でもなければ天元の結界を消そうなどとは考えないだろう。

 

 だが、人間はそれを両断する。

 

 あらゆる問題は学園都市由来の科学と技術で補えばいい。

 

 それに。

 

「オマエの薄っぺらい正義は人身御供を求めた時点で破綻してんだよ」

 

「星奬体のことか。それは語弊のある言い方だね、彼女たちの器は元々私が転生するはずだったものだ。必然的に、生まれる人格も私に……

 

「そォかよ」

 

 人間は天元の言葉を遮り、ジャキッ、と銃を取り出し構えた。

 ラインは超えた。

 

「ここからは相談でも交渉でも取引でも提案でも懇願でもねェ。脅迫だ、クソ野郎。

 結界を解け。縛りを受け入れろ」

 

「ふむ、破邪の術式か。天逆鉾(あまのさかほこ)を参考にしたのかな? 術式に類似性が見られる」

 

 天元の結界の内部ではその情報はすべて天元に伝わる。

 天元はその銃の内部にある弾丸に刻まれた術式を一目で看破し、そして。

 

「断る」

 

 予想された通りに、天元は拒絶した。

 

「さて、これからどうするのかな? 当然こうなることはわかっていただろう。術師らしく呪い合おうか? その鉄砲で戦うのかな?」

 

「そうだなァ」

 

 一方通行は、銃の向きを変えると壁に向かって引き金を引いた。

 パキンと結界の外殻が割れ、人1人分といった大きさの穴が開いた。

 だがそれもすぐに閉じてしまう。

 

「……何の意味が?」

 

「お楽しみだ」

 

 * * *

 

 クックックと笑う声が、その女性の美人さを台無しにしていた。

 今をときめくAHTのCEOにしてもう一人の「改革」の立役者、禪院明日香である。

 

「結局は力技か。わかりきったことだけどね。1000年生きた人間と同じコンテクストの上で対話が成立する訳ないじゃん、ばーか」

 

 薨星宮の参道に数多置かれた中継機を通して、天元の空性結界の内部にいる当主から短い信号(ゴーサイン)を受け取り、彼女は興奮が抑えきれないといった様子で笑っていた。

 

「……でも、フフッ、無駄にならなくて、良かったぁ!!」

 

 カチャカチャとコマンドラインに打ち込まれた短い命令文はタンッと勢いよくENTERキーが押されるとともに信号に変換され、全国の受信機へと送られる。

 それは霊場内部に仕掛けられた、結界の破壊装置である。

 

 全国の霊場の結界が内部から押しつぶされ、崩壊する。そしてそれは列島を覆う巨大な結界に波及する

 

 * * *

 

 六眼は驚愕していた。

 

「……傑、天内を連れて先に行ってくれ」

 

「悟、何が!」

 

「高専の結界が崩壊した」

 

 六眼に映るのは、信じがたくも、結界を構成していた呪力が、バラバラと、瞬く間に空に溶けていく様子で──

 

「高専の結界が突破されたことなんか今まで一度も……って、おいおいッ!」

 

 凄まじい勢いで大気の呪力の流れが変わっていく。

 生まれてから、当たり前のようにそこにあった、流動する呪力場が乱れ消えていく。

 

 それは日本の結界が崩壊している証左。

 この先、天元の居城でなにかが起こっている。

 

 * * *

 

 午後3時過ぎ。新宿のとあるビルの最高層の高級カフェ。

 夜になるとバーに変わる、会員制のその店で、パンクな少女とニットが少女はゆったりとした時間を過ごしていた。

 禪院翠と禪院喜愛である。

 

 何せ「改革」のせいで向こう3ヶ月は休みが無いことが確定しているのだ。

 今日くらいは何も考えずに贅沢したい。

 特に翠は、喜愛と一緒に溜まりに溜まった貯金を使って遊び回っていたところを1人だけ明日香に呼び出され、星奬体と六眼の相手をさせられて疲労困憊していた。

 そもそも仕事が趣味である研究者のような連中は仕事とプライベートの区別がついていないのだ。そんな奴等にどうして権力を持たせるのか、と翠は禪院家当主の愚痴っていた。

 

「残念でしたね、『ミミズ人間』見られなくて」

 

 喜愛は1600円のケーキを口に運びながら、心底同情したといった風に言った。

 別にミミズ人間とやらが見れなくて不満な訳では無い。

 

「なんか続編やるみたいですよ、今回のはTUTAYAで見て(ツー)は一緒に行きましょう」

 

 だから別にミミズ人間には興味はない。

 まあ誘われたら行くかもしれないが。

 

 ふと、翠は窓の外を眺めた。

 

「そろそろかぁ?」

 

 その呟きに呼応するように、喜愛のタブレット端末からピコン、と可愛らしい音がなる。

 

「あ、超始まったみたいですよ」

 

 喜愛の持つ端末には進行状況のデータや定点カメラの映像などが網羅的に表示されていた。

 禪院家のサーバーで共有された「改革」関係者のための情報共有ページである。

 それは『呪力の川』などと呼ばれていた大規模な大気中の呪力の流れが、一瞬制御を失うものの、乱され、徐々に薄くなっていることを示していた。防災塔(エアロタワー)は正常に動作しているらしい。

 

 翠は画面を一瞬覗き込んだかと思えば、パッとそれを取り上げた。

 

「あっ」

 

「端末は電源切っとけ。呼び出されんぞ」

 

「超トラウマになってんじゃないですか」

 

 喜愛は不満げに口をすぼめると、ため息をつき、パクパクと残りのケーキを口に入れた。

 

「じゃあ、早いけどもうレストラン行っちゃいますか?」

 

「予約何時からだっけ」

 

「18時からですね」

 

「ちょっと早くねぇか」

 

「服でも見てれば超あっという間ですよ」

 

 平穏な時間は過ぎていく。

 

 * * *

 

「なんてことを」

 

 呆然とする天元に、人間は告げる。

 

「もうこの国にオマエは必要ねェ。最終通告だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。オマエはこれに()()と頷くだけでいい」

 

 対して、天元は人間を睨みつけると手印を切り呪力を練り始めた。

 

(うつつ)には干渉しないのがポリシーだが、術師の未来のために君はここで祓わせてもらう」

 

「永遠に死なない程度の分際で、ンなことできると思ッてやがンのか?」

 

「できるとも」

 

 

「大抵、術式には処理できる限界が存在する。君の術式の上限はいくらかな?」

 

 上空数十メートル。大きさ数メートル、重さ1t超の物体が出現する。

 その形状に、一方通行(アクセラレータ)は嫌に見覚えが合った。

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………『リトル・ボーイ』?」

 

「もちろん本物じゃない。ウラニウムとやらだったかな? 空性結界では構築術式並の素材の再現はできないからね。だがその分燃費はいいし現象だけなら再現できる。威力も呪力10割のほうが本物より高いかな」

 

「いったいテメエは地上のヒトサマの迷惑ってモンを考えてやがらないンですかね???????」

 

「ああ、この火薬兵器は有毒物質が出るって話だろう? 毒物に反転術式が効かないのは常識だがこれに関しては術師なら問題ないことは確認済みだとも。何故だかは知らないがね。禪院家にもこの間の広島長崎での任務の資料が有ったんじゃないかな?」

 

「あァあァはいはいそォいうことかそォいうことねハッキリ理解したわクッソ野郎が」

 

 斬鉄を下ろす。

 一瞬の視線の交錯ののちに引き金が引かれる。

 

 タアン、と。

 

()()()()()()()()()()弾丸が飛ぶが、瞬間移動するようにいつの間にか割り込んだ他ならぬ天元自身によってわずかに軌道が曲げられる。同時に天元は消失した。

 

「チッ」

 

「年寄りの意地を示させて貰おうか」

 

 直後、背後から声がし

 

 

 白い世界は死の光によって塗りつぶされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 まあ、ただ向きを自動で変えるだけの『反射』に限界などあるはずもなく。

 

 響く轟音を『反射』で消音(ミュート)し、一方通行(アクセラレータ)は崩壊する薨星宮の中を落ち続けていた。

 何をどう参考にしたのか爆発は一瞬で終わること無く、太陽のように光源からエネルギーが放出され続けていた。

 

 光の奔流を掻き分けて薨星宮の底を精査する。

 底にあった結界も、樹木も、何もかもが消失して、あるのは現在進行系で焦げ続ける土の壁のみ。

 もちろん怪しい四つ目ミイラなどというものが結界に守られて転がっているということもない。

 

(自爆しやがったってことか。……限界だな)

 

 背中に真っ白な(オシリスの時代の)翼を生やし、1000mを一気に飛び上がる。

 

 わずか数秒後には地上にたどり着き、翼を消した。

 周囲の熱された空気を冷却し分別し無害化し、肺いっぱいに吸い込む。

 

「ッたく、あの野郎ォ。地味に酸素奪われると辛いんだッての」

 

 

「なんでお前がここにいる」

 

「あァ?」

 

 聞き覚えのある声に誰何されそちらを向くと、六眼と星漿体と呪霊操術の一行がいた。

 

(コイツら、もう来てやがったのか。間一髪じゃねェかあのジジイ)

 

「何故って、あァ」

 

 つまりは、天元あるいは星奬体のところに何しに来たと聞いている。

 

 そして、天元は、と思い返して、

 あァ、そうだな。俺が。

 

「天元は俺が殺した」

 

 * * *

 

 さて、結論から言えば、思いっきりすれ違った。

 てっきり天元と戦いに来たのだとばかり思っていたが、そうでもなかったらしい。

 直前の翠からの連絡では星奬体は同化に内心は後ろ向きであったようだし、五条と夏油は星奬体の意向を尊重するらしいと報告を受けていたので、てっきり途中で逃げ始めるか直談判に行くか、

10代らしく短絡的な武力でなんとかしようとするかのどれかだと思っていた。

 

「オマエと戦うつもりはねェよ」

 

「冗談!」

 

 なので会話すら無く戦闘になって面食らっていた。それは天元と今後敵対するつもりなら絶対に取らない行動だから。

 というか目が若干イってる。何年も粗食しか食べられなかった人が突然ご馳走を前にしたかのような危ない笑みを浮かべている。

 仕方なく、お互いに領域を展開し、崩壊し、制御を失った複数の『茈』が暴発する寸前――

 

「舌噛まんといてや」

 

 現れたのは特級術師、禪院直哉。

 百合華を軽く抱え、一瞬で音速を超え『茈』の爆発速度よりも速く駆け抜けた。

 

 十数秒ののち、東京都の空を西から東に横断し、あっという間に皇居周辺、半蔵門の上空へと至る。

 

「はァ、良くやった」

 

「悟くんめっちゃ元気やったな」

 

 降ろされた人間は着物を直すと半蔵門から宮内庁への道を歩き始めた。

 

「あぁ、アクセラレータ。片はついたようだね」

 

 すると、いくらもいかないうちに向こうから溌剌とした40代の男が歩いてくるのが見えた。

 宮内庁高官。三輪高光である。

 

「正式に辞令が出た。さっき付けで私は宮内庁長官だ。そして」

 

 横にいた男性から封筒を受け取り、中の紙を広げる。

 

「『禪院百合華殿。貴殿を宮内庁呪術執行局局長に任命する。速やかに組織改編を完了せしめよ』。頼んだよ」

 

 禪院家当主が呪術界の頂点に立った、と直哉が歓喜に沸いているのを横目に、一方通行(アクセラレータ)はタブレットで進行状況を確認していく。

 

 賽は投げられた。もう後戻りはできない。

 

「宮内庁、AHTと内閣との調整も完了している。『呪術総監部改革指令』はさっき関係各所に通達してきた。明日の9時には計画通り、官房長官より呪力は新素粒子『アスカン』として発表される予定だ。『筑波先進工業大学』の設立計画と民間研究者を利用した呪力研究の計画も各所との本格的な調整を開始した……後は、早速各所で動きがあるな」

 

「総監部と民間術師どもか」

 

 禪院家の戦闘団を纏める直哉が、任務か?とキラキラした目で見つめる。いつもはどこか濁っているのに。

 どうやら現在の歓喜の興奮をどこかで発散したいらしい。

 

「始めンぞ」、と一方通行(アクセラレータ)は独りごちる。

 失敗に怯える必要はない。もう悲惨だった「手錠(ハンドカフス)」の時とは違うのだ。

 

 事前調査は十分。

 

 主要な勢力はあらかじめ抑えた。

 

 アンナ=シュプレンゲルのような何かの介入も許さない。

 

 呪術界に平穏の時代を。

 そのためにあらゆる計算をした。

 これは既に「挑戦」ではなく「最後の一手」である。

 

 

 今日、一方通行(アクセラレータ)による新しい時代が幕を開けた。

 


 

 ●術式と自我について

 三話ほど後から始まる乙骨編のラスボスを書いてたら謎の仮説が立った。

 

 ●結界のお陰で最悪の学習をしている長命種。

『ツァーリ・ボンバ』級を学習していたら間違いなく高専が消えていたので非核三原則のファインプレー。

 

 ●因果って何?

『不死の術式』によって天元の『不死』という「結果」を導く流れのこと。

 結界により日本全国の魂に適応されている。

 

 という捏造設定。

 個人的には呪術廻戦上で起こったあらゆる現象が天元の不死性に加担していると思う。

 最初の術式の設定では天元本人の意志によって『不死=人間としての不死』として「同化」のための「因果」が設定されたけど『不死の術式』は自己判断で『不死=存在としての不死』と解釈して進化を目論んで羂索にどうかを阻止させようとし始める。という訳で羂索と()()()()の無意識を操ってハイパー天元タイムの始まりであるをしようとしたけど髙羽の現実改変能力と鬼神真希によってしょぼい感じになっちゃったとか、そんな感じだと思います。

 

 ●え、不死の術式なのに死んだ?

 生存という「結果」を導くために因果に干渉するレベルの不死も絶対ではなく、例えば『因果に縛られていない者』が実行する『術式効果の強制解除』(今回で言うなら破邪の術式弾。効果対象は天元本人、わらわちゃん、六眼ほか)を受ければ死ぬ可能性もあると解釈しました。

 でも今回だと……原作通り同化はできなかったけど未だどこかで元気な気しかしない。

 とりあえず呪術界から追い出すことには成功したということで。

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