1995年 10月24日
「なンだァこりゃァ?」
気付くと、
一方通行は学園都市最強の超能力者にして統括理事長の座を受け継いだ「人間」である。
主観では
それと同時にこの禪院家なる場所で、過ごしてきた記憶もある。
この場所で、
この家は男尊女卑の権化のような風土である。
直系として生まれた百合華も術式を発現させる気配を見せないため女中のような扱いをされたり理不尽な暴力を振るわれたりしていた。
ただし発現させていたところで婚約者が宛てがわれていたとかその程度の違いだったかもしれない。
自我が薄かったり、同時期に生まれた五条悟と見た目が似ていたのもよくなかったかもしれない。
白髪に赤目なのは同じ。
ひょろひょろに痩せているのも同じだがこれは成長ホルモンのバランスというよりこの家の伝統的児童虐待文化のせいだろう。
「意味が分からねェ」
『ご主人様~!!』
空中から人造の悪魔が躍り出た。
『待ってましたあ!』
「あァ?」
それは華奢な少女のシルエットに海洋生物のような翼や尻尾を加えた異形の存在。
ロールシャッハテストのように見る者によって内容が変わっていく新聞記事のドレスには、一方通行の裁判やハンドカフスによる学園都市の混乱などが記述されている、
『ご主人様が記憶を取り戻すまでは近づくなと言われて6年も白い空間に閉じ込められてたんですう! あのクソババア許さねえ!』
「とりあえず状況の確認だ、知ってることを全部話せ」
* * *
『という次第で現代の禪院家を選びましたですう。呪術界に拘束されすぎず、力こそ全てなので、ご主人様なら余っ裕で当主になれるはずですう!』
はぁ、と
寝てる間にまたしても、クソッタレの木原共の悪趣味な実験に巻き込まれたらしい。
科学か魔術かもわからない。
魔術だとしたら、魔術に卓越したクリファパズル545にも理解できない超法的な手段をとれてしまえたというのが脅威だ。
なんにせよ現状はその「条件」、「
残してきた進行中の案件が心配だが、その白い空間で会ったという木原は、「この宇宙は元の世界と比べて時間の速さが1千億倍」だと説明したらしい。
こっちで3千年過ごしたとしても、向こうでは1秒だ。
真偽は不明だが、信じるしかない。
並行してこの世界から脱出する方法も考えるべきだろう。
木原の手のひらという現状は危うくて仕方ない。
木原レイリは学園都市の都市伝説などで有名だ。
数十年前でもっとも優れた科学者であったがある時に研究機関ごと学園都市から消滅した。
別の惑星や宇宙に行ったとか、統括理事長に消されただとか、虚数学区に移転しただとか、様々なうわさがあるが真相は不明だ。
アレイスターから引き継いだ端末にもその情報は含まれていなかった。
帰ったら調査対象に加えるとともに、木原の管理体制も考え直さなければならない。
ただ。
「まずは禪院家を乗っ取る。ついてきやがれクリファパズル545」
とあるっぽい癖のある文章を目指そう。