因幡の月兎 不思議な靴を使った架空スポーツで、俺だけ空を跳んでいます。   作:新月

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第11話 一人の女の意地の終わり

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 バトルルール:殲滅戦

 残りタイム:5分48秒

 

 プレイヤー1:ハクト

 残HP:835/1000

 スロット1:バランサー  (★常時適応中★) 

 スロット2:インパクト  (残りE:0/10 残りCT:2/3)

 スロット3:インラインスケート (残りE: 3/5) (★適応中)

 スロット4:────

 

 プレイヤー2:カグヤ

 残HP:727/1000

 rank:2

 スロット1:ファイアボール (残りE:10 → 0/10 残りCT:2/3)

 スロット2:ファイアボール (残りE:10 → 0/10 残りCT:2/3)

 スロット3:ヒートライン (残りE:1/2)

 スロット4:バンブープリズン (残りE:0/3 残りCT:2/3)

 

 プレイヤー3:アリス

 残HP:936/1000

 rank:2

 スロット1:ショートソード (残りE:3/3)

 スロット2:ロングソード・ハード (残りE:1/3)

 スロット3:カウンター・アタック (残りE:1/3)

 スロット4:二連斬 (残りE:4/5)

 

 プレイヤー4:キテツ

 残HP:501/1000

 rank:2

 スロット1:メタルボディ   (残りE: 1/3)

 スロット2:ハイパー・パワー・バフ (残りE: 1/3)

 スロット3:フォートレス (残りE: 2/3)

 スロット4:反応装甲 (残りE: 2/3)

 

 VS

 

 プレイヤー5:ヒメノ

 残HP:615/1000

 rank:2

 スロット1:ブレイクミサイル (残りE:0/2 残りCT:2/3)

 スロット2:チョイス・マジック・デバフ (残りE:0/10 残りCT:2/3)

 スロット3:チョイス・レッグ・バッファー (残りE:0/6 残りCT:2/3)

 スロット4:チョイス・ショック・バッファー(残りE:0/6 残りCT:2/3) 

 

 プレイヤー6:鮫田長男

 残HP:0

 

 プレイヤー7:鮫田次男

 残HP:0

 

 プレイヤー8:鮫田三男

 残HP:0

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『ヒメノ選手の挑発から、4分以上が経過ー!! にも関わらず、まだHPは半分以上残ってる! さっすがヒメノちゃん! このまま宣言通り、ムーンラビットにただ一人の選手も落とせないチームと烙印を刻むことが出来るのかー!!』

『いや、これは本気で予想以上に粘ってるな……手数の切り方が段違いすぎる。カグヤ選手を含めても、今回の大会で一番のテクニック持ちじゃないか……?』

 

 まあとは言っても、と風雅は続ける。

 

『あくまで、自己の生存特化にした戦術だからこそだな。ムーンラビットのHPを削る手段は殆どないから、あとは逃げ続けるだけ。……それも、もう直ぐ終わりだ』

『えー、まだ分からないじゃないですかー』

『分かるよ。……“エネルギー”。もうヒメノ選手全部のギアがCTに入っちゃってる。どんだけ凄い技術があろうと、手札自体無くなればどうしようもないだろ?』

『まあ、それはヒメノ選手も分かっているから、今必死に逃げてますね。全力疾走で、ムーンラビットからリチャージ完了まで逃れるように』

『それも、“逃げ切れれば”の話だ。ホラ、お前のあげたもう一つのギア持ちが向かっていったぞ

 

 ☆★☆

 

「待てー!! 待ちやがれー!!」

「待てと言われて、素直に待つバカはおりませんことよー!!」

「うわっ、本当に思ったより足速い!? しかもどこ行ったか微妙に分からない!?」

 

 キテツとアリスのフロントコンビが全力疾走でヒメノを追いかけるが、なかなか捕まらないでいた。

 ソロトーナメントの時はギリキテツの方が足が早い程度で、何度が追いつくこと自体は出来ていた。

 その度にギアを切られて振り切られていたが、今の状況ならその心配は無い、そう睨んでいた。

 

 しかし、ここはソロトーナメントの時とは違って、ブロックが大量にある地帯。

 ヒメノはブロックの影を利用してキテツ達の視界を常に断ち切りながら、フィールド全面を使って逃げていた。

 ただ愚直に追いかけるだけなら振り切られてしまう。お嬢様らしさをかなぐり捨てた全力逃走に二人は翻弄されていた。

 

 しかし……

 

「このまま後1分弱、逃げ切れば……」

「そうはさせない!!」

「っ! ハクトさん!」

 

 走っているヒメノの目の前に、ハクトが先回りしていた。

 その足元は、【インラインスケート】が展開されている。

 同じくカラーにギアを貰ったもの同士、ここで相対することになった。

 

「しかし、【インパクト】の無い貴方など攻撃力は殆ど無いはずですわ!! それとも、隠してるスロット4が何らかの攻撃手段かしら! ここまで使ってないのを見ると、あまり使いどころが無かったギアに思えますが!」

「さあ、どうかな! それに攻撃力が無くても、ただこの場でお前を掴んじゃえば、あとは追ってくるキテツとアリスに攻撃して貰えば済む話だ!」

「あら、レディーにしがみつくつもりでしょうか? 紳士的ではありませんわね!」

「お嬢様らしさゼロで全力疾走してるそっちに言われたくないな!」

 

 そう軽口を叩き合いながら、互いに相手から目を逸らさないように相対し続ける。

 先に仕掛けたのはハクトだった。

 高速軌道を活かしてヒメノの背後にあっという間に回り込む! 

 

「捕まえー──」

「っふん!」

「おごう!?」

 

 背中から羽交い締めしようとしたハクトに対して、ヒメノは振り返らず“肘打ちを鳩尾に対して放った”。

 HPグローブがあるとはいえ、一瞬怯んだハクトに対してヒメノは片腕だけを取り、大きく振りかぶる。

 

「はあああぁああ──ッ!!」

「おわあああ!? ぐはあ!?」

「言った筈です!! 不良高をこの身一つで統一したと!!」

 

 そのままハクトは“背負い投げ”をされて、ブロックの壁に叩きつけられた。

 お嬢様口調に反して、接近された際の自前の自衛手段も兼ね備えていた。

 ある意味カグヤと同等の、ギア無しでの対処手段を持っているプレイヤーだと認識するべきだった。

 

 怯んだハクトに対して、ヒメノは視線を向けずに走り去る。

 後30秒、逃げ切ればギアが復活する。それまでは──

 

「よっしゃあ、追いついたあ!!」

「っく! 来ましたわね!」

「今度は逃さないよ!」

 

 アリスとキテツが、挟み込むようにしてヒメノを囲った。

 ハクトの時間稼ぎが功を成したのだ。

 

「もうあの脚力強化のギアが無いんだったら、避けようがねえ! 一気に決める!」

「行くよウラシマ君!!」

 

「全力! “鉄拳”!!」

「切り裂け! “ロング・エッジ”!!」

 

「「完全同期!! “クロス・コンビネーション”!!」」

 

 かつて、不良長男に大ダメージを与えたコンビ技が、ヒメノにも襲いかかる。

 今度は回避手段は無い。

 相対したヒメノは、とっさに自力で左に避けようとするが、そんなことはアリスとキテツにはお見通し。

 

 微調整して、確実にヒメノにヒット──

 

「っ!! っああああああぁぁああ──ッ!!」

 

 ──する直前に、ヒメノが雄叫びを上げる。

 そして、左に飛んでいた筈のヒメノが……“右に移動していた”。

 

「っはあ!?」

「何っ!?」

 

 “クロス・コンビネーション”が外れた。人体の重心移動を無視したあり得ない方向転換により、ヒメノは見事に回避し切ったのだ。

 

『ちょっと待て!? 何だ今の動き!?』

『あっはははは!! すごいわヒメノ選手! あれ今、すっごい足捌きやってたわよ! 重心を無理やり動かして急激な方向転換出来る自前の技術、仮称“インスタント・レッグ”ってところかしら!! リピートギアにしたら面白そう!』

『まだあんな隠し球あったのかよ!? しかも自前技術で!』

 

「っはあ……! っはあ……! ええ、すっごい疲れますけれどね!!」

 

 ヒメノは汗を吹き出しながらも、そう答える。

 突っ立った状態からでも、一瞬で好きな方向にトップスピードでステップ出来る自前技術。

 不良高を統一する際に自然と身についた技術で、名称は無かったがカラーの言葉をありがたく貰い、“インスタント・レッグ”とこれから呼ぶことにした。

 

 それはともかく、この“インスタント・レッグ”と自前の体捌きがあったからこそ、ヒメノはギアが使えない1分半を逃れきれる自信があった。

 

 そして……

 

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 プレイヤー5:ヒメノ

 残HP:615/1000

 rank:2

 スロット1:ブレイクミサイル (残りE:0 → 2/2)

 スロット2:チョイス・マジック・デバフ (残りE:0 → 10/10)

 スロット3:チョイス・レッグ・バッファー (残りE:0 → 6/6)

 スロット4:チョイス・ショック・バッファー(残りE:0 → 6/6) 

 ==============

 

「……フル・リチャージ完了ですわ」

「うがああああ!? しまったあああ!!」

「っく! ギアが使えない今が一番ダメージ与えられる筈だったのに!!」

 

 とうとう、1分半を凌ぎ切られてしまった。

 これでまた、ヒメノは全力でギアを使用して攻撃を捌き切ることが出来る。

 残り5分を切ったこの状況で、これは痛い──

 

「ふふ、あはははは!! さあ、観念なさい! そして心に刻みなさい!! ワタクシという存在を! 小娘一人、倒せない己自身の不甲斐なさを!」

 

 ヒメノはそう高らかに声を上げる。

 この調子なら、本気で逃げ切れるのも夢では無い。

 チームとしては負けてしまったが、ヒメノ個人という存在を刻み付けてやる──

 

「──調子に乗るもの、そこまでね」

 

 その一言とともに、誰かが歩いてくる。

 

「っ! カグヤさん……」

「はあい、ヒメノちゃん。さっきぶり」

「そうですわね。あなたも【ファイアボール】が復活してらっしゃいますものね。けれど、問題ありません。ワタクシのギアも戻った以上、あなたの攻撃は無意味となります」

「そうね。【ファイアボール】は今は使えないわね。……けどね、ヒメノちゃん知ってる? “私も自前スキル結構持ってるわよ”」

 

 そう言って、カグヤは無手で構え始める。

 その格好は堂に入っており、いつでも体捌きを繰り出せる佇まいだ。

 

「……存じております。“卯月流”でしたわよね」

「あら、知ってるんだ? てっきりあのまま帰って知らないかと思ってたけど」

「後からソロトーナメントの決勝動画は見ましたので。それこそ、穴が開くほど」

「なるほど。じゃあ初見殺しは効かないわね」

「ええ。それに……こちとら不良共相手に実戦で鍛えた体捌き。あなたに勝るとも劣りません。それで倒し切れるとは思わないでくださいまし」

 

「……それは、どうかしら?」

 

 そう言って、互いに構え……互いに同時に走り出した。

 カグヤの拳が躊躇なくヒメノの顔面に向かっていく。それをヒメノは片手で逸らすように防ぎ、カグヤの足元を払おうとする。

 それを読んでいたカグヤは一歩下がり、ヒメノの払いを空ぶらせた後、“卯月流・朝月”を放つ。

 それをヒメノは上体を逸らして躱す。

 

 ……一瞬の間に、ここまでの攻防が発生していた。

 

 ドッガッバキッっと、互いに徒手空拳の競い合いが行われていた。

 アリスとキテツはそれを眺めていることしか出来ない、下手に参戦してまた同士討ち状態になったらカグヤの迷惑になるからだ。

 

「(……今!!)」

 

 そしてある程度時が経った後、ヒメノは【チョイス・レッグ・バッファー】を無宣言で発動した。

 カグヤの体勢を崩し、急所に打撃を与えてこの場を離脱しようと考えたからだ。

 

 いつものように、目の前の相手に強化を付与して、体勢を崩させ……

 

「──強化ありがとう」

 

「はっ……? っが?!」

 

「入った!?」

「ウヅキさんの攻撃が等々通じた!?」

 

 ……カグヤの踏み込みに合わせて、強化を放った筈だった。

 それが、突如動作を蹴りに変換させ、強化状態となった蹴りをモロにヒメノは喰らってしまった。

 予想外の攻撃で、ヒメノは一瞬混乱する。

 

「どうしたの? 敵をわざわざ強化するのだから、こうなってもおかしく無いことは予想ついてたんじゃ無い?」

「っまぐれですわ!!」

 

 そう言って、再度互いに打撃攻防戦に入る。

 そして途中で、再度ヒメノは【チョイス・レッグ・バッファー】を無宣言発動。

 今度は、弱体化の方でカグヤの踏み込みに合わせる。

 これなら、さっきのように蹴りに逆利用されることもない。

 

「じゃあ、普通のパンチッ!!」

「うきゅっ?!」

 

 が、今度はカグヤは踏み込みせずに、顔面にそのままパンチを放ってきた。

 これもモロにヒメノはヒットしてしまう。

 

『おおっと、どういうことだー!? 先ほどまで華麗に回避していたヒメノ選手に、段々被弾が発生していくー!!』

『これ、発動タイミングが読まれてるとしか思えないな! カグヤ選手、ヒメノ選手の癖を見抜き始めている!』

 

「な、何故……? どうしてですの!? なぜ私のギアの発動タイミングが読まれて……いえ、むしろ何故効果のアップダウンまで判別していますの!?」

 

 ヒメノはその疑問を声に出さずにはいられなかった。

 発動タイミングを読まれるのは、百歩譲ってまだいい。

 しかし、アップダウンの判別までされてるとしか思えないような逆利用方で、ここまでいいようにされるとは思っていなかった。

 

 その疑問に対して、カグヤは答えることになる。

 

「だって、“ハンド・タクト”でしょ? あなたのそれ」

「っ!?」

「“右手が対象の相手。左手の立てた指がスロット番号。指の数と向きでギアの発動宣言の代わりをしている”。さっきまでの変なポーズは、それを誤魔化すためのものでしょ?」

「あ、あなた……!?」

「ついでに、“左手の甲の表裏。それがバッファーのアップダウンの設定を決めてるんでしょ”。流石に目の前で何度もやられたから、ようやく整理出来たわ。それさえ分かれば、発動タイミングと効果も丸わかりも同然ね」

「そこまで……そこまで見抜いていましたの!?」

「試合の動画見たのあなただけだと思った? ちゃんと私も3位決定戦の動画見てたのよ。今回の試合と合わせれば、大体仕組みは分かったわ」

 

 カグヤの説明に、ヒメノは信じられないでいた。

 この敢えてやっていた格好付けのポーズが、ギア宣言の変わりになっていると見抜かれるのはまだ分かる。

 しかし、左右の手の役割だけでなく、手の甲の向きさえ調節に使っていると見抜かれるのは予想外だった。

 

 これが、Rank3経験者……!? 

 

 目の前のカグヤに対して、そう戦慄していた。

 

「け、けれど! 種が分かった所でまだ対処し切れるとは限りません! 読まれてるなら、読まれてる前提で攻防を組み立てれば良いのです!」

「さっすがヒメノちゃん。ここまで見抜かれても一切諦めない精神、尊敬しちゃうわ。……でもヒメノちゃん、“流石に私に注目しすぎよ”」

 

「「完全同期!! “クロス・コンビネーション”!!」」

 

「っ!? この……ッ」ビッ

 

「止まれ!! 《R》【クイック・ラビット】ッ!!」

 

「ッ!? ガっ?! はあああぁぁああッッッ?!!」

 

 カグヤに意識しすぎたヒメノの隙をつくように、アリスとキテツのコンビネーション技が炸裂する。

 ギリギリで気づいて再度ギアで対処しようとするが、それをさらに読んでいたハクトによる、隠していたスロット4のギア版の《R》【クイック・ラビット】が炸裂。

 同じ《R》シリーズの攻防なら、読み勝った方が通せる。

 

 ギアの発動をストップされたヒメノは、モロにダメージを喰らってしまった。

 

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 プレイヤー5:ヒメノ

 残HP:615 → 403/1000

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「ぐ、うう!! まだ、まだですわ!!」ビッ

 

 諦めずに、ヒメノは再度ギア発動の準備を構える。

 読み切れるカグヤはともかく、他のメンツもそこまで咄嗟に対処できるとは思えない。

 追撃の蹴り技を放ってくるアリスに対して、再度ヒメノはギアを発動する。

 

「“ロング・エッジ”!!」

「っ!? きゃあ!? なぜ、なぜですの!?」

 

 しかし、今度はアリスは体勢を崩さない。

 まるで、“ギアが効いていない”かのようにそのまま攻撃を続行し、ヒメノにクリーンヒットしてしまっていた。

 わからない、分からない! 一度に様々な逆境が発生して、ヒメノは混乱の真っ只中にいた。

 

「俺のことを、忘れるんじゃねえよ」

「っ!?」

「装着3、【フォートレス】を再起動した!! この辺一帯の、俺のチームメイトへの効果は全部俺が引き受けた!!

 

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 プレイヤー4:キテツ

 スロット3:フォートレス (残りE: 2/3) (★適応中)

 

 効果:適応中、自身を中心とした直径5m範囲の味方キャラが受ける攻撃や“効果”を、自身が全て受けた扱いにする。ただし、自身の移動力が減少する。

 ==============

 

「なあ!?」

「これで、君の厄介な体勢崩しの強弱付与は、全部ウラシマ君が引き付けてくれる。つまり、さっきまでの回避の芸当はもう出来ないって事さ」

「へへーん、オレが攻撃に参加しなかったら、強弱の付与も関係ねえし! ダメ元だったけど、【フォートレス】にこんな使い方があったなんて思いもしなかったぜ!」

 

『なんと、キテツ選手! 先ほど逆利用されたフォートレスを、ここにきて上手く活かしたー!! これでヒメノ選手の特技を大幅に封じてしまったー!!』

単一シリーズばっか装備している弱点がモロに出たな。相性の悪いギアと相対した時、それだけで詰みかねない状態になる。ここに来てようやく相性の悪さに気づいたか』

 

「ウラシマ、キテツうぅぅぅぅぅぅぅ────ッ!!!」

 

 思わずヒメノは叫んでしまっていた。

 よりによって、にっくき彼のギアによって自分の行動が封じられてしまうなど!! 

 

「ただ、それにも弱点があります!! あくまでそちらのチームへの効果が防がれてしまうだけ!! 私自身への効果は代わりに受けられないでしょう!? 私自身への強化に全て注げば済む話です!!」

「うわ!? 一瞬で見抜かれた!?」

「流石というべきねー。けどね……“マジック・デバフ”を自分に撃って意味あるの?」

「っ?!!」

 

 そう言って、カグヤはゆっくりを足裏をヒメノに向けた。

 発動するのは、勿論。

 そして今、カグヤへのギアの効果は与えられない!! 

 

「に、逃げ……“インスタント・レッグ”で!!」

「止まれ!! 《R》【クイック・ラビット】ッ!!」

「っが!?」

「おおっと!!」ガシッ

「二人がかりでの、拘束ならどうかな!」ガシッ

 

 逃げようとしたヒメノを、ハクトのギアで行動を一手封じる。

 そして、アリスとキテツが大人気なく両腕を高速。

 この状態なら、得意の体捌きも意味をなさなくなった。

 

「さあ! 今度こそくらいなさい!! ゼロ距離“ファイアボール・ガトリング”!! 20連打ぁ!!」

 

 ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッ!!!!! 

 

「キャ、あ、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああッ??!!!」

 

 ここまで耐え続けていたヒメノ選手も、実質丸裸の状態でカグヤの攻撃を耐え切れるほどの耐久は流石に無かった……

 

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 プレイヤー5:ヒメノ

 残HP:403 → 0/1000

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 バトル・フィニッシュ! 

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 バトルルール:殲滅戦

 残りタイム:3分28秒

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 レディ・オブ・シャークマンズ 全メンバー全滅! 

 

 よって勝者 ムーンラビット! 

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 こうして、一人の女の意地で始まったエクストラバトルは幕を下ろしたのだった……

 

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