Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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二次創作難しすぎるので初投稿です。

あと今日はちょっと短めです。


10話 便利屋、賠償、アウトロー

「……お?」

 

「あ、気づいた。大丈夫ですか?」

 

 

目を覚ます。視線の先には立道の顔。

ひどく頭が痛い。何があった?

 

……これもしかして膝枕されてる?

 

 

「わ、悪い。今起き上がる」

 

「あら、もうちょっといいんですよ?」

 

「お前が良くても俺がよくないんだ。主に世間体的にな」

 

「むー」

 

「むー、じゃない」

 

 

とりあえず起き上がる。これ以上膝枕されてるとオギャりそうだ。

 

周囲を見渡す。

90式戦車、その横でノビているえんじ色のコートの生徒、その側で看病をする三雲、ムツリ、あと見覚えのない紫色の制服と略帽を着た生徒。

 

あー、思い出した。

慣性の法則で吹っ飛ばされた俺があのえんじ色のコートの子にぶち当たったんだ。

今更だが、口元と鼻に痛みと違和感がある。こりゃ骨が逝ってるかもしれん。それ以外にも身体中が擦り傷と打撲だらけだ。

こりゃ帰ったら治療しなきゃな。薬草(Rim産)を育てておいて良かったとつくづく思う。“医薬品”も“最先端医薬品”も在庫が無いのだ。

 

いつつ、と言いながらそちらの方に近寄る。立道も立ち上がって後ろからついて来た。

 

 

「その子の様子はどうだ?」

 

「あ、兄貴。もう起きて大丈夫なの?」

 

「口元と鼻がちょっとヤバいが、まあ俺はどうだっていいんだ。その子の容態は?」

 

「とりあえず大きな怪我は無さそう。気絶してるだけっぽい。ムツリが見てくれたんだ」

 

「(^q^)ハイ!」

 

「お前なんでもできるんだなぁ」

 

 

ムツリの能力値(Rim並感)が気になるところだが、ひとまずは置いておこう。

気絶しているえんじ色のコートの子に寄り添っている、紫色の制服と略帽を着用した生徒の方を向き、目の前で正座する。

 

 

「えっ、えっ、あ、あの……?」

 

「大変申し訳ありません。今回の事故の責任は自分にあります。金銭的な賠償は勿論、可能な限りそちらの要望も聞かせて頂きます」

 

 

しばらくオロオロしていたその子は、何か考えるそぶりをしてから、意を決したように口を開いた。

 

 

「……わ、私1人じゃ決められません。ア、アル様が起きてから、この話はしませんか……?」

 

「ありがとうございます。そちらがそれでよろしいのなら」

 

 

 

 

 

 

しばらく気まずい空気に耐えていると、近くの路地から2人ほど見覚えのない人物が現れた。

黒いパーカーと白黒の髪が特徴的な、ダウナーな雰囲気の生徒と、真っ白な髪とデカいボストンバッグが特徴的な生徒。

 

 

「ハルカ、社長の様子はどう?」

 

「えっと、大きな怪我はないみたいです。もうすぐ目を覚ますんじゃないかと」

 

「アルちゃんも運が悪いねぇ、突然吹っ飛んできたお兄さんとダイナミックキスしちゃうなんて」

 

 

うぐ、と思わず声が漏れる。こ、このボストンバッグの子ズバズバ来るな……

 

 

「えっと、依頼はどうなったんでしょう……?」

 

「失敗。“相手”は情報よりかなり強かったし、途中で定時になってバイト傭兵も帰っちゃったから」

 

「〜〜〜すすすすいません!!!私がアル様を守れなかったばっかりに!!」

 

「しょうがないよハルカ、アレに反応しろって方が無理な話だから」

 

 

意を決して、ダウナーな子の方に話しかける。

 

 

「デザートエッジ駐屯地の古戦ヶ原、という者です。今回の事故については大変申し訳ありませんでした。お詫びにもならないかもしれませんが、せめてその依頼失敗による損害の補填をさせていただけませんか」

 

「……まあ、年長者は私だけど。責任者はそこでノビてる社長だから、社長が起きたら改めて話してちょうだい」

 

「カヨコちゃーん、アルちゃん起きるまでもう少しかかりそうだしさ、その戦車で事務所まで送って貰えばいいんじゃない?」

 

 

ボストンバッグの子が、脇からそんな事を言ってきた。

 

 

「……まあ、担いで帰るよりはマシか。古戦ヶ原さん、そういうわけなんだけど」

 

「はい、大丈夫です。戦車の燃料が保つ限りは」

 

「そんなに遠くじゃないよ」

 

 

───というわけで、四人組の生徒を事務所?まで送ることになった。当然ながら駐屯地に帰る時間は確実に遅くなる為、先に立道に連絡をして貰っている。

……ミレニアムの子らとナダヤにはとても申し訳ないのだが、こういう話は早めに誠意を見せないと後々拗れてくるのだ。

 

 

──────

───

 

某所 ???事務所

 

 

「そんじゃあ、話して来るからここいらで適当に時間潰しててくれ。あと、駐屯地の方に連絡も頼む」

 

「分かりました」

 

 

おもち号の乗員にそう伝え、『アル様』とか呼ばれていた気絶した子を担いで事務所の階段を上がる。

 

ダウナーな子に扉を開けてもらい中に入ると、なんというか、まあTHE事務所といった感じの内装だ。……奥にかかってる『一日一悪』の掛け軸が気になるが、ここのモットーみたいな感じだろうか。随分と変わってるな。

 

案内された寝室のようなスペースに気絶した子を寝かせ、戻ってソファに座る。対面のソファに残りの3人が座った感じだ。

 

 

「とりあえず社長が起きるまでは私が話を聞くよ。私達は、便利屋68。私は鬼方カヨコ。こっちは浅黄ムツキ。気絶してたのは社長の陸八魔アル」

 

「よろしく〜」

 

「わ、私は伊草ハルカといいます」

 

「古戦ヶ原哲郎と申します。今回は大変───」

 

「もう謝罪は受け取ったから。歳上からそう何回も謝られるとこっちが気まずい」

 

「あと、敬語もやめてくれないかな〜?」

 

「……そういう事なら。じゃあ、賠償の話をしてもいいかな」

 

 

 

 

 

 

細かい内容は省くが、とりあえずは依頼の失敗によるクライアントへの違約金、バイト傭兵の雇用料、あと純粋な賠償金を支払う事で合意した。ただし、額が額なので一括ではなく分割で、しかも現金で*1払う事になる。

 

 

「……なあ鬼方さん、ひとつ相談なんだが」

 

「何? 賠償金多かった?」

 

「あ、いや、そこは大丈夫なんだが、こう、なんていうんだろうな、武器商人のツテがあれば教えて欲しいんだ。実はキヴォトスの現金が無いからどうにか工面したい」

 

「……どういう事?」

 

「あー……」

 

 

どう説明したものかと頭を悩ませていると、寝室の扉が突然開け放たれた。

 

 

「依頼はどうなったの!!??」

 

 

便利屋68社長、陸八魔アルだ。

 

 

「ダメだったよ。私とムツキと傭兵で行ったけど、失敗した」

 

「強かったね〜、アビドスの子達♪」

 

「な、な、な……」

 

 

 

 

 

「なんですってーーーーーーー!!!!?????」

(例の顔)

(突然流れ出すUnwelcome ○chool)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……とりあえず、話は分かったわ」

 

 

あの後、しばらくしてから落ち着いた陸八魔アルに事情を説明、改めて謝罪をする。

 

 

「ありがとう。じゃあ、そっちの鬼方さんとは話してたんだが、改めて賠償の話を「いらないわ」───なんだって?」

 

「賠償は要らないと言ったの。怪我をしたのは私だけだし、あなただって反省している。それで十分よ、ここから更に金を取るなんてアウトローじゃないわ」

 

「いや、それではこちらの───違うな、俺の気が済まない。なんとか受け取ってもらえないか」

 

「強情ねぇ……気に入ったわ。じゃあ、こうしましょう」

 

 

 

 

──────

───

 

 

「はいよ!柴関ラーメン8つお待ちどう!セリカちゃんが休みだと大変だこりゃ」

 

 

アビドス市街

柴関ラーメン

 

 

「……なあ陸八魔社長。本当にラーメン1人1杯ずつで良かったのか?」

 

「いいのよ、ここのラーメンが美味しいのは知ってるんだから。ほら、麺が伸びないうちに食べなさいな」

 

 

結局賠償金の話は全部白紙になり、代わりにラーメンを奢る事になった。

こ、子供の器の大きさじゃねえ……その貫禄はまさに『アウトロー』、しかもチンピラとかじゃなくて古き良きアウトローだ。俺が既婚者じゃなかったら惚れてたぜ。さすが、地球で何度も○witterのトレンドに上がる陸八魔アルといったところか。

 

……てかここのラーメン初めて食ったけど美味えな。ラーメン自体何年振りってのもあるんだろうが、それはそれとしてだ。夕飯どきにも関わらず店がガラガラなのが不思議なぐらい美味い。

 

 

「やっぱりここのラーメン美味しいよね」

 

「間違いないですもんね」

 

「(^q^)イイレス!」

 

「ん? なんだ、だらだらも食べに来たことあんのか?」

 

 

 

 

「……!」

 

「? カヨコさん?」

 

 

 

 

「はい。カタカタに奪われた拠点にまだいた時に何回か。お金があまりなかったので、何人かで1杯のラーメンを分け合って食べてましたけど」

 

「……ああ!やっと思い出したぞ。嬢ちゃん、前来た時にお金を纏めてた子だろ」

 

「あれ、大将覚えててくれたんですか?」

 

 

話を聞いてみると以前ここに来た際、全員が小銭を持ち寄ってやっと数杯買った為、会計担当(単に計算が早いだけ)だった立道がどうにか纏めて大将に渡した───という経緯らしい。

 

 

「思い出すのに時間はかかっちまったがな。こう言っちゃなんだが、ヘルメット団の子らにしちゃあ随分腰が低いっつーか、不良っぽく見えなかったんだよ」

 

「ほえー……」

 

「くふふ、今日の私達みたいだね!」

 

 

 

 

 

 

その後、談笑しながらラーメンを食べ終わり、ようやく解散となった。

 

 

「もし何かあったら、便利屋68を頼りなさい。きっと力になってあげるわ」

 

「ありがとう。じゃあ、気をつけてな」

 

「(^q^)ワァー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい人達でしたねぇ」

 

『だねぇ』

 

「そうだなぁ」

 

「(^q^)ハイ!」

 

 

帰りの道中、立道がそんな事を言ってきたので相槌を打つ。

 

 

『アレで指名手配されてるって信じらんないよねぇ』

 

「指名手配?」

 

『アレ? 知らない? ゲヘナの風紀委員から指名手配されてるんだよ』

 

「ほぉー、銀行口座凍結されてるってのもそれか。何やらかしたんだ?」

 

『さあ? 私も詳しい事は知らないんだよね。後で藤田っちから聞いたら?』

 

「アイツ元ゲヘナ生なんだっけ? なら知ってるか。後で聞いてみるわ」

 

 

指名手配。

Rimworldにはなかった制度である。

他の星系では『四天王』*2だか呼ばれる傭兵が恐れられていたらしいが、少なくとも俺がいた星ではそういう話は聞かなかった。Rimworldの中でも治安が良かった方なのだろう。

 

 

「そういえばお兄さん、前から聞きたかったんですけど、お兄さんがいた星って警察とかいたんですか?」

 

「おん? 警察……とはまた違うが、治安維持をしてる集団ならいたぞ。ポラリスって言うんだけどな───」

 

 

夜は更けていき、その暗闇の中を、煌々とライトを焚いたおもち号が走る。

砂漠の星は、今日も夜空に瞬いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アビドス市街

 

 

「さっきはどうしたのカヨコちゃん?」

 

 

事務所へ戻る道中、ムツキが横に来てそう聞いてきた。前方を見ると、社長とハルカがまた何か話しながら歩いている。……ムツキには共有しておくか。

 

 

「……さっきの、古戦ヶ原って男と一緒にいた戦車の乗員、だらだらヘルメット団の団員だった」

 

「だらだら……なんだっけそれ?」

 

「覚えてなくても無理ないよ。私達がこの前襲撃したカタカタヘルメット団が、“依頼”を受けてアビドスを襲撃する為の前線拠点としてアビドス市街地外れの拠点を占拠した時に、元々その建物に入り込んでた弱小ヘルメット団、それがだらだらヘルメット団」

 

「ふーん。でも、それがどうかしたの?」

 

「……カタカタを襲撃した時、かなりボロボロだったでしょ?」

 

「そうだね。装甲車も高射砲も残ってなかったし?」

 

「……予想だけど、アビドスにやられた上でさらにだらだらヘルメット団にもやり返されたんだと思う。カタカタのリーダーがこんな事を言ってた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クソが!!!だらだらと───あの“男”さえいなければァ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「……へぇ?」

 

「それにあの90式戦車とかおもちごうって呼ばれてた戦車もどこから手に入れたんだか。“男”───古戦ヶ原、気をつけた方がいいかも」

 

 

 

*1
銀行口座が凍結されてるらしい。なんで???(素朴な疑問)

*2
Rim淫夢より




実はツイッ○ーで『運輸省』のアカウントを作りました。進捗とか読んだ小説の感想とか投げるかもしれないのでぜひフォローオナシャス!
あ、リンクの張り方が分からないので『運輸省@ハーメルン投稿者』で検索して下さい。

本当はXって言わないといけないんでしょうけど私の中ではまだTwit○erなのでついっt(ry
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