Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記 作:運輸省
多々登場するRimworld要素についてですが、MODとバニラ要素がかなり入り混じっているのでご注意願います。明記するのめんどい(本音)
知りたいことがあったらぜひ感想欄まで(露骨な誘導)
1話 宇宙、砂漠、行き倒れ
取り留めのない話だ。
平和な令和日本で暮らしていた元社畜が、暴走するトラックから子供達を庇って撥ねられ死亡、転生。
転生先はRimworldの入植者(ぼっち)。*1
餓死しかけたり、暴走ノウサギと壮絶なステゴロを繰り広げたり、
思い返してみるとなんだか7〜8割ぐらいよくない事だが、とにかく色々あったのだ。
しかし、苦節10年*2、遂に宇宙船を作り上げた俺は、コロニーに残る仲間達に見送られ、宇宙へと旅立った。
その結果。
「セトラーの兄貴ぃ!飯おかわり!」
「あいよぉ」
俺は、地球時代のソシャゲの世界でヘルメット姿の不良女子生徒相手に炊き出しをしている。
あん? なんでこうなった? 俺が聞きてえよ。
事は数ヶ月前に遡る。
ポッドが降り立ったのは、随分と砂漠化の進んだ住宅街のど真ん中だった。
「……人が近づいてこないのを見るに、ゴーストタウンってとこか」
冷凍睡眠病で催した吐き気を\ 虹色 /する事で解消しながら思考を巡らせる。
Rimにいた時も、そういう地域があるらしい、というのは聞いたことがある。実際に目にした事はないので詳しい事はさっぱりなのだが。
───Rim的常識でいけばこの周辺の建物は全て俺の物にする事が可能なのだが、ところがどっこい俺は元地球人である。Rimとは違い所有権とかそういうのがあるのは分かっているのだ。(曖昧な知識)
「ま、この空き地でキャンプするぐらいなら文句は言われねえだろ」
結局は曖昧な知識しかなかったので、ポッドが降り立った空き地にキャンプを張り、仮拠点とする事とした。
───これが、第一の間違い。
キャンプ生活を続けつつ周辺の探索を進める事数日。いくつか分かった事がある。
一つ。
ここの名前は『学園都市キヴォトス』の『アビドス地域』である、という事。
たまたまお邪魔した商店跡(無人)でそういう感じのポスターを見つけたのがきっかけだ。
なんか聞いたことある名前だなぁ、と考える事数秒。逃れようのない事実に思い至った俺は無事に腰を抜かした。
治安最悪のRimworldから抜け出したら治安最悪のキヴォトスに降り立っちゃうのはもはやバグなんよ。
一つ。
現在は原作開始直前、又は開始直後である事。
なぜこういう考えに至ったかといえば。
ある日の夜、アホ毛が特徴的なピンク髪のロングヘアーで、散弾銃と防弾盾を持った一人称『おじさん』の生き物、通称『アビドスオジサンユメモドキ』こと小鳥遊ホシノと遭遇した為である。
──────
───
その日の夜、俺はその日の探索を終えてキャンプでゆったりとしていた。
薬草のお茶*4を飲みながら、焚き火のそばで安楽椅子でゆーらゆら。
ここがキヴォトスである事はこの時点で百も承知の為、常に傍らには(Rim歴)10年…じゃなかった、(地球歴)1年半とちょっと連れ添った愛銃、M39EMRを、腰にはM1911を提げている。
……『1年半連れ添った』ってなんかやだな、10年って言っとこ。間違ってはいないし。
とにかくそういう感じでいると、焚き火の光に照らされて誰かが近づいてくるのが見えた。
警報が発せられていないという事は敵性存在ではないのだろうが、まっすぐ近づいてくるというのも気味が悪い。
「おい、そこにいるのは誰だ?」
安楽椅子から立ち上がり、腰の1911に手をかけながら声を張る。
まさかこの距離から敵対するなんて事はないと思うが、万が一だ。
「うへ、そっちこそ誰かな? こんなところでキャンプなんて」
そこにいたのは、明らかに警戒の目つきで散弾銃に手をかけている小鳥遊ホシノであった。
ワッ……!(推し)
とりあえず非礼を詫び、こちらの事情を事細かく説明した。なぜ何も隠さなかったか? こういうのはなぁ、全部説明して情報量で圧倒すればなんとかなるんだよ!
〜入植者説明中〜
「と、とりあえず分かったけど……」
「いやぁ、話が早くて助かる。今まで話の前に手か弾が出る連中ばっか相手にしてたもんでな」
「物騒だねぇ」
とりあえずは分かってくれたようなので、作ったばかりの薬草のお茶を渡して別れる……前に、一つ許可を取りたい事があったのを思い出した。
「なあ小鳥遊さん」
「ん〜、おじさんの事はホシノでいいよ? その呼び方慣れないし、お兄さんも悪い人じゃなさそうだしさ」
「お、いいのか? じゃあ遠慮なく。ホシノ、一つ許可を取りたいんだが」
「何?」
「ここは学園都市、つまり学生が行政を執り行ってる。つまり、このあたりの土地関係の事は君に聞けばいいんだよな?」
「そう、だね?」
「いや何、周辺から物資を集めるのは控えるから、この空き地を自由に使っていいか聞きたかったんだ。無理なら無理でいい」
「ん〜、いいよ?」
「……こっちから頼んでおいてアレだが、いいのかそんな簡単に」
「市街地の方とかなら話は別だけどさ、この辺りはもう随分前に人もいなくなってるし、ここを所有してた不動産屋もかなり前に潰れてるんだよ。お兄さんが言った通り、その辺の家から物を取るのはやめて欲しいけど」
「OK、助かる。そうだ、お礼と言っちゃあなんだが」
「何?」
俺はそう言うと、テントの中の雑具入れからベルトを取り出した。
「これをそっちにやるよ」
「何これ、ベルト?」
「ま、その防弾盾があるならホシノは使わないかもしれんか。これはシールドベルトって言ってな、飛来物から着用者を保護するシールドを周囲に張る物だ。しかもポラリス……あー、宇宙警察みたいな集団が使ってたモデルだから、これを使いながら銃も撃てる」
「……???」
「宇宙猫みてえな顔するね君。使わないんだったら知り合いにでも渡してくれたらいいさ」
宇宙猫と化したおじさんにシールドベルトを押し付け、とりあえずその日は帰ってもらった訳だ。
それから2週間程。
拠点がテントから小屋にバージョンアップしたり、畑*5の運用が開始されたり、防衛設備をちょこっとだけ*6整えたり、電動工作台を作ったり。
Rimにいた時、コロニーのバックアップ要員的なポジションにいたので、ほぼ全ての業務をある程度こなせるのだが、それでもメインメンバーの代わりになる最低ライン。あまり高度な物となると技能が足りない。
一応、最低ラインの技能でも6ぐらいはあるのだが。
ちょっとずつ拠点も整って来たかなー、なんて事を考えながら散歩をしていた夜の事だ。
「ぐえぇぇ……」
道端に、黒いセーラー服に黄色のリボン、そしてベッコベコになったフルフェイスヘルメットを被ったJKが転がっていたのである。
いわゆるヘルメット団というやつだ。
あの夜から何回か夜に現れるホシノの話にも出て来た事もあるし、そもそも『ブルアカ』の知識としても知っている。
ヘルメット団が悪役という事は重々承知しているのだが、Rimでの常識*7が俺の足を彼女の元へと向けさせた。
「おーい、大丈夫か」
「な、なんか食べ物……」
「絵に描いたような行き倒れだな……ちょっと失礼…うわ軽っ」
結局そのヘルメット団はお持ち帰り(文字通り)。
ベッドに寝かせて怪我を治療しつつ、簡単な飯を食わせる。これは米から作った『簡単な飯』なのでシンプルな塩握りだ。*8
…塩がどこから出て来たのかって? 屋根のトタンを無から錬成するRim人にそんな質問しちゃいけねえよ。
ヘルメット団がうめ、うめ、とおにぎりに夢中になっている間に、ベッコベコに凹みまくって弾痕だらけのヘルメットや、自動小銃(見た感じSG551?)を修理しておく。自動小銃の品質ひっどいな、ブラックマーケット産か?(偏見)
結局、行き倒れの直接的な原因は怪我ではなく空腹と脱水だったようで、キヴォトス人の回復力の賜物かは知らないがものの数時間で回復。
朝までぐっすり眠った後、普通に帰って行った。
「じゃあなー、兄ちゃん!また来るぜ!」
なんて言って。
妹ができたみたいで可愛いなぁ、なんて頭お花畑な事を考えていた俺は気づかなかったのだ。
『また来るぜ!』
第二の間違いを犯していた事に。
しばらく続くかも…?
ついでに拙作もよろしくお願いします!(万和日本民並感)