Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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ドリームジャーニーがあまりにも““良””すぎるので初投稿です。
助けてカヨコ、俺このウマ娘好きになっちまう……

《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
00ガンダム(6話)

ありがとナス!


22話 大暴れ、金利上昇、カイザー理事

アビドス市街地

廃ビル

 

 

古戦ヶ原哲郎

 

 

 

 

「よし、作戦を開始する。おせち号はその地点から東北東に進め」

 

《東北東…カイザーの集団からは離れるけどいいのか?》

 

「マトモにあの集団に突っ込みたいってんなら止めないぞ」

 

《だってよ西潟》

 

《えっ、あたし⁉︎》

 

 

応接用のソファ。

所々破れているソファに座った古戦ヶ原が、タブレットを睨みながらおせち号に指示を送っている。

 

黒服はどうしているのかというと、その『隣』に座って古戦ヶ原の様子を興味深そうに眺めていた。

 

 

「……先生の“シッテムの箱”もそうですが、そのタブレットも非常に興味深い。戦場は文字通り丸見えというわけですか」

 

「そんなもんだ。あとただでさえここ冷房無くてクソ暑いんだからそんな近づくなよ。向こう座れ向こう」

 

「ククク…そうつれない事を仰らないでください。私もそれ見たいので…」

 

 

黒服はそう言うとソファから立ち上がり、今度は古戦ヶ原の背後に回った。

古戦ヶ原は何か言おうとしたものの、まあさっきよりはマシかと思い画面に意識を戻す。

 

 

 

……今回設けられた会談は、意外にも平和的に進んだ。

自己紹介、お互いの目的の公開、雑談、お互いの情報の交換、雑談。

 

まあ、それもそのはず。

古戦ヶ原のスタンスはRimworld時代から変わらず『敵対するなら撃つ』。そして、黒服のスタンスは『敵対する気は無いし寧ろ協力したい』だ。

胡散臭さこそ溢れているが、そんな人物Rimに幾らでもいたし慣れっこである。

 

古戦ヶ原としては黒服、ひいてはゲマトリアの事を、ひとまずは『信用はできない中立勢力』と見る事にした。どうも一枚岩じゃ無さそうなのでそこは注意が必要そうだが。ベアトリーチェに関して『ベアおば』『邪悪』『ゲマトリア所属』という情報を持っていたからである。ソースは生前のTwit○er。

 

もちろん、古戦ヶ原本人やDEメンバー、そしてアビドスに危害を加えるようならば容赦なく鉛玉か反物質弾を叩き込む所存である。反物質弾はまだ調達できていないが。

 

 

《おせち号からDEリーダー。指定地点に接近。ジャベリン発射準備よし》

 

「DEリーダー了解。おせち号は射撃準備を維持したまま前進」

 

 

一旦おせち号との無線を切り、回線を切り替える。

先生だ。

 

 

「こちらは準備完了。作戦開始よろしいか」

 

《ポッ》

 

 

声による返事はなく、返ってきたのは無線のPTTボタンを短く一回押した音のみ。

無線の傍受を避けようとしているのだ。

 

 

「了解。作戦を開始する。───DEリーダーからおせち号、Weapons Free!!」

 

 

 

 

 

 

アビドス

砂漠化地域

 

おせち号

車長 讃岐マリコ

砲手 林マナミ

操縦手 西潟ミユキ

 

 

 

号令が下された。

 

 

撃て!

 

「オラッ、数ヶ月遅れのお年玉だ!受け取れぇ!」

 

 

砲塔左側面で展開されていた発射器から、2発のミサイルが発射された。

FGM-148 ジャベリン。

その本業は対戦車・対陣地攻撃であるが───実は、低空を飛行するヘリコプターへの攻撃能力も備えている。

 

ロケット推進でかっ飛ぶ飛翔体は、瞬く間に、アビドスを威嚇する為に低空に降りていた戦闘ヘリへと接近。

 

 

ッ!クソ!ミサイル!ミサイル!

 

 

レーダーに映る飛翔体にヘリが気づいた時には既に遅く。機体に命中したタンデム成形炸薬弾頭は、しっかりとその役目を果たした。

アビドス砂漠の空に、汚い花火が2つ。

 

 

「よぉし2つとも命中!どうだコラ!」

 

「よしっ!マナちゃんは機関砲射撃準備。ガッちゃんはそのまま突っ走って!」

 

「いっくよー!!!」

 

 

ジャベリンを発射後も突っ走っていたおせち号の眼前に迫るのは、カイザーPMC基地の裏口。

防護壁と防護壁の狭間に設けられた、ちゃちなバリケードだ。

歩哨のオートマタが1体見える。こちらに気づいたのか、どこかへ連絡しているようだ。

だが遅い。

 

 

「マナちゃん、目標前方の散兵とバリケード、弾種榴弾!照準合わせ次第撃って!」

 

「撃つぞ!」

 

 

ドッドッドッドッ、と腹の底から響くような重い爆音と共に、25mm榴弾が数発放たれた。

バリケードが粉々に砕かれ、オートマタが吹っ飛ぶ。

 

 

「突っ込むよぉ!」

 

 

バリケードの破片を踏み越え、おせち号は基地内へと侵入した。

 

これは古戦ヶ原しか把握していない事だが、カイザーPMCのこの基地に配備された戦力は、その1割を突然やってきたアビドスに破壊され、残り5割でアビドス組を基地正面にて包囲、あと基地に残っている4割は予備戦力だ。そして機甲戦力は軒並みアビドス側へ回している。

 

つまり、

 

 

 

 

ボーナスタイムである。

 

 

 

 

《ようし、基地機能を叩き潰すつもりで行こう》

 

 

まずは通信施設を徹甲弾と榴弾の両方を駆使して叩き潰し、基地周辺の通信を遮断。

 

 

そして次は発電施設。

金網で封鎖されていたが、そんな物は30tの車体の前では飴細工のような物。易々と踏み破り、もれなく榴弾を叩き込む。

これで電力を遮断。非常用発電システムぐらいあるだろうが、それはさすがに保留だ。そういうのは大体地下にある物である。

 

 

「次は何狙う⁉︎」

 

《東に回れ。そっちに燃料デポがある。人ん家で火遊びしようぜ火遊び

 

Foo↑ そういうの大好き!」

 

 

燃料タンク、ドラム缶、ガス缶、ありとあらゆる可燃物が吹き飛ばされてゆく。カイザーからしたらこんな危険な火遊び溜まった物じゃないが、DEは一切の被害を負っていないので無問題である。

 

 

「なあおいマリ助!」

 

「何どうしたの⁉︎」

 

「俺らカイザーから直接攻撃されたわけじゃねえんだよな⁉︎こんな暴れちまっていいのか⁉︎」

 

「よく考えなよマナちゃん!アビドスっていう友達(ダチ)がとんでもない暴利の借金ふっかけられてて、その上でカタカタもけしかけられたんだよ!」

 

「……それもそうだな!!じゃあいいか!!!」

 

 

林も吹っ切れたのか、駐機されていた戦闘ヘリにもキッチリ榴弾を叩き込んでいく。

 

後で調べたら、ここで破壊された戦闘ヘリ(AH-64D)は5機。1機あたり大体28〜29億らしいので、ここだけで140〜145億の損失になる。やったぜ。

 

 

 

 

 

よし、よし、来るぞ!後ろに立つなよ!

 

くらえ!!

 

 

 

 

 

衝撃。

車体右側から爆炎が上がった。

 

 

「のわぁっ⁉︎」

 

《ッ、無事か⁉︎》

 

「だ、大丈夫!大丈夫!ERA(爆発反応装甲)で防いだ!」

 

 

車体側面に張り巡らされたERAが、無反動砲の成形炸薬弾頭を防いだのである。タンデム弾頭でなかったのは幸いか。ERA万歳(例のミーム)

 

 

「いた!散兵左後方!ガッちゃん車体左旋回!マナちゃんはそのまま撃って!弾種そのまま!」

 

「ぶん回すよぉ!」

 

「おおおおおっとっと。よっしゃよくもやりやがったなコラァ!!!」

 

 

急旋回になんとか耐えた林が放った25mm榴弾は、確かにオートマタを捉えた。吹っ飛んでそのまま動かなくなる。

 

 

《よし、動け動け、動き続けろ!敵が集まり始めてきた、もう少しの辛抱だ!》

 

「前進!さっき向こうのほうに車両置き場が見えたから次はそこ叩く!」

 

「これとんでもねえ試験になってんなぁアッハッハ!!!」

 

 

 

 

うおおおお!!この俺の防弾盾で止めてやウワーッ!

 

 

 

 

「やっばなんか踏んだ」

 

「地雷じゃ無さそうだし大丈夫でしょ」

 

 

次に目の前に現れたのは、待機中の非装甲車両や軽装甲車両が数十台ほど集まった駐車場である。どれもしっかりカイザーインダストリー製、カイザーPMCのマークが付けられている。

まあそんな事は関係ない。なぜなら今から全部スクラップにするからだ。

 

 

「弾種は⁉︎」

 

「榴弾!どんどん撃って!」

 

「っしゃぁ!」

 

 

重装甲目標には非力な25mmであるが、非装甲車両に対しては無類の強さを発揮する。

25mmの穴が穿たれた車両は次々に爆発、燃料に引火し大炎上。この世の終わりかというぐらい炎が燃え上がる。

 

 

「うっひぇ〜、あれ全部でいくらぐらいすんだろ」

 

「ざっと億は行くんじゃない?」

 

「へへ、いい気味だ」

 

 

業火を背に次の目標を探していると、古戦ヶ原から無線が入った。

 

 

《よし、アビドス組の離脱を確認した!ここいらでお暇するぞ。ちょっとカイザーの数がやばい》

 

「え。もうちょいやれるよ? ここまで来たら全部やっちゃおう? あっちの方はまだ手ぇ付けてないし」

 

 

讃岐が指差した方向には、建物の影に隠れてドーム状の何かが見えている。確かに、インフラ関係がこちらに集中していたため、向こうのほうには行っていない。

 

 

《バカ言ってないで離脱しろ!早く帰らねえとアビドス組を逃して激おこの戦車隊に囲まれるぞ!》

 

「戦車ァ⁉︎」

 

「よし帰るぞマリ助!」

 

「そうしようかマナちゃん!」

 

 

180度旋回。

一目散に逃げ出す。

 

 

《あっ、前方注意、1両来るぞ!》

 

 

その時、建物の影からヌッと何かが姿を現した。

ブラッドレーよりも一回り小さい、クルセイダー巡航戦車である。

 

 

「うわわわっ⁉︎」

 

「掴まってぇ!」

 

 

西潟がスラローム走行を始めるのと同時、発砲された徹甲弾が砲塔を掠め、後方で大爆発を起こした。流れ弾が撃ち漏らしの燃料タンクか何かにでも当たったらしい。

車体を戦車の鼻先に擦りながら交差点を曲がり、裏口へと向かう。

 

 

「兄貴ぃ!ああいうのもうちょい早く言えよ!」

 

《無茶言うな!この数で同時に動かれたら事前の把握なんてそうそうできねえよ!ゲームだったらPCがクラッシュする数だ!》*1

 

「マナちゃん砲塔回して!アイツのケツに徹甲弾叩き込んで!」

 

「お、おう!」

 

 

真後ろに向いた砲塔から、APDS弾が吐き出された。

すっ飛んだAPDS弾がクルセイダーのエンジン部を粉々に砕き、エンジンから火が上がった。

 

 

「っしゃアオラァ!見たか!」

 

 

最初に破壊したバリケード跡をくぐり、砂漠に飛び出した。

 

 

「追手は⁉︎」

 

《……大丈夫そうだ。引き返してく。ふぅー……戦闘終了、そのまま離脱しろ》

 

「へ……へへ、どうよ兄貴。おせち号の力は」

 

 

力が抜けたのか、讃岐がどさっと車長席に座り込んだ。よく見ると足が震えている。林も西潟も同じだ。

それを見てか知らずか、古戦ヶ原は優しげな口調でこう言った。

 

 

《予想以上だよバカタレ共。とんでもねえジャイアントキリングだ。空き巣を狙ったとは言え、ただのIFVたった1両で軍事基地半壊に追い込みやがった。所々破壊し損ねた建物はあるが、軍事基地としての主要機能はほぼ潰したと言っていい》

 

「もーこんな無茶はこりごりだぜ…」

 

「あたしも…」

 

《安心しろ、こんなバカな作戦そうそうねえから》

 

「『絶対ない』って言い切ってくれよそこは」

 

《世の中何があるか分からんからなぁ…ま、気をつけて帰ってこい。お疲れさん》

 

 

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

 

カイザーPMC基地前

 

 

オートマタや車両が慌ただしく動く喧騒の中で、一際体格の大きいオートマタがあたりに叫び散らかしていた。

そう、みんなだいすき()カイザーPMC理事である。

 

 

「被害は⁉︎」

 

 

報告に近づいてきたオートマタに叫ぶ。完全に怒り心頭だ。

 

 

「主要機能は壊滅です!通信は完全にダウン!燃料デポの火災は依然として延焼中!車両集積エリアと駐機場も炎上中です!発電施設がやられたのと待機していた消防班が被害を受けたのとで、ポンプも最低限しか動かないですし消火の手も足りません!あとそもそも水が足りません!」

 

「だったら対デカグラマトン大隊から応援を回せ!それぐらい考えろ無能が!研究棟と採掘棟だけはなんとしても死守しろ!死守できなかったら貴様はクビだ!」

 

「えぇっ⁉︎ は、ハッ!」

 

 

オートマタがまた走って行った。

 

 

「……クソ!ここまでやったのは一体どこのバカだ⁉︎シャーレが雇った傭兵か⁉︎それともネフティスの差金か⁉︎」

 

「理事!生きてた監視カメラに奴が映ってました!これを!」

 

 

駆け寄ってきた別の部下がタブレットを差し出して来た。

そこにはたった十数秒ではあるが、暴れ回る装軌式の装甲車おせち号の姿が鮮明に映されている。

それを険しい顔で見ていた理事は、あることに気がついた。

 

砲身だ。やけに細い。

 

ここまでの被害をもたらしたのだ。どんな大軍か、はたまた化け物みたいな戦車が来たのかと思っていたが、これではまるで───

 

 

「…………おい、やけに砲身が細く見えるが」

 

「ハッ、証言と合わせると、口径は不明ですがおそらく機関砲のみを装備しているのかと。戦闘ヘリを撃墜したミサイルも装備しているはずですが、詳細は不明です」

 

「……じゃあなんだ、我が社が誇る一大基地が、戦車砲すら持ってない装甲車ごときに完膚なきまでにやられたと言うのか?」

 

「……そう、なります」

 

 

理事は頭を抱えた。

 

 

「……情報部に伝えろ。何がなんでも今回の下手人を探し出せ。そして何がなんでも潰せ。成功報告以外を持ってきた場合は部署ごと取り潰す」

 

「ハッ!」

 

 

部下が走っていたのを確認した理事は、大きく深呼吸をした。

 

アビドスに関しては、最近は紆余曲折あったがとりあえず順調だった。

噂のシャーレがついてきたことや、不法侵入してきたのには驚いたが、それを逆手に取って信用の低下、金利の上昇、補償金の支払いと、王手をかけてやった。これでやっとアビドス高校は、対策委員会は終わりだろう。

 

 

 

そこまでは、そこまでは良かったのだ。

 

 

 

そこに突然のコレである。

訳がわからない、嵐か何かにでも遭った気分だ。

 

つのる苛立ちと共に徐々にタブレットを握る力が強くなり、ついには画面が割れた。

*1
遠景画面が赤点で真っ赤になるぐらい




書いててとても楽しかったです(満足)
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