Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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随分前に古戦ヶ原の使用している銃火器を『M39 EMR』と紹介しましたが、Rimworldの方をちゃんと確認したところM39EMRではなく『Mk14 Mod 0』だったので訂正しておきます。まあ何が違うかって言われてもそんな大きな違いは無いんだけど(ry

《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
00ガンダム(7話)

ありがとナス!


25話 襲撃、突撃、突撃破砕射撃

DE駐屯地 近郊

 

ゴーストタウンと化している住宅地を進む軍勢がある。

白地に緑帯の安全ヘルメットを被り、M4カービンを携えた傭兵。

統一された特攻服に、『慰血冴悪異珠苦李無(いちごあいすくりむ)』だの『我絶死覇火我異威々(わたしはかわいい)』だの『羅布羅布鬼憂云(らぷらぷきゅん)』だの文字を入れたスケバン。

やたらとボロボロな様相を呈しているヘルメット団。

 

 

そして、先頭を歩く武装した4体のオートマタと1人の生徒。

 

 

何を隠そう、カイザーPMC情報部アビドス方面課の面々である。具体的には課長(オートマタ)、主任(生徒)、ジョージ(オートマタ)、ジョナサン(オートマタ)、ジョセフ(オートマタ)だ。

 

 

「なあ主任ちゃん、結局何人雇用できたん?」

 

 

ジョセフが、バックパックから取り出した地図を見て唸っている主任に話しかけた。

 

 

「傭兵が12人、スケバンが18人、はぐれヘルメット団が6人。全部で36人です」

 

「たった1個小隊だけかぁ……」

 

「型落ちのクルセイダーすら無いしな」

 

「上が急に動かなきゃなぁ……」

 

 

先日カイザーPMC理事から直々に『基地を襲撃した下手人を見つけて潰せ』と仰せつかったアビドス方面課は、戦力を集めるべくブラックマーケットに赴いた。

 

そしてそこで、金に物を言わせてなんとか戦力をかき集めていたのだが、集め始めて数時間ほどたった夜中。

上層部から、

 

 

『状況の変化に伴い、明朝、アビドス市街地へ侵攻を開始する。情報部は万全を期す為、本隊と同時に襲撃を開始されたし。ていうか下手人は見つけてるんだよな? 見つけてなかったら朝までに見つけろ穀潰しが』

 

 

というありがたい()メッセージを受け取ったのである。

ちなみに最後の一文は皮肉たっぷりな文章で書かれていた。トリニティ出身の生徒でも雇った?

 

 

 

そういうわけでしょうがなく、どうにか雇用の間に合った36人で下手人の基地に向かっているわけである。明らかに戦力が足りない為、情報部員も銃を持って参戦する始末だ。

 

 

 

「どうする主任、隊を分けるか?」

 

 

ジョージが後ろを指差しながら言った。

 

 

「……あまりやりたくはありませんが、武装集団も30人はいない筈です。三方向から襲撃をかけましょう。傭兵を中心としたA班で最初に攻撃を仕掛け、時間差をつけてスケバン中心のB班、ヘルメット中心のC班を持って敵の背後をつきます」

 

「僕達はどう動けば良いかな」

 

「ジョージさんとジョナサンさんでA班についてください。なるべく時間を稼ぐような戦い方をお願いします。ジョセフさんと課長はB班、私はC班をもちます。A班は東、B班は西から攻撃を仕掛けてください。C班は南から仕掛けます」

 

「よし、任された」

 

「課長動けます?」

 

「あんま動きたくねえんだよなぁ」

 

「せめて給料分は働きましょうや」

 

「はいはい。では、各班行動を開始してください。攻撃開始は本隊と合わせて0800とします。各班はそれぞれ攻撃開始に間に合いそうな地点に向かってください。それでは、今日も1日ご安全に」

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

0750

 

DE駐屯地

 

 

それはそれとして、現在朝食中の古戦ヶ原とナダヤである。

 

 

「迫撃砲を1門改造しようかなって考えてんだよ」

 

アレ(60mm迫撃砲)をかい。どういう風に?」

 

「今銃火器の輸送で使ってるハイラックスがあるだろ? アレをもう1台新造して、荷台に弾薬と迫撃砲本体と射撃統制システムを一緒くたに乗っけてさ。機動できるようにしてえなって」*1

 

「ああ、攻勢用で1門確保しておくみたいな意味かい?」

 

「そうそう。柴関の時は急だったからヘリでそのまま持ってったけど、砲弾を打ち尽くした後は待ちぼうけだったって西潟が言っててさ」

 

「なるほどねぇ、でも人はどうする? あたらしくおせち号も運用を開始したじゃないか」

 

「そこなんだよ。とりあえず攻勢時以外は使わなそうな車両だから普段は置いておくとして、迫撃砲の運用経験がある永末と誰かを充てる方向で考えてるが……あー、何をするにも人が足りねぇ」

 

「もうどこかから雇用する方向で考えるかい? Rimの時に使ってたRimdeedみたいに」*2

 

「その方が良さげかなぁ……ん、ご馳走様。皿洗っとくわ」

 

「ありがとう。じゃあ私は畑を───」

 

 

警報。

古戦ヶ原がタブレットに飛びつく。

 

 

「どこからの襲撃だい?」

 

「『カイザーPMC情報部アビドス方面課』…長えな、とにかくカイザーだ。数は36名、ただ、主戦力は傭兵とかスケバン、雇われが中心っぽい。数は三方向、最初に一番多い傭兵が東から来る。ナダヤはここ(第一棟)にいろ、流れ弾が来ないとも限らんから気をつけてな」

 

「分かった。武運を」

 

 

Rim時代から使っているVIRTUS STV*3を雑に着て、第二棟へと走る。

 

 

敵襲ー!!敵襲ー!!

 

 

第二棟の扉を蹴破ってそう叫ぶと、バタバタガタンガタンと音がしてそれぞれの部屋からだらだらやE分隊が、それぞれの武器や装備を持って飛び出してきた。

 

 

「みかん号とおもち号とおせち号はエンジンを回せ!いつでも動けるように待機!」

 

「分かった!」

 

「分かりました!」

 

「(^q^)イソイデハシレ!」

 

 

中司、国定、我部、立道、三雲、ムツリ、讃岐、西潟、林の9名がそれぞれの車両のもとへ走る。

 

 

「永末は迫撃砲を準備しろ!場所は鉱山の横でいい!」

 

わぁ()1人すか⁉︎ 大変だこりゃ!」

 

 

永末も迫撃砲が保管されている倉庫に走る。

 

 

「名残、渡辺、大宮寺は1番陣地、田んぼ三姉妹は2番陣地につけ!……待てよ、ひいふうみい……誰か志津と宮崎がどこに行ったか知らないか⁉︎」

 

「あの2人なら3時ごろに配達に出たっスよ!」

 

「……そうじゃん!!!今日は早めに出るって言ってたな⁉︎ ああクソ、タイミングの悪い…」

 

「なあ隊長、くじら号はどうする?」

 

「ん? あー……そうだな、くじら号はひとまずいい。E分隊は俺に続け。西と南から来る別働隊を迎撃する」

 

 

──────

───

 

 

これはだらだらもそうなのだが、E分隊は戦闘態勢に入った古戦ヶ原を見たことがない。今まで襲撃が無かったのもそうだし、柴関やブラックマーケットの一件の際は指揮に専念していたからだ。

 

だから、三ヶ島から見ても、臨戦態勢を取る古戦ヶ原は新鮮に見えた。

 

FASTヘルメットにアイウェア、マルチカムとはまた違う迷彩のボディーアーマー(VIRTUS STV)を着込み、Mk 14 Mod 0に弾倉を叩き込んでいる。

 

 

「それが隊長の“勝負服”?」

 

 

後ろを走っていた上辻が軽口を言った。

 

 

「“勝負服”ね。言い得て妙だな、確かにそうだ。まだまだ現役よ」

 

「イカしてるじゃん。惚れちゃいそう」

 

「(`・ω・´)b」

 

「こやつめHAHAHA」

 

 

先頭を走っていた古戦ヶ原が廃アパートの敷地内に入った為、それの後に続く。

 

 

「各班状況知らせ」

 

《1番陣地準備よし》

 

《2番陣地もOKだよ〜》

 

《機甲班は全車準備良し》

 

「よし。おせち号は適宜1番2番陣地の火力支援につけ。みかん号とおもち号はヘリポート側から幹線道路に抜けて敵集団を迂回、背後を荒らしまわってやれ。敵味方の位置情報は各車の情報端末に送ったからそれを見て各個判断するように。以上、幸運を祈る。命大事に行こう」

 

《一番命大事にしなきゃいけないのは兄貴っスよー、1番陣地通信終わり》

 

《危なくなったら逃げてよね。2番陣地通信終わり》

 

《危なくなったら遠慮なく応援を要請して下さい!》

 

《(^q^)ワァー!》

 

《……以上機甲班だ》

 

「……愛されてますね、隊長」

 

 

奈良山がボソッとつぶやいた。

 

 

「照れるぜ」

 

《遅れましたァ!迫撃砲も準備完了!》

 

「了解。では作戦を開始する。諸元は送信した、目標は傭兵集団、迫撃砲は砲撃を開始せよ」

 

《了解!ってぇー!

 

 

ここに、戦いの火蓋が切られた。

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

0800

 

カイザーPMC情報部アビドス方面課攻撃部隊

 

C班

主任

 

 

「……本隊の攻撃開始を確認しました。各班は攻撃を開始してください」

 

《了解、A班突撃!》

 

《B班前進!》

 

「私達も前進しましょう、C班も前進します」

 

 

主任が先陣を切り、前進を開始する。

C班の戦力は主任を含めて7人、任務はB班と共同で武装集団の背後を突く事である。

 

 

「なあアンタ、一つ聞いてもいいか」

 

 

はぐれヘルメット団の1人、赤ヘルメットがそう言いながら横にきた。

 

 

「なんでしょうか」

 

「やっぱこれから攻撃するのってだらだらヘルメット団なんだよな?」

 

「───そう、ですが、ご存知で?」

 

 

あの武装集団がヘルメット団由来というのは調べがついていた。そのヘルメット団が『だらだらヘルメット団』という名前なのも。しかし、それは今回雇った者には話していない。そこまで重要な情報では無かったし、攻撃が事前に察知される可能性を一つでも潰しておきたかったからだ。

大事な情報として『武装集団は機甲戦力を保有している』というのは伝えてあるが。

 

 

「……そうか、そうか」

 

「? あの、何か…」

 

「先に謝っとくわ。ごめんね」

 

 

どこからか爆発音が響いた。A班のいる方向だ。

 

 

「これ、負け戦だぞ」

 

 

 

 

《こちらA班!迫撃砲の攻撃を受けた!こちらの攻撃は既に察知されてる!》

 

「っ、なんですって⁉︎」

 

 

馬鹿な。

事前の調査では、武装集団は0900から歩哨を出し始めるのは判明している。*4時刻は0805、まだ歩哨は出ていないはずなのだ。

確かに夜襲のような純粋な奇襲では無いが、それでも周辺の警戒は怠っていなかった。実際、歩哨にも遭遇していないし、UAVのような無人航空機も察知していない。

……いや、一つだけ考慮していなかった物がある。ただの武装集団が持てるはずのない、宇宙(そら)の眼。

 

 

「まさか、偵察衛星…⁉︎」

 

《すごく正確な砲撃だ!最初から効力射してきてる!散れ!散れ!固まってると吹っ飛ばされるぞ!》

 

 

「アタシらは元カタカタヘルメット団だ。アンタらに雇われてた、な」

 

「カタカタ…」

 

「アビドス東線でだらだらにやられた後、やり返すために残党で情報を収集してた時期がある。でも、諦めた」

 

「それは、なぜ…?」

 

「アンタらも知ってるんじゃないのか? 化け物みたいな戦車だよ。あんなのが突然現れたら誰だって戦意を無くすさ」

 

 

《クソ!『ギガント』だ!ギガントが突っ込んできた!あっやばっこっち来たうわーっ⁉︎

 

《ジョナサーン⁉︎》

 

「お、落ち着いてくださいジョージさん!指揮を引き継いで!」

 

 

 

 

 

 

立道=サン⁉︎ 俺“背後から”って言ったよな⁉︎ 集団のど真ん中をぶち抜くバカがいるか!!

 

すいません道1本間違えました!

 

コンタクト!正面敵散兵多数!1番陣地交戦!

 

こちらみかん号!敵の背後を取った!

 

ようしいいぞみかん号!オートマタを狙ってやれ!多分そいつがカイザーの指揮官だ!

 

 

 

 

 

 

《ぬうっ⁉︎ 敵機関銃!RPG!RPGを持ってくるんぐわーっ⁉︎

 

「ジョージさん⁉︎ ジョージさん⁉︎」

 

 

A班との通信が完全に途絶えた。

傭兵だけでも戦えはするだろうが、もはやこちらの戦術に則った動きは望めない。

 

 

「B班、A班のジョージさんとジョナサンさんがやられました。現在地知らせ」

 

 

 

 

 

2番陣地

 

藤田アヤカ

山田ナオ

石田ナオコ

 

 

比較的順調な1番陣地に対して、2番陣地正面は激戦区と化していた。

数に任せて弾幕を浴びせてくる傭兵に対し、陣地にいるのはたった3名。石田がバレットM95で狙撃、山田がブローニングについて12.7mmを浴びせているが、圧倒的に数が足りていないのだ。

 

 

「多い…!」

 

「ごめーんマリコちゃん!2番陣地に火力支援お願い!奴ら数に任せて突っ込んできてる!」

 

《はーいお任せあれ!》

 

《陣地と弾着が近いな。永末、目標変更。次は西から来る中集団を叩く。残弾は?》

 

《即応弾は撃ち切ったすけ、今倉庫から榴弾ば持ってきてらぁ!》

 

《分かった。ひとまず10発でいい、西から来る中集団に叩き込め》

 

 

 

 

《B班は敵基地から西に50m、早駆けで突っ走ってる!》

 

「急いでください、A班がそろそろマズいです」

 

《無茶言いなさんな!》

 

 

 

 

 

 

B班が向かう先の空き家の中、三ヶ島と上辻が、窓から離れた位置でそれぞれのHK416Cを構えていた。どちらも、DE駐屯地に来てから製作された秀品である。

そして、ブラックマーケットの武器商、『B&W アンドレ』に依頼して光学機器を調達。カスタムもされた物だ。

 

 

「……来たぞ、先頭と最後方にオートマタ。弾着に合わせて発砲、上辻は先頭、私は後ろだ」

 

「OK」

 

 

弾着。

スケバン集団のど真ん中が吹き飛んだ。

スケバンが数人宙を舞う。

 

 

ぬぅおっ⁉︎ こっちにも砲撃が来やがった⁉︎ あっぶねえ⁉︎ もうちょいで直撃アバァ⁉︎

 

ジョ、ジョセフが撃たれあだぁっ⁉︎

 

 

 

「命中♪ やっぱ素直に飛ぶねぇ、このアサルトライフル」

 

「相変わらずハンドメイドとは思えない精度だな…レティクルそのままに飛んだぞ」

 

 

 

 

 

 

「B班も通信途絶……い、一体何が……情報部員が積極的に狙われている…?」

 

「やっぱりダメかぁ」

 

「数に任せたらってちょっと期待してたけどやっぱ無理そうかなこれ」

 

「っぽい。最低でもこの2倍かなぁ」

 

 

はぐれヘルメット団……いや、元カタカタヘルメット団員達は既に諦めムードだ。

 

 

「うん、ごめんなカイザーの主任さん。アタシら抜けるわ」

 

「えっ⁉︎」

 

「前金はここに置いとくから。じゃ、ごめんね」

 

あそこやるとしたらどうやる?

 

そうだな、どうにか戦車をいっぱい揃えるか、燃料の調達先を潰して───

 

 

ヘルメット団員達はあっという間にいなくなり、あたりには主任と、ヘルメット団員に渡した手付かずの前金のみが残った。

 

 

「……くそっ」

 

 

前金をバックパックに乱暴に突っ込み、背負い直す。

手にしたM4カービンを確認、相変わらず整備だけは丁寧にされている。今まで使ったことなんて片手で足りるぐらいなのに。

無線機を手に取った。

 

 

「……A班、応答してください」

 

 

応答なし。

 

 

「……B班、応答してください」

 

 

応答なし。

 

 

楽観的に見れば、傭兵かスケバンが防衛線を突破し、基地内を蹂躙している頃だろう。

 

だが、それはない。

 

 

なぜなら、先ほどからあれだけしていた爆発音も銃撃の音もしないからだ。十中八九全滅している頃だ。

 

深呼吸を一つ。

 

 

「……私だけでも

 

 

そう呟いた主任は、M4カービンを前方に構え、敵基地の方向へと足を踏み出した。

*1
自走迫撃砲『スコーピオン』で検索検索ゥ!

*2
オンラインベースの人材派遣会社。お金を払うことで応募者が履歴書みたいなのを送ってくるサービス。応募者の質は払うお金の額に比例している。余談だが、虫娘MODと競合して機能しなくなる場合があるので注意が必要(1敗)

*3
英国陸軍で採用されている軽量型ボディーアーマー

*4
古戦ヶ原「誰だって朝はゆっくり寝たいだろ? 俺は寝たい」




Tips:主任ちゃんは地図の収集が趣味
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