Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記 作:運輸省
完全に投稿者の偏見ですが、宮崎キョウコの見た目と喋り方のイメージは新発田名物オッチャホイ…失礼、ウマ娘のダンツフレームです。あのほわほわ感がたまらねえんだ。
-追記-
2025 2/28 『柏葉エマ』→『三滝堂ゼンリ』に修正
《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
第3石油類、00ガンダム、成己(24話)
ありがとナス!
DE駐屯地襲撃前
アビドス市街地
“トランスポーター”
志津カオリ
宮崎キョウコ
『どうもブラックマーケット全体で人を集めてる奴がいる。何があるか分からんから、明日の配達は早めに頼めるか?』
すっかりお得意先となったブラックマーケットの武器商、『B&W アンドレ』からそういう要望が来たのは日付の変わる直前だった。
先生との相談で脳みそが破裂しそうになっていた古戦ヶ原は輸送役の志津と宮崎に確認を取り、これを承諾。
まだ朝日の昇らぬ午前3時前、ハイラックスの荷台にいつもの銃火器や弾薬を積み込んだコールサイン『トランスポーター』の2名は、一路ブラックマーケットへと向かったのである。
「ふぁぁ……ねっむ」
現在時刻は07:55。
無事B&W アンドレに商品を届けた2人は、駐屯地へ戻るためにアビドス市街地を通過していた。
窓の外を眺めていた志津があくびを一つつく。それに釣られた宮崎もあくびをついた。
「ふぁ……どうするカオリちゃん。朝ごはんどこかで食べてく?」
「そやなぁ、柴関とかやっとらんかな。久しぶりにあそこのラーメン食べたい」
「あはは…流石に朝はやってないんじゃないかなぁ」
「やっぱそうよなぁ……そういや、アンドレのおっちゃんの店、めっちゃ綺麗になっとったなぁ」
「ねー。やっぱり儲かってるのかな」
「……なんか複雑やな」*1
「ま、まあマフィアとかそういうあからさまな犯罪集団には売ってないみたいだし…」*2
そんな他愛のない話をしながら、幹線道路への合流を目指す。
アビドス高校を横目に見つつ駐屯地へと向かうことができるいつものルートだ。交通インフラが満遍なく死に体のアビドス地域では数少ない、マトモに走ることができる幹線道路でもある。
「よいしょっと」
宮崎がハンドルを回し、それに呼応して車体が左に曲がる。
ぼーっと外を眺めていた志津は見た。
道路の半分ほどの面積を占有する戦車。
それに随伴する大量のオートマタや歩兵。
空を進む戦闘ヘリ。
「───は?」
トランスポーターは、アビドス高等学校を占領する為に進軍中であったカイザーPMCの軍団の真ん前に出てしまったのだ。
宮崎も気づいたのか、急ブレーキを踏む。
《 〜〜〜!!! 》
《 〜〜〜!!!!!! 》
「……か、カオリちゃん…? これどうしよ……」
その時である。
軍団の先頭を走っていたクルセイダー戦車の砲塔がこちらを向いた。
「ッ、下がれ下がれ下がれ!!!」
志津に叫ばれた宮崎が慌ててギアをバックに入れ、アクセルを踏み込んだ。
エンジンが唸りを上げ、2人の体がガクンと揺れる。
瞬間、クルセイダーが発砲。
つい数秒前までいた空間を2ポンド砲弾が通過、その先にあった廃ビルに着弾し大爆発を起こした。
爆発の衝撃波をもろに喰らいながらも、宮崎はハイラックスをバックからのドリフトで反転、今し方走っていた道を逆方向に突っ走る。ヴァルキューレ時代に培ったドライブテクである。
「どどどどうするどうするどうするどうする!!??」
「落ち着けアホ!まず兄貴に連絡を───」
そう言って無線機を手に取った志津の目に、バックミラーの景色が入った。
黒いアパッチが飛んでいる。
いや、追いかけてきて───スタブウィングが光った。
「───ハンドル切れキョウコォ!!」
助手席からハンドルを掴み思い切り左へ回した。
車体が遠心力で右に振られ───すぐ右で大爆発が起こった。フロントガラスから何からガラス関係が全て割れる。車体は防弾だが、ガラスはそうでは無かった。こればかりは改造を担当した古戦ヶ原の落ち度である。
爆発音と車体の軋む音、宮崎の悲鳴がこだまする。
カチンと来た志津はシートを思いきり倒して後ろの席に移り、天井のハッチを開けて上半身を出した。
前方を指向していたブローニングM2を後方に向け、チャージングハンドルを思い切り引く。
「こンのアホンダラァ!!!」
12.7×99mm NATO弾の雨がアパッチに襲いかかった。機体表面に着弾の火花が上がる。
しかし、勢いは衰えない。
何せその重装甲・重武装具合から『空飛ぶ戦車』とも評される傑作戦闘ヘリである。12.7mm程度ではびくともしない。
「ああクソ弾くな!落ちろやアホ!いてこますぞ!!!!」
志津の暴言に反応したのかは定かではないが、今度は機首下の30mmチェーンガンが動いた。
「ッ、やば───」
放たれたM789 多目的榴弾が、荷台、ルーフトップ、ボンネットと次々に着弾する。
衝撃でバランスを崩したハイラックスは横転。
最初から数えて5回転ほどして、運転席側を上にした横倒しの状態でようやく止まった。
上空を、アパッチが勝ち誇るように悠々と飛んでいく。
「い゛っでぇ……キョウコォ…生きとったら返事せぇ…」
「な、なんとか……ふげっ」
シートベルトが壊れ、重力に従って落下した宮崎はどうにか起き上がり、割れて跡形もないフロントガラスから這い出た。
ビルの間から見える幹線道路をカイザーPMCの軍団が進んでいるのが見えた。どうもこちらを攻撃するだけしてあとは無視らしい。とばっちりにも程がある。
「キョウコォ…、スマン、なんか目ぇ、見えへんし、身体も動か、んわ……」
消え入るような声が耳に入る。
その言葉の意味を理解した瞬間、混乱していた思考が一気に収束した。
ルーフトップ側に駆け寄ると、フタが吹っ飛んだハッチから志津が上半身だけをだらりと出している。
「だ、大丈夫カオリちゃん⁉︎」
「あかーん……なんかもう身体中痛い……ていうか何も見えへんのやけど、ちょっと目ん玉これどうなっとる?」
志津の顔に両手を添え、ゆっくりとこちらを向かせる。
両眼が潰れていた。
「──────……だ、大丈夫、きっと治る、よ」
「あ、相当やばい感じ…? アパッチの機関砲がすぐ横に当たったんよな、多分、それやわ…」
「とりあえず引っ張り出すよ…!」
「あだだだ」
ハッチから志津を引っ張り出し、ハイラックスから離れて近くのビルの壁にもたれ掛からせる。
「身体動かせそう…?」
「関節と筋肉が阿鼻叫喚」
「動かせないんだね……ちょっと待ってて、駐屯地に連絡取るから」
無線のコールボタンを押す。
反応はない。というか無線機自体が動いていない。
見ると、砲弾片かハイラックスの構造材かは知らないが、無線機に人差し指ほどの大きさの破片が突き刺さっていた。
心の中で舌打ちをして、役に立たない無線機を投げ捨てる。
「カオリちゃん、ちょっと身体触るね」
「う゛ーい……」
ダメだ、志津の無線機も死んでいる。こちらは内部機構がイカれたようだ。電源すら点かない。
どうする。
彼女の怪我は決して楽天的に考えられるものではない。早急に駐屯地か病院に……いや、アビドス中央病院では怪我はともかく眼の方は対応できないだろう。
……確か、柴関での一件のあと、お兄さんが強化義肢の製作と並行して『ポラリスブロックの再生医療技術』なる物を研究していた筈だ。あの時はナダヤさん自らが強化義肢の方を選んで使わず仕舞いだったと言っていた。
駐屯地だ。
どうにか駐屯地まで帰らねばならない。
どうやって?
理由は知らないが、今アビドス市街地はカイザーPMCが攻撃中である。先ほど突然攻撃されたのと、今も色々な場所から響く銃声やら爆発音を考えるに、無差別で攻撃をしていると考えるべきだ。
その中を重傷者を背負って突破する? ふざけてる、全くもって現実的じゃない。
いや、でも、どうしたら───
「キョウコぉ」
振り返る。
ビルの外壁にもたれ掛かる志津が、痛みに歪んだ笑顔を浮かべていた。
「ウチは、大丈夫やから……キョウコだけでも逃げぇや。どうにかして後から追いつくさかい」
誰が見ても痩せ我慢と分かる、志津の自己犠牲精神溢れるその発言。
それを聞いた宮崎の中で、何かがぷつりと切れた。
「カオリちゃん、なんでそんなこと言うの」
「へ? いや、あの……キョ、キョウコ? キョウコさん?」
「“四機”で私が言ってたスローガン、覚えてるでしょ。『誰も見捨てない』から」
『四機』。
正式名称、ヴァルキューレ警察学校警備局第四機動隊。
創設当初から数多くの警備出動に参加。
その苛烈な制圧や、着実に警備を遂行する様から、不良生徒からは『人殺し四機』、ヴァルキューレ内部でも『鬼の四機』と称される部隊。
その中でも、『四機の酒呑童子』と恐れられていた隊員がいる。
第四機動隊副隊長、宮崎キョウコ。
決して戦友を見捨てなかった鬼が、再び現れた。
──────
───
DE駐屯地
「怪我のない奴と軽傷者は駐車場!重傷者はトラックの荷台だ!急げ!」
「(^q^)イソイデアルケ!」
「何!? 何なのこいつ!? 怖いよ!?」*3
迫撃砲による砲撃、機甲戦力による火力支援、重機関銃による突撃破砕射撃でカイザーPMC情報部の攻撃を凌いだDE駐屯地は後始末に追われていた。
半数ほどはおもち号が突っ込んだあたりで尻尾巻いて逃げ出したが、残りは気絶やら負傷やらで動けなかったらしく、撤退についていけず完全に置いて行かれた。
放置しておいてもしょうがないので、ナダヤと外出中のトランスポーター以外の全員を召集して、ひとまず簡単な拘束を施して集めている最中というわけである。
と、いうのが古戦ヶ原の心情を抜きにした情報。
古戦ヶ原は焦っていた。
問題点はいくつかある。
まずは、先ほどの襲撃中にタブレットに届いた通知だ。
──────────────────────
キャラバンが襲撃されています!
──────────────────────
今DEで外に出ているキャラバンは一つしかいない。ブラックマーケットの武器商、B&W アンドレからの要請を受けて朝早くに出発していたトランスポーターだ。
奈良山を護衛に置いてタブレットを確認したところ、襲撃地点はアビドス市街地、下手人はカイザーPMCと判明。
しかし数が尋常じゃなかった。
Rimでも見たことがない数だ。
Rim時代よりも前、平和な日本国民だった頃、ニコ○コ動画で見たとあるRim淫夢動画で敵数200弱とかいう頭おかしい戦いを見た記憶があるが、まさにアレ。
ただ、これだけでも十分問題なのだが、一番の問題はそこじゃない。
トランスポーターと連絡が取れないのだ。
基本的に、キャラバンとの無線の“発信”はこのタブレットから行っている。状況によっては第一棟の固定無線機を使用して通信することもあるが、大体使うのはこちらの方だ。
しかし、“受信”側で使っているのはキヴォトス由来の普通の無線機だ。
トランスポーターの2人、宮崎と志津の『装備欄』を見ても、確かに装備されていたはずの無線機が見当たらない。耐久が0を切って消失したようである。
そしてもう一つ。
「両眼がやられたか…」
志津の容態だ。
複数箇所の複雑骨折に筋肉の断裂、裂傷による多量の出血と、両眼が潰れる大怪我。
いくら馬鹿みたいに丈夫なキヴォトス人でも、血液がなければ生きることはできない。
それに目の怪我も深刻だ。どうもカイザーPMCのアパッチの機関砲攻撃を受けた事が原因らしい。
アイツら後で滅ぼさなきゃ…(使命感)
「E分隊!E分隊はいるか!」
「ここに」シュババッ
どこからか奈良山が現れた。いつも思うけどお前どこから出てきてんの。
他のメンバーもそう時間をかけずに集まった。
「ようし聞け。アビドス市街地でトランスポーターがカイザーPMCの襲撃を受けた。E分隊はすぐにくじら号で出発、トランスポーターを救出してきてくれ」
「要はカイザーPMCが暴れ回ってるところにただの汎用ヘリで突入してトランスポーターを回収してこいと?」
「そうなる。普段なら絶対にやらない危険なことは十分承知してるんだが、そうも言ってられない事態だ。志津が大怪我を負った。早急に治療を施さなければ後遺症が残る可能性もある。頼めるか」
「……隊長の作戦に異を唱える奴は少なくともE分隊にはいないさ。隊長は私たちの事を信じて『やれ』とだけ言ってくれればいい」
「……早く行け!ダメだと思ったら引き返せよ!」
「ヒュー♩隊長照れてるぅ〜」
「( σ ^ω^)σ」
「お前ら2人向こう数日おやつ無しな」
「!?」
「( ゚д゚)⁉︎」
──────
───
くじら号がアビドス市街地へと飛び去るのを見届けた古戦ヶ原は、タブレットの通信機能を開いた。
「───先生、古戦ヶ原です。いきなりなんですけどアビドス市街地がカイザーPMCの攻撃を受けてるのは把握されてます? あ、されてる。対処も開始してる。それは良かった。実はこっちもカイザーの攻撃を受けましてね、こっちは雇われが中心だったんで撃退はできたんですが、外出中だったウチの奴2人がアビドス市街地でカイザー本隊の攻撃に巻き込まれまして。こっちで救出部隊は送ったんですが、もしそちらに余力があれば一時的に2人の安全を確保して頂けると助かります。こっちも後始末が済んだら援軍を送りますんで───」
先生と通話をしつつ、タブレットを見ながら倉庫の方へと向かう。医療品の在庫を確認する為だ。
恐らく志津の両眼の治療は義眼よりもポラリスの再生治療の方がいいだろう。Rimの義眼はちょっと見た目が怖すぎる。
それにしても、とふと思った。
画面右上のミニマップに敵を意味する赤点が集まりすぎて訳が分からない事になっている。まあ捕虜を一緒くたに集めているので当たり前と言えば当たり前なのだが。
Rimでは捕虜が取れるかどうかは割と運任せな事が多いから新鮮だ。
……ちょっと今の考えは倫理観が無さすぎたな。声に出してなくて良かった。
「……ん?」
ミニマップを拡大して気づいた。
一箇所に纏めた捕虜の他に駐屯地内に一つ、敵の反応がある。
ちょうど、古戦ヶ原から見て右側、第一棟と第二棟の建物の間。
名前は三滝堂ゼンリ。役職は“カイザーPMC情報部アビドス方面課主任”。
現在の行動は、『
右を向く。
アクセサリーもピカティニーレールも付いていない、素の状態のM4カービンの銃口がこちらを向いていた。
普段ほんわかしてる娘が実は鬼軍曹とかそういうギャップって萌えるよね(ろくろを回しながら)