Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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つい最近、フォールアウト4とブルアカのクロスオーバー作品を見て自信を無くしかけましたが、投稿者はこれからも自分の書きたいもんを好きなように書き殴っていくだけだと気づいたので初投稿です。

《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
Pearl Jam


ありがとナス!


33話 汚名返上、知り合い、SRT

アビドス砂漠

アルファチーム

 

藤田アヤカ

 

 

1/2tトラック(パジェロ)の助手席で、アルファチーム指揮官の藤田が考え事をしていた。

何かというと、あの背のでっかいシャーレの先生が呼んだという援軍について、である。

兄貴曰く、その援軍は数名規模らしいとの事。

それを聞いた時点ではSRTがこちらに戦力を回したのかと思っていたが、そのSRTはブラボーチームの方に参加する。

 

とすると、どこの誰なのだろう。

 

シャーレ……連邦捜査部は、記憶が正しければ、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒が加入権を持っていた筈。

つまり、その援軍がどの学校からのものであるかというのも無数の可能性があるわけだが、いくらシャーレ所属とはいえ、自分と一切関係のない辺境の学校の為にカイザーPMCという大企業の大軍に立ち向かおうとする生徒がいるのだろうか。

もしいるとしたらよほどのバカか、よほどシャーレの先生に惚れ込んでいる者ぐらいだろう。

 

……なお、ここでは我々デザートエッジについては考えないものとする。確かによくよく考えてみたらなんでカイザーと真っ正面からやり合うことになってるんだ? 

…輸送班のカオリちゃんとキョウコちゃんがやられたんだった。じゃあ叩き潰すしかないな(ゲヘナ出身並感)

 

 

「なあ隊長さん、考え事してるとこ悪いがね。先頭の戦車が進行方向になんか見つけたって言ってるぜ」

 

 

後部座席で無線機に付いていた傭兵の生徒に話しかけられて思考を一旦停止。

差し出された無線機のマイクを受け取る。先頭の戦車……みかん号には、連絡役として山ちゃんをタンクデサントさせていた筈だ。

 

 

「はいアルファリーダー」

 

《みかん号山田よりアルファリーダー。前方に人影を確認》

 

「人影? カイザーの歩哨じゃなくて?」

 

《いや、カイザーって雰囲気でも無さそう……ん? あっ(察し)、あー……》

 

「なに、どしたの山ちゃん」

 

 

何やら様子がおかしい。言葉を選んでいるような間がある。

 

 

《……うん、あれ多分シャーレからの援軍》

 

「あー、兄貴が言ってたやつね。オッケ、アルファリーダーよりアルファ各員。これよりシャーレの援軍と合流する」

 

《藤》

 

「ん、何?」

 

《頑張りなよ》

 

「……?」

 

 

山田の妙な態度の理由はすぐに分かった。

 

砂漠に立つ3人の生徒。

1人はこの前顔を見たばかり。

1人は知ってる。

最後の1人は……それはもう、家族のように知っている。

 

切れ長の涼しげな紫色の瞳に、ボリュームのあるもふもふの長い銀髪。後頭部の捻れた形の角が4本、腰から伸びる骨ばった翼。

 

そして、身に纏ったゲヘナ風紀委員の制服と、漆黒の冠のような立体のヘイロー。

 

 

「……マジかぁ」

 

 

ゲヘナ風紀委員会委員長、空崎ヒナがそこに立っていた。

 

 

しかも、3人の横で隊列が…というか、ちょうど私の乗った1/2tトラックが止まる。

3人は隊列から見てちょうど左側。

助手席に乗った私が、3人の目に真っ先に飛び込む事になった。

 

 

「…………あーーーーーーーーー!!!??? アヤカちゃん!?」

 

 

怪訝な顔をしていたイオリが、私のことを指差して叫んだ。思わず頭を抱える。

イオリが1年生で風紀委員会に入ってきた際、一番最初のバディ、というか教育係がちょうど私だったのだ。懐かしいなぁ…(現実逃避)

 

 

「あー、ひ、久しぶり……」

 

「えーと、この方は…?」

 

「そうか、チナツは知らないか。アコちゃんの前任の藤田アヤカ行政官。マコト議長ぶん殴って、ヒナ委員長の机に一方的に辞職届出して行方くらましてたんだよ」

 

「いや、えっとですね、その件につきましてはぁ…」

 

「なーにがその件だ!あの時のヒナ委員長の憔悴ぶりったら───委員長?」

 

 

ふらりと、ヒナちゃんが一歩前に出た。

そのまま、まるで夢にでも浮かされたようにふらふらと歩みを進め、1/2tトラックの助手席の扉を開けて。

 

 

「ひ、ヒナちゃん?」

 

 

ぽすん、と、膝の上に座った。

 

 

「ヒナさん?? ヒナさん!? あっちょっ痛い痛い痛い」

 

 

そしてそのまま後頭部を顎に押し付けぐりぐり。

ゲヘナシロモップのシロモップの部分が藤田を襲う。

 

そしてぐりぐりする事30秒。

 

 

「ふう。じゃあ行きましょうか」

 

「( ´•ω•`)???」

 

「チ、チナツがすごい顔してる……」

 

 

よいしょっ、と、ヒナが膝の上から降りる。

おや? 思っていたよりあっさり引き下がったな…? と内心首を傾げようとした時、何かに腕をぐいっと引かれて思わず助手席から降りてしまった。

見ると、ヒナの右手が左手首をガッチリとホールドしている。さすがはゲヘナ最強といったところか、いや言ってる場合じゃねえや。

 

 

「ひ、ヒナさん?」

 

「?」

 

「えっと、今から私はどちらに連れて行かれるので……?」

 

おかしな事を聞くのね、あなたはまだ風紀委員会所属なのよ? 風紀委員会の戦列に加わるのは当たり前じゃない。まだ脱退届、受理してないから*1

 

 

なんかヒナの背後からドス黒いオーラが出ている。

ずももも…(迫真)

 

 

「あっあっヒナちゃんの目にハイライトがない!助けてイオリン!」

 

「自業自得だろうに……」

 

「なぁ、委員長さんやい。そいつこの部隊の指揮取ってるから、今そっちに持ってかれると困るんだわ。返してくれやしねえか」

 

 

無線機についていた傭兵が顔を出してそう声をかけてきた。それを聞いたヒナも多少は冷静になったようで、少し頬を膨らませながら手を離す。

 

 

「ごめんねヒナちゃん、全部終わったら話そう?」

 

「……逃げない?」

 

 

まるで不安そうな子供のような顔で、ヒナがそう言ってくる。

…どうも、自分は空崎ヒナの中で予想以上に大きい存在だったらしい。これはいろいろ見誤ったか。

 

 

「うん、逃げない」

 

 

だが、失敗は取り返せる。

 

 

最後に、空崎ヒナと藤田アヤカはそれぞれの存在を確かめ合うように、強く抱き合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「( ´•ω•`)??????????」

 

「チナツー、戻ってこーい、おーい?」

 

「人の目も気にしねえでイチャイチャしやがってなぁ…」

 

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

ブラボーチーム

 

UH-1Y『くじら号』

操縦士 古戦ヶ原哲郎

機銃手 古戦ヶ原ナダヤ

 E分隊

  三ヶ島ユイ

  安富マナツ

  上辻ミキ

  奈良山ナホ

石田ナオコ

???

 

 

対するこちらは、匍匐飛行で砂漠を這うように飛ぶブラボーチームである。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

大きな作戦前というのもあるのだろう、機内は緊張の沈黙に包まれて───いや、どうもそういうわけではないらしい。

困った顔をしたナダヤ……実際には重装型HMAAのフルフェイスヘルメットを被っているのでその表情を窺い知ることはできないが、とにかくそんな雰囲気の彼女と、同じく困った顔の石田が操縦席の方に身を乗り出してきた。

 

 

「哲郎、キャビンが地獄みたいな雰囲気だ、なんとかできないかい」

 

「皆さんピリピリしてて……」

 

「俺に言われてもなぁ……正直雰囲気が悪くなることは織り込み済みだったけど、まさかアイツとE分隊が“顔見知り”だなんて予想できるかよ」

 

 

古戦ヶ原も今回ばかりはお手上げだ。

 

 

キャビンで難しい顔をして見合っている4人と1人。

4人の方はもうご存知だろう、なんだか最近DEの中で特殊部隊的立ち位置に収まりつつあるE分隊である。

 

そして、彼女らと見合っている1人。

カイザーPMCでよく用いられるオリーブとダークカーキの二色迷彩の戦闘服を着た少女……キヴォトスで言えば、『生徒』にあたる人物。

 

 

「……久しぶりだな、三滝堂。アリウス以来か」

 

「ええ……お久しぶりです。分隊長」

 

 

カイザーPMC情報部アビドス方面課主任、名前を『三滝堂ゼンリ』。

 

 

原隊は、アリウス分校浸透強襲大隊───E分隊。

三ヶ島が率いていたE分隊の元メンバー。

 

 

 

 

色々と説明しなければならないことは多いが、まずは、主任───三滝堂主任がDEに同行するきっかけを説明しよう。

 

事の発端は、DE駐屯地への襲撃を退け、輸送ポッドを用いてアビドスに増援を送り、カイザーPMCの侵攻を退けた少し後。

捕えたカイザーPMC情報部員への尋問を行っていた際の事である。

 

尋問にあたって、カイザーPMC本社に情報部員の引き渡し交渉を持ちかけたのだが……

 

 

『貴様ナメているのか!?』

 

 

と取り付く島もなく。なんなら『その情報部員は既に解雇しているからそちらで好きにしろ』とまで言われる始末。

まあPMCの戦力もろもろ1個連隊ぶん近く吹っ飛ばした直後なのでしょうがないと言えばしょうがないのだが。

しょうがないので録音したその音声と共に情報部員達に相談を持ちかけたところ、

 

 

───なあ、取引しようや兄ちゃん

 

 

と、額に青筋を浮かべた*2情報部課長に持ちかけられ、

 

 

・シャーレ合同の強制捜査に主任ちゃんを同行させる

・情報部側から基地内部の防衛設備、インフラ、部隊配置の情報を共有する

・本部隊舎捜索ののち、主任ちゃんの『目的』に部隊を同行させる

 

 

最終的にこんな感じの取引を行った。『情報提供者』と表現したのはこういう理由からである。

この『目的』というのは、まあその時になったら話そう。

 

 

 

 

そして現在、主任ちゃん───三滝堂ゼンリを途中で拾って飛行しているわけだ。最悪な空気の状態で。

 

 

「なあ三ヶ島、主任ちゃんとどういう関係なんだ? なんとなくただならぬ関係ってのは分かるんだが」

 

「ああ。───元アリウス生、E分隊所属だったんだ」

 

 

三ヶ島のその発言に、思わずナダヤ石田俺の3人で顔を見合わせる。

 

 

「情報分析兼オペレーターって感じだったよね」

 

「( ˇωˇ)"ウンウン」

 

「懐かしいですね、まさかこんなところで再会するとは夢にも思ってませんでしたが」

 

 

上辻、マナツ、奈良山もそれに同意するようにうなづく。

 

 

「……お、怒って、ない、んですか……? 私は、みんなを見捨てて逃げた卑怯者、なのに……」

 

 

主任が恐る恐るといったふうに口を開いた。

ああ、脱走兵なのか。道理でピリピリした空気に……なってないな今? どういうことだ?

 

 

「そりゃあ、一言二言言いたいことはあるが……」

 

「どっちかっていったら心配の方が大きかったしね」

 

「ε-(`・ω・´)」

 

「ほら、マナツちゃんも『心配したんだぞ』って言ってる」

 

「……そもそも、E分隊って外部への偵察兼情報収集も任務に含まれていたんですよ。ゼンリは、そうやって集めてきた情報の収集と分析を担当していて。……いつも苦しそうでした」

 

「ああ、なるほど。情報を分析すればするほど、アリウス自治区との差が浮き彫りになっていくから」

 

 

ナダヤが納得したように、拳で手のひらをポンと打つ。

 

 

「で、でも……」

 

「いいんですよゼンリ。私達は、確かに今、ここにいますから」

 

「……ご、ごめ、ごめんなさい……ごめんなさい……ッ!」

 

「( ◜ᴗ◝)/ヨシヨシ」慈愛の笑み

 

 

胸の中で泣く主任ちゃんの頭を、マナツが慈愛の笑みで撫でる。

一連の流れを見る限り、E分隊にとってこの三滝堂ゼンリという少女は妹分みたいな感じなのだろう。

 

 

「……ひとまず、一件落着って事でいいのかい?」

 

「そう、みたいですね…?」

 

「まあ仲直りできたんならヨシ!……んで三ヶ島、じゃあなんでさっきまでずっとピリピリしてたんだお前ら」

 

「ん? ああ、こちらとしても心の整理をつけるのに少し時間が必要だったんだ。色々あってな」

 

「ふんふん? まあ仲直りできたんならそれで良いさね。……ナダヤ、ちょっとドアガンつけ。なんか後方に付いてきてる。数は1」

 

「なんだって?」

 

 

レーダーに写ったり隠れたり、そんな反応が2つほど。

こちらと同じく砂漠に沿って匍匐飛行しているのだろう。

 

こちらの発言を理解したのか、E分隊と石田もそれぞれの銃を取り、ワンテンポ遅れて主任がナダヤと反対側のドアガンに付く。

 

 

「来るぞ、まだ撃つなよ……!」

 

 

後方の不明機が速度を上げ、右へ逸れる。

……くじら号と同高度、どちらの機体もドアガンの射角内だ。

 

青メインの機体カラーに、下部を白く塗ったUH-60。

スタブウィングに搭載された対戦車ミサイルらしきものも見えるのでそのまんまという訳ではなさそうだが。

あと機体の側面には『RABBIT』とプリントされている。

 

───その単語に心当たりがあった。

 

 

《そこの汎用ヘリ、こちらはSRTだ。所属と飛行目的を明らかにしろ!》

 

 

無線が鳴る。

『RABBIT』の方の、白いウサ耳付きのヘルメットを被った生徒が無線のマイクを握っているのが見えた。なんならその隣で別の生徒がこちらに向けてSMGを向けているのが見える。

 

 

「待て待て、味方だ!こちらはデザートエッジ所属の汎用ヘリ、コールサインはくじら号!現在はシャーレと合同でカイザーPMCに対して強制捜査を行う為飛行中!」

 

《……こちらはRABBIT1です。では、あなたがDEリーダー?》

 

「ああ、本作戦の指揮を取ってる古戦ヶ原だ」

 

《……確認しました。これよりRABBIT小隊はそちらの指揮下に入ります》

 

「了解した、RABBIT・プラトーン。よろしく頼む」

 

 

操縦桿から右手を離し、サムズアップを向ける。

それが見えたのか、RABBITのUH-60を操縦しているメガネの生徒が同じようにサムズアップをしてきた。向こうにもノリのいい奴はいるらしい。

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

「アレが、要注意団体か」

 

 

サキが訝しげにそう言います。

 

 

「ええ、防衛室からの情報だと、『デザートエッジ』と名乗る武装集団で、SRTの廃校に関する議論が一時停止した要因だと。……確かに、装備はかなりのレベルで統一されていますね。特にキャビンにいる4人組、銃を構えてはいませんが、こちらへの警戒を解いていません。練度もかなりの物でしょう」

 

「それに、元SRT生もいるんだろ? 連邦生徒会襲撃しようとして矯正局にぶち込まれたCAT小隊の狙撃手の先輩」

 

「石田先輩、ですね。一瞬ですが確認しました。武装は前と違うようでしたが……ミユ、貴女から見てどうでしたか?」

 

 

私は、“ずっと隣で狙撃銃を構えていた”RABBIT4、狙撃手のミユに意見を聞きます。

 

 

「……ナオコ先輩、ずっと私の方を見てた」

 

「ミユを? 間違いじゃないのか?」

 

「い、いえ、確かに」

 

 

……こう言ってはなんですが、ミユはどうしようもないくらいに影が薄いのが特徴です。私達もたまに見失うぐらいですし、この前なんかはコンビニの自動ドアにも反応されていませんでした。

それを一瞬で見破るとは……

元SRT生、高い練度の部隊、それに未確認情報ではありますが機甲戦力も集めていると。

 

 

「デザートエッジ……一体何を企んで……?」

*1
!掛かり

*2
オートマタがどうやって青筋を浮かべてるのかは知らない




Tipsその1
囧(自分で広げた風呂敷に苦しめられる投稿者の図)


Tipsその2
主任ちゃんの名前の元ネタらしきもの

三滝堂 → 予備自衛官補の訓練で宮城に向かってた時に通り過ぎたインターチェンジの名前

ゼンリ → 主任ちゃんは地図好き→地図の会社『ゼンリン』→ゼンリ

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