Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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なんか展開がごっちゃになりすぎてオリジナル展開に片足突っ込んでる気がするので初投稿です。


《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
川野冷


ありがとナス!


35話 アビドス、くじら号、三途の川

ブラボーチーム突入から2分後

アルファチーム

 

 

「───了解、アルファリーダーアウト」

 

 

無線のマイクを傭兵に返した藤田は、呆れるような苦笑を浮かべた。

アルファチームの進む先、カイザーPMC基地では既に黒煙が多数上がっている。

 

 

《どうだった? 藤》

 

「『予想よりカイザーがアホだったからそのまま突っ込んだ』って。もうドンパチ始めちゃってるみたい」

 

なぁにやってんのあの人(困惑)》

 

《それで、アヤカ。私達はどうするの?》

 

 

山田の通信と変わって、ヒナがそう問いかけてくる。

 

 

「もうこのまま行くしかないでしょ。アルファリーダーよりアルファ各員、ちょっと行軍速度早めるよー、ブラボーが全部食っちゃう前に基地に突っ込む!」

 

 

 

 

さて、そんなブラボーチーム…アビドス班である。

 

前線から後方50m

ブラボーチームアビドス班

先生《田中栄子》

奥空アヤネ

 

“セリカは前方の擱座したクルセイダーまで前進、シロコ、セリカをカバー”

 

《ん、了解。セリカ、タイミングは任せる》

 

《分かったわシロコ先輩、3カウントで行くわよ!》

 

“ノノミは2時方向の建物の3階に向かって制圧射撃、敵スナイパーを牽制して”

 

《了解しました〜!あと、できれば補給もそろそろ頂けると助かります〜!》

 

“了、アヤネ、聞いてたね? 補給は行ける?”

 

「はい!補給のタイミング、外しません!」

 

 

補給物資を腹に抱えたクアッドロータードローンが前線に向かって飛び去り、代わりにUH-1Yが視界に入る。くじら号だ。

 

 

《くじら号からシャーレ!周辺屋上はクリア!あと正面からAFV(装甲戦闘車両)、数3!それと随伴歩兵がちらほら!随伴歩兵は片付けときますけどAFVはやれるか分かんないんで準備のほど!》

 

 

ついに来たか、と先生は身構えた。

 

元々、AFVを含めた大戦力をアルファチームで釣る、という作戦がうまくいかなかったと聞いてから嫌な予感はしていたのだ。

数ヶ月前のシャーレ奪還戦で相手取ったクルセイダー巡航戦車は、その場にいた正義実現委員会副委員長のハスミの小銃で撃破できたが……いや、考えてみたらアレもだいぶ訳が分からないな。普通の小銃の徹甲弾で正面装甲貫徹するってどういう理屈だったんだろうアレ。

 

と、若干逸れてきた思考を元に戻す。

 

 

“シャーレ了解、シロコ、ドローンのマイクロミサイルの残弾知らせ”

 

《補給なしで3斉射は撃てるよ》

 

“分かった、いつでも斉射できるようにしておいて”

 

《ん、了解》

 

 

シロコからの通信が終わり、シッテムの箱に目を戻す。

目標の実験棟、基地中央に聳えるコンクリート製のドームまでは、あと700m。

 

 

 

 

さて、上空に目を向けよう。

 

 

 

 

くじら号

 

操縦士 古戦ヶ原哲郎

ドアガンナー 古戦ヶ原ナダヤ

兵員 石田ナオコ

 

 

進行するアビドス班の上空を旋回し、屋上に居座った狙撃手やオートマタに7.62㎜の雨霰を叩き続けているくじら号である。

その甲斐あって周辺の屋上はクリア、現在はアビドス班に接近中のAFV───クルセイダー巡航戦車3輌を含む敵集団を攻撃中だ。

 

 

「ダァメだねぇ哲郎!やっぱり戦車には効いてないよ!」

 

 

ミニガンのトリガーボタンを押し続けてるナダヤがそう叫んだ。未だ弾を吐き続けるミニガンの銃身の先には、山のように跳弾の火花を上げながらも、悠々と前進するクルセイダーの姿。

 

 

「だろうよ!戦車はいいから周りの雑魚薙ぎ払え!石田ァ!出番だぞ!」

 

「り、了解…!」

 

 

石田がFASTヘルメットの防弾バイザーを上げ、愛銃を構えた。

ヘリのドアの上下からX字にベルトを張り、その交差に愛銃───バレット M95が委託してある。

 

 

「お、お兄さん、ホバリングできますか?」

 

 

ヘリからの狙撃では、銃を固定することもそうだが、基本はヘリを移動させないようにしなければならない。目標も動いている、自分も動いているとなれば格段に難易度が上がるからだ。

 

 

「すまんが、今ホバリングしたら集中砲火浴びちまう、なんとかやってくれ!」

 

 

しかし、こんな敵の真上でのほほんとホバリングするわけにもいかない。そんな事した瞬間に地上からの砲火で蜂の巣だ。

 

 

「それなら、えっと、大丈夫です……できます!」

 

 

ズドン、と、この場にあるどの銃よりも大きな銃声が轟いた。

 

 

バキンッ!

 

 

[うおっ!? なんだ!? 弾が貫通してあだぁっ!?

 

 

戦車は基本上側が弱い。そもそも正面対正面を想定している為装甲を厚くする必要がないからだ。古事記にもそう書いてある。

つまり、上面を適切な角度で狙えさえすれば、クルセイダー並みの戦車であれば対物ライフルでも十分貫徹が可能なのである。

バキィ!(.50BMGが砲塔上面を貫く音)

 

使用しているのが徹甲弾の為加害範囲こそ狭いが、運良く乗員に直撃したのか、3輌のうち1輌が動きを止める。

 

 

「やったか!?」

 

「やれてない、です、多分!クルーにまぐれ当たりしただけかも…!」

 

「まあ合流が遅れりゃ何でもいい、よくやった!くじら号からシャーレ!1輌は足止めしましたがそっちに2輌もれました!随伴歩兵は殆どやったから気をつけて下さい!」

 

《了解、でも、見積よりかなりAFVが少ない、どこかで集結されて一気に来られたらコトですよ》

 

「む、確かにあんま見てないな。ちょっと周辺探してみます」

 

《了解、以上シャーレ》

 

 

一旦アビドス班の上空を離れ、周辺の捜索を開始する。

 

 

「ナダヤ、石田と2人して戦車が固まってないか探してくれ。俺は各班の状況を確認する」

 

「分かった、ながら運転で事故らないでおくれよ?」

 

「抜かせ、俺を誰だと思ってる」

 

 

ナダヤの軽口を軽口で流して、無線のボタンを押す。

 

 

「ブラボーリーダーよりアルファリーダー、状況知らせ」

 

 

無線はすぐに繋がった、車内の無線を使っているのかエンジン音や走行音などの雑音が一緒に耳に入る。

 

 

《はいはい、こちらアルファリーダー。アルファは現在基地の東500mを進軍中、あと2、3分で到着するよ。周囲に敵影は無し、監視所は見つけ次第吹っ飛ばしてるけどよかったよね?》

 

「ああ、それで大丈夫だ」

 

《はーい、いやぁ、でも兄貴、こっちが着く前に全部食っちゃわない? 大丈夫?》

 

「カイザーの能力を過大評価しすぎてたんだ、まさかこんなに遅いとは思わなかった。とりあえず早く来てくれ、今機甲部隊を探してるんだが、そいつらの動きによっちゃアビドスを一回退避させてアルファを先にぶつける事になるかもしれん」

 

《オッケー、なるべく急ぐね、アルファリーダーアウト》

 

「ブラボーリーダーよりE分隊、状況知らせ」

 

 

こちらもすぐに繋がった。

だがこちらは戦闘中のようだ、射撃音や爆発音、銃弾が掠める音などなどとにかくうるさい。

 

 

《E分隊は現在司令部6階で戦闘中、通信設備は爆破、機密文書も回収したが、理事はまだ発見できてない。階下から脱出した可能性がある》

 

「了解、最悪理事は確保できなくてもいい、ただ機密文書だけは無くしたり燃やしたりするなよ、そのまま命大事にで頼む。ブラボーリーダーアウト」

 

「哲郎ッ!いた!2時の方向!えらい数いる!」

 

 

無線を切った直後、ナダヤが機体の外を指差して叫んだ。その方向を見て───言葉を失う。

 

 

「なんっっだあの数ゥ!? どっから持ってきた!?」

 

 

数日前、おせち号M2 ブラッドレーが燃料デポを火の海にした後木っ端微塵にしたモータープール車両置き場───そこに、おびただしい数の戦車や装甲車が集結していた。

 

アビドス支部の残存戦力に、D.U、ゲヘナから抽出された大戦力、その数およそ50輌。

 

 

なぜ、カイザーの動きが鈍いのか、ようやく分かった。

 

 

「アイツら、ムキになって馬鹿みてえに戦力かき集めやがったな!? それで身動きが取れなくなってんのか!馬鹿かよ!?」

 

「どうする哲郎!? ナオコくんの50口径じゃとてもじゃないが間に合わないよ!?」

 

「ええい……」

 

 

何か無いかと目を凝らす。

 

 

見つけた。

 

 

「……アレまだ補給中だな、さては到着したばっかか?」

 

 

そう、残存戦力の方はまだしも、D.U.とゲヘナから夜通し突っ走ってきた戦車部隊は燃料スカスカ。重量と燃料節約のため弾薬もここで積む手筈になっており、やっと補給を始め───た所で、敵部隊接近中の報。

急いで最低限の弾薬を積み込み始めた矢先のくじら号の襲来だったのである。

 

 

「って事は、またアレかい?」

 

「やるしかねえ。なんか天丼な気もするが───ッ、やっば!?」

 

「え?」

 

 

カイザーも、上はともかく現場レベルではそう何度も燃料弾薬補給中を狙われて対策しないほど馬鹿ではなかった。

機甲部隊についてきていた自走対空砲が、のこのこと飛んできたくじら号を射界に捉えたのである。

 

 

瞬く間に、くじら号の周囲は弾丸・爆発・破片に包まれた。

 

 

「F○ck!!!!!」

 

 

機体が大きく揺れ、あちこちで火花が飛び散り、警報ランプがけたたましく鳴り響く。

 

 

「ちくしょうまたこんなんかよ!? 無事かお前らァ!」

 

「だ、大丈夫です!」

 

「大丈夫だ!それより機体は!?」

 

「マズイ!非常にマズイ!どっかに降ろすぞ!」

 

 

エンジン出力が上がらない、操縦系統が言う事を聞かない、機体全体が妙な揺れを起こしている。

なんなら無線も今の攻撃で逝ったらしい、一回大きな不協和音を吐いて雑音しかしなくなった。

 

その時である、非常に大きな爆発が背後で起こった。空気が震える。機体がさらに揺れる。

 

 

「今度はなんだオイ!?」

 

「分からない!さっきのモータープールでかなり大きい爆発……砲撃? と、とにかく分からないけど誰かが攻撃してるらしい!」

 

「ああもう訳分かんねえ!」

 

 

周囲の建物とほぼ同じ高さまで高度が下がり、うまいこと建物に挟まれた道路に入り込む。

 

 

 

 

 

哲郎はこの時、自らの失敗を悟った。

 

 

 

 

 

くじら号の進行方向正面、周囲のビルと同じ高さ、要は、()()()()()()()()()()()()()()()()()の、デカい二足歩行のロボットがこちらに背を向けて立っていたのである。

 

 

「ナダヤァ!石田抱いて飛べ!」

 

「哲郎は!?」

 

「いいから早く!」

 

「くっ……行くよナオコくん!」

 

「えっ、お、お兄さっ───」

 

 

ヘイラのパワードスーツ重装型HMAAで石田を脇で抱え、空中に躍り出た。

 

 

上 が れ オ ラ ァ !!!!!!

 

 

死ぬ気で操縦桿を引いて機首を上げ、既に死に体のエンジンをぶん回す。

 

 

 

 

 

そのまま、くじら号は───

 

 

 

 

アビドス班の前に立ち塞がり、しかし助力に参戦した便利屋68によって足止めを喰らっていたカイザーPMCアビドス支部の切り札、二足歩行巨大戦闘ロボット『ゴリアテ』(予備機)の頭部に搭載された主砲の後部を、()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ああっ、クソッタレが!!」

 

 

テールローターが衝撃でひしゃげ、吹き飛び、機体が反トルクによって右回りに回転し始める。その回転を止める術は、もう無い。

 

地上で、陸八魔アルが白目を剥いて何か言っているのが見えた。他3人もポカンと口を開けている。

その脇に、石田を抱えたナダヤがアーマーに搭載されたロケットスラスタを噴射しながら着地したのも見えた。流石はヘイラの誇る最新鋭アーマーだ、何ともない。

 

 

だがこっちは大問題だ。

 

 

くるくると回り続けるくじら号はそのまま高度を下げていき、砂煙と爆音を上げながら、二度目の墜落を果たした。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

 

「……あぁん?」

 

 

ふと気がつくと、古戦ヶ原は変な空間に立っていた。

 

 

「なんだぁここ……?」

 

 

周囲を見渡してもくじら号はカケラも見当たらず、それどころかカイザーPMCの基地ですらない場所。

銃声も、爆発も聞こえない。

身体を見てみるが、大きな怪我は見えない。普通に立っている。

 

 

「三途の川……じゃねえよな。前見た時はもっとやかましかったし」

 

 

Rimworldに飛ばされる前、現実世界でトラックに撥ねられて死んだ時も三途の川に来たが、予想の10倍ぐらいは行列ができていた。

日本人だけでなく、白人や黒人、果ては動物や兵器までもが行列を成していたのである。

 

米海兵隊の装甲兵員輸送車であるAAV7が、兵員室に死者を乗っけて三途の川を航行していたのを見た時は流石にたまげた。

なんで?(心の底からの疑問)

 

 

 

 

とまあ今となっては懐かしい思い出はさておき、はて困ったぞとぽてぽてと歩いていると、不意に目の前に“それ”は現れた。

 

 

 

 

白を基調とした高級感あふれる丸テーブルと椅子が2つ、その上に乗ったアフタヌーンティー・スタンドとティーセット。

 

 

 

そして───古戦ヶ原から見て反対側の椅子に座り、優雅にティーカップを口元に運ぶ、1人の生徒。

 

 

その生徒はこちらに気がついたのか、ティーカップを置いてこちらを見た。

 

 

白い制服に、華奢な薄い体。

十字架を思わせるヘイローと、輝くような金色の長髪。

そして、ふさふさの狐耳。

 

 

「……やあ、初めまして、かな。『深宇宙からの入植者』、古戦ヶ原哲郎」

 

 

凛とした落ち着いた声で、彼女はそう言葉を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、セクシーセイアさん実装オメシャス」*1

 

「えっ、なんの話だい?」

*1
投稿者は無料10連セイア2枚抜き




本来のプロットだとくじら号は墜落しない予定だったんですが、直前に参考映像として「ブラックホークダウン」を見た結果こうなりました。ついでに対策委員会編2章ラストの見どころ全部すっ飛ばしました。許さん、許さんぞ地下生活者と陸八魔アル……!
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