Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記   作:運輸省

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今回は『備忘録』と同時投稿なので初投稿です。


《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
荒魂マサカド


ありがとナス!


3話 雇用、不安、信用できる詐欺師

人を雇いました(報告)

 

カイザーとの衝突前から慢性的な人員不足に苦しんでいた我らがデザートエッジであるが、この度大規模な雇用を行いそれら全てを解決した。やったぜ。

 

人手不足解決の鍵の一つになったのが、起業前からのデザートエッジの盟友、ブラックマーケットの武器商アンドレさん。

 

人を雇うにあたってとりあえずなけなしのツテを頼ろうと、アンドレさんに「店に来るお客さんにチラシ渡すのオナシャス!」と言ってコンビニのコピー機で大量に刷ったチラシを手渡したのだが。

 

 

「いつも世話になってるからよ、たまには恩を返さねえとな」

 

 

と言って、どこからか大量の無所属の生徒やオートマタを連れてきた。ちなみにアンドレさん本人も応募してきた。なんで???

 

 

「えっと、アンドレさん? 一体この数どっから連れてきたんです?」

 

「ん? 何、今まで俺が貸しを作ってきた奴らだ。もちろんクロい方法じゃないぞ? 清廉潔白だからな?」

 

 

との事。

まあ、人手不足で困り果ててるのは確かなので、面接の際にタブレットで個人データを確認、よほどやばい奴じゃない限りはそのまま採用の運びとした。もちろんアンドレさんも採用である。

 

……ここで困ったのが、連邦生徒会、ゲヘナ、トリニティ、ミレニアムから送られてきたエージェントの方々。

 

明らかに他と比べて【射撃】【格闘】【社交】が高かったので、なんだコイツと思って所属を見てみたらコレだ。しかも口頭では全く違う事を言っているので黒。

 

ここでの対応としては、送り返すだけならともかく捕えるとかの強硬手段に出れば関係の悪化は間違いないだろう。特に、連邦生徒会(お上)やミレニアム(なんだかんだ商売相手)との敵対は避けたい。カイザーの比ではないくらい面倒な事になる確信がある。

 

ミレニアムはプラスチールの件で来たらしいが……連邦生徒会の方は十中八九カイザーPMCに対して使った『反物質弾』の件だろう。なんなら理事に喋っちゃったし。

そこから連邦生徒会にタレコミ、事実確認の為エージェントを派遣と言ったところだろうか。原作でもカイザーと連邦生徒会って確か癒着してたしね(うろ覚え)

 

まあ、反物質弾は正真正銘アレにて完売だ。爆発によって汚染が残るようなものでもないので、俺が言わなければ露見することはない。反物質なんてミレニアムですら実用化されてないはずだし。いやーGritterworld様様やなガハハ!

……反物質弾の調達・使用は無期限中止にするかぁ。

 

 

 

 

──────

───

 

 

 

 

と、いうわけである程度製品の在庫を作っておいたり、PR用の動画を撮ったり、社員へ訓練や教育を行ったりしながら過ごすこと1ヶ月と1週間。

 

社員へ記念すべき初の給料を支払い、それと同時に営業開始の宣言を行なった。

 

総合企業『デザートエッジ・グループ』、略称DEG、始動の巻。

 

 

「まさか、哲郎が会社の社長になるなんてねぇ」

 

「そういうお前は副社長だろうに。あと『社長』じゃなくて『総取締役』な」

 

「……違うのかい? それ」

 

「……どうなんだろ。俺も分かんねぇ」

 

 

2人して頭の悪い会話をしながら、始業当日の朝の基地内を歩く。

砂漠地帯のアビドスは、夜かなり冷え込む。その影響が残る早朝も、まだ若干肌寒い。

 

ふと、右隣を歩いていたナダヤが「ん」と左手を差し出してきた。

苦笑しながら、ナダヤの左手を握る。

 

ヘイラ族特有のポカポカ体温が、冷え切った右手に染み渡る。*1

 

「なんだ、今日はやけに甘えたさんだな」

 

「そういう気分の日もあるのさ」

 

 

何でもないようにそう言いながら、やたらと俺の右手をにぎにぎしてくるナダヤ。

 

 

「……何かあったのか?」

 

「いや、その、なんだ。…………少し、不安になってね」

 

 

その言葉は、普段よりも細く、頼りない声色になっていった。

無言で続きを促す。

 

 

「最初、私が、哲郎の下に転がり込んだ時。あの時は、まだ哲郎は、ベニヤ板でできた、竜巻で丸ごと吹き飛びそうな掘立て小屋の主でしかなかった」

 

 

ひっでえ言いようだが実際事実100%なので何も言い返せない。

 

 

 

 

 

あの日。Rimworldに降り立ってから2週間……1期ほど経った日の事だ。

 

ひどい暴風雨の中、燃料自給のための研究に勤しんでいた俺のタブレットに一つの通知が届いた。

 

それは、『ナダヤ・フォックス』という名前のヘイラ族女性が、コロニーに加えてくれるよう頼んできている、といった内容。

 

この時点で未だ仲間ゼロ、流石に人に会いたい欲がすごい事になっていた俺はその要求を快諾した。

 

 

『いやあ、聞いてくれて助かったよ。行き場がないしこの天気で雨宿りできそうな場所もなかったから困ってたんだ』

 

 

小屋の扉を開けたナダヤが、最初に放った一言である。

 

 

 

 

「それが、多くの戦いや出会いを経て、1つのコロニーの主になって、宇宙に飛び出したかと思ったら、今度は見知らぬ土地でそう時間も経たないうちに会社の社長になってる。……言ってしまえば、私はその背を追いかけているだけだ。勿論、成長を怠った事はない、それは断言する。でも、いつか、いつか……置いていかれるんじゃないかと、思ってしまってね」

 

「はぁ〜〜〜〜〜」

 

 

思わずクソデカため息をつく。

 

 

「みみっちい事で悩んでんなぁ」

 

「み、みみっちい!!?? て、哲郎!人が真剣に悩んでる事に対してなんて言い草───」

 

「あのなあ」

 

 

立ち止まり、ヒートアップしそうになったナダヤの肩に繋いでいない方の手を置く。

 

 

「! な、なんだい」

 

「ナダヤ、俺はお前にとってのなんだ? 言ってみろよ」

 

「わ、私にとっての……? ……コロニーに拾ってくれた恩人?」

 

「それもそうだが、もっと関係性に着目しような」

 

「……夫?」

 

「そう!分かってるじゃないか。俺はお前の、夫だ。分かるな? ───妻のことを置いてく夫がいるかよ。……断言しよう、俺はお前を、絶対に、置いていったりしない。なんなら“そらうみ様”*2とか“レクイーン”*3に誓ってもいい」

 

「その2つはキヴォトスが滅びかねないからやめた方がいいんじゃ……」

 

「む、それもそうだな。じゃあジョン・ブローニング神*4に誓おう」

 

「誰ぇ…?」

 

 

ナダヤが困惑したような笑顔を浮かべる。

どうやら落ち着いたようだった。

 

 

──────

───

 

 

さて、そんな一幕が早朝ありつつ、午前8時をもってデザートエッジ・グループは本格的に営業を開始した。

 

……とは言っても、すべての部門が一斉に活動を開始したわけではない。

事前PRは複数の無料動画サイトに投稿したもの1本のみで、他媒体は資金面の問題で一切無し(土地購入と営業前の給与支払いでやばみ)。

 

アビドスの端っこという立地や知名度のなさも相まって、最初はスロースタートだ。

 

スロースタートの中でも頑張っているのが営業部門。

面接で見た時【社交】が高かった生徒やオートマタを配属したこの部署は、初日から早速キヴォトス各所に散らばり各学園や法人に武器や車両の売り込みをかけている。

 

営業部門のリーダーは、狐耳と9本の尻尾、あとフレームレスのメガネが特徴的な伊香左馬(いかさま) サギという生徒。

 

……いや、うん、言いたい事はわかる。

確かにメガネで糸目で京言葉な上に事あるごとに扇子で口元を隠すし、加えてあんな苗字と名前だが、紹介してきたアンドレさん曰く「意外にも信用できる奴」……らしい。

ほんとぉ? 

物語中盤~後半で開眼して「騙して悪いけど、これも仕事なんでなぁ」とか言って後ろから拳銃突きつけられない?

 

その伊香左馬が言うには、PR動画を見たといういくつかの学校から、既に車両購入について相談したいという連絡が入っているらしかった。

 

 

「そういえば社長はん、先方からこないな事を言われたんですけど」

 

「ん? なんだ?」

 

「“タノカミ”っちゅう百鬼夜行の方の農業系の高校さんが、『73式装甲車のカスタマイズは対応可能か』と言うてはりましたわ」

 

「カスタマイズか、内容によるな。『砲塔つけてくれ』とか言われたら流石に困るぞ」

 

「『ドーザー板の取り付け』と『装甲防御力の向上』だそうどす。タノカミって雪がすごい降る地域やさかい、除雪に使うんやろうけど」

 

「あー……それぐらいだったら行けるか。よし、加工部門と整備部門に話を持ってってみて、話がまとまったら教えてくれ」

 

「分かりました〜」

 

 

と、いうことで。

 

『タノカミ農業高校』は、のちに先方に赴いた営業部員から提案された価格設定・カスタマイズ案を快諾。

 

 

・車体前部及び側面に、プラスチール、ティグリシウムを用いたモジュラー装甲を追加。

・車体前部に油圧式ドーザー板を追加。

・価格は基準価格から

  モジュラー装甲 :+1割

  油圧式ドーザー板:+1割

 に設定

・5両を発注

 

 

これがDEGの初めての学校向け販売実績となった。

 

 

 

 

後から知った事だが、タノカミ農業高校はいわゆる中小校。

しかし、中小の中でも『そこまで土地や資源に恵まれているわけでもないがわりかし頑張っているほう』として中小界隈から羨望や尊敬の念を抱かれている学校らしい。

『中小の星』と言ったら陳腐な言葉になってしまうが、要はタノカミ農業高校と契約を結んだ事で何が起きたかというと。

 

 

「い、伊香の姐御。こりゃあ……」

 

「……こらぁ、この会社の方向性は決まったかもしれまへんなあ。よし、安芸(あき)はん*5、商売の経験がある部員を集めておくれやす。中小向けの販売パッケージを作成して社長に提案しまひょ。この販路は───えらい大きいものになりますえ」

 

 

タノカミ農業高校

 :73式装甲車(md装甲*6、ドーザー板追加) ×5

  トヨタ HMV (md軽装甲追加) ×5(先方の予算の都合で×)

  いすゞ SKW ×1(試験購入)

 

アインヘリヤル警備学校

 :73式装甲車(md装甲、装甲銃塔追加) ×5

  87式偵察警戒車 ×3(試験購入)

   (md軽装甲、同軸機銃を74式→M240Cへ変更)

  トヨタ HMV (md軽装甲追加) ×20

 

アビドス高校

 :トヨタ HMV(エアコン、砂塵用エアフィルター追加) ×1

 

ユグドラシル山林学校

 :トヨタ HMV (md軽装甲追加) ×20

 

ヴィーザル高校

 :87式偵察警戒車 ×3 (試験購入)

   (md軽装甲、同軸機銃を74式→MG3へ変更)

*1
日本人の平均体温:36.89℃ 鹿の平均体温:40℃

*2
リトル―ナと呼ばれるMOD由来の人工種族が年一で召喚できる神格というあ上位存在的なお方。敵性存在がそらうみ様を目視すると発狂する(デデドン!)

*3
すべての人工種族の母とも称される女王種。バチボコに強い。

*4
みんな大好き(要出典)銃器設計の神

*5
営業部門カスタマーサービス(CS)班リーダー

*6
モジュラー装甲




《補足というか蛇足というか》

73式装甲車に搭載したモジュラー装甲ですが、ティグリシウムをプラスチールでサンドイッチした、いわゆる複合装甲になります。

防御力については、ゲーム本編だと弾丸系へのダメージのアーマー値がスチールで90%(ダメージ9割カット)、プラスチで114%(?)、ティグリシウムで175%(?)になってます。強いね。

じゃあ重量はどうなんだと言いますと、スチールの重量を基準としてプラスチールで半分、ティグリシウムに至っては五分の一です。やばいね。

「じゃあティグリシウム1枚でええやんけ」とはならず、『制作工数』(工作にどれだけ時間がかかるか)を見た時、ティグリシウムはスチールの3.6倍、プラスチールは2.2倍かかります。加工に手間がかかるんですね。

上記の理由と「増加装甲でガチガチに防御固めた73式見てみてえな…」という投稿者の欲望から、『Rim製モジュラー複合装甲』とかいうトンチキな装甲が生まれたんですね。
この作品は細けえ事ァいいんだよ!の精神でお送りしています。


ちなみにもう一つ補足なんですが、ここ最近の車両の話で使っているMOD『RimThunder - Way to Samurai』には61式戦車、74式戦車という第一、二世代主力戦車も内包されています。ですが、さすがにそれ販売し始めたらキヴォトスの軍事バランスが崩壊するなという事で登場させていません。今後の投稿者の気まぐれで登場することもあるかもしれませんが、現時点では登場していないということでここは一つよろしくお願いします。

以上、日曜日なのに仕事に追われてた投稿者でした。
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