Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記 作:運輸省
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《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
きょうこ(備忘録)
ありがとナス!
・隊舎
『隊舎』。
社員らが課業時間外を過ごす建物だ。
5部屋×2階建のアパートみたいな建物を向かい合わせに配置したものを1つとして、それが20棟建てられている。俺とナダヤを除いた社員が400人なのでちょうど部屋数ピッタリというわけだ。
……この隊舎を建てる時問題になったのは、『誰も複数階の建物を建てた経験がない』こと。
そもそもRimでも平屋しか建てたことがないのである。*1
とりあえず建物の構造自体をクソ頑丈にして、プレハブ工法のようなイメージで積み重ねてそれなりの形にはなった。
ただ、それでも20棟。
かなりの面積を使っている。せめて4階建にできればだいぶ面積に余裕も生まれるのだが……流石に一切の知識無しでそれをやるのはリスキーが過ぎるので保留。
時間に余裕ができたらその道のプロに教えを乞いたい所だが……
「そういうわけなんだよ積水さん」
「どういうわけ?(困惑)」
この、俺の腰ぐらいの身長のリスは
元々アビドスで営業していた工務店で現場監督をしていた人で、今は土木部門のリーダーをしてもらっている。アビドス高校のプール跡にヘリポートを拵えた工事を指揮したのもこの人だ。
元工務店勤務という事で複数階建築のノウハウもあるのだが、いかんせん積水さん以外(俺含め)のメンバーがそういう建築未経験。それもあって隊舎が今の形になったという経緯もある。
「んー、まあそうだなぁ。そういうノウハウを教えてくれるとなると、普通の建設会社とか工務店はダメだね。断られるか、最悪ヘッドハンティングで引き抜かれる」
「そんな事あんの?」
「あるとも。だけって訳じゃないけど、カイザーコンストラクションとかがよくやる手だよ。ウチの工務店なんてベテランの大工がごっそり持ってかれたから」
「うわ……」
そうやってしばらく頭を悩ませていた積水さんが、何か思いついたようにポンと手を打った。
「ああ、そうだ。レッドウィンターの工務部はどう?」
「レッドウィンター……ああ、北の方にある学校か。なんでまたそこに?」
「なんていうかな、ちょっと癖はあるんだけど、腕は確かだよ。あと付け加えるなら、対価さえ支払えば向こうの思想的にもそういうノウハウは教えてくれる……と思う。僕も噂でしか聞いた事ないからこれ以上はなんとも」
「建築と『思想』ってなかなか一緒に聞かない単語だな……」
調べたところ、以前87式偵察警戒車を試験購入した『ヴィーザル高校』という学校がレッドウィンターに程近かったので、あとで営業部門経由でレッドウィンター工務部へのアポを繋いでもらう事にした。
……この判断が吉とでるか凶と出るかは、後々分かるとして。
・衛生部門
衛生部門。
すごいざっくり言うと社員の健康を守る部署である。
衛生部門のリーダーは
なんと、田んぼ三姉妹2番手山田と同じ『サテル森林学園』出身、保健委員会元委員長だという。山田も北郷もびっくりしてたし、なんなら俺もびっくりした。
彼女には衛生部門と衛生班のリーダーを兼任してもらっている。
そしてもう一つ、製薬・化学班のリーダーを勤めるのが、
北郷、山田と同じ『サテル森林学園』出身、こちらはそのまま化学部元部長だ。
同じ学園の仲間がこうも集まるとは珍しいなと思っていたのだが、これに関しては2人が教えてくれた。
「サテルを去ってからしばらくブラックマーケットでヨルハと2人で闇医者みたいな事をしてたんだけどね、風の噂で、サテルの出身者がいる組織があるって聞いたのさ」
「風の噂」
「そうそう。それでアサと色々探ってたら、たまたま話聞いた武器商の人がチラシくれてネ、それでここ受けたってワケ。まさか風紀のナオちゃんだとは思わなかったヨ〜」
「最後まで抵抗してたのアイツらだったもんなぁ」
「はぇ〜」
「……あ、そうだ社長サン。私のとこの製薬・化学班って何やるノ? 今のところ何も仕事ないケド」
「ん? ああ、ちょっと準備が必要でな。そう遅くないうちに取り掛かるからしばらく待っててくれ」
「まあそういう事ナラ」
・糧食部門
基地中央、400人が一気に食事できる広さのクソでかい食堂と、それに付随する食糧庫。
これらを管理しているのが糧食部門だ。
まずは大元、糧食部門自体のリーダーは本田マリ。こちらも新採用で、別の学園で給食部長を勤めていた1年生。
1年生で部長、という点について質問してみた。
「元いた部長の推薦で入部早々押し付けられたのよ。しかもうちの学園って、生徒会と学生自治会って自治組織の派閥争いが酷いんだけど、中立の部活とか委員会って給食部が最後なの。で、両方からの勧誘がうざったくてうざったくて。そのうち給食部の中でも派閥争いが起き始めたから、もう全部嫌になって逃げてきたって訳。献立考えるのを誰にも邪魔されないって最高ね!」
との事。お、おいたわしやマリ上……
続いて調理班。
糧食部門本班の業務が献立の考案や嗜好品の調達などの事務系とすれば、調理班は実務側である。
リーダーは森田さん。元はトリニティのホテルで総料理長をしていたスズメのマダムだ。
「佐藤、肉はもっと焼く!豚の生焼けは洒落にならないよ!真岡!米研ぐのはもっと力抜きな!米粒が割れるだろうが!」
「「い、イエスマム!」」
「林ィ!野菜炒めはまだかい!日が暮れちまうよ!」
「黙ってろババア!今終わらせっから待ってろ!!!」
「お黙り!口動かしてる暇があったら手を動かしな!」
「あっひっでえ!そっちから聞いてきたんだろうが!!!」
森田さんの檄で全員が必死にそれぞれの持ち場に喰らい付いている。食堂のテーブル側まで聞こえてくるほどの熱量だ。
食事を受け取るカウンターから調理場の方を覗き込む。
「森田さん、今大丈夫?」
「あん? ああ、社長さんか。何かあったのかい?」
「いや何、ちょっと各部門の様子を見て回っててね。調子はどう?」
「まずまずだね。料理の基本の“キ”もなってないが、若いだけあって飲み込みは早いよ。ま、この老体でよければいくらでも技術を叩き込むさね」
「パワハラにならない程度で頼むよ。んで、林は?」
起業前からデザートエッジの飯を担っていた林のことを聞いてみる。以前トリニティのホテルの総料理長が面接しにきていると聞いて、「マジ!? あそこの!? なんで!?」とやたら驚いていたのは記憶に新しい。
「ああ、あのガキかい」
「が、ガキ……」
「威勢だけは一人前だけどね、まだまだ詰めが甘いよ。ま、これからじゃないかい?」
そう言う森田さんの表情は、慈愛というか、愛情というか、まるで親のような顔だった。
・警備部門
他の建物と見た目はあまり変わらないが、かかっている看板には『警備部門詰所』の文字。
DEGの持つ武力、警備部門の拠点である。
警備部門は全部で5個小隊。
まず第一小隊。
小隊長は、『みかん号』の車長と兼任で中司カナン。
90式戦車2輌、73式装甲車(md装甲、装甲銃塔)2輌、いすゞ 3トン半2台、高機動車2台を伴う機甲ユニットだ。戦車乗員を除く歩兵は30名ほどいる。
いわゆる主力部隊という奴だ。
キヴォトスに存在するどの機甲戦力よりも強力な第三世代MBT、Rim的魔改造を施され直接戦闘もこなすようになってしまったAPC、そしてその後ろから歩兵を乗っけてついてくる3トン半と高機動車という布陣。強いね!
次に第二小隊。
小隊長は新採用の元走り屋、
87式偵察警戒車2輌、M-ATV4輌、BTR-80 4輌を伴う機械化歩兵ユニットだ。車両乗員を除く歩兵は35名。
この部隊は何かというと、快速師団。現代的に言えば『即応部隊』という奴だ。
キヴォトスの道路インフラは割と僻地まで整っている場合が多いので(アビドスを除く)、何かあればこれで突っ走っていくという算段である。
欲を言えばストライカーMGSや16式機動戦闘車、またはチェンタウロのような大口径砲による火力支援車が欲しかったのだが、装輪式で良さげな物がなかったので断念。
続いて第三小隊。
小隊長は新採用の元警備員オートマタ、
M2A3ブラッドレー2輌、75式自走155㎜りゅう弾砲3輌を伴う基地警備・防衛ユニットだ。車両乗員を除く歩兵は40名。一番大所帯。
基本的には基地に常駐し、歩哨や見張りを含めた警備や襲撃の際の防衛を任務とする。
155榴で敵戦力を減らし、基地の陣地や銃座で敵を受け止め、ブラッドレーで側面や背面を突くといった戦い方を想定している。
本来ならRim的キルゾーン(葛折の通路に罠を敷き詰める等々)を作ろうとしたのだが、屋良さんから「流石に鬼畜すぎるだろ常考」と反対されあえなく実現せず。
便利なんだけどなぁ……
で、場所を移して基地のすぐ西側。
ヘスコ防壁と鉄条網で区切られたヘリポートと格納庫、そしてその脇にデンと佇む、“幅60m、長さ1500mの空き地”。
まあ、今用事があるのはヘリポートと格納庫の方なのでそちらを見ていく。
航空小隊。
AH-1Z を3機伴う航空ユニットだ。*2
起業前、ただの汎用ヘリであるUH-1Yを物資輸送・人員輸送・空中援護・ガンシップとして酷使して遂には墜落・全損させた訳だが、その教訓を生かして戦闘ヘリ部隊を新設したのである。やったぜ。
部隊長は、元傭兵パイロットの
「あ、どうも社長。何かありました?」
格納庫の中、駐機されたAH-1Zのそばでその部隊長がエンジンブロックを開けて整備を行っていた。
つなぎタイプの飛行服の上部分をはだけさせ、タンクトップのみになっている。
「うんにゃ、ちょいと散歩をな。整備か?」
「ええ。せっかくの新しい子なので、この子のことを知る為に」
「お、おう……?」
まあ、他と同様こいつもだいぶ変わり者である。
ここのヘリポートを使っているのは航空小隊だけではなく、輸送部門の航空輸送班も使用している。
航空小隊が使用する格納庫の隣、少し大きめの格納庫がいくつか。
UH-60ブラックホークが3機、CH-53Eスーパースタリオンが3機の6機構成。*3
ブラックホークの方が『ホエール』隊、スーパースタリオンの方が『ブルーホエール』隊である。
「「じゃんけんポン!」」
「「あっち向いてホイ!!!」」
「グワーッ!」
「ッシャアオラァ!」
格納庫の入り口付近、ブラックホークとスーパースタリオンが駐機されてる側で、ホエール1とブルーホエール1の隊員が何故かハイテンションあっち向いてホイをしている。
「……何これ?」
「あん? あ、社長じゃないすかチッス」
困惑していると、ホエール隊の隊員が話しかけてきた。
「おう。あれ何?」
「何って、見りゃあ分かるでしょ。あっち向いてホイっスよ」
「いやそれは見たら分かるけどさ。なんであっち向いてホイ?」
「いや暇で…」
「ああ、そういうね……そのうち仕事取ってくるから待っといてくれ。どっちにせよ給料は出っからさ」
「まあそんならいいスけどね。へへ、あっち向いてホイしてりゃ給料が入るなんてブラックマーケットじゃ考えらんねえや」
「仕事になったらちゃんと働けよ?」
「そりゃ勿論!貰った金の分仕事はするっスよ」
「そうしてくれ。じゃあヒートアップしないように程々にしとけよ」
「うーい」
「「あっち向いてホイ!」」
「ぎゃああああああ!!!」
「ッシャア!!!」
・武器商人とスケバン達
キヴォトスの悪と犯罪が集う地域、ブラックマーケット。
ここでは、つい数ヶ月前からある物が出回っている。
それは、高品質な銃火器。
性能が突出しているわけではない。ごくありふれた、弾丸を使用する銃火器類だ。
ただ、ただひたすらに精巧。
チープな粗悪品やガワだけの詐欺商品なんて比べるべくもなく、下手をすればメーカー品のハイエンドモデルよりも加工精度に優れる物もある。
その銃火器類は、数ヶ月前、ブラックマーケット中心部からかなり離れた外縁部の、バー兼銃砲店の『B&W アンドレ』で販売が開始された。
当初は、元々『B&W アンドレ』自体がかなりの期間銃火器類の販売を取り止めていたという事もあり知名度は少なかった。
そんな状況が一変したのは、ある事件がきっかけだ。
始まりは、なんて事のないちんけな犯罪だった。
“あるトリニティの生徒”に目をつけたスケバンが、カツアゲをしようとその生徒を追いかけまわし、ついには追い詰めた。
……が、居合わせた“見慣れない迷彩服を着たエセ関西弁の生徒”に瞬く間に制圧され、逃げられる。
これに激昂したスケバンが仲間を呼び、ブラックマーケット一帯を巻き込んだ大鬼ごっこが開幕したのだ。
しかし、その2人には結局逃げられ、騒ぎを聞きつけてきたマーケットガードに制圧された。
問題はここからである。
ご存じの先生方も多いだろうが、そもそもマーケットガードは正規の治安機関ではない。
何かというと、制圧し、拘束された大量のスケバン達から押収された銃火器類。これをどうしようと彼らの勝手だったのだ。
具体的に言うと、それらの押収された銃火器は全て売り払われるかスクラップにされた。本人達の同意なく。
スケバン達は困り果てた。
ブラックマーケットにおいては強さが全て、と言っても過言ではない。そして、キヴォトスではその『強さ』の大半は銃火器のパワーによってもたらされる。
それが、ない。
なけなしの金もマーケットガードに没収され、他に金になりそうな物───スマホ等の携帯端末も没収された。
その金を稼ごうにも、学籍のない自分たちでは正規のバイトにはありつけず、ブラックマーケットの非合法なバイトにありつけたとて、銃もスマホもないのでは仕事にもならないし、たとえ仕事になったとしても、舐められて給与未払いもザラ。ついには、明らかに怪しい高額バイトに手を出して、ブラックマーケットから姿を消した者も出始めた。
今日の飯にもありつけなくなり、栄養失調で身体はどんどん動けなくなる。服が残っていたのは幸運だったか。
もう、完全に動けなくなる前に全員でコンビニを襲って食料と武器を確保するか……なんて相談をしていたスケバン達の下を訪れた人物がいた。
「おう、飯だ飯」
スケバン達が根城にしていた廃墟から程近いところに店を構えるオートマタ、名をアンドレと言う。
彼は、リヤカーに大量の寸胴鍋───スープで満杯のもの───を積み込んで、スケバン達に持ってきたのである。
もちろん、彼女達は警戒した。
毒でも盛られるんじゃないか。
食った途端に法外な請求をされるのではないか。
変な薬で人体実験でもされるのではないか。
そんな考えも、寸胴から漂ってくるポトフやボルシチの匂いの前に霧散した。
「さて、取引をしようじゃないか」
寸胴が全て空になった頃、アンドレはイタズラが成功したような顔でそんな事を言い始めた。
やっぱりか、と思った。
やはりそううまい話はないのだ。
だが、相手はリボルバー1丁だけの軽武装。対するこちらは丸腰だが、人数だけなら数十人いる。
一斉に襲い掛かれば行けるか…?
「俺はお前らに無償で武器と弾薬を提供する。お前らはそれを使ってドンパチして来い。なんかの依頼でも、捕まらない自信があるんなら強盗でもいい。で、それを使った感想を俺に伝えに来い。そうしたら金をやる」
「……はぁ?」
アンドレから達されたのは、『武器を使用した感想を伝える仕事』。テレビ番組とかのモニター業務に近いかもしれない。
提示された報酬は、決して高いとは言えないが、この仕事内容ならまあ十分かという額。しかも、依頼等をしたのであればそれらの報酬は全てこちらの物で良いとも。
変わった野郎だなぁ。
そう首を傾げながらも、金、何より新しい銃が欲しいスケバン達は、その提案、縦に首を振った。
提供された銃火器は、なんというか、一言で表すと『劇的』だった。
「全然ジャムんねえ……前使ってたUZIなんて2マグジャム無しで撃てれば良い方だったのに」
「アタシのライフルなんて、ちゃんと狙った場所に飛んでくよ……」
「機関銃が暴発しない……なんで……?」
今まで使ってきた銃がサタデーナイトピストルに匹敵する雑さだったので評価基準がそもそも低いのだが、それにしても随分と品質がいい。
とりあえず使い慣れた物がいいな……と思って前から使っていた種類のものを選んだが、アンドレから提示された商品リストには、SRTが使うような最新かつ高価格高性能な銃火器も載っていた。
Q.こんな高級品売れんの?
A.今ならなんとこの価格で提供!
Q.やっす!バカじゃん!
というやり取りがあったりなかったりしつつ、スケバン達は他にも様々な銃火器、時にはM2HB ブローニングやRPG-7なんてバカでかい武器も使ったりしつつ、アンドレに使った感想を伝えていた。
そんな事を続けていれば、周囲から注目を集めるのは当たり前で。
1ヶ月もしないうちに、アンドレは高品質良心価格で提供される銃火器を求める顧客でいっぱいになった。
大量の客や言いがかり、さらには同業他社からの妨害に翻弄され始めていたアンドレから多額の報酬を提示されて手伝ったりしつつ過ごしていたスケバン達。
ある時、全員がアンドレの下に集められた。
「お前らが使ってる銃を製造した奴が、今度会社を起こすっつって社員を募集してる。お前らも一緒に来ないか?」
「「「「……(募集要項を見つめる)……行く!!!!」」」」
こうして、武器商人アンドレとその愉快な手下達はDEGの門を叩いたのである。
紹介されなかった部門はあとで気が向いた時に紹介を挟みます。あとどうしてオリキャラは増えるんだろう。これ本当にブルアカ作品か?(疑心暗鬼)