Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記 作:運輸省
《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
00ガンダム、川野冷
ありがとナス!
作戦目標
→『笛吹き男』リーダーの拘束、公安局への引き渡し
作戦目標(サブ)
→『笛吹き男』メンバーの拘束、行方不明者捜索、証拠品確保
指揮本部
→藤田アヤカ、通信指令部門から数人、三滝堂ゼンリ、護衛の警備部門第三小隊メンバー
屋上班:E分隊『エコー』
→三ヶ島ユイ、上辻ミキ、安富マナツ、奈良山ナホ
地上班:NOC分隊『ノッカー』
→野田ショウコ、上遠野ミミ、千代田カスミ、皆屋ライ
狙撃ユニット
→石田ナオコ、他
航空輸送班:『ホエール1』『ホエール2』『ホエール3』
→黒鷹サガリ、他
航空小隊:『シューター1』『シューター2』
→明野ハル、木更津ラッカ、他
AM 07:58
ブラックマーケット郊外
『シューター1』ガンナー 木更津ラッカ
《司令部より各員、準備良いか知らせ》
無線から、指揮本部の藤原部門長の声が耳に入った。
前を見たまま後席の相方、明野ハルにサムズアップを送る。それを確認したハルが無線に返答。僚機であるシューター2もそれに続く。
「シューター1、準備よし」
《シューター2準備よし》
《ホエール1から3も準備よしっス》
《オーケー、シューター1、打ち合わせ通り現場指揮はよろしく。まずは敵の足を潰す》
「了解。シューター2、北側に回って駐車場の車両を吹っ飛ばして。こっちは給水塔を吹っ飛ばして陽動を行う。ホエールはこっちが落ち着くまで周辺待機」
《シューター2、コピー》
《ホエールリーダー、コピー》
「よし、ラッカちゃん。派手に吹っ飛ばしちゃって」
「おう」
ハルが機首を給水塔に向けたのに合わせ、左右のスタブウィングに搭載された
詳しい事項は忘れたが、1kgぐらいだったかの高性能炸薬はしっかりと仕事をした。
給水塔が爆ぜ、大量の水が屋上から建物全体を包む。逸れた何発かは屋上自体に当たって立派な穴が開いた。2階は水浸しだろう、陽動にはピッタリな状況だ。
シューター2の担当していた方からは建物より大きな爆炎が上がる。向こうも無事に車両を吹っ飛ばしたようである。
「シューター1からホエール1、エコーを屋上へ。エコーはそのまま屋上扉へ。あっ、あとロケット弾でできた穴には注意されたし」
《ホエール1、コピー》
《エコーリーダー了解》
すぐに、周辺を飛び回っていたブラックホークのうちの1機が屋上に降り立った。機体扉からエコーが降りてくるのが見える。
《エコーリーダーからシューター1、配置についた》
「シューター1コピー。ノッカーリーダー、現在位置知らせ」
《 の、ノッカーは現在停車車両を拝借して正面扉に向かって走行中!ちょ、千代田さん!? もう少し安全運転でお願いできません!? 》
《 何をおっしゃいます!4WD車なんてアクセル踏み抜いてナンボですのよ!!?? 》
《 知らないですよそんなのォ! 》
「……なんか楽しそうだね?」
「私に振らないでくれよ」
……ノッカー、なんか色々なとこのスパイというかエージェントが集められた分隊と聞いているが、こう一緒に組んでると全くそういう気がしない。特にトリニティの奴。
地面を見てみれば、見覚えのない軍用車っぽい車がストリートを爆走している。天井ハッチから顔を出しているミレニアムの奴が見えるので、おそらくあれがNOC分隊が強奪した車両なのだろう。随分ボロっちく見えるが大丈夫だろうか。
《あー、現在位置は正面入り口から南に50m!これから停車して───千代田さん? 千代田さん!? あの、ブレーキブレーキ! 》
《やーっべ、これブレーキぶっ壊れてやがりますわ。やっぱ拾い物はクソですわね》
《 マジで言ってます!? 》
《ねえ!? チヨちゃん!? そろそろブレーキかけた方いいんじゃない!?》
《おいトリカス!さっさとブレーキ踏め!》
《総員対ショック姿勢^〜〜!!!!!!!》
《 《 はぁ!? 》 》
《あぁもうどうにでもなれぇ!》
無線に喧騒を叩きつけたノッカーは、その速度のまま拠点正面扉に突っ込んだ。
「うわぁ」
《よ、よく分からんがエコーも突入するぞ!》
「あっ、ごめん、了解。くれぐれもトラップには注意する事。そうだ、狙撃班、状況は?」
《10秒後に配置完了》
「了解、エコーとノッカーが突入したからなる早で」
《コピー》
「さて、シューターはこれより航空支援の任に就く。ホエールは散開して周辺警戒を厳に。特に敵組織の増援には注意されたし」
《シューター2、コピー》
《ホエールリーダー了解》
固まって飛んでいたブラックホークが散開し、シューター隊のヴァイパーも建物を空から包囲するように散開する。要請があればすぐにでも20㎜機関砲とハイドラをぶち込める態勢だ。
……まあ、爆発やら銃撃のマズルフラッシュが建物の中をどんどん進んでいるのを見ると大丈夫そうだが。流石に精鋭は練度が違う。
《おくたばり遊ばせ〜〜〜!!!!》
《待てやトリカス!コラ!》
《千代田さぁん!突っ込んでもいいんですけどトラップには気をつけて───》
突然廊下の一区画が吹っ飛んだ。
《 いっっっっっってえですわね!?急に足元爆発しましたわ!?》
《えぇ……? なんでブービートラップもろに喰らって無傷なのチヨちゃん》
《もうあの馬鹿突っ込ませとけば万事解決だろ》
《あはは……》
《本部よりノッカーリーダー、暴れるのは良いんだけど行方不明者探してる?》
《あ、はい、大丈夫です。千代田さんが暴れ回ってるだけなので他3人で構成員の拘束と行方不明者の捜索にあたってます》
《なら良いんだけど……いやぁ、やっぱトリニティって怖いなぁ》*1
《それな》*2
《 お〜ほっほっほっほ〜!!! 》
暴れ回ってんなぁ……
「シューター1よりエコー、ノッカー。援護いる?」
《エコーは援護不要。どうも聞いていたより練度が低いな、トラップだけは一丁前だが》
《ノッカーも援護不要です。全部千代田さんが薙ぎ払ってます。ブービートラップ諸共》
「ブービートラップって個人でなぎ払える物だったかなぁ」
《……おっ、こっちが当たりだったみたいですね。ノッカーリーダーよりシューター1、地下への階段を発見しました。指示を乞う》
「やっぱ地下あるんだ。本部、どうする?」
《うーん、ひとまず地上階を優先しようか。地下からの出口が周辺にあるかもしれないから、ホエール隊は地上警戒を厳にお願い》
《ホエールリーダー、コピー》
《こちらシューター2、こっちも地上警戒に回ったほうがいいか? なんか援護はシューター1だけいれば大丈夫そうだが》
《オッケー、そうしよう。シューター2も地上警戒に参加して》
《コピー》
シューター2が建物を離れ、ホエール隊の方に向かう。
結局、その後は詰まることもなく建物を制圧。多数の構成員を拘束し、証拠となりそうな書類も多数手に入れた。
しかし、
《エコーよりシューター1、地下含めて全室を捜索したが笛吹き男リーダーは見つからなかった》
「うーん、もしかして逃げられた?」
《その可能性が高い。リーダーの私室らしき部屋もあったが、慌てて出て行ったような痕跡があった》
「ちょっとマズイなぁ……ホエール、そちらはどうか」
《こちらも動きらしい動きは───》
《ホエール3よりシューター1、所属不明の車列を捕捉したよ。環状道路跡を北に向かってる。現在追尾中》
《あったっスね。ホエール2は警戒を続けて、囮の可能性もあるっスから。シューター1、シューター2を借りてもいいっスか?》
「OK、シューター2、聞こえたね?」
《コピー。ホエール1、3の援護に向かう》
──────
───
ブラックマーケット郊外 環状道路(未完成)
ホエール1
黒鷹サガリ
ホエール3に追いついたホエール1、黒鷹は地上を走行する車列を視認した。
前後に4WDのオフロード車、間に幌張りの大型トラックが3台、計5台の車列だ。
「ホエール3、リーダーは確認できてるっスか?」
《確認って、え? 確認?》
「確認。してない?」
《いやしてないけど……てか無理だよ。クロノスみたいな高性能カメラも積んでないのに》
ホエール隊の使用機材であるUH-60 ブラックホークだが、ドアガンとしてM134ミニガンを装備しているだけで、それ以外はただの汎用ヘリとなっている。これがクロノススクールで運用されているS-70(ブラックホークの民間仕様)だとスタビライザーカメラを搭載していたりするのだが。
「カメラなぞ使わなくても並行に飛べばいけるっスよ?」
《え?》
「ん?」*3
「は?」*4
「なんて?」*5
黒鷹のその発言を聞いて、無線越しのホエール3だけでなく、副操縦士とドアガンナー2名すらも聞き返した。
「お、おい? 今なんて?」
副操縦士がもう一度問いかける。
「いや、だから車列と並行に飛べば確認できるっスよ。この辺一帯は無人地帯だから電柱も建ってないし」
「マジで言ってる?」
「大真面目。ほら行くっスよ^〜」
「マジかよ!おおわぁぁぁ!!!」
ホエール1が機体を一気に傾けて急降下、地面に吸い付くように高度を安定させた。
強烈なダウンウォッシュが地面に吹きつけ、ホエール1の後方に大量に土埃が舞う。
「こ、高度3m!」
震えながら計器を見ていた副操縦士が殆ど絶叫みたいな声で叫んだ。
後ろのドアガンナー2人は腰が抜けたのか、キャビンにへたり込んでいる。
「何やってんスかドアガン!確認!」
「わ、わわ分かった!」
そう叫ばれた右側のドアガンナーがドアガンハッチの淵にしがみついて顔を出した。
視線のちょい下、大体20mぐらい横を車列が突っ走っている。
そして、先頭の4WD車の助手席。目的の人物がいた。
こちらを指差して何か叫んでいるようだ。
「い、いた!いた!笛吹き男リーダー!先頭車の助手席に乗ってる!」
「ホエールリーダーよりシューター1!笛吹き男リーダーを車列にて発見っス!」
《本当!?でかした!》
《本部よりホエール1、3とシューター2!そのまま車列を捕捉し続けて!今ホエール2にエコーを拾わせてそっちに向かわせる!いい!?無理しないでよ!?》
瞬間、車列からパパパッと閃光が迸り、機体に火花が散った。
「いってぇ!? 撃ってきやがった!」
「怪我は!?」
「ヘルメットに穴空いた!」
ドアガンナーがイラついた様子でヘルメットを投げ捨てる。
「撃って良いよな!?」
「うーーーーーーーーーーーーん撃ってヨシ!」
「えっ」
「よし来た!」
ドアガンナーが体勢を治してドアガン───M134 ミニガンのハンドルを握る。
発射スイッチを押した瞬間、唸るような轟音と眩しいほどのマズルフラッシュが発せられた。
《えっ、何撃っていいの!? 撃つよ!?》
「ホエール3は最後尾の4WDを撃って下さいっス!シューター2は車列が止まったら降りてきたやつを撃って!」
《マジかおい!》
《ちょいちょいちょぉい!? 何やってんの!? 『無理すんな』って言ったよね私!?》
「無理はしてないっス!」
《そういう意味じゃないよおバカ!!!!!!!》
7.62㎜弾の局所的豪雨に晒された先頭車が耐えられず横転。2、3回転がって横倒しに停車した。
トラックが停まれずに先頭車に突っ込む。
あーあー、ひどい玉突き事故だ。
「ホエール3!車列の後方を塞ぐ感じに着陸して下さいっス!こちらは先頭を!」
《無茶を言う!》
「何言ってんだよもうやだコイツ!」
ガードレールを超え、車列の先頭に躍り出る。
当然の事だが敵から銃撃は受ける。だが、ブラックホークは小火器如きで落ちるようなタマではない!
「ほら右舷弾幕薄いっスよ!」
「うおおおお!!!??? おい!おい!そっち暇だろ!こっち手伝え!」
「わ、わかった!」
敵に面していない左舷ドアガンナーがドアガンから離れ、自分の武器を携えてハッチから応戦する。
《ホエール2からホエール1!エコーとノッカー連れてきたぞ!これどういう状況だ!?》
建物を制圧し終わったエコーがこちらに応援に来たようだ。東の空にブラックホークと、シューター1だろうヴァイパーも見える。
「ホエール1、3で敵車列を抑えてるっス!」
《めっちゃ無茶してるじゃん!ホエール2は車列中央にエコーとノッカーを降下させて!挟み撃ちにする!シューター隊は幹線道路から逃げようとする敵を掃討するよ!》
《ホエール2了解!ハァイ乗客の皆様ァ!ちょい乱暴に行くぞ!掴まってろよ!》
《シューター2コピー!》
急制動で進路を変えたホエール2が車列中央上空に陣取り、ロープを展開。ど真ん中のトラックの左右にちょうどエコーとノッカーがラペリング降下を行い始めた。
「さあ仕上げっスよ!ありったけ弾ばら撒くっス!」
「もうブラックホークなんて懲り懲りだ!!!!」
頭を抱える副操縦士を他所目に、作戦は進む。
結果として、ブラックホークとエコー、ノッカーの挟撃を受ける形になった笛吹き男残党は大混乱。
最終的に、建物側での拘束・連行を終えたヴァルキューレ公安局が現場に到着する頃には、リーダーを含む全ての構成員が降伏する結果となった。
予期せぬ被害(一部ブラックホークの損傷)はあったものの概ね作戦通り、大勝利である。
『Hello, Kivotos, from the edge of the desert.』編は次で最後で、その次からエデン条約編に突入したいなぁという願望。
あと事前に出そうな勢力のことを仄めかしたりしてた勢力が結局出なかったのは単純にガバです。