Rimworld入植者(脱出済)のキヴォトス日記 作:運輸省
【ガバ】
・千代田と上遠野は当初講師という名目で派遣された。
・ティーパーティーホストのN氏の手によって「せっかく戻ってきたし試験受けてけや」(建前?)と補習授業部入り
・主に上遠野の身分(ミレニアム セミナー対外情報室)がアレなので、補習授業部の面々には身分は明かしていない
・つまり補習授業部から見れば千代田と上遠野は外部の人間
↓
・なんで外部の人間が補習授業部入れられとんねんワレ
【修正】
・千代田の身分だけは補習授業部に割れている。
申し訳ですわ^〜〜〜!!!!!!!エデン条約編情報の管理が難しすぎでしてよ!!!!!!!(発狂哀叫限界文字書きお嬢様部)
《前回の誤字報告者兄貴姉貴》(敬称略)
メモ男
ありがとナス!
ベース・イーストアビドス
警備部門詰所 部門長執務室
ブラインドの閉め切られたその薄暗い部屋には、2人の人物がいた。
1人は、デザートエッジ・グループ警備部門を預かる元ゲヘナ風紀委員会行政官、藤田アヤカ。
そしてもう1人、情報部門を預かる元アリウス生にして元カイザーPMC情報部主任、三滝堂ゼンリ。
この2人が向かい合うようにして、具体的には、三滝堂が藤田に報告するような形で───頭を抱えていた。
「で、出たねぇ……」
「私も正直驚いています。少しつついただけでここまで出てくるとは。何かの罠かと疑ってしまいそうです」
眉間を指で揉みながら絞るように呟いた藤田の言葉に、三滝堂が若干呆れ顔で答えた。
藤田の目の前、デスクの上に上がっているのは、何枚かの書類、報告書だ。
題名はなく、内容だけが記された簡潔な報告書。
その中身は───
「各部門長に確認は取りました。間違いなく、これらは古戦ヶ原社長の直接指示によるものです」
「そっかぁ……出たねぇ*1」
事の始まりはDEG起業やアビドス騒乱よりも前。ブラックマーケットでE分隊を保護した直後まで遡る。
E分隊への事情聞き取りの場に藤田は何回か同席していた事があったが、古戦ヶ原はやけにその話を真剣に聞いていた。
その時は確か「ひっでえ大人もいるもんだな」とか「もう大丈夫だからな」とか声をかけていた気がする。
だが、藤田が気にしているのはそこではない。
『ほんほん、通功の古聖堂の地下、カタコンベから地上にね。三ヶ島分隊長、そのカタコンベ内での詳しいルートは覚えてるか?』
『分からない。カタコンベは常に正しい入り口が変化する特殊な場所な上、帰還ルートは必要時にマダムから通達される仕組みだ。今から行ってもカタコンベの中で遭難するだけだろう』
『……そっかぁ( ´•ω•`)』
『?』
あの『そっかぁ』というつぶやき、今にして思えば変だ。
あの時点で、アリウスという存在はその殆どが謎に包まれているままだった。実際藤田自身も初めて聞いた話だったし、当たり前だがだらだらヘルメット団のメンバーも初耳だと口を揃えて言っていた。
『アリウスへ行くのは難しい』という三ヶ島の発言に対して出たのは、落胆の色が滲み出た『そっかぁ』。
……古戦ヶ原はあの時点で、アリウス自治区へ乗り込むことを想定していた? なぜ?
E分隊を始めとした生徒に苛烈な仕打ちをする『マダム』とかいう大人に仕返しするため?
実に倫理的だ。今ならば、藤田としてもぜひ同行したいと考えている。
しかし、問題はそこではない。
あの時点で古戦ヶ原とE分隊はほぼ初対面だ。
いくら酷い仕打ちをされてきた、と話されたとはいえ、
「ひっでえことする奴もいたもんだな!よっしゃ!殴りに行こうぜ!!!!」
とは普通ならない。そうなるのは聖人ぐらいだ。
では、なぜあの『そっかぁ』という発言が出たのか?
それらきっかけと、ここ最近の古戦ヶ原の不可解な行動もあり、少し前から三滝堂に秘密裏に調査を依頼していたのである。
……ここで、報告書に記載された事項を見てみよう。
・トリニティへの第二小隊派遣の交渉の場において、古戦ヶ原がいつもより大胆な態度というか、かなり積極的にトリニティの担当者を攻めていた。一緒にトリニティの担当者を言いくるめるの楽しかった。
証言者:営業部門長
・第三小隊に配備予定だった新開発の装輪式自走迫撃砲が、どういうわけか現在トリニティへ派遣中の第二小隊へ配備になり、発覚後も古戦ヶ原の「今一番ドンパチしてんの二小隊だししばらくあそこに預けとこうぜ」という発言で有耶無耶になった
証言者:警備部門第二小隊、第三小隊
・配備予定のない重高機動戦術トラック*2複数の生産を指示、その後古戦ヶ原自らが休暇の度にミレニアムまで運転していき、毎回手ぶらで帰ってきた。帳簿の上では『エンジニア部』へHEMTTを販売したことになっている。
証言者:輸送部門、整備部門車両組立班、警備部門第三小隊(基地警備)、会計・事務部門
・「基地防衛用の新型自動機銃の試験しようぜ」と言って、基地に配備予定の防空火器を大型トラックで基地外へ持ち出し、「壊れちゃった……( ´•ω•`)」としょぼんとして帰ってきた。それが3回あった。
証言者:警備部門第三小隊(基地警備)
・基地内を歩いていたら輸送ポッドが突然降ってきて、何事かと思ったら社長が走ってきて「ごめんごめん、これ俺の買い物」と言って中身をそそくさと回収していった。中身が何かは教えてくれなかった。帳簿には記録が無かったので社長個人の財布で買った物ではないか?
証言者:会計・事務部門
今例に挙げたケース以外にもまだまだ出てくるが、ひとまず言える事は、だ。
「兄貴さぁ、絶対何か企んでるよねこれ」
「確実に。しかも、何か武器を使うような事態を想定した企みでしょうね」
ここ数ヶ月一緒に暮らし、互いに信頼も信用も積み上げてきたはずの古戦ヶ原哲郎が、自分達に何も相談せず、むしろ自分達を欺くような形で何かの準備を進めているのである。
それも、恐らく誕生日のサプライズとかいう奴ではなく、愉快ではない類の企みだ。
「ひどいなぁ……しかもこれミレニアムも噛んでない?」
「『ミレニアムサイエンススクール』としてなのか、『技術者』として噛んでいるのかまでは掴めていませんが、HEMTTの件に関しては、かのエンジニア部と接触していたらしい事までは確かです」
「アイツらか……分かった。ミミちゃん経由でエンジニア部とコンタクトが取れないか後で聞いてみる」
藤田の脳裏に浮かぶのは、笛吹き男討伐前夜に耳にした古戦ヶ原の独り言。
……そういえば、目の前にいる三滝堂にはこの事を共有していなかったな、と思い至った。普段ならしないミスだ。今回の件、自分も結構動揺しているらしい。と、藤田は思わず苦笑を浮かべた。
「ねえゼンリちゃん、ちょっと話変わるんだけどさ」
「なんでしょうか」
「アリウスに『白洲アズサ』って子、いた?」
「……」
言葉はない、だが、明らかな動揺。
「いたんだね?」
「……はい。しかし、その名前をどこで? 三ヶ島分隊長からですか?」
「ちょっと前にユイちゃんにも同じ事聞いたんだよ。んで同じような事言われた、『ゼンリから聞いたのか?』って」
「……? じゃあ、誰から」
「『補習授業部、アズサ、アリウス、調印式、巡航ミサイル』」
「…………は?」
「これね、ぜーんぶ、兄貴が独り言で言ってたの聞いちゃってさ。どう思う?」
夜の砂漠に、静かに、確かに動揺が広がっていた。
トリニティ 別館
「……なるほど、
「……!」
夜。
夕食も食べ終わり、あとは寝るだけを待つ自由時間。
補習授業部+千代田は、ヒフミのあるがままの香り()についてや、明日の朝の事、ハナコの水着or下着理論だの他愛もない話に花を咲かせていた。
ちなみに上遠野と先生は隣の部屋で仕事中の為この部屋にはいない。
そんな会話の最中、具体的にはハナコの『水着or下着理論』の終盤、
『実はあれが下着だったとして……その「真実」かもしれない何かは、どうすれば証明できるのでしょう? 証明できない真実ほど無力なものは無い……そう思いませんか?』
という発言のあと、しばらく何かを考え込んでいたアズサが放った言葉が、最初の発言である。
珍しく、それを聞いたハナコの表情が驚愕の色に染まる。ヒフミとコハルは何のこっちゃという雰囲気だ。
「五つ目……? えっと、アズサちゃん、何のお話ですか……?」
「……」
「ただの聞いた話だけど……キヴォトスに昔から伝わる七つの古則。確か、その内の五つ目だったはず」
「『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか』……でしたわね? 内容は、確か」
ベッドの上で胡座を掻きながら静かに話を聞いていた千代田が、静かに口を開いた。
「うん、そんな感じだった気がする。残りは知らないけれど」
「チヨ、今の分かるの?」
「ええ、まあ。……知識としてですが。いわゆるくだらねえ禅問答って奴でしてよ」
「誰も証明できない楽園は存在し得るのか、という意味だったと記憶してる」
「アズサちゃん、それにチヨちゃんも、どうしてそれを……もしかして2人とも、セイアちゃんに会ったことがあるんですか……!?」
ハナコのその問いに、2人はまず沈黙を返した。
「……分からない、この話はただ、どこかで聞いた事があるだけで……」
とはアズサの言葉。
「いやまあわたくし情報部員ですし、そりゃあセイア様とも面識はありますが」
「あ、ああ……そういえばチヨちゃんはそうでしたね……」
「……ていうか聞きそびれてたんだけど、なんで情報部がデザートエッジ? だっけ? あそこに就職してんのよ」
「そんな機密易々と言えるわけねえでしょうがコハたん」
「誰がコハたんよ!」
「“
「やっべ。は、反対!揚げ足を取るのは卑怯ですわヒフミさん!!」
「チヨはもっと発言に気をつけるべきだと思う」
「だってチヨちゃん分かりやすいんですもん」
「むきーっ!!!」ビタンビタン
「ちょ、羽バサバサしないでよ!? うわーっ!?」
「……」
いつものわちゃわちゃした空気に戻りつつある中、ハナコだけが、難しい顔でアズサと千代田を交互に見つめていた。
「アズサちゃんは転校生、チヨちゃんは情報部……以前口にしていた『vanitas vanitatum』……ということは……」
同時刻
隣の部屋
千代田が無駄にでけえ羽でコハルをバッサバッサしている頃、隣の部屋ではラフな格好の先生と上遠野が共にパソコンに向かって作業をしていた。
作業内容としては、先生はシャーレの通常業務、上遠野はDEGへの定期報告と模試の作成である。
特に会話はない。
ブルアカの先生の姿か……? これが……
ただ、先生は机に向かって。上遠野はベッドに座ってノートPCを抱えながらの作業だ。
カタカタカタ、とキーボードの打鍵音だけが部屋に響く。
ふと、ピロンッ、とスマホの通知が鳴った。
“ん?”
どうやら、先生のスマホだったようである。音からしてモモトークだろう。
「シャーレ関連の連絡?」
“んー、知り合いから。かな?”
「…………」*3
“……決してやましい連絡じゃないよ?”
「覚えがある人は皆そう言うんだよね。ま、プライベートにも関わる話だから深く詮索はしないけど」
上遠野はそう言うとノートPCに向き直り、作業を再開した。先生もほっと一息つき、モモトークの相手に幾つか返信を……
「ほーん、『聖園ミカ』から明日の朝に密会のお誘い。……ティーパーティーホストでパテル派のトップか。さすが先生、派閥のトップとモモトークを交換してるとは。パイプの作り方が違うね」
“うひゃぁ!?”
気づかないうちに、上遠野が先生の背中から覗き込むようにスマホの画面を盗み見ていた。
“み、ミミ〜……”
抗議の意味も込めてむーっと上遠野を見つめる。
「いやあ、プライベートとは言ったけど、チヨちゃんが補習授業部でフリーに動けない以上、私って先生の護衛的なポジションでもあるんですよ。誰と会うかぐらいは把握しときたいじゃん?」
“……ミカはそんな悪い事する子じゃないと思うけど”
「悲しいけど、情報系の仕事は疑うところから始まるからね。んじゃ先生、こっちとこっち、どれがいい?」
唐突に上遠野がポケットから取り出したのは……一目見る分には、『
……ミレニアム、唐突なプレゼント。思いつく事が一つ。ミレニアムの一部活、ヴェリタスのメンバーがシャーレで同じような事をしていたような。
“……まさかさぁ”
「うん、盗聴器」
“知 っ て た”
上遠野は先生からの問いにいい笑顔で頷いた。
なんだ、ミレニアム生は皆こうなのか?
「考えてもみなよ先生、私は万が一の為に先生に同行したいけど、向こうからしたらサシで密会するのを望んでたのに見知らぬ女が側にいるわけでしょ? 流石に先生の評価が不当にダウンするのは私も本意じゃないからね」
“盗聴はそれの内に入らないの?”
「バレなきゃOK!」
“……”
ミレニアム生の倫理観が不安になってきたが……いや元からか。*4それはそれとして、このタイミングのミカからの接触に不審点を覚えているのも事実。
悩んだ末、先生はお守りとボールペンの両方を手に取った。
「ちなみに、これヴェリタスの協力を得て開発した装備ね」
“コタマァ!”
前回投稿から間が空いて申し訳ありませんでしてよ!ここはひとつ地下生活者が腹を切って詫びるのでお許しくださいまし!
何も知らない地下生活者「!?」