M.O.エルフがいるのは間違っているだろうか   作:アパオシャ

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第二話

 無事にオラリオに到着したリーシャはギルドに向かう。冒険者が中心となっており、世界中から多くの人が訪れるこの街においてギルドはこの街の顔の一つといってよいものであり、そこに至るための道しるべがそこかしこにある。

 そのため、初めて街に来た彼女でも迷うことなくギルドに到着することができた。

 

 建物に入ると、そこには多くの人がいた。現役の冒険者たちやドロップアイテムを求める商人や、リーシャのような冒険者志望の人たちなど。

 冒険者志望の人たちが並ぶと、その人数の多さからかなり待たされる羽目となったが無事に探索系ギルド一覧と書かれた紙を入手することができた。

 その紙には各ギルドの大まかな規模や特徴と、その拠点の住所が記載されている。

 

 ギルドから離れ、座るのにちょうどよい噴水のへりに座ると、リーシャは紙を眺めつつ考える。

 

 彼女が持つM.O.手術の能力は外見に大きな変化を伴うことがほとんどなので、それがどうとらえられるかというのが疑問なのである。

ダンジョンから遠く、モンスターとあまり縁のない生活をしている人たちにはモンスターの知識も少なく、変態した姿を見せてもそういう魔法なのかと納得してくれたが、一部のモンスター被害に悩まされる地域ではモンスター、または擬きとして碌な扱いを受けなかった。

 

 そこでファミリア選びは重要となってくる。大きなファミリアは心証が良ければ心強い後ろ盾になってもらえるうえに多くの団員に紛れてリーシャ個人への興味がファミリア全体に分散するという期待がある。ただし、ファミリアの有名度がある程度リーシャ個人にも向けられるため、特に最初期は他ファミリアより注目度が高く、それだけ能力の発覚からの迫害という危険性が高まってしまう。

 心証が悪ければ一気に多数の強者を相手にしなくてはならず、個人の実力も組織としての連携も敵に回すためかなりのハイリスク・ハイリターンの博打となる選択肢だ。

 

 逆に小規模・新規ファミリアでは満足な後ろ盾を得ることはほぼ不可能だが、知名度の低さから他者に能力がばれ迫害といった結果にはなりにくいし、人数も実力も大したことのないファミリアであれば十分リーシャの実力で黙らせることが可能なためローリスクな割にはリターンがそこまで低くない。

 

 結局、小規模なファミリアにあたりを付けたリーシャは紙の中から探すが、住所欄が空欄のところが多かった。

 

 小規模なファミリアはそれだけ資金力も低く定住していないことも珍しくなく、主神含め全員が生活費の工面に忙しくギルドに情報更新ができていないファミリアもかなり多い。だがそういったところはギルド側の温情措置として主神の最低限の特徴をとらえた似顔絵があり、それを目印にできるようになっている。

 

 そこでリーシャはとりあえず3日ほどオラリオを観光しつつ小規模ファミリアを探すことにした。

 それでだめなら大規模のファミリアに行けばいい。仮に拒絶されたのならば、町名種のエルフの血と、寿命という概念のない各種生物の力でほとぼりが冷めるまでオラリオを離れるという手もある。

 

 三日もあれば街を大まかに回ることができ、多くの神を見かけた。しかし、どれも彼女の望む神ではなかった。セクハラをしてくる神、性格がきつそうな神、そして貧乏すぎて餓死からの送還が秒読みの神など。

 なお最後の神は彼のもとを去って数分後に彼と思わしき送還の光の柱を見ることができた。

 

 というわけで自分の中で決めていた期限を過ぎたことで大手ファミリアに行ってみるかと思い、ロキファミリアの拠点に向かおうとすると曲がり角から一人の少年が飛び出してきた。

 幸いリーシャが避けたことでぶつかることはなかったが危うく転ぶところであった。

 

 いきなり飛び出してきた相手に文句の一つでも言ってやろうかと少年を見た彼女の目に映った少年は、処女雪のような白髪と、真っ赤な目をもつ、いかにも人畜無害そうな少年だった。

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