どうしてR18世界で凌辱されないんですか?(現場猫)   作:よくメガネを無くす海月のーれん

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書いてて冒険者って炭鉱夫に近い職業だと思った。


やっまごもり!やっまごもり!

朝、ご機嫌な朝だ。小鳥が鳴いて、眩しい日差しに目を細める。この3か月はとりあえず生きていく事を最低限の目標に生きてきたのでここでようやく明確な目標が出来たことになる。人生、何かを成し遂げるために動かないとダレるからね…。

 

うんと伸びをして、起き上がり宿屋を出る。ここじゃあ朝食を作ってもらうにもリクエスト制なので冒険者ギルドで朝飯を食べるのだ。昨日は速攻寝たからリクエストを忘れたので…。ただまぁ私は冒険者にしては身軽だ。準備も早い。なにせ、武器は魔導書で虚空から取り出せるのでいちいち持ち運ばなくてもいいし、私自身回避スタイルなので外套と軽い皮鎧で十分だったりする。鈍重さは女の敵だぜ?あ?オイ、今でもデブだろって言ったヤツどこだ?ぶち殺すぞ!ただ身長高いだけじゃい!クソッ!痩せれるほど楽な職業じゃねぇから痩せるに痩せらんねぇ!冒険者は体が資本だ。カロリーがないと切った張ったの殺し合いで不覚を取る可能性がある。冒険者は準備が9割といっていい。準備してきたやつが勝つのだ。残り1割?運。

 

それはさておき冒険者ギルドに着く。朝から飲んだくれる馬鹿共が数人。後ろから近づき酔っ払いの脳天めがけてフルスイング…!

 

「朝っぱらから良いご身分だなァ!おらッ!仕事しろッ!」

 

挨拶代わりに一発二発三発。スパンスパンスパンッといい音を響かせた頭を押さえるヒャッハーの背中をバシバシ叩いて喝を入れる。見た目?モヒカン肩パッドとかタンクトップに武器を背負ってたりとか、マッチョで竿役してそうな見た目だ。中身は気の良い奴らである。最初は、この世界だからめちゃくちゃ警戒したもんだ。中身を知って安心したのもつかの間、ちゃんとあくどいことをしている冒険者と出くわした。が、なんか『げへへ…いい女がいるぜ…!』とかじゃなくて『へへっ今めちゃくちゃ不機嫌なんだ…ぶち殺してやる…!』みたいな純然たる殺意が来てビビった。どうしたかって?天誅を食らわせたぜ…。そのあと余罪多数でしょっ引かれたが。まぁあいつが性犯罪を起こすことは二度とないだろう。中折れだからなっ!

 

まぁそんなことはどうだっていい。よぉ朝から飲む酒はうめぇかァ?えぇおい!頬をぐりぐりしながら聞く。

 

「いてぇいてぇってお嬢!俺等昨日帰ってきたばかりなんだァ、休ませてくれよ~!」

「そうだそうだ!昨日は泥みてぇに眠ってんだよ。久々の大仕事だったからなァ…!」

「ヒリついた仕事だったぜ~俺の武勇伝聞くかお嬢!」

 

「聞かねーよ馬鹿。休日だからって飲んだくれてんじゃないよ。冒険者は身体が資本なんだから休みでも軽く動く!じゃねぇとオークみたいになるぞ~」

 

肩にガッと手を回して煽る煽る。でへへと鼻の下を伸ばしている。そうよそうよ、その態度だよ。私は魅力的だろぉ~!オイ!オラッ!喜べボディタッチだ!背中をグーで殴りつける。喜べ!愛の鞭!愛の鞭!

 

「いてぇいてぇいてぇ!ってよぉ、オークと一緒にしないでくれ!昨日の依頼でしこたま見たさ!もう、うんざりだぜ!」

「ちょ、攻撃!ほぼ攻撃だぜお嬢!俺らの依頼はお嬢の行った場所とは別の場所だぜ?そこでも馬鹿ほど居た。最近なんかキナくせぇよ…。つってもアレならしょうがねぇことなんだろうが…」

「んまぁなァ…」

 

「どうした?なんかあったのか?」

 

煮え切らない態度を取る馬鹿共に声をかける。キナ臭いというと魔物が増えてきたということなのだろうか?なら討伐隊が組まれたりするらしいのだが…。

 

「お嬢はまだ此処に来て日が浅いからわからねぇだろうが。最近じゃあどいつもこいつも今中央に行くんだよ。なんでも、戦争が始まるらしくてなぁ…そっちで名を上げようつって、今地方の冒険者がこぞって向かってる。そんで地方の魔物に対して冒険者が足りなくなって来てるんだ。みんな、薄々気づいてるぜ?」

「そうなんだよ。まだ噂話だってのになァ…。戦争で冒険者のやるこたぁ肉壁ぐらいしかねぇってのに。まぁいくらかの強いヤツにゃ需要があるかもしれねぇが大半が雑兵だ。こっちとしちゃあ仕事にあぶれなくて済むが…命あっての物種だ。増えすぎてくるってなると依頼も受けづらくなって…余計に面倒になる」

「今回だって、依頼じゃあオークが6体つってたのに10体もいた。結構ギリギリだったんだぜ?女だって捕まってたしよぉ。結構ヤベェことが起こってるなーんて俺等だって気付くさ」

 

「…それヤバくない?」

 

話を聞く限り最悪ってわけじゃあない。だが確実に悪い方向に進もうとしてるのが目に見えてわかる。しかも対処できる冒険者だって失敗する可能性があるんだから対応がどんどん遅くなるってそれ…。

 

「あぁヤベェ。お嬢も気を付けろよ。討伐依頼は依頼に書いてあるヤツの2倍くらいを想定して動いた方がいいぜ」

「採集依頼とかもな。魔物が出るって前提で動いた方がいい。思ったよりもアイツ等街の近くまで降りてきてやがる」

「森はやめといたほうがいいな…昨日のお嬢の依頼で縄張り争いが起きてるかもしれねぇ。行くなら山だな」

 

「うーん…わかった。山ね。ちょっと金策で一週間くらい山籠るから帰ってきたら奢ってやるよ。それまで潰れないように動いておけよー」

 

「おぉ、お嬢のおごりなら楽しみにしねぇとな!」

「どうする?訓練所行くか?」

「いや、まず鍛冶屋だろう。点検してもらってからだな。…じゃあなお嬢!山籠もりがんばれよ!」

 

「おう」

 

手をひらひらと振ってその場を離れる。

とこんな感じで情報収集が出来るのも馬鹿共に絡む理由だ。割と命に関わる情報を持ってたりするので関係ってのは大事だね。マジ。ちなみになんで馬鹿共というかは、こ奴等がヒャッハーみたいなノリで『ここは女が来る場所じゃねぇぜ~』とか抜かして絡んできたのではっ倒した。あとから聞けば彼らなりの優しさであったらしい。女が来る場所じゃないってのは私もなってみて気づいた事実だからな。女で冒険者続けられてる人すごいわ。

 

てかこの世界、凌辱もの世界なのに妙なところで優しいよな…あれかな?凌辱以外で酷い目に遭うことを許されない法則でも働いてるの?もしそれなら何でそれ私に適用されないの?いや適用されたいわけじゃないけど。ずっとこのままでいいんだけど。でも魔物がなんか手加減リミッター解除して襲い掛かってくるのキツイ。

 

今のところであった魔物は必ず殺しにかかってくる。凌辱目的のオークとかゴブリンは死なない加減をもって襲い掛かってくるっぽいのだ。遭ったことないが。不愉快な手加減が発生するわけ。でも私にはそれがない。マジでもうなんかオマエ、イキテハイケナイ、ニンゲン、コロスみたいなノリで来る。おかしくなぁい?私から別世界の人間だからなの?おかげで毎回が命がけなんだけど…。3か月で結構な頻度で死にかけたよ。昨日もそうだし。

 

まぁともかく、結構良い話を聞けた。戦争だなんだはキナ臭いが、それでも稼ぎたい私からしたら魔物が増えているのはいい事だ。倒せば倒した分だけ報酬がもらえるからな。私が使う古代魔法は殺傷力だけはピカイチのものが揃っているし、ソロで行くとなると周りの被害を気にしなくていい。ボーナスステージだ。

 

十分安全マージンはとらないといけないが…ま、3か月なんとかやってこれたし大丈夫でしょ!ヨシッ!(現場猫)

 

というわけで、依頼掲示板からいくつかの依頼をひっぺ剥がし、アイちゃんに渡しに行く。アイちゃんおはよー、依頼の受領おねげぇしまっす。

 

「はい、おはようございますスイさん。本日もご依頼ですね…山の依頼ばかりですが…“籠り”ですか?」

 

「うんそう。ギルド設立の費用が最低金貨10枚でしょ?ちょっと保険も兼ねて倍の20枚は欲しくてね。一週間くらい山籠もりしよっかなって」

 

「そうですか…スイさんは今までの依頼で目立った怪我や依頼失敗もありませんし、依頼を確認しましたがどれも適正の範囲内です。大丈夫かと思いますが…」

 

「わかってますよアイちゃん。危なくなった降りてくるから!それに…頼もしい相棒がいることだしね!」

 

アイちゃんの懸念を払拭するように片手を上げて相棒を呼ぶ。こぉい!魔導書ォ!

 

虚空から現われた相棒は緩やかなカーブを描きつつ、私が上げた手…に収まらず私の後頭部に直撃した。いたぁい!

 

「この!ポンコツ!なんで毎度後頭部狙いなんだ!」

 

怒り心頭、魔導書をマッスルが自身の筋肉を魅せる時にやる雑誌を横に割るようにギギギっと引っ張るもクソ頑丈なので失敗に終わる。クソがっ!キレて、地面にたたきつければ地面に触れる直前に溶けるように消失する。なんだお前…!

 

「はぁ…魔導書」

 

私が後頭部を押さえながら、魔導書に呼びかければポトリと手の中に落ちてきた。

 

「ははは…で、では依頼受領行いますね」

 

苦笑いされながら対応された。ウッウッ、恥ずかしいよぉ…クソっ。酷使してやるから覚悟しておけよ…!魔導書を睨みつけつつ、終わるのを待つ。

 

数分後

 

「はい、完了しました。これでスイさんの依頼となりました。依頼報告は1週間後でよろしいでしょうか?」

 

「うん、そうして。1週間経って帰ってこなかったら私の貯金から切り崩して捜索依頼お願いね」

 

「わかりました。そうならないよう無事を祈っております。いってらっしゃいませ」

 

「はい、行ってきます」

 

事務仕事を終わらせた。依頼をパラパラとめくり、達成しやすい順に並び変える。私が今回手に取ったのは、植物採集のと魔物討伐や狩猟…あと採掘依頼だ。一週間分の食糧やらは確保してある。割とまめな人間なのでこまごまと必要なものは買いそろえてあるがほかに必要なもの…あぁー…

 

「採掘用のつるはしがない…買うか…あっ、ポーションもだ」

 

声に出して気づく。そういえば使い切ってたなと。声に出すと何か忘れていたりすることを思い出せるからいい。よし、山に行く前に買い出しだな。

 

私は冒険者ギルドを出て、次の場所に向かう。

 

向かうは鍛冶屋と薬屋だ。




やってることがほぼチンピラ

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