そう言ったあと受話器を戻しマッチを擦り煙草に火をつけるその火が彼の頭部を照らし出す。その頭は銃だったー
第1話 暴走拡張者
二度の大戦を経て、2つの変化をもたらした。
一つは戦争特需で超大企業に成長したべリューレン社の落とす影
もう一つはべリューレン社が開発した新技術『身体機能拡張技術』を施した者たち
『
BARの店内で物が吹き飛ぶ音が響き渡る。
店内では2体の異形が戦っていた。
片方は左腕がペンチ型の拡張者もう片方は頭部が銃型の拡張者であった
ペンチ型の拡張者が銃頭の拡張者に突っ込み銃頭の異形が足を引っ掛けBARの棚に突っ込ませた。
グォォォォ
ガッ
ドガシャァァァン
「てってめえ」
ピタッ
「さてこのままその補助脳を吹っとばせばてめぇの自慢の拡張体もただのマネキンになるわけだが」
「どうする?」
「噂通りの強さだぜ…処理屋の十三」
「…ところでよぉ」
「あんたに関してもう一つ噂を耳にしたんだがそっちの真偽はどうなんだろうなぁ」
左腕の拡張者がそう話すと銃頭の異形の背後に4つの腕を持つ拡張者が現れ銃頭の拡張者の頭部にある引き金に触れた。
銃頭の拡張者はその場に崩れ左腕の拡張者は驚いていた
「…やっ やった」
『十三は引き金に手をかけられるのを極端に嫌う‥それ即ちそれが十三の弱点』…「あの噂は本当だった―」
そう喋る左腕の拡張者の首に手刀が落とされた。
ズッ
おもむろに立ちながら銃頭の拡張者は言った。
「なわけね―だろオレが苦手なのは湿気とガキだ覚えとけ」
「…だがその噂…全て間違いってわけでもねー」
銃頭で表情は分からないが感情を滲ませながら4つ腕の拡張者に話しかける
「オレの引き金に触れていいのはオレが認めた奴だけだ」
話しかけられた4つ腕の拡張者は怯えながら喋った
「いやオッオレはその…」
その感情のまま4つ腕の拡張者を睨みながら銃頭の拡張者は言葉を発した
「そして…オレは誰も認めるつもりはねぇんだよ」
銃頭で表情は分からないが4つ腕の拡張者はその表情に怒りに満ちていることを察した。
「覚えてろ処理屋ぁ!!」
そう言う放ちながら4つ腕の拡張者は左腕ペンチ型の拡張者の肩を支えながら共にBARを出ていった
その言葉に対して処理屋と呼ばれた銃頭は
「覚えねーよ二度と来んじゃね―ぞ」
そう言い放った
すると気配を消しながら十三の引き金に触れようとした手があり十三はそのまま言葉を紡いだ
「やめとけ依頼人に手は上げたくねぇ」
そう言われたのはBARの女性オーナーである彼女は悔しそうに話した
「ちぇっ私も駄目かあ―くっそー!!」
彼女はに対し十三は少し呆れながら喋った
「…オレの引き金は運試しの玩具じゃねぇぞ」
その言葉に彼女は
「だって十三ってさ‥あんな風に言ってるけど実は引き金預ける相手を捜してる気がするのよねぇ」
彼女の言葉に対し十三は背を向けながら
「バカ言ってねーで次から怪我する前にオレを呼ぶんだな」
と彼女に言った彼女は少し困りながら
「あの人達も戦争終わって居場所無いんだろうなってたむろしてるだけなら気にしないことにしてたんだけど…店で薬の売買始められちゃうと流石にね―」
彼女は十三に円錐にまとめられた紙幣を差し出しながら
「これっ報酬ねそれと良かったら一杯どう?勿論おごりで!」
それに対し十三は火のついた煙草を指に挟みながら
「酒と女は男を狂わせるオレはこいつで十分さ。金は治療費にでも充てるんだな」
十三はそういい煙草を口に咥えようとした彼女は十三に近づいて―彼の下顎にキスをした。
チュッ
彼女は顔を赤くしながら
「ただのお礼なんだから勘違いしないでねっ」
そう言ったあとBARに入っていった。十三は一瞬ポカンとしたあと
「…ったくつまらねぇ真似しやがって」
そう言ったあと空を見上げたそこに見えるのはべリューレン社の巨大ビルであったそれを見上げながら
「街中 どこにいても目につきやがるぜ」
【オレの名は
【この数年で世間に拡張技術は浸透した‥とはいえ多くがその体自体凶器である拡張者と非拡張者のいざこざは増える一方だ オレはそんな街で拡張者に関する問題の処理を生業にしている】
通りの路地に非常線が張られ警備局が現場検証を行っていた。
集まった市民の誰かが話しだした
「…暴走した拡張者が子供をさらって逃げたらしいぜ」
その言葉に別の市民が
「また拡張者か酷ぇもんだ死人も出てるじゃねぇか」
その言葉にまた別の市民が
「戦争が終わったっつってもこれじゃあなぁ……って」
その声に十三は
「全くだぜ」
と言葉を発した十三を見た市民の一人が
「あっ 頭が銃!!?」と驚きながら発した。
その声を聞いた他の市民が
「やめろって処理屋の十三だぜ」
「しょ処理屋ってあの!?」
検証現場を見ていた十三は現場に不似合いの存在が視界に入った警備員と共にいたのは修道服を身に纏うシスターだった
「ーーーーーー」「ーーーーーー」
警備員と話した後彼女は非常線の内側へ入っていった。
それを見ていた十三は
「事件現場に修道女…ねぇ」
【ひと口に拡張者がらみと言っても家出したガキのお守りからマフィアの抗争仲介までその内容は幅広い】
階段を降りながら事務所のドアノブに手をかけたとき一階の部屋の窓を開けて顔を出して十三に声をかけるオカマがいた。
「あら 十三ちゃん今帰ってきたの?」
話しかけてきたのは大家でオカマのクリスティーナだった。
「クリスティーナ」と十三は返した。
クリスティーナは十三に
「さっきあなたの事務所から大きな音がしたから…大家としてはついに頭の銃が暴発したのかって心配しちゃったわよ」
「……音?」
【そして当然そんな稼業についているとオレ自身拡張者とのトラブルは避けられねぇってわけだ】
相談所のドアを開きオフィスの部屋に入ると窓が吹き飛び床に割れたガラスが散乱していた
「……まったく酷ぇことしてくれるぜこちとら家賃払うだけで手一杯だってのによぉ」
煙草を吸いながら背後に居る侵入者に話かけた。
「そこのお前用があるなら玄関のベルを鳴らすところからやり直すんだな」
侵入者は片言で話し始めた
『イ』 『ヌイ』 『ジュウゾウ…』
十三は振り返り侵入者を見た 左腕には子供がいた
「お前…さっきの騒ぎの犯人か」
犯人は十三の顔を見て驚天しながら喋った。
『かっ顔が!!!』
その反応を見た十三は
「……その面にそういう反応されると結構傷つくぜ」
電話の受話器を取り警備局に連絡をしようとしたが侵入者は否定し始めた。
『あっ あれは僕がやったんじゃない』
十三は取り合わずダイヤル式の電話で番号を入れ始めた。
「話は警備局でするんだな」『お願いだ』
『僕は…… 僕は道具じゃない! 自分自身の想いを果たす為にっ もうあの人達に捕まる訳にはいかないんだ!!』
天井に頭部がめり込みながら彼は想いを伝えた。
「…お前…」
いきなりドアがノックされ威勢のある声をかけ始めた。
「警備局だ! そこに暴走拡張者がいるのはわかってるっつ―の!! さっさと開けろっつ―の!!」
十三は呆れながら
「呼んでもねーのに 察しのいい奴らだぜ」
『まっ 待って…』
ドアノブに手をかけ開けようとしたがドアに蹴りを入れて入ってきた人がいた。
「まだ近くにいるはずだ 何でもいい手がかり探せっつ―の」と部下に指示を出し中に入ったがなにかに顔を突っ込んだ。
「んだ? てめえ……」と言い放ち上を見上げると銃頭と目があった。
十三はそのまま話し始めた。
「ご覧の通り模様替えの最中でな お客様を迎えられるような状態じゃねーんだ 話ならここで聞くぜ?」
警備局の主任は話し始めた。
「…この近くで起きた暴走拡張者による児童拉致事件の犯人を追ってる。 犯人の逃走過程で死人も出てる庇いだてするとお前も罪に問われるぞ」
それに対し十三は
「さて 生憎だがうちにそんな客は来ちゃいねぇなあ―」
とシラを切った。その姿を見た主任は
「…その姿過剰拡張者か復興庁から免状もらってるっつ―とこだろうな。 だが捜査妨害ってことになりゃ免状は剥奪
あんたはあっという間にEX法違反で逮捕だわかるな?」
十三は煙を吐き出しながら
「そりゃあ参ったなEX法違反は重罪… 下手すりゃ捕まってバラされちまう」と宣った。
それを聞いた主任は
「わかったら早くどけっつーの!!」と怒りを込めて言い放った
対して十三は「なら あと一つくらい法を犯しても大して変わりゃしねぇ そう思わねぇか?」
警備局の主任は顔に青筋を立てながら振り返って告げた。
「他所をあたるっつ―の!!」
部下の驚く声をそのままに十三に告げた。
「この一件にはべリューレンが絡んでいる どこまでその態度が通せるか見物だぜ銃頭」といい部下を引き連れて戻っていった。
ドアを閉めた十三に侵入者が話かけた。
『イヌイジュウゾウ…』
「話は後だ」
と十三は言った。侵入者は疑問符を浮かべたがその理由を
教えられた。窓の外を見ると警備局の追手がカモフラージュ
していた。侵入者は驚きながら
『あれが全部追手!!?』
十三は呆れながら
「警備局の奴らだなバレバレだぜ」
「まずはこの状況を何とかするのが先決だな」
窓から離れた侵入者は
『…………どうして僕をあの人達に引き渡さなかった イヌイジュウゾウには僕を信用する理由などなかったはずだ』
十三は煙草の煙を吐き出し灰皿に煙草の灰を落としながら思い出すように話した。
「………… 警備局の横柄な態度にうんざりしたってのと昔
あんたと同じことを言ってた奴がいたそれだけのことさ」
侵入者は提案し窓際に登った。
『…追手は僕が引きつける。その間にこの子供連れて逃げてくれないか その子をあの人達の手から守ってほしい後で必ず報酬は払う。 これは依頼だイヌイジュウゾウ』
十三は煙草を吸い切り灰皿に押し付け火を消して了承した。
「その依頼引き受けようあんたには窓の修理代も請求しなきゃあなんねぇからな」
侵入者は一言告げた
『…感謝する』
侵入者は窓際から飛び降りたすぐに警備局の捜査員が反応した
「いたぞ!!」「そっちだ!!」「追え!!」
十三は電話の受話器を取り電話をかけ始めた。
「…メアリーか少しの間匿いたい奴がいるいつもの場所を使わせてもらうぜああわかってるさ」
受話器を戻し侵入者が置いて行った子供を担いだ。
「…行くか」
移動すること暫し地下水道を移動して咥えている煙草にマッチで火をつけ煙をくゆらせる。
「…………あの男がうまく囮になったみて―だな」
十三の後方からヒールの高い足音が聞こえてくる。物陰からフードを被った人物が現れた彼女は十三と相対し喋り始めた
「神よ感謝致します あの大男からその子を救い出して下さったのですね。その子の名前は鉄郎 私共の運営する孤児院で預かっている少年でして 警備局の力をお借りして捜索していたところだったのです」
現れた修道女に十三は言葉を返した。
「そりゃあ良かったぜこれで一安心ってわけだ。」
修道女は感謝しながら答えた
「ここでお会い出来たのも神の思し召しさあ…彼をこちらに」
十三は警戒しつつ彼女に話かけた。
「…にしてもあんたよっぽどこのガキが心配だったんだなこんなとこまで一人で探しに来るなんてよぉ」
修道女は笑顔のまま疑問符を浮かべながら返した。
「?勿論です彼は私達の子も同然ですから」
その答えに十三は煙草の煙を吐きながら返した。
「ご立派なこった……と言いたいとこだが「人を殺してる」暴走拡張者がいるかもしれねぇとこに一人で来るってのは少々不用心なんじゃねぇか?」
十三は修道女に問いかけた。
「本当にあの男がこいつを「さらった」暴走拡張者ならって話だがな」
十三は言葉を続けた。
「あんたあいつが「人なんざ殺してないってこと…知ってるんじゃねぇのか?」
修道女は困惑の表情を浮かべながら返答した
「…一体何を仰っているのか私には…神に誓って私は」
十三はその反応に
「それだよ」と少年の足を見ながら言葉を返した
「あんたんとこの神様はガキの躾に随分厳しいんだな。見ろよこの足逃げられねぇように筋を何度も切った跡がある。それに何よりただの修道女がオレの顔見て怯えねぇってのはそれだけで十分怪しいってもんだぜ。あんた……一体何者だ?」
気まずい雰囲気が互いの間に流れる。最初に喋ったのは修道女だった。彼女は修道服を脱ぎ捨て始めた。
「自分で言ってて悲しくならないんですか? はぁ…そういう中途半端な勘の良さって苦労しません?」
修道服が脱ぎ捨てられてそこには社章のついた戦闘服を着ている女性が立ち十三に向けて哀れみの目線を向けながら銃を取り出した。
「だってあなた大人しくその子を渡していれば死ななくて済んだんですもの」
十三は左胸部分にある社章を見て驚愕しながら喋った。
「その社章‥!べリューレンの人間か…!!!」
彼女はツインリボルバーを構え十三に発砲した。
【ガガオン!!ガガオン!!】と中口径の発砲音が響き渡るなか十三は驚きながらも紙一重で躱しながら修道女に問いかけた。
「うおっ 危ねぇ!! このガキを取り返しに来たんじゃねぇのかよ!!」
修道女は冷酷に答えた。
「あなたが下手に動かなければ平気ですよ。 それにいざとなればその子も首から上が無事ならそれでいいので」
【ガガォン】再びツインリボルバーから発砲される
「てめぇっ」
十三は躱しつつ左腕の銃口から渦を巻くように動く弾丸を発砲した。【バシュッ】
弾丸は彼女のリボルバーの銃弾で相殺された瞬間煙幕が吹き出した。彼女の表情は一瞬驚愕に染まったがすぐにリボルバーを柱に向けて発砲した。
【ボゴゴンッ】
柱に隠れていた十三の近くに着弾した。十三は一瞬驚愕した。
「ぅおっと」
発砲が止み着弾跡から煙草の先を少し出した瞬間ーーーーー
【ヂュンッ】
煙草の先に正確に発砲され着火された。
「…………いい腕してるぜ視覚拡張してやがるな。この血の気の多さからして例の騒ぎの犠牲者もこいつの攻撃の巻き添えってところか。こいつを抱えたままやり合うのは流石に分が悪いか」
修道女は2つのシリンダーに銃弾をリロードしながら喋りかけた。
「…あなたの噂は聞いたことがあります大戦中の大艦巨砲主義の産物の一つ
足音を響かせながら彼女が近づいてくる。
「そんな人が何のつもりか知りませんけど見掛け倒しの骨董品に何が出来るっていうんです? 悔しかったらそのご立派な銃を撃って下さってもいいんですよ?」
ふと気付いて彼女は立ち止まる。
「あっムリかっ射手がいないと役に立たないただの「道具」でしたよねごめんなさい無理言っちゃって …お詫びに楽に殺してあげますね」
その時柱の影から十三が現れた。彼女はキョトンとした表情を浮かべ声を掛けた。
「あれ?もうかくれんぼはおしまいですか?」
十三からは怒りのこもった声をかけられた。
「…もう一度、言ってみろ」
全身から異音を出し怒りの雰囲気を出して十三は彼女に問いかけた
「オレが一体「何」なのか、もう一度言ってみろ」
彼女は一瞬驚愕したがすぐにリボルバーを構え言い放った。
「時代遅れの産廃のくせにッ!べリューレンに楯突いてただで済むと思ってるんですか!?」
その時彼女の背後に侵入者が現れ彼女を拘束した。
「ぐっ!!!」
十三は驚きながらも問いかけた
「あんたっどうしてここに!!」
侵入者は必死になりながら返答した。
『イヌイジュウゾウ今のうちだっ早く!!』
拘束されながらも彼女は天井に向けてリボルバーを発砲した。
【ガガォンガガォン】
侵入者は疑問符をうかべた。
『?どこを撃って…』
侵入者の背面に天井に跳弾して跳ね返った銃弾が炸裂した。
【キキンキンキン】【ボッ】【ゴゴゴンッ】
その時に拘束が解けてしまった。
十三は驚きの反応を示した。
「!!!跳弾を狙ったのかっ」
彼女は息を切らせながら銃口を侵入者に向けて言い放った。
「あなたの「肉体」は我が社の所有物です。所有物が自らの意志を持つことなど許されるものではありません。」
十三は叫んだ
「やめろッ」
叫んだ瞬間彼女は侵入者の頭部に発砲し【ボッ】
侵入者はそのまま地下水道へと落ちていくと思われた…しかし間一髪十三がその手を掴んだ。
「グウッ」
修道女はリボルバーを突き付け十三に問いかけた
「…どうしてそこまで体を張るんです?あなたには何の関係もないはずですけど」
十三は答えた。
「オレは依頼とその依頼人は必ず守る。特に報酬が未払いの場合はな」
修道女は面白い物を見る表情を浮かべて喋った
「ははっ楽しい人ですねあなた。でもこのままじゃあなた達みんな落ちて死んじゃいますけどどうするつもりです?」
十三は間を置いて答えた。
「そうなれば困るのはあなたも同じじゃないのか?」
修道女は冷酷に告げた
「言ったでしょ生死は問題じゃないって地下水道の流れを辿ればあなた達の遺体を見つけるのはそう難しいことじゃないもの」
十三は少年を脇に降ろし修道女に告げた。
「…こんなガキの何に用か知らねぇがさっきも言ったようにオレは受けた依頼は必ず果たす。このガキのことも取り返してみせる。必ずだ」
修道女は微笑みながら告げリボルバーを発砲した。
「…………楽しみにしてますね」【カチッ】【ドォォン】
十三と侵入者は地下水道へと落下していった‥
修道女は何処かに連絡していた。
「…無事逃走した被検体を確保しました。予想外の妨害にあいましたが問題ありません「装置」の良い運用試験なりましたわ「施設」ヘ帰投次第装置を摘出し「体」の方は処分しますはい、では後ほど」
「…………お待たせしましたではおウチヘ帰りましょうか「鉄郎様」」
第1話完了!