妹紅廻戦   作:お猿さん

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暑くなってきましたね


第四話 決着

 

 

 

 

宿儺の竈は発動条件として『解』と『捌』を対象に当てなければ使えない。更に“領域展開中を除く多対一”でも使えないタイマン専用の技。正真正銘の最終奥義。妹紅との一対一、『解』は一度目に、『捌』は伏魔御厨子で既に当てている。条件は揃えた。後は放つだけ。

 

 

 

対する妹紅、領域展開を除いた呪術の奥義である極ノ番。凱風快晴、その名の通り真っ赤に染まった富士山の様に紅く赤く赫く命を、魂を燃やす不死身にかまけた捨て身の一撃。だが威力は絶大。日の本一の山、富士の名を冠するのに恥ずかしく無い最終奥義。正しく富士山の憤激(フジヤマヴォルケイノ)

 

 

 

一触即発。

二人が動く合図は、ただ少しの呪力の揺らぎ。

 

 

先ず初めに動いたのは宿儺、妹紅に向けて一点集中の炎を一直線に放つ。

妹紅は躱さず此を受ける。宿儺がその目で妹紅が消し炭になったのを確認した次の瞬間、竈の中で炎を巻き上げ復活。

 

 

「凱、風、快、晴(フジヤマヴォルケイノ)!!」

 

 

竈の火力より更に上の業炎が宿儺ごと辺り一体を包み込む。

 

 

______________________________________________

 

 

 

裏梅は衝撃波で吹き飛ばされ気を失っていた。

 

 

「うっ......こ、此......は。」

 

 

焦げた匂いと熱さで叩き起こされる。

 

 

「宿......儺様......。」

 

 

あまりの光景に裏梅は言葉を失った。岩はドロドロに溶け溶岩になりクレーターを形成し、土は灰になり爆風で粉塵になり舞っている。粉塵の中、立っている人影が二つ。

 

 

 

一方は宿儺、全身に火傷を負い腕が二本左右片方づつ消し炭になっていた。咄嗟に庇った代償だろう。

 

 

もう一方妹紅、絶命と復活を繰り返し体力も呪力も素っ空空の満身創痍状態。

 

 

 

お互い何もかも出し尽くした。

 

二人は同時に前のめりに打っ倒れた。

 

 

 

 

 

 

決着 両者痛み分け

 

 

 

 

 

 

不思議な感覚だ。全て出し切った。だが結果は痛み分け。だと言うのに此は何だ?この言い知れぬ満足感は......。

 

生まれて初めてだった。此ほどまでに長く勝負が続くのも、身体に傷を付けられるのも。

なんとも愉快なものだ。

俺は満足したぞ、藤原妹紅。生涯お前を忘れる事はないだろう。

 

 

______________________________________________

 

 

 

闘いの余波はとんでも無いものだった。あまりの高火力で上昇気流が生まれ雨が降る。それも三日三晩だ。雨のせいで辺り一体の溶岩が冷え固まり火山岩が形成され幻想的な風景が作り出され、クレーターに雨水が溜まり小さな湖が出来た。

 

「起きろ、藤原妹紅。」

 

「おぅわ!?」

 

突然声を掛けられ飛び起きる。

 

「?......ここは?」

 

闘っていた時とはまるで景色が違う事に妹紅は困惑する。

 

「あの技には俺も少し()()()ぞ。」

 

「嘘こけ、もう治りかけてる癖に。」

 

宿儺の身体の火傷は細かい場所は既に治っているが、真正面の火傷跡は治りづらくなっているのか、反転術式もあまり意味をなさない。

 

「術式の開示による出力上昇の縛り、更にあの黄泉返る力、あれで命を懸けた縛りをなんの気兼ねも無く使える。中々やるでは無いか、褒めてやろう。」

 

「そりゃどーも......で今この状況は?」

 

「お前は俺と引き分けた。誇れ、お前は強い。俺は強者には敬意を表するようにしている。」

 

「は、はぁ......で?」

 

「特別に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その代わりいつかまた闘え。此は縛りだ。」

 

「まぁそれぐらいはいいけど......。」

 

それにしても疲れた。それに何だか腹も減ってきた。

 

 

因みに妹紅は気付いていないが何度か宿儺が身体を解体しその肉を喰らおうとしていた。結局、勝手に身体が燃え上がり食えなかったが。

 

 

「......飯にするか。そこら辺の動物でも狩ってこよ。あ、全部燃やしちゃったんだった。」

 

辺りの森林は全て灰になり、動物が一匹もいない。さて、これから如何するか。




此は一体、如何なっちゃうんだぁ〜!?
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