見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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原作前
プロローグ


「あなたを間違えて殺してしまったのでお詫びとして異世界転生させますね」

 

 トラックに轢かれて、30歳半ばで生を終えてしまった俺こと宮坂(みやさか) 麗央(れお)

 なんとも典型的な異世界転生のフラグを立ててしまった私ではありますが、まさかフラグ回収をする事になるとは思ってもいなかった。

 

「えぇっと、あまりにあっさり本題に行きやがったもんだから若干ついていけて無いんですけど、そちらのミスで死んだ?」

 

 神を名乗る無表情な女性の言葉はあまりにも現実離れしすぎていたが、間違えて殺したとはどういう事だろうか? トラックに轢かれてミンチになったのでは無いのか。

 

「えぇ、本来トラックに轢かれはすれど全治数ヶ月で完治するはずでした。ですが運命の歯車のメンテナンスをさぼゲフンゲフン。ちょっとしたミスで予定より早く寿命が来てしまったんです」

 

 運命の歯車が何かは知らないけど多分結構大事な機関だろ? そんな大切なもののメンテをサボンじゃねえよ。

 

「ちょっとしたミスがなければ本来あなたは48歳まで生きられたはずなのに……本当に申し訳ありません」

 

「謝罪がかなり棒読みだったのはこの際無視するけど、本来の寿命も地味に短いな!? トラックで無事でもあと十数年しか生きれなかったのかよ!」

 

「因みに死因は過労死です♡」

 

「救えねえ! 確かにブラック企業に仕える社畜だったけど、社畜戦士だったけど! 過労死はあんまりだ!」

 

「草飛び超えてもはや森ですねww」

 

「無表情で笑うな!」

 

 この女神相当性格悪いな。まぁ、あのまま社畜として生涯を終えるよりはまだ良かったのかもしれないけどさ? ちょっとくらいは申し訳なさそうにしろよ。

 

「まぁ、そんなあなたの無価値な人生をうっかり終わらせてしまったわけですが、こちらの都合で殺してしまったのに再び輪廻転生させるのも申し訳ない。ですので異世界で第二の人生を歩んでもらおうって寸法です。ほらこの偉大なる私に感謝なさい。頭を床に擦り付けて私を崇め奉りなさい」

 

「お前みたいなやつを崇め奉ってたまるか!」

 

「おやおや、威勢がいいですね。ですがこれを聞いても私に反抗的な態度をとれるでしょうか?」

 

「お前なんかに俺は屈したりはs「転生先は魔法少女リリカルなのはの世界です」私風情をそのような素敵な世界に転生させていただき心から感謝いたします女神様ァ!!」

 

 人間は女神には勝てなかった。でも仕方がない“リリカルなのは”は俺が一番好きなアニメでリリカルライブだって会社を無断欠勤して行ったほどなのだ仕方ない(二回目)。

 それに闇の書事件までである程度管理局側に気に入られておけば管理局に就職して将来も約束される。まさに転生にはうってつけの世界だよな。

 

「ですが転生するにあたって、あなたのその原作知識は奪わせてもらいますよ? 展開がわかるだなんて面白くないですからね」

 

「え、そんな。……でもまぁしょうがないか」

 

 少しショックではあるが下手に知識があると色々面倒ごとに巻き込まれる可能性があるのは否定できない。知識はここに置いて行った方がいいか。

 だが原作知識よりも重要なことが一つある。

 

「転生特典……俗にいうチートはつくんですか?」

 

「偉大なる女神様、どうかこの哀れな豚にお力をお恵み下さいと言えたら考えて差し上げまsy「偉大なる女神様、どうかこの哀れな豚にお力をお恵み下さい!」……従順な子は好きですよ。本来なら天界規定に則りチートを三点与えるつもりでしたけど、特別に六点に増やして差し上げます」

 

「に、二倍!? ありがとうございます!」

 

 暴言や上から目線の態度でストレス溜めるだけで六つもチートをくれるなんてこの女神は太っ腹である。

 

「まぁ追加した三つはそれぞれ、銀髪オッドアイの見た目。魔力SSS。ニコポナデポにしますけどね」

 

「おいそれは踏み台転生者のチートじゃねえか。ふざけんな」

 

 前言撤回、こいつ最低だわ。

 魔力SSSはともかく銀髪オッドアイとニコポナデポはマジでいらねえ。

 

「なんすか、俺に踏み台やれって言ってんですか? 小学生のなのはたちに嫁って言わなあかんのですか?」

 

「いえいえ、別にしなくていいですよ気持ち悪いですし。ですが他の転生者からは警戒されちゃいますね♡」ニコッ

 

「うわぁ……」

 

 とびっきりの良い表情。俺なんかこの人に恨まれるようなことしたっけ? 見た目的にキリストの神っぽいし神道派の俺は憎いというのだろうか。

 

「ストレス発散ですよストレス発散。あなたの前に転生させた人があまりに横柄で我儘なクソ野郎だったのでストレス溜まってしまって。まぁもう飽きたのでさっさと特典三つ選んで転生してくださいな」

 

「俺からしたらあんたもそのクソ野郎と負けず劣らずだよ」

 

 ドS邪神を睨みながらも、時間をかけすぎて残りの特典を無しにされたら怖いのでさっさと決めてしまう。

 

「それじゃあ残りの三つは無難に、成長補正(大)とデバイスに対する知識(大)、そんでもって魔力変換資質を自由に変えられるようにしてもらってもいいですか?」

 

「変換資質を自由に変えられる? とどのつまり変換資質を炎熱、電気の両方つければいいってことですか?」

 

「それに氷と風と光と闇を追加してください」

 

「盛りすぎなんで、光と闇は却下。変換資質は炎、雷、氷、風の四属性にしておきますね」

 

 光と闇は却下だったか。まぁ、解釈が難しいところがあったのかもしれないが。

 だがこれだけやって、しっかり鍛錬を積めば少なくとも二次創作でよく見る踏み台のような結末には成らんだろうよ。

 

「あとストレス発散に付き合ってくれたんで神製のインテリジェントデバイスをつけておきます。改造なりして使ってやってください。あと、他にも三人転生者がいますけどあまり喧嘩はしないように。それではいってらっしゃい」

 

 ドS邪神がパチンと指を鳴らすと床が抜けて落下するというなんともテンプレートな転生を遂げるのだった。

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