見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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お泊まり会をするらしい……へ、俺も参加すんの?

「お泊まり会するんだってー」

 

「いきなりだね。そして俺なんも聞いてない件について」

 

 遊びにきていたひなちゃんが、クッキーを頬張りながらそんなことを言った。

 お泊まり会ねー。女の子達でやるのだろうか、うん、きっとそうだ。きっと枕投げした後に恋バナできゃっきゃうふふするに違いない。

 

「それで、誰と泊まるの?」

 

「なのはちゃんとアリサちゃんとすずかちゃん」

 

 ほら見ろ。どうせそんなことだろうと思ったよ。

 

「と一緒にヤマト君のうちにお泊まりするの」

 

 ……あいつのオリ主人生、ほんと絶好調だなぁ。

 いや、確かにヤマトも一人暮らしだから泊まるにはうってつけなんだけどな。

 このパターンだと企画したのはアリサちゃんかすずかちゃんってところか。うん、ヤマトと仲を深めるために企画したって感じだろうな。言っちゃなんだがひなちゃんは仲間外れにしたら可哀想ってことで入れただけだろう。

 だとしたらもちろん俺はお邪魔虫誘わないのは当たり前のことだろう。

 まぁ、今回はみんなで楽しんでくると良いさ。俺はデバイスを弄り回しながら今頃みんなは何やってるんだろ〜と思いを馳せているからさ。

 

「それでね、れお君もおいでーってすずかちゃんが言ってたよ」

 

「もしもしすずかさん? 君ねぇ、せっかくヤマトと仲を深められるイベントなのになんで俺誘っちゃうかな?」

 

 思わずすずかちゃんに連絡してしまった。

 電話の向こうのすずかちゃんは若干困った口調で

 

『あはは……じ、実は二人きりでお泊まりしようって企んでたんだけど、ヤマト君がアリサちゃんとなのはちゃん誘っちゃって……』

 

「……」

 

『だからもういっそのことみんなでお泊まりしちゃえー! って。……なんかごめんね』

 

「すずかちゃんは悪くないよ。諸悪の根源はあの鈍感野郎だ」

 

 予想の左斜め下に酷かった。

 なんなんだよあいつ、自らへの好意に鈍感なのも良い加減にしろ。

 ニコポナデポという禁じられた力を悪用して俺がオリ主になってやろうか。

 

『……なんか悪いこと考えてる?』

 

「微弱な悪意に気がつくとは流石だねぇすずかちゃん。いやね、ヤマトのやつをどうしてやろうかと思ってさ」

 

 ほどほどにねぇ。というすずかちゃんに詳しい日時と必要なものを聞いて電話を切ると、財布と家の鍵をバックに投げ入れる。

 

「ひなちゃん。お泊まり会用のお菓子買いに行くよー」

 

「好きなの選んでいーい?」

 

「もちのろん」

 

「やったー!」

 

 せっかくだからお泊まり会、楽しませてもらおう。

 

 〜お泊まり会当日〜

 学校から帰宅した後、前日のうちに纏めておいたお泊まりセットを持って流れるように家を出る。

 

「あ、ガスの元栓って閉めてたっけ? あと、戸締りもしておかないと……」

 

 数分後、元栓の確認と戸締りを済ませた俺は、ヤマトの家ではなく、ひなちゃんの家へと向かう。一緒に行く約束をしてるのだ。

 というわけでモモザキベーカリーに到着。

 

「いいひなちゃん? あんまり我儘をいってヤマトくんやみんなを困らせちゃダメよ? あと、夜はちゃんと九時には寝ることいい?」

 

「はーい、それじゃ行ってきまーす。いこ、れお君!」

 

「……本当に分かってるのかしら? ごめんね、れお君。ひなちゃんをよろしくね」

 

「はい、了解です」

 

 羽鳥さんにはこう言ったが、お泊まり会の醍醐味は夜更かしである。

 ひなちゃんが夜更かししようとするのなら俺は止める気はない。

 こういう日ははっちゃけるのが正解なので、多少は暴れても問題はない。まぁ、酷すぎれば叱るけどね。

 

「……なんかれお君に頼るのも不安になって来たわ」

 

「あれぇ?」

 

 なんでこの街の方々はこんなにも鋭いのだろうか?

 

『マスターが分かりやすいからではないですか?』

 

 俺ってそんなに単純なのかなぁ?

 その後歩いてヤマトんちに向かったとかには既に三人娘も揃っていた。ッチ、まだなのはちゃんたちが来てなかったらヤマトのやつを一発二発殴っておいたんだが、命拾いしたな。

 

 ヤマトの家に来て一番最初にやったことは宿題だ。

 明日から三連休ということもあり宿題は多い。だからこそ今日さっさと終わらせておいて残り三日は悠々自適に過ごそうと話し合ったのだ。

 

「うー、ヤマト君国語教えてほしいの」

 

「私もー」

 

「うん? あぁ、ここは……」

 

「百字帳ってすでに漢字覚えてる私達にとっては、ただの手の運動よねー」

 

「そうだね。でもアリサちゃん書くの早いよね」

 

「ふふん、まぁね。……ねぇレオ、アンタ私より書くの早いくせに字も達筆って喧嘩売ってんの?」

 

「納得いかねぇ!」

 

 前世で硬筆習ってたからなんだけど、流石に理不尽だよな?

 

「そういえばレオ君もヤマト君も、家ではシャープペンシル使ってるんだね。大人なの」

 

「そうか? 普通だけど」

 

「ヤマトお前、俺たちが異端であると自覚しろよ。因みに俺の場合は鉛筆は削るたびに重心が変わって書きづらくなるから、安定のために家ではシャーペン使ってるだけだよ」

 

 その後興味を示した四人娘にシャーペンを貸したのだが、思った以上に気に入ったようでシャーペン買うと決めたようだ。

 シャーペンの世界へと誘惑するなんて俺も罪な男だよ。

 

 勉強を終わらせた後、部屋に置いてあったゲームで対戦していたのだが良い加減腹が減ってきたな。

 

「ヤマト君、お腹すいた」

 

「ヤマト、ひなが夕飯をご所望よ。今晩何?」

 

「え、あー。もうこんな時間か。今晩はピザで良いよな?」

 

 出前かよ。別に良いけどお前こんな幼いうちから栄養の偏った生活するんじゃないよ。将来生活習慣病になってもおっさん知りませんからね?

 

「ピザ!」

 

「出前って初めてなの」

 

「ちょうどピザキャップのピザって気になってたのよね!」

 

「楽しみだね」

 

 あ、女子組は結構受け入れてる?

 考えてみれば桃子さんは料理に関して手を抜く人ではないだろうし、なんなら外で食べるより自分で作った方が美味しいタイプだろう。一方アリサちゃんとすずかちゃんはそもそもお嬢様で出前を頼むなんて選択肢がそもそもない。そう考えると出前も貴重な体験なのか。

 また、俺も転生してからは出前とか外食は翠屋くらいでしかしていないわけで……

 久々のピザだぜひゃっほう!!

 

「私ウインナーのやつがいい!」

 

「あ、ヤマト君これなんてどうかな?」

 

「俺は肉系ならなんでも良いぞ」

 

「ばっかお前、ピザは野菜とバジルのやつがうまいんだよ」

 

「私は海鮮系が気になるわね」

 

「サイドメニューポテトがあるの!」

 

 結局、肉系、野菜系海鮮系を一枚ずつ注文して分け合って食べたのだが、やっぱりピザっていいね!

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