見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
いや、ご近所の目があるか。
「付き合わせてごめんねぇ。海鳴市のスーパーは魔境すぎて……」
「みんな安い商品欲しいですからね〜。それにたまには戦場に行かないと腕が鈍っちまいますし」
「スーパーを戦場って言うのはどうなの? ……いや、あそこは戦場だ」
エイミィさんとアリシアちゃんと共に買い出しに出かけ、ハラオウン家に帰宅。
丁度遊びに来ていたなのはちゃんとひなちゃん、そしてフェイトちゃんに荷物の中身を冷蔵庫に入れるのを手伝ってもらう。
「艦長もう本局に出かけちゃった?」
「うん。アースラの武装追加が済んだから、試験航行だって」
「確かアルカンシェルだよね? ママから聞いたけど凄くやばい兵器だって聞いたよ」
「うん。あんな物騒なもの最後まで使わずに済めば良いんだけど……、はやてちゃんのこともあるし」
アルカンシェルがどう言う代物かは分からないが、口ぶりからして核兵器と同等以上の威力かもしれない。
そんなもん闇の書に向けて撃ったら、闇の書と繋がってるはやての命が……
「クロノ君もいないですし、戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ?」
「責任重大だねぇ」
「大丈夫なの、ミィちゃん?」
「それも物騒な……ま、そうそう非常事態なんて起こるわけが…………」
直後ハラオウン家に警報が鳴り響く。フラグ回収お疲れ様です。
さーて今この場にいないメンバー、ヤマトとアリサちゃんとすずかちゃんには念話で連絡……。
〜数分後〜
ヤマトがアリサちゃんとすずかちゃんを転移魔法で連れて来たのを確認してから、モニターを確認する。
そこにはヴィータちゃんとシグナムさんの姿。
「文化レベル0人間の住んでいない砂漠の世界だね……」
「ヴィータちゃん……」
「シグナムさん……」
「結界を張れる局員の到着まで最速で45分……不味いなぁ」
俺たちは全員で一度目を合わせて頷き合う。
「レオも蒐集された以上戦場に出れる。ひなは……」
「ひなも行くよ。ママは粘って説得したし、怪我してもヤマト君の言霊で治してもらうもん」
せやね。どちらかが生きていれば回復できる。ほんとオリ主とオリヒロインが組むと鉄壁になるよなぁ。え、俺も含めれば最強? 嬉しいこと言ってくれるじゃん。
「俺ら全員で行きます。仮にここに仮面がいないとしても、ヴィータやシグナムを確保することが出来れば相手側の戦力ダウンになりますし、仮面が来たら……」
「みんなでぶち転がします!」
ひなちゃん、ぶち転がすなんて物騒な言葉使って……こっちに来なさいお説教よ!!
エイミィさんはしばらくうーんと唸っていたが、首を縦に振る。
「分かった。アルフはなんかあったときの為にこっちに残って。後バックメンバーが足りないからひなちゃん、リニスさんを呼んでもらっても良い?」
「うん」
何かあったときのバックはリニスとアルフ、そしてプレシアで務めるらしい。リニスもプレシアも強いからバックには充分な戦力だ。
「にゃはは」
「どうしたのなのちゃん?」
「いや、全員で出撃するのは初めてだなぁって思って」
「そうねぇ、確かにそう言う意味ではなんだから笑えてくるわ」
「うん、それに今回はみんな一緒だもん。何が来たって怖くないよ」
「それがフラグにならなければ良いけどね」
「やめてよレオ。この状況でそういうこと言うの」
「そうだよ」
「さ、お喋りは終わりだ。全員の力、合わせていくぞ!!」
「「「「「「「おー!!」」」」」」」
◇
砂漠の世界に降り立つと、原生生物に縛られて今にも捕食されそうなシグナムさんとヴィータちゃん。いや危ねえ!!
「危ないぞ嫁達!!」
直後、雨のように降り注ぐ剣によって二人は解放される。解放したのは……仮面の男D、龍帝院だ。
直後、全員の目が鋭くなる。おそらく俺の目にも力が入ってしまっているだろう。
だろうなぁ、俺の件がなくともコイツはやりすぎた。
しつこい軟派、ジュエルシード回収の妨害、ジュエルシードの私的利用、私的利用によるアリシアちゃんの暴走、地上部隊を引っ掻き回した、脱獄、洗脳。
そして俺の件も含めれば、殺人未遂2回に放火。とてもじゃないが許せる相手ではない。
……でも
「ヤマト、ひなちゃん、なのはちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、フェイトちゃん、アリシアちゃん。アイツの相手は任せた」
直後みんながあり得ないと言った表情で俺を見た。
「え、何言ってんのよレオ! アイツはアンタが潰すんでしょ?」
「うん。だからこそ最後は俺がやる。でもみんなもアイツのこと、殴りたいでしょ?」
「……アイツを撃墜させずに弱らせれば良いんだね?」
「撃墜させても良いよ? その時はヤマトにアイツの身体を数分前に戻させるから」
「え、俺!? まぁひなにハグさせるわけにも行かないか……分かった」
「それじゃあヴィータちゃんとシグナムさんは……」
「もちろん俺がやる」
今回ニコポナデポを強化してもらってないから、戦闘途中に洗脳を上書きすることは出来ない。でも自我のないあの二人なんて俺一人で充分だ。
二人には申し訳ないが龍帝院戦の前のウォーミングアップついでに倒させてもらうぞ。
「分かったよ。それじゃあお言葉に甘えて殴ってくるね。れお君も負けないで!!」
みんなは龍帝院の方へ向かい、攻撃を開始し始めた。
「お、おい! なんだよ嫁達!! なんで俺を攻撃するんだ!?」
「うっさい! もうアンタにはウンザリしてんのよ!!」
「だからここで終わらせる!」
「ヴィータちゃん、シグナムさん、シャマルさんにザフィーラの分も込めさせてもらうの!!」
「れお君の分も、おりゃあああああ!!」
「くそ、シグナム、ヴィータ! 俺を守れ!!」
守護騎士の二人は龍帝院の元へ向かおうとするが、無論そうは問屋が下さない。
二人の前に俺が降り立つ。
「な、踏み台ィ! 生きてたのかしぶといやつめ!!」
アスカ曰く、俺の生命力はゴキブリ並みらしいんでね。
龍帝院は何も考えずに俺に攻撃を仕掛けようとするが、アリサちゃんのフレイムアイズがそれを許さない。
「アンタの相手は私たちよ!!」
「クソ! アリサどけぇ! お前達は踏み台に洗脳されてるんだ!!」
「されてないわよ! 私のヴィータを洗脳したお前が言うな!!」
……龍帝院の方は大丈夫な様だな。
ならば俺もまずは二人を倒すか。
「《テートリヒ・シュラーク》!」
先行はヴィータちゃん。ハンマーフォームのグラーフアイゼンで俺をぶっ叩こうとしてくる。普通ならシールドで防ごうとするだろうが俺はあえてシールドは張らない。
目の前にハンマーは迫ってきている。だがまだだもう少し惹きつける。
まだ……まだ…………ここ!!
「よいしょぉおおおお!!」
「!?」
当たるギリギリで回避した事で、グラーフアイゼンを大きく振りかぶり、隙が生まれたヴィータちゃん。俺はそのまま彼女のハンマーの持ち手に突きを放つ。
中国拳法の基礎発勁を乗せた拳は、バリアジャケットに守られた手を破壊せずとも、衝撃を与えるには充分だった様で、グラーフアイゼンを手放した。
ヴィータちゃんがグラーフアイゼンを落とした直後にシグナムさんが背後から斬りかかろうとしてくるが、油断を無くした今の俺には不意打ちは効かない。
「《暴風域》!」
レヴァンティンを左手のファンメランで守ると、右手に収まったもう一つのファンメランで気流を乱して、シグナムさんを堕とす。
無論龍帝院と戦っているみんなに影響は出ない様に調整済みだ。
そのままシグナムさんと一気に距離を詰めて鳩尾にMブラスターを当てる。
飛べなくなり体勢が崩れて落下しているその状態。それで剣を振れるなら振ってみやがれ! シールドもゼロ距離攻撃ならば意味はない!!
「カートリッジロード。《マキシマムブラスト・スーペリアフルバースト》!!」
洗脳を解除するプログラムが入ったカートリッジにより威力が強化された俺の砲撃により、シグナムさん。そして砲撃の軌道上に落ちていってたヴィータちゃんを飲み込んだ。
よし、これにてミッションコンプリート。後は二人を本局に送るだけだ。
「エイミィさん! 二人の回収のためにアルフをこっちに寄越して下さい!!」
『う、うん分かった!』
……さーて、アルフを待ってる間、龍帝院が痛めつけられる光景をしっかりと目に焼き付けておくか。
次回、『踏み台その1リンチされる』