見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

109 / 297
全力の大喧嘩

(ヤマト視点)

 

 本局から帰宅後、どう闇の書を奪還したものかと思案していた時に、急に結界を感知。

 なんだってこんな時間に! 場所は……半年前に最後のジュエルシードを封印した海鳴市の海上か。

 蒐集されていない誰かが狙われているのかもしれないと、すぐさま結解内に侵入してみると、激戦を繰り広げていたのは………………レオとひな?

 レオはひなを励ましに行ってたよな。何がどうしてこうなんだんだよ!?

 

「な、なに……どうなってるの!?」

 

「もしかして喧嘩!? あんなに仲良しな二人が……」

 

 なのはたちも結解内に侵入してきたが、二人が戦っているのを見てかなり衝撃を受ける。

 それはそうだろう、ひなとレオは非常に仲が良く、意見が割れた時も必ずどちらかが遠慮をするため喧嘩なんて絶対にしない。だというのにあの二人は最強フォームで本気でやりあっているのだ!!

 

「と、とにかくあの二人を止めましょう!!」

 

「待って!」

 

 アリサが止めようとすると白い翼で止められる。そこにいたのはひなの母親である羽鳥さん。

 

「お願い、今は思いっきりやらせてあげて。この喧嘩はあの二人に必要なものなの」

 

 本来ならば一番に止めなければならない母親にそこまで言われてしまえば、流石のアリサちゃんも引かざるを得ない

 普段喧嘩をしない二人があれだけの大喧嘩をしているのだ。何かきっと意味があるのだろう。

 

「とりあえず龍帝院とギル・グレアムに警戒しながらこの戦いを見守ろう。やばくなったら二人を止めるぞ!!」

 

 俺の言葉になのはたちも頷いた。

 

 

(レオ視点)

 

 フォースカリバーに対してひなちゃんは剣モードで対抗しているが、剣は恭也さんにしごかれてる俺の方が有利だ。

 

「ほらほらどうしたぁ! 相手の得意な間合いでは戦っちゃいけませんっていつも言ってるでしょうが!!」

 

「わ、分かってるもん!! でもれお君に苦手な間合いってないで……しょ!!」

 

「ぐ!?」

 

 ひなちゃんは頭突きで俺を怯ませると、翼による加速で一気に剣の間合いから脱出する。

 一瞬で得物を弓モードに変形させたひなちゃんは、大量に矢を射出する。

 こんなにバラまいて一撃一撃の威力は大丈夫かな?

 

「《フィンガーバレット》!!」

 

 Fガントレットの指から小型スフィアを射出して撃ち落とす。ほら、やっぱり威力が足りてない!!

 そのまま流れる様にガントレットの爪を展開して、一気に距離を詰める。

 

「《サラマンダルクロウ》!!」

 

「効かないよ! スピアモード!!」

 

「あぶな!?」

 

 ジェット噴射での直線的な動きをしたのが悪かった。ミラクルホープを槍モードにして構えたひなちゃんに自分から貫かれに行く所だった。

 だが咄嗟に速度を落として避けた事で大きな隙が出来てしまったのが仇となる。

 

「《ストーミングフェザー》!!」

 

「っぐぉお!?」

 

 三対の翼から生み出される風と、羽によりそこそこのダメージ。いつの間にストーミングスフィアーズを真似されて……!

 だけど風を起こして俺を中途半端に遠ざけたのは仇となったな! この距離ならこれが使える!!

 

「《モーニングクラッシュ》!!」

 

 氷のトゲ鉄球を生み出してからIスティックと氷の鎖で繋げてモーニングスターを作ると、それをひなちゃんに放つ。

 これは食らえばタダでは済まない。翼で止めようにも重量のあるコイツの衝撃を翼なんて柔らかいもので殺すことは出来ない!!

 

「っく……!!」

 

「流石、翼に頼りきってはないよな……!」

 

 シールドで防御をして、シールドが砕ける前に上に飛び上がりその場を離脱した。

 でも上に飛ぶのは悪手だ。

 

「しま!?」

 

 ひなちゃんの両手両足はバインドで拘束される。俺が敢えて上に飛ぶ様にひなちゃんの下半身に目掛けて鉄球を放った、誘導されたんだよ。

 動けないひなちゃんに砲撃を打ち込む。

 

「《マキシマムブラスト・スーペリアフルバースト》!!」

 

 無論ひなちゃんは三対の翼で身体を包み身を守る。普通のマキシマムブラストは一対で相殺されてしまう。だからこそいくら威力を底上げしているとはいえ、三対……つまり防御力三倍だと守られてしまうよな!!

 

「はぁ……はぁ……」

 

「ふぅ……ふぅ……」

 

 今のところどちらが優位にも立っていない、完全に同等の実力。さ、流石にひなちゃん相手は疲れるな。

 それにひなちゃんはフェニックスウイングでダメージを治すから長期戦タイプ……。あれ?

 

「なんでフェニックスウイングを使わないんだ? 使えばまだまだ余裕でしょうが?」

 

「……フェアじゃ無いもん。れお君も今回は卑怯なしで戦ってくれてる。だからひなもズルはしないよ」

 

「……卑怯なしでやってるのは、フェニックスウイングありきで対等に戦うためだ。長期戦なしだとひなちゃんが不利だから使っていいんだぞ?」

 

「ううん。使わない、次で決めるから!!」

 

 ひなちゃんは弓に変形したミラクルホープに辺りの魔力を収束して矢を生み出すと力いっぱい引き絞る。

 本当に次で決着をつける気みたいだな……。

 

「上等だ。ならばちょっと早いかもだが俺も必殺技、使わせてもらう!!」

 

 フォースカリバーを居合い切りの要領で構えて魔力を溜める。

 成長補正により魔力5S以上に成長した膨大な魔力をフォースカリバーの次の一撃に込める大技。

 ブレイク・オブ・エレメタリオンよりも攻撃範囲は狭いが威力だけなら最強の一撃。

 

「やめろレオ!! お前ひなを殺す気か!?」

 

「ひなちゃんもレオ君相手にこれはやりすぎなの!!」

 

「レオー!! ひなー!! いっぺん落ち着いて!!」

 

「こ、こうなったら二人を止めるわよ」

 

「「邪魔すんな(しないで)!!!!」」

 

 いつの間にかここにいたヤマト達を一喝しながら、お互いに魔力をチャージし続ける。

 ヤマト達は少しあっち行ってろ。ここにいたら巻き込まれるぞ!! 俺のそんな思いを汲んでくれたのか羽鳥さんがみんなをエンジェルウイングで捕まえて遠くへ移動する。

 ありがたい。これなら存分に本気を出せる!!

 

「受けてみなさい。ひなのとっておき!!」

 

「受けてみな。全身全霊の必殺奥義!!」

 

「《サンシャイニングアロー》!!!!」

 

「《スラッシュ・オブ・エレメタリオン》!!!!」

 

 ひなちゃんから放たれた矢と俺から放たれた飛ぶ斬撃は、俺たちの中心でぶつかり……………………合うことなくすれ違ってお互いに襲い掛かる。

 しまった。真ん中でぶつからなか ──

 

 

(ヤマト視点)

 

 レオとひなの一撃はお互いに襲い掛かり、被弾直後に大爆発を起こす。

 羽鳥さんによって二人から離れた位置に移動させられたが、爆風で俺たちまでぶっ飛ばされそうになってしまう。

 

「きゃぁあああああ!!」

 

「く……レオ―!! ひな―!!」

 

「ぐぅううううう!! 【魔力の波から俺らを守れ】!!」

 

 シールドを言霊で強化してなんとか爆風を絶えたが爆発の中心地にいたレオとひなは……

 強化フォームが解けて意識を失い海に落ちているところだった。

 

「すぐ助けに行くわよ!!」

 

「う、うん。ソニックフォーム!!」

 

 俺らの中で一番速いフェイトが二人の元に行こうとするが、レオとひなは海に落ちる前に意識を取り戻したのか同時に起き上がる。そしてそのまま対峙する。

 ま、まだ戦うつもりか!?

 

「……いくよ。仮面の一味のひなをやっつけてみて!」

 

「……まだそんなこと言ってんのか。寝ぼけてんなら叩き起こしてやるよ!」

 

 もう魔力のほとんど残っていないレオとひなは、お互いに極限状態にあるにも関わらずカリバーとミラクルホープを再びぶつけ合わせた。




 次回、決着。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。