見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「ふう……すずかちゃんもリニスもマリエルさんも手伝ってくれてありがとね。おかげで三日で作れた」
「一番弟子だからこれくらいはね。組み立てしか役に立たなかったのは申し訳ないけど……」
「プレシアやひながお世話になりました。コレくらいはさせてください」
「こ、こんなに凄いデバイスが三日で作れちゃった…………多重セットアップ方式やバッテリーデバイスを使ったデバイスマイスターの実力は伊達じゃなかった」
二代目デュランダルを作成するために設計図を作図していると、手伝いを志願してきたすずかちゃんとリニスとマリエルさんの三人。
さっさと作ったほうがいいのでお言葉に甘えさせてもらい、俺が作図をしてその作図を元にすずかちゃんには組み立てを頼んだ。次にリニスにはプログラム作成を、マリエルさんにはデバック処理をお願いして、最後に俺が全体的な調整を行った。
ぶっちゃけ俺は指示してるだけだったよ。誰かの力を借りるって楽でいいね!!
「それにしてもエターナルコフィンって本当はあんな凄い魔法だったんだね。リュウヤ君が使う30倍くらいの威力が出てたよ」
「俺が強化を施さないで30倍だからなぁ。時間余ってるから今から強化改造するけど、威力向上させたらどれくらいの出力が出るんだろ」
『あのクソ野郎の事です。私のときの様に気に入らない事があれば、デバイスに当たっていたのでしょう。だからあの程度の出力しか出なかった。現在使われている初代デュランダルも可哀想です』
それも理由の一つだろうがおそらく龍帝院のデュランダルは未完成品なのかも知れない。リーゼ姉妹曰く、闇の書の封印に向けて開発を進めていたって言ってたみたいだし、大方龍帝院が勝手に持ち出していたとかそんな所だろうな。
「せっかくだしすずかちゃんのデバイスにもエターナルコフィンのプログラムインプットしておく? すずかちゃんの変換資質氷だから、デュランダル以上の威力出せると思うけど」
「そうだね。せっかくだから入れさせてもらおうかな? あ、自分でやってみてもいい?」
「いいよ。プログラムはコレね」
「ありがとう」
すずかちゃんは持っていたスノーホワイトに正しいエターナルコフィンのプログラムを入力していく。龍帝院とリーゼ姉妹の足止めに使った魔法はエターナルコフィンじゃなくて、ただの威力強めのアイスバインドだったしね。うん。
「時間が余ってるなら今のうちに、なのはちゃん達のデバイスをメンテナンスしようかな。すずかちゃんも魔法を入力し終わったら私に渡してね」
「はーい」
マリエルさんはそう言って、レイジングハート達を取り出す。
いつの間に回収したんだこの人は。……と言うか最近はみんなのデバイスのメンテをマリエルさんに任せきりだよな。
「ね、ねえレオ君。デュランダルと同率並行で進めてるそのデバイスって……」
「ひなちゃんのロイヤルホープです。喧嘩で負荷をかけたから、一応メンテしとこうと思って」
「これってアリシアちゃんの多重セットアップ方式とは別のプログラムが入ってるんだよね? ……あ、ごめん、レオ君の知的財産ってのは分かってるんだけど好奇心には逆らえなくて……」
「ひなの切り札でもありますから私も気になります」
分かってますよマリエルさん、リニス。俺も未知のデバイスの知識があったら喜んで首突っ込むタイプですもん。なんなら闇の書の蒐集機能のシステムを調べて何か別の技術に使えないかを企んでますもん。気持ちはわかります。
「真似出来るもんなら真似してみやがれってことで概要だけ教えますけど、ロイヤルホープ、そして俺のカリバーの中に入ってるのはパワードシステムです」
細かく設定や条件なんかもあるが、ざっくり言って仕舞えばバリアジャケットを外から干渉して更に防御力を上げる。またデバイスの方にも干渉してより強力な武器に変形させる。そう言うシステムだ。
「でもそれってフェイトちゃんのソニックフォーム見たいにバルディッシュ一つで出来たほうがいいんじゃないの?」
その疑問はごもっともですよマリエルさん。
パワードシステムは使わないときは、日常生活中のひなちゃんから少しずつ魔力を抜いて溜めるようになっている。そして溜まった魔力をバッテリーデバイスの要領でバリアジャケットや本人の魔力アップに使う。
言ってしまえば魔力持ちが使うバッテリーデバイスだ。
「コレならいちいちカートリッジに魔力を込める手間もないし、自身の魔力による継続的な魔力供給だからカートリッジよりも負担は少ないし、ひなちゃんの魔力とロイヤルホープに溜めた魔力がお互いを高め合って強さを二乗にするしで便利なんですよ」
日常生活で魔力を使わない時間が勿体ねえなぁと思い作ったのがパワードシステムなのだ。それにひなちゃんの魔力量って多い方だから少し抜くくらいだとひなちゃんも違和感を感じなかったみたいだし、この研究は大成功とも言える。
「と言うことは昔のスノーホワイトみたいに制限時間があるの?」
「あるよ。魔法を使わなかった場合の制限時間はざっと5時間。魔法を使うならどんな魔法を行使したかにもよるけど2時間半。全力で暴れる場合は30分しか持たない」
ロイヤルホープの中の魔力が尽きたら変身が解除されてしまう。だからこそ喧嘩したときの必殺技の撃ち合いで俺とひなちゃんの変身が解除されたのは、必殺技に蓄積されてた魔力を全部込めてしまったからだ。
「あ、だったらバッテリーを取り外し出来るようにすれば改善するんじゃないの?」
「流石にそれはダメ。負担が少ないって言っても継続的に負担がかかり続ける訳だから、身体のことを考慮してバッテリーは取り替え出来ない様にしています」
俺とカリバーで安全確認したからひなちゃんに渡しただけで、負担はまだまだ緩和出来そうなので未完成としている。あともう少し時間をかければ完成するためその時はなのはちゃん達にもパワードデバイスを渡したいし、お小遣い稼ぎがてら管理局に売りつける予定である。
「す、凄い……よくそんなにいろんなアイデアがポンポン浮かぶね」
「意外と思い浮かぶもんですよ。デバイス使っててこんな機能あればいいのにって思ったものを実現させてるだけなんで。……よし完成」
「あ、デュランダルの強化改造終わったの?」
「はい。パワードシステム搭載してやりました」
「ええ!? いいの、まだ未完成なんでしょ!?」
闇の書の暴走がどれくらいの物か知らないし、少しでも威力が強化できるなら未完成の技術でも使いますよ。それに負荷があるだけで、ほとんど完成してるし。
それに闇の書を取り返したら二代目デュランダルは回収してパワードシステムは取り外す。なんも問題はない。
「さ、お喋りはそこまでにしてメンテに集中しましょうか。……あ、マリエルさん。レイハのそこの部分の負担なんですけどもう少し……」
「あ、そっか。確かにこうすれば……」
結果僅か5日でメンテナンスも終了し、最終決戦前に休む時間が出来たのだった。
2日間の休息期間についてはミゼット婆ちゃんとお茶してただけだから割愛。
よく考えたらパワードシステムについての詳しい解説をしてなかったんで、最終決戦前に解説会を挟みました。