見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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闇の書の暴走!?まだページは……

「なぁレオ。一ついいか?」

 

「なんだいクロノ君。まぁ言いたい事はなんとなく分かるけど」

 

「やりすぎだ」

 

「やっぱり?」

 

 ヒューヒューと虫の息の龍帝院を見たクロノ君が呆れた様に呟く。

 これって普通に殺人未遂に該当するだろうけど、管理局が過去にコイツを釈放したため、裁くという言葉を信用できなかった。このまま殺す予定だったがクロノ君に止められてコイツは命拾いをする事になった。そういう筋書きにするために裏で手を回した為問題はない。

 

(あ、ヤマト。この際ここでコイツの転生特典全部奪っちゃって。……あ、やっぱ金髪オッドアイは消さないで、犯人って分かりづらくなる)

 

(そうだな。このままだとまた悪さするだろうし、奪わせてもらった方が世界の為だろ)

 

「【龍帝院の転生特典よ。金髪オッドアイ以外は永久に無くなれ】【また以降の言霊で転生特典は戻らないようにしろ】」

 

 お、おおう。何か間違いがあってもいいように、俺のときのように言霊での転生特典の復元をする事が出来ないようにしやがった。

 何はともあれこれでコイツは転生特典を全て失った。これではいくら再び管理局から逃げ出したとしても、原作に介入する事は出来ないだろう。

 

 

 その後アースラの管理局員に運ばれて行った龍帝院。またグレアムや被害者の会の連中も羽鳥さんがアースラに連れて行った。そこまで見届けた俺はようやく一息つく。

 ふぅ、これでようやく事件も終わりが見えて来たな……ん?

 

「れ……れお君怖い………………」

 

「う、うん。戦ってるとき顔に鬼が宿ってたの」

 

「りゅ、リュウヤは確かに悪い事してたけど、流石にやり過ぎじゃないかな? 憎いのは分かるけど腕を斬るのはいくらなんでも……」

 

「甘いよフェイト。レオの身体を斬りつけたりしたんだから、それくらいは受け入れるべきだと思う! ……怖かったのは否定しないけど」

 

「も、もうレオを怒らせるのは止めよう、ああなりたくは無いわ」

 

「だ、大丈夫だよアリサちゃん。リュウヤ君だったからレオ君もここまでやっただけだよ。……多分」

 

 おや、散々な言われようで。

 確かに精神が成熟しているとは言えこの子達はまだまだお子様。R18展開は早過ぎたようだ。

 

「大丈夫大丈夫。半殺しにされて家燃やされたからこうしただけで誰にでもやるわけじゃ無いよ?」

 

「そ、そうよね。リュウヤがやり過ぎただけよね!!」

 

「そ、そうだよ。リュウヤ君の自業自得なの!!」

 

 しまったなぁ。結界を二つに分けるなりして制裁が見れないようにしておくべきだった。頭に血が上り過ぎたようだ。反省反省。

 

「そうか? アタシはスカッとしたぞ」

 

「ああ、私らの分まで報復をしてくれた事。感謝する」

 

「は、はやてちゃんはモニターで見てないわよね? 流石にトラウマになっちゃうんじゃ……」

 

 流石は守護騎士。グロいのにはある程度の耐性があるし、操られてた被害者だからかやり過ぎくらいでも丁度良かったようだ。

 だが直後ヴィータちゃんが思い出したように駆け寄る。

 

「そうだ! あんな奴よりまずはやてだ!! なぁレオ、お前闇の書を修理できるんだろ!? 早く修理してくれよ!!」

 

「そう言えばそうだった、今すぐ取り掛かろうか。クロノ君、闇の書をこっちに」

 

「ああ……な!?」

 

「うぉっと!?」

 

「きゃぁああ!?」

 

 クロノ君が持っていた闇の書をこちらに渡そうとした瞬間、闇の書から黒い強力な魔力が発生して俺たちを吹き飛ばした。

 まるで俺の手に渡るのを拒否するかのように。システムを書き換えられるのを拒むかのように。

 

『緊急事態につき、自動防衛用システム〈ナハトヴァール〉起動』

 

 それと同時に闇の書に黒い蛇が何匹も絡みつき、黒い塊となる。

 あ、これ見れば分かる。ヤバいやつだ。

 直後リンディさんがモニターから

 

『みんな聞こえる!? 大変よ、はやてさんが……』

 

「は、はやてちゃんがどうしたんですか!?」

 

 モニターの向こうで、黒い三角形の魔法陣の真ん中で苦しむはやて。

 おいおいマジかよ。

 

「ど、どういう事だよ闇の書はまだ完成させて無いだろ!?」

 

「待てナハトヴァール!! 今は暴走するな、主の命が……!」

 

『守護騎士システムを破棄。闇の書〈ストレージ〉の完成を最優先。蒐集対象より、コアの蒐集』

 

 直後、俺らの身体は蛇によって絡みつかれて拘束されてしまう。

 一体どういう事だ!? もう闇の書を悪用するやつは……もしかして…………

 グレアム達は闇の書は後数ページで蒐集できると言っていた。それはつまり闇の書には膨大な魔力が既に込められていたという事。

 これだけあれば後は闇の書だけでも残り頁を蒐集出来る……そういう事か?

 

「あぁああああああ!?」

 

「ぐぅううううううう!」

 

「うぁああああああああ!!」

 

「シグナム!?」

 

「ヴィータちゃん!?」

 

「シャマルさんおねーちゃん!?」

 

 直後守護騎士達が苦しみ出す。闇の書の最初の蒐集対象は守護騎士か!?

 闇の書は後数ページで完成する。つまり彼女らから蒐集すればそれで闇の書は完成するという事……これは不味い!!

 

「ぐぉおおおおおおあああああああああ!!」

 

 直後、拘束から逃れていたザフィーラの兄貴が黒い塊を攻撃するが、奴にはとどかず反撃を受けてザフィーラの兄貴のリンカーコアも蒐集されてしまった。

 

「ふぅ……うぉおおおおおおおお!!」

 

 ヤマトが獣のような咆哮を上げて、黒い蛇の拘束を無理矢理外すとクロノ君の拘束をグラディウスの魔力を纏った刃で切り裂く。

 

「クロノ! 今すぐあの黒い塊に氷結魔法を!!」

 

「ああ。凍てつけ、《エターナルコフィン》!!」

 

『氷結魔法を感知、反射障壁を展開』

 

 直後黒い塊の近くに黒色の魔法陣が展開され、それに氷結魔法が当たると180度攻撃が跳ね返る。

 

「な!?」

 

「クソ!!」

 

 不意を突かれて反応が遅れたクロノ君を守るように立ち塞がるヤマト。だが3代目デュランダルの氷結魔法はかなり強力だ。いくらグラディウスでも斬り裂く前に凍ってしまう。

 

「《パーフェクトプロテクション》!!」

 

 縛られた状態の俺が咄嗟に防御魔法で二人を守ったが、直後二人は再び黒い蛇に絡みつかれる。

 正直龍帝院に魔力を使い過ぎた。今からあいつを倒すとなるとかなり厳しいぞ。

 くっそ、俺の馬鹿野郎!! 普通なら最悪の可能性くらい想定しておくだろ!!

 ……!?

 

 直後俺たちは紫色の結界の中に閉じ込められてしまう。

 しかも拘束に電気が流れ出してみんな苦悶の表情だ。という俺も痺れと痛みの二重コンボはなかなかキツい。

 

(いまこの結界を消すための魔力を溜めてる。みんな少し耐えてくれ!!)

 

 こんなときなんでもありな奴がいると便利だよな! 言霊頼んだぜ!!

 

「【俺らを苦しめる雷の結界よ! 俺らを解放して消えろ】!!」

 

 結界から解放されて、息を吐く。

 クソ、面倒臭いことになったな。まさかエターナルコフィンが防御されるなんて……

 

「はやてちゃん!?」

 

「え!?」

 

 なのはちゃんの悲鳴にそっちを見ると、闇の魔力の柱。

 そしてその中には裸のはやてと完成した闇の書だった。……おいおいなんではやてがここに!?

 

『さっきの魔法陣は転送術式だった……。ごめんなさい、はやてさんを救助するよりも早く闇の書の元へ連れて行かれてしまった!!』

 

「解説ありがとうございますリンディさん!!」

 

 闇の書から排出された黒いコアみたいな塊がはやての中に入るとはやては苦しみ出し、背丈が大きくなって髪は伸びて白くなっていく。

 

「こ、これってまさか融合事故か?」

 

「知ってるのれお君!?」

 

「ああ。ユニゾンデバイスって言う特殊なデバイスに発生する事故なんだけど……説明してる時間はない!!」

 

 それにしてもなぜユニゾンデバイスが? 闇の書は特殊なストレージデバイスだろ?

 ……もしかして闇の書の中に内包されていた? てことは闇の書の管制人格。

 

 俺が頭の中で考察をしているうちに、はやての身体はすっかりユニゾンデバイスのものへと変貌を遂げてしまう。

 彼女は涙を流しながら

 

「また……全てが終わってしまった」

 

 と呟いたのだった。

 くっそ面倒臭いことになったな!!

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