見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

12 / 297
お風呂場での一幕

「レオ、せーので行くわよ」

 

「了解」

 

「せーの!!」

 

「くたばれオラァ!!」

 

 バッシャーン。

 服を脱がせて腰にタオルを巻かせた、白目を向いてまだ意識が戻らないヤマトをアリサと協力して広い湯船の中に投げ入れてやる。

 その後しばらくヤマトが沈んだところからブクブクと泡が発生し、直後ヤマトが強引にお湯の中から浮上する。

 

「ぶはぁ! ……ゲホゲホ……はぁ、はぁ、殺す気か!?」

 

「殺す気だ」

 

「すずかを泣かせた罪は重いわよ」

 

 ようやく復活したヤマトを尻目に俺たちも湯船に浸かる。

 ふぅ、いい湯だ。足が伸ばせる風呂っていいよな。これだけはヤマトが羨ましいぜ。

 

「気持ちいいね、れお君」

 

「そうだねぇ」

 

「レオ君はどうして端っこにいるの? もっとこっちに来ていいよ?」

 

「勘弁してつかぁさい」

 

「なんで目を閉じてるの?」

 

「お構いなく」

 

 こちとら恥ずかしいんじゃ。

 いいから君達はヤマト君とイチャイチャしてな。

 薄目を開けてヤマトの方を見ると、自然体で風呂を堪能してやがった。

 さてはコイツ、女子と入り慣れてるな? どれだけ図太いやつなんだ。

 

「それじゃあ先に身体洗うわね」

 

「あ、アリサちゃん。悪いけどひなの身体洗ってやって。この子適当に洗うから」

 

「わ、私いつもちゃんと洗ってるもん!」

 

「分かったわ。それじゃあひなから先に洗いなさい」

 

「分かった!」

 

 ………………。

 

「洗ったよ!」

 

「洗い直しね」

 

 やっぱりな。

 ひなちゃんの兄貴分である俺からしたら、こういう所はもっとちゃんとしてほしいものである。

 だからと言って厳しく叱ったら泣きそうだしなぁ。どうしたものか。

 

 その後、女子組が身体を洗い終わり、今度はヤマトが身体を洗いに行った。そのタイミングでアリサに耳打ちする。

 

「なぁなぁ、ぶっちゃけヤマトのどこがいいの?」

 

「い、いきなり何よ!?」

 

「ん、どうしたんだアリサ。大きな声出して?」

 

「なんでもない!」

 

 いやだってヤマトは見た目はイケメンの部類に入るんだろうけど、いかんせん鈍い。とことんまでに鈍い。

 そして先ほどのすずかちゃんのクッキーの件のように無自覚に失礼なことを言ったりする。

 というかさっきのド屑ムーブは一発で嫌われるほどの案件だというのに、アリサちゃんたちにはそんな気配は微塵もない。だから気になったのだ。

 アリサはしばらく無言だったが、やがて静かに口を開く。

 

「私とすずか、アイツに助けてもらった事があるのよね」

 

 アリサは続ける。詳しくは言えないけど、かつてアリサちゃんとすずかちゃんは誘拐された事があるのだという。まぁ二人ともお嬢様だしね、身代金を要求すればかなりの額のお金を手に入れられるだろう。そんな中、王子様のように二人を助けたのがヤマトだったのだと。

 ただでさえ金髪から守ってくれて好感度が高かったところに、この一件がとどめとなったのだと言う。

 

「あのときのヤマト君は本当にカッコよかったよね」

 

「そうよね。そのときすずかの秘密を知ったってのに、代わりに自分の秘密まで明かしちゃって」

 

「す、すずかちゃん! レオ君の前だよ!」

 

「あ、やば!」

 

「……あぁ、言い難いところは全然秘密にしてくれて構わないから。少なくとも俺は人間誰しも秘密は抱えてるものだと思ってるし」

 

「そうしてくれると助かります……」

 

 申し訳なさそうな声で礼を言うすずかちゃん。

 原作知識を忘れた今、すずかちゃんの抱える秘密が何かは分からない。でも知らなくていいし、知ろうとも思わない。人間、知らなくていいこともあるのだから。

 

「そう言えばレオとヤマトってどうやって知り合ったの? アンタオッドアイだし、リュウヤの天敵のアイツと仲良くなれると思わないんだけど」

 

「大した理由じゃないよ? 元々ヤマトは友達の友達の友達だっただけだし」

 

「え、どう言うこと?」

 

 俺は風呂の中で泳ごうとしているひなちゃんとそれを止めているなのはちゃんを指差す。

 あと、ひなちゃん? お風呂で泳いだことは後でお話ししますからね?

 

「元々俺はひなちゃんの友達だったんだよ。それでひなちゃんがなのはちゃんと仲良くなって、そのつながりでヤマトと知り合ったってのが始まり」

 

「そう言うことね。てっきり秘密を共有する仲なのかなぁって思ったわ」

 

「もちろん秘密は共有してるよ。魔法のことでしょ? なんなら俺も使える」

 

「「えぇ!?」」

 

 ヤマトと言いひなちゃんと言い爆弾発言を投下しているのだから、その流れで俺も爆弾を投下したところで構わないだろう。

 

「そ、そうか。ひなも魔法使えるんだし、その友達のレオが使えないわけがないんだ……!」

 

「普段そう言うのと無縁だから、全然分からなかった……」

 

「俺は逆にひなちゃんが魔法使えることを知ってたことの方が驚きなんだけど。ちゃんと隠しておくようにって念押ししてたのに」

 

「無駄よ。ひなに隠し事は向いてないわ」

 

 確かにそうだ。どうせ遊んでるときとかちょっとした拍子に魔法使ったか、ついつい口を滑らせてしまったのだろう。

 というかアリサちゃんとすずかちゃんは既に魔法を知ってしまっているのか……。

 ヤマトめめちゃくちゃしやがって、これじゃあ原作ブレイク待ったなしだよ。

 

「というか私も魔法使ってみたいわ。ねぇレオ、アンタどうにかしなさいよ」

 

「パワハラやめてください」

 

「そうだよ。ヤマト君にも魔法の才能はなのはちゃんしかないって言われてるでしょ?」

 

「おい、ヤマト。てめぇペラペラペラペラ喋りすぎなんだよ! もう少し隠せや、その舌抜いたろか、あぁん!?」

 

「い、いひなりどうひた(いきなりどうした)ほーひっはんは(頰引っ張んな)!!」

 

 身体を洗い終わり、湯船に戻ってきたヤマトの頰を千切れるほどの力で引っ張ってやる。

 こいつあの金髪が可愛く見えるほどの問題児じゃねえか。オリ主補正かかってるからってもう少し考えて行動してくれ! いや、マジで!!

 

「いつつ、いや龍帝院と一緒にすんなよ」

 

「そうだよ! なんならリュウヤ君何もないところから剣出すし、あれ魔法でしょ? ヤマト君よりも隠す気ないよ」

 

 ……それもそうですな。

 さてヤマトも戻ってきたから、今度は俺が身体を洗う番だ。

 六人順番に身体洗ってるし、みんな長い時間湯船に浸かってることになる。これ以上は逆上せるだろうし、ちょっと急いだほうが良さそうだ。

 

 …………。

 

 魔法の才能が無い人でも魔法を使えるようにか。

 せっかく技術チートを性格悪いとは言え神様からもらってんだし、ちょいと試してみるか。




 過去の話とかしてるけど、コイツら全員裸なんだぜ?
 後、なのはちゃん会話が少ないから次回からはもう少しじゃべれるようにしたいでござる。
 最後にアリサちゃんとすずかちゃんに強化フラグが入りました。
 アリサちゃんとすずかちゃんが魔法少女デビューできるかどうかは、麗央くんの腕にかかってます。心の中で応援してやってください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。