見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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お帰りみんな! 取り敢えず一発殴らせろ!!

 アスカロンとカリバーが合体して、俺の身長ほどある大剣に姿を変える。下手したらフェイトちゃんのザンバーフォームより大きい自信がある。

 アースカリバー。それがアスカロンとカリバーの合体後の名前である。

 

「行くぞアースカリバー。セットアップ」

 

 セットアップの掛け声と共にバリアジャケットが変化する。ユナイトフォームの背中にWファンメランが変形して翼として合体して、俺の両サイドにサブアームとしてFガントレットが浮かび、Iスティックはレヴァンティンのように蛇腹状になり尻尾としてくっつく。

 そしてTチェーンソーとMブラスターはFガントレットの手の甲の部分に装着される。

 名付けてオールユナイトフォーム。俗に言う全部乗せ形態ってやつです。

 

「れ、レオ……もはや何でもありだな。始めっからこれ使ってたら良かったじゃないか」

 

「いやーこのオールユナイトフォームって威力高すぎるし、身体への負担大きいしで実戦投入したくなかったんだよね」

 

 これ命削ってるんだ。リスクを嫌がる俺は本当に追い込まれたときしか使いませんよ。

 

「さて、さっさとぶっ飛ばす!!」

 

 ファンメランが翼になったことで、ひなちゃんやフェイトちゃんと同等レベルの高速移動を手に入れた俺は、凄まじい速度で悲鳴を上げる融合機と距離を詰める。

 

「うぁあああああああ!!」

 

 融合機は無差別に黒い光線を放ってくるが、高速移動を実現した今の俺はあっさり避けて突き進む!!

 だがある程度進んだところで、融合機がこちらに突きや蹴りをはなってくる。

 

「言っただろ、お前の手口は解析済みだ!!」

 

「あぐ!!」

 

 突きを左手で絡めとると、アースカリバーの柄を腹に減り込ませる。

 この融合機には四つの癖がある。

 一つ目は半径10メートル圏内にいる場合には必ず近接格闘、10メートル圏外ならば必ず距離をとって遠距離からの魔法を使ってくること。

 二つ目は至近距離の魔法は蒐集していないのか、蒐集した魔法は遠距離からでしか発動してこない。

 三つ目は攻撃は必ず左腕の突きを最初に打ってくる。

 そして四つ目は瞬きを三回したら飛行して安全圏に逃げる。

 だからこそ瞬きに注意しながら常に近接で立ち回れば、相手は蒐集した魔法は使ってこない!!

 

(痛ったぁあああああああ!? レオ君! いくら今は黒い塊が取り憑いてるからって言ってもその身体私のなんやからもう少し大切に扱って!!)

 

(うるせぇ黙れ! こっちも割とキツイんだから我慢してくれ!!)

 

「ああああああ!!」

 

「逃がすかぁあああああ!!」

 

 距離を取ろうとした融合機の左足を掴み、俺の身体ごと思いっきり回転する。

 そして回転の遠心力を利用して空に投げると、アースカリバーを彼女に向ける。

 直後、海から氷の鎖が現れてギチギチに彼女を締め上げた。

 

(だ、だからもう少し大切に扱ってって言っとるやろ!? 苦しいわ!!)

 

(だから我慢しろってこれで最後だから!!)

 

 文句の多い車椅子レーサーに文句を言いながら、アースカリバーに魔力を溜めると、俺の周りに炎と氷、雷に風のスフィアが発生する。

 だがそのときに異常が発生した。四属性のスフィアの他に、黒や桃色、桜色に紫に朱に金色に空色のスフィアも姿を現したのだ。

 なーるほど、やけに力が湧いてた理由はこれか! ヤマトの言霊を通してみんなの魔力が俺の中に宿ってたからなんだな!!

 ……何だよこの主人公みたいな展開、これは普通ヤマトがやるものだろうが!!

 

 何はともあれ、殺した仕返しはさせてもらうぞコラ。受けてみろや!

 

「《フィニッシュ・オブ・エレメタリオン》っ!!」

 

「あぁあああああああああ!!」

 

(あぁあああああああああ!!)

 

 アースカリバーを融合機に向かって突き出すと、アースカリバーの先端からありったけの魔力の砲撃、そして俺の四属性のスフィアとみんなのスフィアからも砲撃が撃ち出されて一つになる。強大な魔力の奔流は融合機の身体を飲み込み、融合機と車椅子レーサーの断末魔だけが聞こえたのだった。

 

 

「レオ!」

 

「お、クロノ君。AMFは解けた?」

 

「ああ、この通りだ。すまない、結局君一人に押し付けてしまったな。ここからは僕も戦える」

 

『クロノだけじゃ無いわよ』

 

 直後モニターが映し出される。リンディさんからだ。

 

『よく頑張ってくれたわね。AMFを解いてくれたからこちらからも援軍が送れるわ』

 

 直後目の前に転移用魔法陣が現れる。そこから出てきたのは、グレアムや龍帝院を拘束するためにアースラに帰還していたメンバーである羽鳥さんとその手伝いのユーノ君、アルフ、リニス、そしてプレシアさんもいる。

 

「れ、レオ君!? 今闇の書ごとぶっ飛ばしたけど私の可愛いフェイトとアリシアは……」

 

「ああ。大丈夫だと思いますよ。ほら」

 

 融合機がいた場所から光の粒子が飛び出して、それは闇の書に囚われていたみんなを形作る。

 どうやら無事に解放されたようだな。

 それを見たプレシアと羽鳥さんは凄い速度で娘の元へ行く。

 

「フェイトー! アリシアー! 母さん心配したのよ、本当に心配したんだからねー!!」

 

「あ、か、母さん!」

 

「苦しいよー!」

 

「あ、ママー!」

 

「闇の書に吸収されたときは生きた心地がしなかったわよ、無茶しちゃって……!」

 

 娘大好きなマザーズは思い切り娘を抱擁する。そりゃあ闇の書に食われたら生きた心地しませんわ。俺もちょっと絶望したもん。

 さーてまずはやる事ひとつ終わらせておこう。

 

「お帰りみんな! 取り敢えず一発殴らせろ!!」

 

「い、いきなりなんだ!! てかなんだその姿、武装しすぎだろ物騒だな!!」

 

「カラフルになったお前には言われたくねえよ!! お前らが取り込まれたせいで一体こっちはどれだけ苦労したと……!!」

 

「にゃはは、ごめんねレオ君」

 

()()()しすぎだろ()()()()だな……プクク…………」

 

「急に笑ってどうしたのすずか?」

 

「なんでもない!」

 

 すずかちゃんの笑いのツボが浅い事は放っておいて、取り敢えずヤマトに一発拳骨したら溜飲も下がった。

 そして融合機がいた場所の後方に白い光の球があるのに気がつく。

 みんなでそこに行くと、四方から三角形の魔法陣が現れてそこから守護騎士達が現れる。そして真ん中の光の球が割れて、杖を持ったバリアジャケット姿のはやてが姿を現した。

 

「はやてちゃん! ちゃんと分離できたんだね!!」

 

「うん、レオ君のおかげやな。ところで一つ言っていいかレオ君?」

 

「断る!!」

 

「何でや!!」

 

「どうせ痛かったとかもっと優しくとか文句言うんだろ!? 助けてやったんだから文句いうな!!」

 

「言うわ!! いくら何でも痛すぎや、もう少し手加減してえな!!」

 

 しばらく車椅子レーサーと口喧嘩していたが、やがてお互いため息をつく。

 もういい疲れた。

 

「まぁ、助けてくれたのは事実やしこれくらいにしとくわ。それじゃあ……夜天の光に祝福を、リインフォース、ユニゾンイン!!」

 

 どこからともなく現れた紫色の光がはやての胸に入ると、バリアジャケットに上着と帽子とリアスカートが追加されて背中から黒い翼が現れる。そして髪の色が白くなった。どうやら融合機と正しいユニゾンが出来たようだ。

 ……いまリインフォースって言ってたけど、龍帝院が狙ってたのは融合機の事だったのか。

 

「……はやて」

 

「すみません。油断して闇の書を……」

 

「ええんよ。反省会は取り敢えず後や。お帰りみんな」

 

「う、うう、う"ぁあああああん。はやてぇえええ!!」

 

 感極まったヴィータちゃんが泣いて彼女を抱きしめる。

 ヴィータちゃん含めた守護騎士は今回洗脳されたり闇の書に食われたり散々な目に合ってるからな、そりゃ泣きたくもなるわ。

 ヴィータちゃんを抱きしめるはやての元にクロノが来る。

 

「はやて水を差してしまうんだが……時間がないので簡潔に事態を確認したい。あそこの黒い淀み、あれは闇の書の防衛プログラムで後数分で暴走を開始する。間違いないか?」

 

「うん、自動防衛システム、ナハトヴァール」

 

『暴走は周辺の物質を侵蝕し、ナハトの一部にしていく。臨界点が訪れなければ、この星一つくらいは飲み込んでしまう可能性がある』

 

「うわ物騒」

 

 だが防衛プログラムだけならば自我はない。もう蒐集した魔法を使ってくる知能は無いだろう。

 

「停止のプランは二つ。今度こそデュランダルの凍結魔法で凍結させてしまうか、アルカンシェルを使うかだ」

 

「凍結魔法って大丈夫なの? なんかエターナルコフィンって弱いイメージあるんだけど……」

 

 何とも失礼なアリサちゃんである。

 これ本来は極めて強力な魔法だから当てることさえ出来れば氷漬けにする事は余裕だろう。

 

「でもこうなってしまった防衛プログラムには難しいと思います」

 

 シャマルさんが言うには今の防衛プログラムは魔力体のため、凍結させたところでコアがある限り再生を続けるとのこと。

 ダメじゃねえか。俺が3代目デュランダルを作った意味よ。

 

「ならアルカンシェルは?」

 

「アルカンシェルなら確実に防衛プログラムを葬る事が出来るだろう。その代わり」

 

「海鳴市が滅びるわ。夫のこともあるからそれだけは使いたく無いわね」

 

「アタシも反対、はやての家がなくなっちゃう!!」

 

 もう家無くなっちゃったけどヴィータちゃんに同感。そんなもの絶対に使わせるわけにはいかない。

 どうしたものかと悩んでいるとヤマトが顔を上げる。

 

「なら二つの案を合体させてみないか? 凍結魔法で動きを止めて、俺らの最強魔法で防衛プログラムを破壊する。そして核を宇宙空間に放り投げて、アルカンシェルで止めを刺す。どうだ?」

 

『それだ!!』

 

 全員の声が重なる。あっさり解決するだなんて、流石オリ主は違うや。

 作戦は立て終わった。あとは待つだけだが……

 

「よく見たらみんなボロボロやな。シャマル」

 

「はーい、みんなの治療ですね。静かな風よ癒しの風を運んで」

 

 直後、怪我だけじゃなく魔力まで回復した。

 いや流石ですシャマル先生。そして今の風属性魔法ですよね? 今度教えてください。

 

「さて、怪我も回復していつでもバトれるわけだが……ヤマト。気合い入れるために何か掛け声頼む」

 

「いきなりだな!?」

 

「なのはちゃん達もヤマトに気合い入れて欲しいよね?」

 

「「「「「うん」」」」」

 

「……分かったよ。こほん、闇の書には沢山の人達が苦しんできた。だからグレアムと被害者の会、そして龍帝院の起こした今回の事件は起こるべくして起こったんだと思う。闇の書の悲しみを消すために……」

 

 その言葉にはやてや守護騎士達、そして桃崎親子は目を瞑る。だがヤマトは気にせず続ける。

 

「だからこんな悲しみはこれ以上後世に残してはいけない!! この悲しみの連鎖を終わらせるため、この事件を解決させるため、この運命にケリをつけるため! みんな、今までの苦痛や怒りそして悲しみ……今こそ利子をつけて返してやれ!!」

 

『おー!!!!』

 

 ヤマトに気合いを入れてもらった俺たちは最終決戦に臨むのだった。




最終決戦参加メンバー
レオ、ヤマト、ひな、なのは、アリサ、すずか、フェイト、アリシア、はやて、リインフォース、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、クロノ、ユーノ、アルフ、リニス、プレシア、羽鳥

……この数を相手にしないといけないなんてナハトヴァールは泣いてもいいと思う。
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