見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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やり方はいくらでもあるんだよ

 勝利を喜び合って早速アースラに帰還しようとすると、はやての様子がおかしかった。

 なんだがフラフラしている。

 直後はやての胸から紫紺の光が出てきて、それは先ほどまで戦っていた融合機の姿を形作った。

 

「我が主、まだ融合を解かれては……我が主!?」

 

 直後落下するはやて。

 だが海面に叩きつけられる前にリインフォースが彼女を抱き抱えた事ではやては海に落ちずに済んだ。

 

「はやてちゃん!?」

 

「はやて……はやて!」

 

 守護騎士のみんなが主を取り囲み、意識を失ったはやてを必死に呼びかけていた。

 ……あ。

 

「あー、ちょうど近くにいるアリシアちゃん。ちょっと良い?」

 

「うん。どーしたのレオ?」

 

 俺はオールユナイトフォームを解いて、アースカリバーもアスカロンとカリバーの待機状態に戻す。

 

「ごめん、俺も意識飛びそうだから、アースラまで運んでもらって良い?」

 

「え? ……あ、レオ!?」

 

 流石にオールユナイトフォームは無茶が過ぎたようだ。闇の書のことも心配だけど、今は休ませていただこう。

 

 

 ◇

 

 

「……あー、またこのタイプの夢か」

 

 気がつくといつぞやの豪邸のエントランスに一人佇んでいた。

 この後の展開は知ってる。どうせヤマトがなのはちゃん達を侍らせてて、俺も仲間に加えようとしてくるんだろ? 分かる分かる。

 

『マスター、ぼーっとしてどうしました? 早く行きましょう、あの方にお誘いをいただけるなんて栄誉なことなのですから』

 

『参りましょう。デバイスの身でありながら私も少し楽しみです』

 

「アーウン、ソウダネー」

 

 でも夢の展開を知ってるなら、ヤマトの待ってる部屋に行かなければ良いだけの話だろう。

 ……帰るか。多分豪邸を出れば夢から覚めるはずだ。

 そう思い豪邸のドアを開けると足首に違和感。

 

「……ん?」

 

 足には縄。

 そして縄は前回ヤマトのいた部屋から伸びていた。

 

「……オワタ\(^o^)/」

 

 足は凄い力で引っ張られて俺はズリズリの少しずつ部屋に引き摺り込まれていく……。

 ハァ、こうなったらもう覚悟決めるか。

 

「……よおレオ。お前も入れよ、俺のハーレムメンバーに」

 

「腹は括ったァ、さぁ来いヤァ!!」

 

 

 

「れお君!」

 

「……あ、目が覚めた! 良かったー」

 

「……アリシアちゃん。お手洗いってどこある?」

 

「え、廊下の突き当たりだけど……?」

 

「詳しい話は後、取り敢えず行ってくるね」

 

 その後の夢の内容は鮮明に覚えており、流石に気持ち悪すぎて吐きました。

 

 

 ◇

 

 

 お手洗いから帰還した俺はアリシアちゃんとひなちゃんにその後どうなったか聞いたのだが、丁度今クロノ君が食堂で闇の書について話をしているらしい。

 

「よしなら行くか」

 

「……れお君身体フラフラだよ?」

 

「オールユナイトフォームを使った代償なだけだから気にしないで」

 

「分かった。ならひながおんぶしてあげる」

 

「あ、ひなズルイ! 私がおんぶする!」

 

「シアちゃんはアースラに運ぶ時におんぶしたでしょ? 今度はひなの番だよ!」

 

「「むぅうううう!!」」

 

「喧嘩してるなら置いていくよ?」

 

 結局二人が俺に肩を貸すということで妥協したらしい。両肩を支えて貰っている為歩くのが楽である。

 

 食堂に到着すると、丁度みんなが席についてクロノ君の説明を聞いているタイミングであり、クロノ君が俺の存在に気がつくと説明を一時中断した。

 

「起きて大丈夫なのか? 検査に回したら身体からかなりの疲労が検出されたぞ」

 

「いやーナハトヴァール戦で使ったオールユナイトフォームなんだけど、あれまだ未完成な代物でさ。強い反面甚大な負荷がかかるから、使い終わったらぶっ倒れてしまうんですわ」

 

 オールユナイトは俺の持ってる膨大な魔力を血管に流して全身に魔力を伝えるのだが、流す魔力の量に身体の強度が追いついていないのだ。

 下手したら被害者の会が作った研究者のドーピングデバイスの5倍は負荷が掛かっていただろう。

 その言葉になのはちゃんが反応する。

 

「え!? そんな恐ろしいもの使って大丈夫だったの!?」

 

「大丈夫じゃないよー。正直一ヶ月くらい安静にしておきたいところ」

 

 まぁ今から闇の書を修理しなければならない上に、安静にしたくてもゆっくりできるお家が無いから気兼ねなく羽を伸ばさない状況なんだけどな。

 ……やはり龍帝院はまだ許せねえな。生きてるし更なる報復をしてやるか。

 だがクロノ君は俺の言葉にフルフルと首を振った。

 

「いや、もう闇の書を修理する必要はない」

 

「どうして?」

 

 ひなちゃんとアリシアちゃんに椅子に座らせてもらい話を聞いて見ると、リインフォースと言う闇の書の完成融合機が闇の書の破壊を打診してきたようだ。

 闇の書からナハトヴァールが消え去ったとは言え、闇の書そのものに防衛プログラムが入ってしまっているせいで、しばらくすると再び新たなナハトヴァールを生み出してしまう。

 だから闇の書がある限り安心は出来ないらしい。

 

「で、でもそれなら尚更レオ君に修理して貰った方が……」

 

 フェイトちゃんの問いに被せるように俺はクロノ君に問いかける。

 

「クロノ君、闇の書は最短何日でナハトヴァールを生み出す?」

 

「……一週間だ」

 

「なら無理だ」

 

「「「「「「「えぇ!?」」」」」」」

 

 俺が白旗を上げたことに驚く一同。

 闇の書……夜天の書の根幹にまで防衛プログラムが入ってるならば、防衛プログラムを無力化した上で一つ一つ削除していかないといけない。そしてそれは一ヶ月掛かってしまうのだ。

 

「闇の書が完成する前なら、はやてとのリンクだけを切って延命をさせてからゆっくりやれば良かったんだけど……」

 

「おじいちゃんのせいだね」

 

 ひなちゃんがそう言うが、まぁあんまりお爺ちゃんを責めなさんな。

 

「なら俺の言霊はどうだ?闇の書の暴走を止めれば……」

 

「いや、無理矢理止めたら止めたで何が起こるか分からない。リスクがあることをするべきじゃない」

 

「あ、諦めちゃダメよレオ! ここで諦めたらシグナムさんや私のヴィータが!!」

 

「ううん。私たちは残るの」

 

「ナハトヴァールと共に我ら守護騎士も本体から解放したそうだ」

 

 シャマルさんとザフィーラの兄貴が来た。

 彼女ら曰く管制融合機であるリインフォースが守護騎士プログラムを闇の書から切り離したそうで、闇の書の破壊で消えるのはリインフォースただ一人だけらしい。

 闇の書からナハトヴァールが破壊された今ならば闇の書を完全破壊できる上に、はやてともリンクを切ってるから、闇の書を破壊してもはやてが死ぬことはない。それどころか闇の書の呪いから解放されることで、しばらくしたら歩く事が出来るようになるそうだ。

 

「で、でもそれじゃあリインフォースさんは……」

 

「うん。リインフォースは消える事になる。彼女も覚悟は決めているわ」

 

「そ、そんなのって!! せっかくみんなで頑張ってナハトヴァールをやっつけたのに……」

 

 ひなちゃんが悲痛な声をあげるが、俺が彼女を制した。

 

「いいや、リインフォースは消えない。こうなったらリインフォースにも生存してもらおう」

 

「え?」

 

 俺の言葉にシャマルさんはこっちを向く。

 

「修理ができないからって何もしないのは三流のやる事だ。修理ができないなら壊して終わり? ふざけるな。修理が出来なくても全員が生存するやり方はいくらでもあるんだよ」

 

 こちとら歴史に名を残すデバイスマイスターと自称しているんだ。修理ができないくらいで何もせずにリインフォースを見送ったら、その名が泣いてしまう。

 

「三日、俺に時間をくれ。三日でいいから闇の書の破壊は待ってくれ」

 

 俺は重い身体を引きずりながら、アースラに用意して貰ったデバイス製作部屋に移動する。

 

「ま、待て。レオ、君は何をするつもりなんだ?」

 

「リインフォースの人格プログラムを写すためのメモリを作ってくる」

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