見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
はいもしもし……初詣?
「あけましておめでとうございます羽鳥さん、リニス」
「あけましておめでとうレオ君」
「あけましておめでとうございます。レオさんは早起きですね」
毎年正月は寝正月なのだが、流石に居候先で寝正月をするわけにもいかずいつも通り早い時間に起床する。
寝正月は来年までお預けか……
リビングのドアが開き、パジャマ姿のひなちゃんがやってくる。
「くぁああ……おはよーママ、れお君……あけましておめでとー」
「あけおめ」
「あけましておめでとう、今日は早起きね」
「偉いですよひな、毎朝早起きしてくれるといいんですが……」
「えー、毎朝は眠たいよー」
「気持ちは分かるわ。私も小さな頃は寝坊助だったから。今お雑煮作ってるから顔洗ってらっしゃい」
「はーい」
その後羽鳥さんお手製のお雑煮を頂いていたのだが、これがもう美味だった。羽鳥さんは娘のいるベテランの主婦であり料理は俺と同等以上に上手なのだ。
「羽鳥さん、このお雑煮のレシピ頂いても良いですか?」
「あ、気に入ってくれた? 良かったわ。後で紙に書いておくわね」
前世含めると年季は俺の方が上の筈なのに何だか悔しい。でもこれはひなちゃんや夫の為に栄養バランスと味を考えて創意工夫を続けてきた羽鳥さんの努力の結果なんだろうな。
ピルルルルル ピルルルルル
ひなちゃんの携帯が鳴る。
ひなちゃんは食事中に携帯を触ってはいけませんと言われてるため大急ぎでお雑煮をかき込もうと……
「ひなちゃんストップ! それ餅を喉に詰まらせるやつだ!!」
「喉に詰まらせるから口いっぱいに含んだお餅をぺっしなさいぺっ!!」
「電話は後でもいいだろう!? 落ち着いて食べなさい!!」
「わ、私掃除機持ってきます!!」
ひなちゃんの両親と三人がかりで彼女を止めたのだった。家庭教師は最悪の可能性を想定して行動していたのは流石と言える。
その途中俺の携帯が鳴る。ひなちゃんに繋がらなかったから居候中の俺にかけてきたか。俺は「ちょっと失礼しますね」とひなちゃん両親に言うと携帯を手に取る。
『あけましておめでとう、アリサだけどー』
「あけおめ。……ごめん、今食事中だからあとでかけ直していい?」
『なら一言で済ませるわ。今日の10時からみんなで初詣行くから神社前に集合ね』
「分かった」
「れお君。ご飯中にケータイ触っちゃダメだよ。お行儀悪いんだよ!」
「ごめん」
ひなちゃんに叱られてしまいました。
そして食事後にひなちゃんは羽鳥さんに着物を着せてもらい、二人でヤマトの家に向かう。あもうみんな集まっているな。
「「あけましておめでとう」」
「あ、レオにひなもおそーい。……おおー! レオも着物着てるー!! かわいいね!!」
「シアちゃんあけましておめでとー。シアちゃんも可愛いよー」
「……またアンタはなんで女物の着物を着てるのよ」
「着せられました」
羽鳥さんは予備の着物があるからといって俺にも着物を着せてしまったのだ。そして似合ってしまった自分が悔しいでござる。
「あけましておめでとう。みんな早いな」
「おうヤマト、あけおめことよろ」
そんなことを考えているとヤマトもやってきた。もちろんヤマトは私服である。
彼を見つけたチョロイン達は彼の元へ向かう。似合ってるって言ってもらいたいのだろう。それに今年はみんな着物を新調したっぽいし流石のヤマトも褒めてくれるだろう。
「ヤマト君。似合ってるかな?」
「いいと思うぞ。可愛いじゃないか」
語彙力はどうかと思うがナイスだ。ヤマトの褒め言葉にニコニコなみんな。
だがそんな中少し意地悪な顔をしたアリシアちゃんがヤマトの元へ行く。
「ねーねー、それじゃあこの中で誰が一番似合ってる? もちろんみんなは無しだよ?」
「な、なんて残酷な質問を……アリシアちゃん、恐ろしい子!」
アリシアちゃんの問いにヤマトは俺らを一通り見る。いや何で俺まで見るねん、俺を比較対象にすんな。
だが意外な返答が返ってきた。
「この中だとひなが一番可愛いんじゃ無いか?」
「ほんと? ママが新しい着物買ってくれたんだ〜」
無邪気に笑うひなちゃん。一応言っておくがヤマト、妹は……ひなちゃんはテメェにはやらんからな?
そしてその横で能面の様な顔で立っている四人組。
「「「「…………」」」」
「あー、その、なんだ……」
「ご、ごめんね。まさかヤマトがひなを選ぶなんて……」
「ごめんレオ君、アリシアちゃん。今は何も言わないで」
慰めようとするとすずかちゃんが低いトーンでそう言って来たので立ち直るまで放置しよ。
はやてが来るまでには立ち直ってる筈だよ。うん。
「あ、そうだ。ねぇレオ、私の着物似合ってる?」
アリシアちゃんがクルクル回って俺にアピールしてきた。よーく見とけオリ主、俺が語彙力のある褒め方と言うものを教えてやる。
「アリシアちゃんもピンクの着物をチョイスしたんだねー。いつものバリアジャケットの様な清涼感のある色とは違った感じがして新鮮だ。こう言う暖かい色も似合うね。あ、それによく見るとフェイトちゃんと同じ柄なんだね。そう言うところも姉妹愛を感じて加点ポイントかな」
「おー、よく分かってるね〜」
俺がサムズアップして答えるとアリシアちゃんは目に見えて満面の笑みを浮かべる。
ふふん、これが正しい褒め方と言うやつだよ。
そんな中意地悪な笑みをしたアリサちゃんが俺の元にやってくる。
「因みにひなとどっちが可愛いのよ? あ、どっちもはダメよ?」
「ぎゃ、逆襲された!?」
どうやらアリサちゃんはアリシアちゃんに報復をしたいらしい。まぁ俺はどちらかと言うとひなちゃんを贔屓するし、ひなちゃんと比較させたらアリシアちゃんに勝ち目がないことは分かっているのだろう。
それなら喜んでアリシアちゃんを地獄に……いや、でもアリサちゃんに踊らされるのもなんか癪だよな。今日くらいはひなちゃんと贔屓目無しで比較させて頂こうじゃないか。
「そうだねー。正直この手の物は比べるべきでは無いのかもしれないけど、ひなちゃんもピンクの着物着ちゃってるし、色彩的にこの場合はアリシアちゃんに分があるかな?」
「えぇ! ひなに勝った!?」
ひなちゃんは髪の色と着物の色が同じで綺麗に纏まってはいるんだけど、やはりアリシアちゃんの様に髪と着物がお互いに主張しあってる方が好きかもしれない。
「ま、まさかレオがアリシアを取るなんて思わなかったわ……。さぁひなこっちに来なさい。一緒に慰め合いましょう?」
「ほぇ、なんで?」
「え?」
ひなちゃんはキョトンとした顔でアリサちゃんの方を見る。
「アリシアちゃんが可愛いのは事実だし、ひなはどっちでもいいよ。れお君、ひなも似合ってるんだよね」
「うん。俺の感想なんて所詮はタダの個人的な趣向だし」
「えへへ、ならいいや」
ひなちゃんはニコニコと微笑んでいる。一瞬笑いながら怒ってるのではと不安になったが、この顔を見れば分かる。心の底からこの笑顔を引き出している。
「シアちゃん、今年は絶対にれお君に振り向かせてやるー! って言ってたもん。頑張ったねぇ」
「あ、うん。ありがとね、ひな。……なんだろう。ようやくひなに勝てたのに勝った気がしないや」
「そうね。と言うか、ひなを見てると私達って汚れてるわよね……」
「うん、それ俺も思った。聖王教会に出家しようかな……」
「汚れてないよ。みんな綺麗だよー」
ひなちゃんの純粋な心を見てしまった俺たちは、自らの醜い内面を見て意気消沈してしまうのだった。
「あ、はやてあけましておめでとう。……似合ってるな。黒だから大人っぽい印象だ。はやても入れて比較したらはやてが一番似合ってると思う」
「ありがとうな。グレアムおじさんが今回のお詫びにって送ってくれたんや。……なぁヤマト君、何でみんなこんなに落ち込んでるん? また鈍感でも発揮したんか?」
今更ながらのキャラ紹介
宮坂 麗央
魔力光:銀
魔力:5S(無印からA'sのあいだにSSSから急成長した)
レアスキル:四属性の魔力変換資質
戦闘スタイル:相手の苦手を突く
好きな食べ物:白子
趣味:デバイスの研究、アニメの視聴、怠惰に過ごすこと
踏み台の見た目で転生したおっさん。
踏み台転生したので、原作やオリ主には関わらずに暮らして行こうと内心思っていたが、寂しくて仲良くなってしまったオリヒロインであるひなちゃんと一緒にいるうちに何だかんだで深く関わる様になってしまった。
ニコポナデポに悩まされていたが、ヤマトにニコポナデポを消してもらった事で異性から怖がられる事がなくなり内心ヤマトにはかなり感謝している。
現在では海鳴魔導師組のデバイスのメンテナンスや、原作三人娘に前述についての座学と実戦を担当している。
みんなから見たレオの評価
(点数100点ー一生一緒にいたいほど好き、
80ー付き合いたい、
70ー親友、
50ー友達、
30ー興味ない、
20ー嫌い、
0ー死ね、むしろ俺が殺したる)
ひな:大切な人。喧嘩してからもっと大好きになった。(120/100)
ヤマト:踏み台だからと警戒したのは最初だけで、以降は唯一の男友達で親友。(75/100)
なのは:普段から気を使ってくれているのがありがたい反面、たまにはわがままを言って欲しかったりする。(72/100)
アリサ:喧嘩友達、いい加減借りを返させなさい。(70/100)
すずか:デバイス作りの師匠。デバイスを一人で作れる様になったら、レオ君に作ってあげたいと思っている。(75/100)
フェイト:お姉ちゃんを助けてくれたり、バルディッシュを修理してくれたりと、かなり恩を感じている。私の知らない事をたくさん知ってて話していて楽しい。でも怖い。(68/100)
アリシア:暴走したときに助けてくれた。そのとき笑いかけられて恐怖を感じたけど、それ以上に安心した。私の王子様。(100/100)
はやて:ライバル。家事の事とかで話が合う唯一の同年代の友人のため、よく話したりする。(73/100)