見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
その後立ち直った俺たちは改めて神社の階段を登る。
流石は正月という事で参拝客はかなり多く、お参りにも長蛇の列だ。これはそこそこ待たないといけないので、のんびりとお話ししながら待つ。
「そう言えば初めてなのちゃんと一緒にジュエルシードを封印したのってここだったねぇ」
「にゃはは、そうだね。あれからまだ一年も経ってないのに凄い昔のように感じるよ」
へぇ。俺の知らないところでも物語は動いていたんだなぁ。
なのはちゃんは目を閉じてしみじみと去年の春のことを思い出す。
「あのときは私も魔法が使えるようになったばっかりで、変身に手こずってるときに助けてくれたんだよね」
「へぇ、ひなちゃんカッコいいね」
「えっへんひなの方が先輩さんだもん! あのくらいは出来なきゃね!」
「え、ひなちゃんの方が先輩さんやったんか?」
「そうだよ。いつかはヤマト君やレオ君に追いつきたいから、まずはひなちゃんに勝つことを目標にしてるの」
「凄い勢いで強くなってるし、今年には追いつけると思う! だから頑張ってなのちゃん! あ、でもひなもそう簡単には負けないからね〜?」
どうやらなのはちゃんは、フェイトちゃんに続いてひなちゃんを越えるべき目標として定めたようだ。
戦闘技術や基礎体力を向上させて長期戦に耐えられるようになったら、ひなちゃんには勝つ事ができるだろうが、ひなちゃんが陥落したら次は俺が狙われる可能性が高い。はっきり言って面倒臭いのでひなちゃんには頑張って欲しいところだ。
「そう言えばなのは達はヤマト達に教えてもらってるんだったね」
「ああ。闇の書事件で分かってただろうが、かなり強くなってただろ?」
「うん。すっごく」
ヤマトが分かりやすく胸を張る。まぁ基本コイツが主導になって教えていたからなぁ。それに意外と教え方上手いし、それがなのはちゃんが早く上達した理由なのかもしれないな。
「みんな強いよね〜。その点私はまだまだだ……」
アリシアちゃんがそう呟くが、別にそんな事はない。
そもそもアリシアちゃんは支援型にしている。なのはちゃん達みたいにビシバシ魔法で殴り合うのではなく、フェイトちゃんの援護を主目的にしているのだ。
「そう考えると、アリシアちゃんはむしろかなり戦えてるほうだよ。ハリセンスマッシュなんて近づいて来た敵を追い払うためのデバイスなのに、それで壁とかに叩きつけて撃墜させてたんでしょ?」
「そ、そう? そう褒めてもらえると照れますな〜」
「でも攻撃一辺倒になってて、支援が出来てないわよね」
「うぐ! く、クロノにも同じ事言われたよ……」
アリサちゃんの指摘にガックリと項垂れるアリシアちゃん。
そうだなー。いっそのことバルディッシュをアリシアちゃんが持てるように……いや、二台目のバルディッシュでも作ってアリシアちゃんに持たせてみるか?
そうなるとリニスに話を通して次のアリシアちゃんの誕生日までに準備するのもいいかもしれない。
「あ、レオ君が顎に手を当ててるの。こう言うときって何か企んでるんだよね」
「よく知ってるわねぇ。……そう言えば私達よりも付き合い長いんだったっけ?」
「小学校に上がる前からの付き合いだよね?」
「うん。ひなちゃんとヤマト君の四人でよく一緒に遊んだりしたの」
そう考えると転生者組プラスなのはちゃんって初期メンなのか。最近そのメンバーで遊ばないからすっかり忘れてだぜ。……たまには四人でおままごとでもやるか?
そして駄弁っていると時間もあっという間で、ようやくのお参りの時間である。
さてと……今年は去年みたいに酷い目に遭いませんように……今年は去年みたいに酷い目に遭いませんように……。住所を想像しながら祈ったら願いが叶いやすいっていうけど、俺今家無しだからそこら辺考慮してこの願いを叶えてくださいませ。
(今年は誰も怪我しませんように……今年は誰も怪我しませんように……)
……ん? なんか今ひなちゃんから念話があったんだけど?
チラリと彼女をみるとかなり真剣に祈っていた。多分集中しすぎてうっかり念話を使ってしまってるんだろう。
それにしても誰も怪我しませんようにか。ひなちゃんもう少し自分のことお願いしてもいいんだよ?
(今年こそは、ヤマト君やレオ君、ひなちゃんに追いつけますように)
なのはちゃんも集中しすぎて念話が漏れてる。と言うか追いつくって魔法の事だよな。どんだけ向上心あるんだか……。
(今年はレオに借りを返します。絶対に返す!)
アリサちゃん、借りってバッテリーデバイスの事かい? ……事あるごとに返させろって言ってるしそろそろ受け取った方が良いのかもしれない。
まぁそれはそれとして、何も神様に宣言しなくて良いだろうに。
(お姉ちゃんと恭也さんが幸せになりますように)
うん。自分のことお願いしようかすずかちゃん? 優しいのは美徳だけどそれは損だよ?
それはそうと忍さんと恭也さんは幸せになって欲しいバカップルではあるから俺も祈っておこう。
(オッドアイを克服できますように)
かなり切実な願いであった。金髪もいなくなった今オッドアイを克服する事の出来る良い機会ではあるし、協力は惜しみませんぜ。
(レオをゲッツ出来ますように。……いっそ既成事実でも作って…………)
これを聞いてしまった本人はどう反応すれば良いのだろうか? 既成事実なんて作られたら俺がプレシアに殺されるんだけど? てか既成事実なんて言葉と意味をなぜ知ってる?
とりあえず当分アリシアちゃんの行動には注意しておこう。
(リインフォースとお風呂に入れますように。リインフォースにやたらと良いたわわが実っとったからパフパフ出来ますように……)
神に対してなんてなんてお願いしてんだよ。実はこの車椅子レーサーの前世俺みたいなおっさんだったりしないよな? ちょっと不安になって来たぞ。
ついついみんなのお願いを聞いてしまったけど、バレたら後が怖いよな。別に大した事を盗み聞いてはいないとは言え、聞いてしまった事は墓場に持って行こう。
そして他の人より少し時間をかけてお祈りが終わったわけだが、ヤマトが開口一番。
「みんな無意識に祈ってること念話に出してたぞ?」
「「「「「「「えぇ!?」」」」」」
ぶっちゃけやがったこのオリ主!?
……え? みんなって俺も含まれてるの? 確かにもはや邪神にも縋りたいレベルで去年は酷い目にあったから、結構本気で神に祈ってたとは言え、うっかり念話で流してたのか。
俺がそんな事を呑気に考えていると、割と健全な事を祈っていたひなちゃん、なのはちゃん、すずかちゃん。そして切実な事を祈っていたアリサちゃんとフェイトちゃんはともかく。アリシアちゃんとはやては目に見えて動揺し出す。
そして俺に対する事を祈っていたアリシアちゃんは俺の方を詰め寄る。
「ど、どうなの? 今なら許すから、このアリシアちゃんに正直に話して!!」
「そもそも祈ることに集中しすぎてて念話聞き逃してたわ」
「……よ、よかった〜」
正直に聞いていたと言ったら面倒くさい事になるのは目に見えてるので嘘をついておく。
そしてアリシアちゃんはキッとヤマトの方を見る。
「乙女の頭の中を覗くなんて許さない! はやて、やるよ!!」
「分かったわアリシアちゃん。知られたからには生かしちゃおけへん。ここで消されるか婚姻届にサインするか選びぃ!」
「いや、頭の中を覗くって念話に出してたからで……それに婚姻届ってなんだ!?」
「ふしだらな事を考えてたっぽい二人と、言わなくて良い事を言ったヤマトは放っておいて私達はおみくじでも引きましょうか」
「そうだね。恋愛おみくじにしよっか」
「私お守りも欲しいな。家内安全と恋愛成就」
「ひなも交通安全と家内安全で買っちゃおー」
「なんかどさくさに紛れて車椅子レーサーが婚姻届突きつけてるけどいいの?」
「大丈夫なの。まだ未成年だから提出できないし、サインしたらこっそりと処理するの」
物騒ななのはちゃんである。
その後、三人は放っておいておみくじを引いたら今年の運勢は末吉でしたとさ。いや微妙!
豊田 大和
魔力光:黒
魔力:SSS
レアスキル:言霊
戦闘スタイル:正々堂々正面から打ち勝つ
好きな食べ物:秋刀魚の塩焼き
趣味:ラノベや漫画を読むこと
オリ主として転生した高校生。
前世では幼馴染の告白が失敗をネタにした虐めが原因で自殺した経験から、恋愛に対してかなり否定的になっておりなのはちゃん達のアプローチに気づかない。
せっかく生き返ったから好きな事をしようと考えており、原作娘やオリヒロイン、果ては踏み台その2と遊んだり一緒に勉強する日々に充実感を覚えている。
現在は原作組の長所を伸ばす事と苦手の克服を手伝っている。教え方が上手なため、将来教導隊に入らないかと管理局から誘われているが、本人は教導隊は興味がないらしい。
みんなから見たヤマトの評価
(点数100点ー一生一緒にいたいほど好き、
80ー付き合いたい、
70ー親友、
50ー友達、
30ー興味ない、
20ー嫌い、
0ー死ね、むしろ俺が殺したる)
レオ:オリ主。良い加減なのはちゃん達の好意に気づけ(70/100)
ひな:お友達。よく勉強を教えてもらう(70/100)
なのは:リュウヤ君から守ってくれて、一人ぼっちなときに寄り添ってくれてからずっと好き(95/100)
アリサ:誘拐されたときに、怪我しながらも助けてくれて惚れた(95/100)
すずか:夜の一族である事を知られてしまったけど、受け入れてくれるばかりか魔法の存在をバラした姿に惚れた(95/100)
フェイト:リュウヤから助けてくれた。その後もジュエルシードの捜索のときに、常に心配してくれていつの間にか好きになっていた(95/100)
アリシア:友達。頭が固い所がクロノを思い出す(60/100)
はやて:リュウヤ君から助けてくれたことや、車椅子である自分を元気づけてくれた。車椅子であれだけ速く動けるようになったのはヤマト君が特訓に付き合ってくれたからなんやで? (95/100)