見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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すずかさん。何故ネグリジェを俺に渡すんすか?

「あがったよー」

 

「「「「「あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ! …………」」」」」

 

「いやだからいつまでやってんねん」

 

 ほらヤマトも呆れてRPGやってるぞ?

 ……これよく見たらテイルズ・オブ・シンフォニアじゃん。前世で良くやってたなぁ。

 今の時代のは楽しかったんだけど、ゼスティリアからだんだん雲行き怪しくなったんだよなぁ……。

 

「このコレットってキャラクター、私とフェイトに声そっくりだねぇ」

 

「中の人同じだしねぇ」

 

「なかのひと?」

 

 まぁ何はともあれ、早く入らないと風呂温度維持するのもガス代かかるからなぁ。

 そんな事を考えていると、ひなちゃんがみんなに「はい!」と一枚の端が折られた紙を差し出す。

 

「あみだくじならすぐに決められるよね!」

 

「確かにそうだね。ありがとうひなちゃん」

 

 すずかちゃんがお礼を言って受け取ると、早速みんなは適当なスタート地点を選ぶ。

 そして折られた紙を開いて結果を見てみると……。

 一緒にお風呂に入るのは、なのはちゃんとアリサちゃんとはやて。そしてアリサちゃんとすずかちゃんが今夜はヤマトの隣、フェイトちゃんがヤマトの上での就寝である。

 

「それじゃあ先に入ってくるわね」

 

「うん。行ってらっしゃい」

 

 風呂場に向かったヤマト達を見送ると、ソファに腰掛けてナハトの頭を撫でながらぼーっとする。

 ひなちゃんとフェイトちゃんとアリシアちゃんはゲームはもう飽きたのか、バラエティ番組を見始め、すずかちゃんは我が家の書斎から本を一つ借りて読み出す。

 

 静寂がこのリビングを包みこんだのだった。

 

 

 

 

 

「あ! そうだった」

 

 それからどれくらい経ったかと思ったタイミングで、すずかちゃんが思い出したように自分の着替えを入れたリュックの元へ駆け寄る。

 そしてしばらくリュックをゴソゴソとしていると、一着のフリルのついた紫紺のネグリジェを取り出す。生地が厚く透けない為、全然エロくはない。健全も健全な一品だ。

 

「はいレオ君」

 

「……すずかさん。何故ネグリジェを俺に渡すんすか?」

 

「これお姉ちゃんのお古なんだけどね、レオ君に似合いそうだから、デバイスのお礼にあげてって言われたんだ。……ごめんね、やっぱりバレちゃってた」

 

「この流れは素直に着て、ネグリジェ姿の俺の写真をすずかちゃんが忍さんに送ってくれないと生存できないパターンだね。ちょっと着てくるよ」

 

「普通はバレてたかー! とかうわマジかよ! とか一言文句を言うのに、今日のれお君は完全に受け身だ……」

 

「ネグリジェ姿のレオ……。どんな姿だろうね」

 

「いまからドキドキだよ」

 

 ネグリジェを受け取ると、自室で手早く着替える。

 まぁ考えてみれば確かに白のTシャツに黒い短パンよりも、こっちの方が似合いそうだしね。

 忍さんのお古っていうのが引っかかるけど、まぁ洗濯してるから大丈夫だろう。

 手早く着替えて鏡を見てみると、その名はネグリジェ姿の超絶美少女。銀髪オッドアイが目立つので片目を閉じたら……うん。

 

「……似合ってしまうのが悔しい」

 

 着替えてリビングに戻るとヤマト達が風呂から帰還していた。

 アリサちゃんは俺の姿を見るやいなや風呂上がりに飲んでいたスポドリを、盛大に吹き出した。

 

「ぶふぅ!? な、なんでアンタは女装してんのよ!?」

 

「忍さんの陰謀なんだ。アイムノットギルティ」

 

 あとアリサちゃん。スポドリ吹き出して濡らしたところはキチンと掃除しておいてね?

 

「うっわー。レオ美人だ……。ひなの制服着てたときから思ったけど、レオって本当に女装が似合うよね」

 

「うんうん。れお君が女の子に見えちゃうよ」

 

「にゃはは……なんだか女の子として負けた感」

 

「そうだね。男の子に負ける私って……」

 

「お姉ちゃん。もうこれで許してあげて……送信っと。あ、もう返信帰ってきた。やっぱり私の目に狂いは無かった……。確かにそうかも」

 

 お披露目が終わったところで、再びソファに座らせてもらう。

 ……意外とこれゆったり着れていいなぁ。

 しばらく俺の姿を見ていたみんなであったが、やがてアリサちゃんが正気に戻る。

 

「……とりあえずフェイトとすずかはお風呂入って来なさい」

 

「う、うん」

 

「そうするね」

 

 すずかちゃんとフェイトちゃんがお風呂に入ると、残ったメンバーも再びリビングでくつろぎ始めた。

 そしてしばらくしてから、ナハトのお腹を撫でていたはやてがボソリと呟く。

 

「もうこれレオ君も女の子って事にしておいて、みんなでヤマト君ハーレム作ったほうがええんちゃうかな?」

 

「やめなさいよはやて。五人でも多いんだから」

 

「そうだよ。それにひなはヤマト君よりれお君とがいい」

 

「でもこのメンバーでずぅっと一緒にいるなら、これが一番なんよねぇ」

 

「……確かにそうね。レオ、アンタ女になりなさいよ」

 

「嫌だよ」

 

「ヤマト君の言霊でワンチャンいけるの」

 

「俺の肉体を女にした瞬間、リンカーコアの魔力を暴走させて、海鳴市ごと汚い花火になって果てます」

 

 俺が死んだり気絶した時にごく稀に見る悪夢みたいな展開にしてたまるか。そう言う展開になった瞬間、みんな仲良く邪神の元へ突撃じゃい。

 

「ヤマトも何か言ってくれ。このままじゃ俺がバッドエンドを迎える」

 

「え、おままごとの配役じゃないのか? 俺が夫でみんなが妻で、ドロドロした関係をやるんだろ。そして最後は俺が刺されて死ぬって展開に持っていく」

 

「……ヤマト、本気で言ってる?」

 

「本気だが?」

 

「…………」

 

 アリシアちゃんはヤマトのあまりの朴念仁ぶりに絶句。

 コイツの朴念仁は筋金入りすぎて、もはやドストレートに異性として好きなんで結婚して下さいって言わないとコイツ分からないんじゃ無いだろうか。

 

「ま、まぁヤマト君の朴念仁はともかく、おままごととしてはドロドロした展開ってのも面白そうやなぁ」

 

「えー、ハッピーエンドがいいよぉ」

 

「なに言っとるんやなのはちゃん。世の中はそう甘くは無いんやで」

 

「また始まった。はやての悪ノリ……」

 

 アリサちゃんは呆れたような表情を浮かべる。

 そんな彼女に俺は無言で念話を入れる。

 

(アリサちゃん。顔がニマってますぜ? 面白そうって思ってるんだろ?)

 

(……ちょっとだけ)

 

 確かにリアルがドロドロしてたら鬱病待ったなしだが、昼ドラ展開で演じるのは面白いだろうなぁ。

 

「ひな知ってるよ! リアルおままごとだね! このりこんとどけにサインしなさーい!! ってやつ」

 

「あ、私も金曜日の夕方のアニメで見た! 確かにそう言うの面白そうだね!!」

 

 乗り気になってしまったひなちゃんとアリシアちゃん。

 ふむ。俺も少し早いが深夜テンションktkr状態だし、すずかちゃんとフェイトちゃんがお風呂場から上がったらちょっと遊んでみるか?

 

「お風呂上がったよ」

 

「掃除もしておいたからね」

 

 丁度二人も上がって来たようだ。お風呂掃除までしてくれてありがたい限りだ。

 俺が二人にお礼を言っていると、いつの間にやらタヌタヌパーカーを被ったはやてが二人の下へ行く。

 

「昼ドラおままごとせえへん?」

 

「「え?」」

 

 その後はやてが中心となり、世界観の設定や登場人物の設定を決めていき、早速昼ドラおままごとをする事になった。

 

「な、なんでこんな事に……」

 

「ま、まぁ最悪な可能性のシミュレーションとしては丁度いいかもしれないね……」

 

「最悪な可能性を想定したくないよ……」

 

 乗り気で無かったなのはちゃんとすずかちゃんとフェイトちゃんは小さくそう呟いたのだった。




悪ノリして作りました。後悔はない
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