見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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さあ寝よ寝よ……え、俺の上で寝たい?

 おままごとが終了したためここからは、いつも通り眠くなるまで駄弁ったりテレビを見たりの自由時間である。

 

「それにしても、すずちゃんに襲われるなんてビックリしたよ。念話での前振りがなかったらひな泣いちゃってたかも」

 

「ごめんね。はやてちゃんから借りた恋愛小説と展開が似てたから、つい小説の展開をなぞって見たくなっちゃったんだ」

 

「貴様が原因だったか車椅子レーサー」

 

「車椅子レーサーは卒業したで。今の私はタヌタヌパーカーのはやてちゃんや」

 

 そういえばそうだったね。

 車椅子を卒業した事で、車椅子レーサーの称号は彼女に相応しく無くなってしまった。ライバルが立てるようになったのは嬉しい反面なんだか寂しいな。

 

「でもはやてちゃん。歩けるようになったけど、夕方スーパーに買い物行ったときは車椅子で無双してたの」

 

「……車椅子の方が素早く動けるんや」

 

「はやてが車椅子マラソンの選手になったら食べて行けるんじゃないかと思うのは私だけかしら?」

 

「俺もそう思う」

 

 アリサちゃんの言葉にヤマトも頷くが、あれは障害者用スポーツだからなぁ。足の動けるようになったはやてでも出場できるのか……スポーツは詳しくないからよく分からん。

 

「でもああ言う展開になっちゃうなんてねー。フェイトも気をつけないとダメだよ〜?」

 

「う、で、でもそれはお姉ちゃんにも言える事でしょ?」

 

「大丈夫大丈夫。……そもそも私勝ち目なさそうだから」

 

「お、お姉ちゃん、目が死んでるよ!?」

 

 諦めるなアリシアちゃん! 頑張れ、頑張って俺を攻略してみせるんだ。(他人事)

 ……俺も誠死ね展開にはならないように細心の注意を払わないとな。

 

「あ、レオちょっとこれ見てみなさいよ」

 

「うんー?」

 

 アリサちゃんにテレビを指さされて、画面を見てみるとバラエティ番組が燃え尽き症候群について解説していた。

 

「へぇ、レオ君の症状って五月病じゃなくて燃え尽き症候群って言うんだね」

 

「まぁおままごとに参加できてるあたり、レオの場合はまだ軽い方っぽいけどなぁ」

 

 まぁ俺の場合大きな仕事を終わらせた安心感から来てるからなぁ。別にリインフォースの事に関して達成感はあれど喪失感は無いし存分にゆっくり出来たらすぐにやる気は戻ると思う。

 

「それに今日なんてやる気ないだけの俺のために、夕飯作ってくれたりしてるし、明日か明後日には治るんじゃない? いや治してみせる。治らなくても気合いで治った演技をしてみせる」

 

「それはあかん。ゆっくり休みい」

 

 

 それから数時間後眠くなってきたので、何も家具が置かれていない3階にヤマトの家から持ってきて貰った布団を敷いてもらう。

 

「なぁフェイト。なんで俺の上に跨ってるんだ?」

 

「寝るためだよ?」

 

「いや、だからなんで泊まるたびに誰か一人が俺の上に乗るのか聞いてるんだが……」

 

「ヤマトにくっつきたいからだよ?」

 

 フェイトちゃんが屈託のない笑顔で言うと、ヤマトもこれ以上の追及は危険だと思ったからか、そ、そうかと言ってこれ以上フェイトちゃんを追及するのを諦めた。そしてそんな妹の様子をジーっと眺める小っちゃなお姉ちゃん。

 

「フェイト、それって寝心地いいの?」

 

「うん、それに安心できるよ」

 

「そっかー、ねえレオー」

 

「言いたいことは分かった。ひなちゃんに許可取って」

 

 ひなちゃんがずるいと言うのは目に見えていたので、まずはひなちゃんに話を通してもらおうか。え、俺はそれでいいのか? 断ってもどうせ無理やり乗るだろうしねー。

 

「ねえひな、レオの上に乗ってもいい?」

 

「ひなはれお君が先に寝ちゃったときは、乗ってるし別にいいよー」

 

「やった!」

 

 ひなちゃんが俺に乗っかって寝てるのに今まで気が付かなかった件について。

 だって起きたときいつも隣で寝てるんだもん。俺が起きる前にこっそり降りてるの?

 どうしたの、なのはちゃん? え、ひなちゃん俺の上で寝てるときにだんだんずれて落っこちるから? ああ、そういう……

 

「それじゃ、おじゃましまーす♪」

 

 アリシアちゃんが俺にまたがり胸に顔うずめる。

 アリシアちゃんは小っちゃいから軽いし、そもそも乗られたくらいで潰れるほど俺の身体もやわではない。

 

「あ、ほんとに寝心地がいい。それにやわらかくてふかふかだー」

 

「へえ、レオ君ってやわらかいんだ……」

 

「鍛えてるのに納得いかない」

 

 筋肉つかないくせに、怪力なこの身体なんなんだよ。普通に怖えよ。

 まぁ、いいや。それじゃお休みー。

 アリシアちゃんのいい匂いに包まれながら、割とあっという間に眠りに落ちたのだった。

 

 

 

「ん……トイレ―……」

 

「ぐえ!?」

 

「あ、ごめん!」

 

 寝ている途中に、起き上がろうとしたアリシアちゃんの膝が俺の腹にめり込んで悶絶したのだった。

 

 

 

 ……ん。もう朝か―。でもまだ眠い……土曜だしたまには二度寝を

 

「うーん……ゔーん……」

 

「……アリシアちゃん寝相悪すぎや。ひなちゃん潰してるって」

 

 ひなちゃんのうめき声で完全に目がさえた俺はいつの間にひなちゃんの上に転落していたアリシアちゃんをどかすのだった。

 もうアリシアちゃんを俺の上に寝かせるのは禁止にしよう。

 

 

 その後、一階に降りてリビングでテレビを見ていると、一人、また一人と降りてくる。

 

「おはよー。相変わらずレオ君は早起きだね」

 

「もう少し寝ててよかったんだぞ?」

 

「いや、二度寝しようとしたらアリシアちゃんがひなちゃんに覆いかぶさっててひなちゃんうなされててさ……どかしてやってたら目が冴えちゃってね」

 

「お姉ちゃん……」

 

「さっき炊飯器の電源入れたからあと十五分程度で炊き上がるし、着替えて顔洗ってきなよ。あと洗濯物ももう干し終わってるし、いい天気だから午前中には取り込めると思うよ」

 

 昨日のうちに洗濯機のタイマー押して、7時には洗濯が終わるようにしていたのだ。

 え、女子の下着はどうだった? 子供の下着で発情はせんよ。

 

「え、もう動いても平気なの?」

 

「お陰様で。演技じゃなくて本当に良くなったから安心して。心配かけちゃったね」

 

 ニュース見てるときに昨日みんなを働かせてしまったのを思い出して。精神年齢がいい年したおっさんが子供に面倒見てもらうってどうなんだ? と思ってしまったのだ。

 そう思ったら昨日までのしかかってたダルさは、嘘のように一気に取れてやる気もみなぎってしまったというわけだ。

 

「昨日は散々サボらせてもらったしもう大丈夫!」

 

「にゃはは、よかったねレオ君」

 

「というか本当に1日で治すなんて、どんだけ精神タフなん?」

 

「ま、まあ元気になったのは良かったけど、病み上がりだから1週間は安静にしなさいよね?」

 

 心配されたアリサちゃんから1週間はデバイスを組まないようにとくぎを刺されてしまったが、流石に当面はデバイスと距離を置く予定ですよ。




レオ君完治。
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