見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
その後ギンガちゃんに軽く俺の使う武術の基礎を教えて、すずかちゃんもギンガちゃんに防御魔法を教えていたら良い時間になったので、ヤマトの訓練に付き合っていたスバルちゃんを拾って山を後にした。
「勉強になったよ!」
「そう? それは良かった」
「うきゅう……」
スバルちゃんやギンガちゃんは意外にも普通の子供の5、6倍以上の身体能力を有していた。だがヤマトやすずかちゃんはその更に上を行く化け物じみた身体能力の持ち主。
そんな彼らの訓練は無論ハードであり、スバルちゃんはヘトヘトで俺がおんぶしており、ギンガちゃんはまだ体力は残ってそうだが疲労が見え隠れしていた。
「疲れてるところ悪いけど後一箇所寄らせてもらっていい?」
「うん、スーパーだったよね。お買い物するくらいの体力は残ってるよ」
「甘い、甘いよギンガちゃん。海鳴市のスーパーは人外魔境。おそらくさっきの訓練よりもずっとハードになる」
「そ、そうなの!?」
本日は特売のため、俺のライバルである元車椅子レーサーも黙ってはいないだろう。そう考えたら今日のお出かけでナカジマ姉妹をみんなに紹介できる様になるなぁ。
まぁそれはさておき、最悪ギンガちゃんにはスバルちゃんを背負ってもらって、ピヨっているスバルちゃんと一緒にお菓子売り場で明日のお菓子でも選んでいてもらおう。無論一つしか買う気はない。
その後ギンガちゃんにスバルちゃんを背負ってもらってからスーパーへ行くと、予想通り守護騎士に囲まれたはやての姿。今日は全員参加ですかそうですか。(ザフィーラニキは人型で帽子で耳を隠している)
「やっほーはやて。それに守護騎士の皆々様にリーン姉さん」
「いや、だから私はお前の姉では「あ、レオ君やん。……ほぉ、今日はレオ君も助っ人を連れて来たみたいやねぇ」……まぁいいや」
「残念。カクカクシカジカだ」
「いや、意味わからねえよ」
ヴィータちゃんの呆れた様な表情。
だがはやては競技用車椅子でも無いのに車ほどの速度で走るなど、常識とぶっ飛んだ行動をするためカクシカで通じるだろ。
「なるほど……知り合いの娘さんなんやな。それで三日間二人の面倒を見ているって訳か」
「な、なんで分かるのはやてちゃん!?」
あまりの察しの良さにシャマルさんだけでなく、ギンガちゃんや背負っていたスバルちゃん。さらには他の守護騎士やリーン姉さんすらも驚愕の表情である。ほら予想通りだった。
「私は八神はやて言います。レオ君のライバル兼お友達や。そしてこの子らは私の家族のシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リインフォース。リインフォースはレオ君のお姉ちゃんでもあるんやで?」
「我が主!?」
「以心伝心できるなんて、レオと仲がよろしいんですね! もしかしてレオの彼女さんですか?」
ギンガちゃんがキラキラした目でそんな爆弾発言をぶちかまして来た。なに? 君恋バナとか好きなタイプ?
「私がレオ君と?」「俺がはやてと?」
「「ないない」」
「私が好きなのはヤマト君や」「はやてが好きなのはヤマトだよ」
「息ぴったり!?」
はやてと全く同じタイミングで全く同じ身振り手振りをしながら似た様なセリフを吐くと、ギンガちゃんはびっくりした様な表情をしていた。
それと同時に今まで黙っていたスバルちゃんがペチペチとギンガちゃんの頭を叩く。
「もう、だからギン姉。レオ姉は女の子だから、はやてちゃんと付き合えないんだよ?」
「いや、だからあのねスバル? レオは本当に男の子で……「ブフッ!!」」
スバルちゃんの爆弾発言にはやては吹き出した。はやての取り巻きであるヴィータちゃんは必死に笑いを堪えており、シグナムさんとザフィーラニキはコイツが女? 嘘だろ? と言った表情。リーン姉さんは「レオは女だったのか!?」と盛大に勘違いしており、シャマルさんは「レオ君が女の子……ヤマト君と絡ませたら絶対美味しい展開に……」とか危険な発言をしてやがった。
シャマルさんとは後でO☆HA☆NA☆SHIします。
「なんやレオ君、レオ姉って呼ばれとるんか? レオ君が女の子! でも確かに分かるわ〜、ネグリジェとか女装したならすごい似合うもんな〜。レオ君は女の子だったんやね〜」
「そうだよ。俺男のフリしてるだけの女だけど、だから何?」
「えぇ!?」
俺の発言にギンガちゃんは驚いた表情をする。
「いや、そこは乗るところやないで。見てみい、ギンガちゃん混乱しとるやんか」
「と言われても女なのは事実だし……」
「え、ほ、本当にレオって女だったの!? なんで今まで男のフリなんか……」
「ごめんねヴィータちゃん。実は死んだパパとママに男として生きてって遺言を貰ってて……。でも女の子としての未練があるから今まで髪を伸ばして、たまに女の子の服を着てるんだ……」
「そ、そうだったのか」
声を少し高めにして女の子っぽい演技をすると、俺の裸を見た事がないヴィータちゃんはころっと騙されてしまった。楽しい。
だがはやてがどこからともなく取り出したハリセンで俺の頭をスパーンと叩く。
「股間に立派なもんつけといて何言ってんや!?」
「ひ、ひどいよはやてちゃん! 私は本当に女の子なのに……何でそんな酷いこと言うの!!」
「ああもう、揶揄ったのは謝るからそのムカつく演技やめい! レオ君にちゃん付けされるのはなんか嫌やわ!!」
「さ、謝罪をどうぞ?」
「いや、ほんまにすいませんでした」
「よろしい」
はやてが深く深くお辞儀をして謝って来たのを見てようやく女のフリをやめる。
スバルちゃんが俺のことを女と勘違いしてから、それを知ったはやてやアリサちゃんに揶揄われるのではと思って対策してたんだよぉ。(ゲス顔)
その後俺が女だと勘違いしたギンガちゃんとヴィータちゃんとリーン姉さんには笑ったはやてを懲らしめる嘘だからとキチンと説明しました。
ヴィータちゃんからは「よくも騙したな!!」と、ギンガちゃんからは「本当に騙された!!」と怒られてしまいました。
「おっと、そろそろ特売の時間やな。レオ君、今日も負けへんで?」
「ふ、車椅子を使わなくなった小娘に何が出来ると「え、よく聞こえんかった。なんやって?」車椅子を用意してやがる……だと?」
どこからともなく取り出した車椅子に座り準備万端なはやて。どうやら足が治った今も車椅子レーサーは健在だった様だ。
厄介な反面何となく寂しいと思っていたから、素直に嬉しいでござるよ。
「さ、ギンガちゃんとスバルちゃんは下がっててね。ここからはこのスーパーは戦場だから」
「みんな。私らにしっかりついて来てな。遅れたらおいていくで?」
スリー、ツー、ワン……ゴー!
「「だりゃぁあああああああ!!」」
◇
車椅子レーサーとの激闘の末に夕飯の食材をゲットした俺は、帰宅後にそれらをすぐさま料理してナカジマ姉妹に出してやった。
「今日はどうだった?」
「ワンちゃん可愛かったし、カツ丼美味しかったし、ケーキも美味しかったし、運動は疲れたけど楽しかったし、スーパーにも知らないお菓子がいっぱいあって面白かった!」
「うん。それにフェイトやアリシアにも会えたし、他にも仲良くなれそうな人がたくさんいた。三日でバイバイなのはちょっと惜しいかな」
スバルちゃんは大袈裟な身振り手振りでどれだけ楽しかったのかを教えてくれる。
ギンガちゃんの方は落ち着いた様な感じだがどこか寂しそうだ。まぁこればかりはねぇ。時空間転移でミッドとここを行き来できるデバイスを作ってもいいけど、流石にクイントさんが許可を出さないだろうしなぁ。
「まぁせっかくだし思い出作りをすればいいと思うよ。明日はアリサちゃんが家でお茶会開いてくれるらしいし、二人のためにありったけお菓子用意しておくって言ってたよ」
「本当!? わぁ、楽しみだねギン姉!!」
「そうだねスバル」
その後、風呂に入ったスバルちゃんがワクワクで眠れなくなってしまい。ギンガちゃんと二人がかりで寝かしつけるのに四苦八苦したのだった。