見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
今日は別にやる事もないが身体を動かしたかったため、いつも鍛錬に使う山で身体を鍛えている真っ最中。
と言っても大した事はしていない。腕立て腹筋スクワット100回を10セットずつ。Mブラスターを背負っての、山の上り下りを30往復。
徹底的に体を虐め抜いて筋細胞を破壊し、翌日からは筋肉痛による痛みが引くまでは軽い運動程度に止める事で、この負荷に耐えられる強靭な筋細胞に作り変える。
また成長補正による体力の全体的な向上も見込めるってわけだ。
「……ふぅ。よし後は意味もなく魔力を放出してリンカーコアに負担をかけて「お、いたいた」ん?」
声のする方を見ると、ヤマトとひなちゃんとなのはちゃん。……いわゆる初期メンが来た。
「こんにちわれお君!」
「こんにちわー」
「おやおや皆様お揃いで。みんなも訓練? タイミングの悪い事に俺は後は魔力を最大放出してリンカーコアに負荷を与えたら帰ろうと思ってたんだけど……」
「あーすまん。今日お前に用があるから帰るな」
え、俺に?
詳しく話を聞いてみると、ヤマトは新たな戦い方を開発しているらしく、新しい戦法が形になった為、チュートリアルで戦う相手を探していたらしい。
そこでブラスターやチェーンソーにブーメランなど多彩な武器を使う俺に白羽の矢が立ったのだと。
「それでひなは回復係だよー」
「私はヤマト君と一緒に戦い方を探してたから見届け役なの」
「お、ヒロインレース一歩リードか?」
「……実はみんなでヤマト君手伝ってたけど、今日はみんな時間が取れないから、なのはが見届け役なの」
「別にそんな事なかったな」
聞けば最近ヤマトとの模擬戦は俺が勝ち越していると言う事で、俺に勝つ為に内緒でみんなに相談してたんだとか。
チュートリアルではなく、俺に通用するかの確認も兼ねていたのか。
俺を倒そうとみんなで結託するなんて、何そのイジメ? え、俺がいると対策されるから? それはそう。
「すまんが頼んでいいか? 言霊使った戦法だから最悪死ぬ可能性もあるが……」
「別にいいよ。死んだときは翠屋のケーキな」
だが俺だって進化してんだからそう簡単に殺せると思わない事だ。
ヤマトもバリアジャケットに身を包み、俺と相対する。
正直身体に負荷をかけた状態でヤマトと戦うのはキツすぎるが、今回はあくまで実戦ではなくチュートリアル戦闘らしいし、本気で戦わなくてもいいだろう。
「まずは俺にスフィアを撃ってくれないか?」
「了解。とりま全属性撃っておくか。《エレメンタルシューター》ファイア」
Nロッドで属性を込めたスフィアを何発かヤマトに撃ち込むと、ヤマトはそれをシールドで守ろうとする。
シールドの構成プログラムを新調したのかと、アナライザーを使って解析してみてもそんな事はなく、いつも通りのシールド。ここから何をするつもりなのか?
「【反射】」
「っ!?」
直後、シールドに当たった俺のスフィアは綺麗に跳ね返って来た。反射的にスフィアを回避した事で被弾こそしなかったが驚いた。
おそらく言霊を使ったっぽいけど、反射させたい場合は反射させる物の指定と反射角の指定もしなければまともに使えなかったはずだが、一体どうやって……
「よし最高。次は俺の近接の攻撃を上手く捌いてみてくれ」
「分かった」
直後ヤマトがグラディウスで近接を仕掛けて来たが、Iスティックで応戦する。
剣道ではヤマトに劣るがあくまでそれはあくまで剣のみの勝負という縛りがあるから、棍を使うなら対等に打ち合う事が出来る。
「【加速】」
「おっとぉおお!?」
直後ヤマトの速度が異常に速くなり、俺でも追いつけなくなる。
何とか防御できたけど、一発もらっちまったよ!!
今のは神速とも違う速さ……どちらかと言うとフェイトちゃんと同じ純粋な機動力だったな。
…………。
「最後だ。シールドを張ってくれないか? パーフェクトプロテクションで頼む」
「……はいよ。《パーフェクトプロテクション》」
アスカロンを展開して、最強の防御魔法を展開。一方ヤマトはただのスフィアを一つだけ撃ち出して来た。
この程度の弱小攻撃で俺の防御魔法が砕けると思うなよ? (フラグ)
直後俺の身体がヤマトのバインドで縛られる。
「ゑ?」
「【貫通】」
「ちょ、ま、それ死ぬやつだバカやろぐはぁ!?」
言霊により貫通力が極限までに強化されたスフィアは俺のパーフェクトプロテクションを破り、俺の腹を貫く。
死んだ。俺死んだわ。……これは俺の腹ごと貫通して腹に大穴空いてるやつだわ……あれ?
「……生きてる? 腹に穴すら空いてない件について」
「びっくりしただろ? すげえ顔してたぞw」
びっくりしただろじゃねえよ! そりゃ誰でも驚くわ!!
それにしてもさっきから、詳しく指定をしないで言霊を使ってるのにヤマトの都合の良い効果が出てる。……これはもしや。
「ははーん。さては
「流石察しがいいな」
言霊は詳しく指定しなければ望む効果を得る事が出来ず戦闘で使うには難しい能力である。
もしヤマトがヴィランだった場合は【死ね】とか【消えろ】とかで相手を始末出来るから使い勝手が良い能力ではあるのだが……。ヤマトの立場は管理局側のため相手が死んだら色々と面倒くさい事態になるのだ。
だがヤマトは言霊を使って簡単なプログラムを組み、その弱点を克服したんだろうなぁ。
「大方、言霊使用時に貫通という言葉を使った場合はシールドなどの防御魔法に対してのみ貫通の能力を与える。っていう言霊を事前に自分にかけてたんだろ?」
「みんなで何日も考え抜いてようやく完成させたのにどうして一瞬で分かっちゃうの!?」
なのはちゃんはショックを受けた様な表情を浮かべる。
いやだって俺が言霊使えたら真っ先にそれをするもん。最もヤマトの為にならないから敢えて教えてなかったけど。……別にオリ主に勝ち続けたいからとか言う心の狭い理由で教えなかったわけじゃないんだからね!? ……本当だからね!?
「今のと同じ様に反射や加速にも似た様な感じで言霊を増やしたんだな?」
「ああ。そのほかにもシールドを爆発させる起爆、防御力を上げる防御、身体の状態を戦闘前に戻す回復なんかも作った」
「チートですね。ありがとうございます」
「ねぇねぇれお君、今のヤマト君と戦ってみてよ。ヤマト君すっごく強くなってるよ〜」
「まぁ、俺に勝つ為に考え抜いたみたいだしなぁ。疲れてるけどこういう盛られ方をされるとまず勝ち目は無いし受けてたつよ。手加減してな?」
「戦う前に回復させようか?」
「やめて。せっかく身体にいい感じの負荷をかけたってのに、身体の状態が訓練前に戻ったらまた一からやり直しだ。このままやる」
「そうか。なら我ながら卑怯ではあるが……今日こそは勝ってオリ主の面目を立たせてやる!!」
「やってみなオリ主ィ!!」
〜数分後〜
「アイアムウィナー!」
肩で息をしながらも俺の足元には白目を剥いて倒れるヤマト。俺の勝ちでございます。
「そ、そんな……これだけやってもまだ勝てないの!?」
ヤマトはまだこの戦法に慣れておらず、何か喋ろうとするタイミングで動きが少し鈍くなっていたので、その一瞬の隙をついてヤマトの喉に貫手。喉仏を潰して声を出せなくした上で体勢を整えられるより先に殴り倒したのだ。
友達にやるには危険な戦い方だがひなちゃんいるんだし、こうでもしないと勝てないんだし許せ。な?
「れお君凄い!! あ、ヤマト君を癒さないと」
……それにしても、今回はヤマトがこの戦法を使いこなしてなかったから勝てたけど、もし模擬戦の中で使いこなしていったら充分俺に勝ち目は無くなるよな。
俺ももう少し鍛えよう。
最近スランプでいい文章が思い浮かばねぇー!!