見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
ヤマトが新しい戦法を開拓したという事で、このままでは追い抜かれると危機感を感じている俺であるが、だからと言って焦ってもしょうがない。まずは昨日の筋トレの筋肉痛をゆっくりと癒して、華奢な身体の中にたっぷり詰まった筋肉の密度を確実に増やすのだ。
それに追い抜かれたところで、死ぬわけではないのだからそこまで急ぐ必要はない。追い抜かれたらまた追い抜いてやればいいんだ。
という事で……。
「久しぶりにミッドに遊びに行こう!」
デバイスのパーツ補充も兼ねてブラリと当てもなくウインドウショッピングでもしよう。
そうと決まれば、ミッドの通貨が入った財布等の貴重品と渡航許可証を入れたバッグを持って、いざワールドテレp
ピンポーン
「誰だ遊びに行こうとしてるところで、遊びに来たやつぁあああ!!」
「うわっと!? あ、開けるなり急に怒鳴るなよ!!」
「そうよ、ビックリしたじゃないの!!」
ドアを開けるとアリサちゃんとヴィータちゃんの二人だった。
あらあら仲良し二人組が一体どう言った要件でウチに来たのかな? まぁ思い当たるのはデバイスの件か、暇だから模擬戦付き合えのどっちかだと思うけど。
「なぁレオ。暇だから一緒に模擬戦しねーか?」
「ほら、やっぱり。すまんねヴィータちゃん。ちょいとこれからミッドにデバイスのパーツを仕入れに行くついでに色々遊びまわる予定だからまた今度誘って」
「あちゃー、タイミングが悪かったか……。分かったわ、今日みんな予定空いてないしヴィータと二人で練習を……」
急に黙り込んだアリサちゃん。そしてヴィータちゃんと二人で目を合わせる。
念話でもしてるのか? 一体何を企んでいるんだこの二人は?
やがてお互いに頷き合うと俺の方を向き直って来た。
「ミッドなんて仕事でしか行かないし、アタシらもついていって良いか?」
「ヤマトとミッドでデートするときの下見がしたいわ。案内しなさいよ」
「命令口調とはアリサちゃんめ。そう言うところだぞ」
「なんか言った?」
「ジャイアニズムならぬアリサニズムだなって言ったんだよ」
「殴るわよ?」
理不尽の極みである。だがまぁ有無を言わずに殴る事が無くなっただけマシかな?
青筋を立てて拳を俺に見せつけて来るアリサちゃんを宥めて、今度こそ時空間転移あちょっと待ってその前に……。
「二人って渡航許可証持ってたっけ? 持ってないとついて早々局員に捕まるけど」
「アタシは持ってる。仕事でたまに行くからな」
「私は家にあるわね。ちょっと待っててもらって良い? ……あ、もしもし鮫島? 悪いけどアタシの部屋の棚の上から二段目にある渡航許可証ってやつを、レオの家に持って来て欲しいんだけど……あ、うん。ありがとう、お願いね」
アリサちゃん家から俺の家まで車で10分弱。少し待たないといけないし、二人を家に上げてお茶でも出してやるかn「お待たせしましたアリサお嬢様」うぉ!?
気がつくとアリサちゃん家のショーファードリブンカーが俺の家の前に止まっており、アリサちゃんの専属執事である鮫島さんが渡航許可証を持って来ていた。
「ありがと鮫島」
「いえいえ。それではミッドチルダの観光お楽しみくださいませ。レオ様、ヴィータ様、アリサお嬢様をよろしくお願いいたします」
「ア、ハイ。鮫島さんは法定速度を守ってください」
「と言うかもはやこれは法定速度じゃ説明つかねえだろ……」
電話してから1分以内に届けてしまった鮫島さんに恐怖心を覚えた俺とヴィータちゃんなのであった。
鮫島さんは俺たちに一礼すると、ショーファードリブンカーに乗ってバニングス邸に帰っていってしまった。
「さ、行きましょ」
「……せやね。はい時空間転移」
◇
「お、今日はレオ君だけじゃなくて、アリサちゃんとヴィータちゃんまで一緒か〜」
「お疲れ様ですクイントさん」
「どうも。研究所の件ではお世話になりました」
「こっちこそ娘がお世話になってありがとうね。さ、それじゃあ渡航許可証を見せて頂戴ね」
「「「はい」」」
いつも通りクイントさんに渡航許可証を見せいつも通り取り調べを華麗に回避する。
「はい。誰も問題なし。通って良いよー」
「ありがとうございます」
「でもレオ君ったら珍しいね〜。普段はこの紋所が目に入らぬか! ってやるのに」
「ちょ!? く、クイントさーん!!」
アリサちゃんの前でなんてこと言ってんだこの人は!!
い、いや、いつも通りに見せるのも味気ないからって悪ノリしてやった俺が悪いんだけど!!
アリサちゃんの前でなんてこと言ってんだこの人は!! (2回目)
「へぇ……」ニヤニヤ
「なぁアリサ。もんどころってなんだ?」
「帰ったらはやてに水戸黄門見せて貰えば分かるわよ」
「ちょ、それ話し的にはやてにバレるやつでは!? 勘弁してつかあさい!! お昼ご飯一番高いやつ奢るから!!」
「え〜。でもこう言う面白いことはみんなで共有したほうがいいと思うのよねぇ」(ゲス顔)
「……あー、これ言っちゃいけないやつだった? 何と言うかごめんね?」
「」
ガンッ!
クイントさんが舌を出して可愛く謝罪する横で俺は、近くの鉄筋コンクリートの建物に強かに頭を打ちつける。
「ちょ、レオ君!?」
「アリサちゃんにバレた。みんなにバラされるのは時間の問題……。この先ずっとこれをネタに弄られるんだ……。鬱だ、死のう」ガンッガンッ‼︎
「は、早まっちゃダメよ!! レオ君が死んだらギンガとスバルも悲しむわ!! あ、アリサちゃん!! 私に免じてこの事は秘密にしてあげて!!」
「えー、せっかくの弱みなのに……。あ、そうだ。黙ってて欲しいなら一個私達の言うこと聞いてもらおうかしら?」
「な、何でしょう? 引っ越しでもベーリング海行きでも何だってやらせていただきます」
「ちょっとそれは重すぎないかしら?」
「そうね〜。ヴィータ先に決めていいわよ」
「え、アタシ? 別にバラされて困ることを話す気は無いけど……あ、そうだ。レオの飯はテラうまだしまた今度レオの飯腹一杯食わせてくれよ。あ、もちろん余裕のある日でいいから」
「喜んで!!」
たったこんなことで黙っててくれるだなんて、何でいい子なのヴィータちゃんは!!
どこぞのドS令嬢とは器が違うね。器が!!
でも俺が今考えてることを察されても困るしこれ以上は失礼な事は考えないでおこう。
「そうねぇ。……それじゃあ、私はこのお願いを聞いてもらう権利はストックさせて貰おうかしら?」
「そ、そんな!? そんな事されたら僕は常にいつバラされるかも分からない恐怖に……」
「あーあーあー、別に言うこと聞いてもらう代わりに話さないって約束した以上、みんなにバラす事なんてしないわよ! バニングス家の家訓に嘘は死んでもつかないってあるの!! だからアンタはいつも通り私と口喧嘩したりすればいいんだから! 私が弱みを握ったからって、私に対して下手にでたらぶん殴るからね!?」
「へ! へい!!」
「よろしい。それじゃあ今のは聞かなかった事にしてあげる。ほらさっさと行くわよ!!」
アリサちゃんに促されて、「本当にごめんね〜」と謝るクイントさんの下を後にする。仕返しに今度クイントさんの使うウイングロードを半強制的に解析させてもらう。いやマジで。(憤慨)
「やった! これで溜まりに溜まった借りを返す事が出来る!! ……我ながら最低なやり方だけどこうでもしないと返させてくれないしね……」
「え、アリサなんか言った?」
「何でも無いわ」
あくまでギャグなんでキャラに対しての批判はやめておくれ。