見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
アリサちゃん達にミッドを案内するよりも先に、俺の用事を済まさせて貰う。行きつけのデバイスショップでデバイスの素材なんかを仕入れさせて貰う。
「へぇ、いつもここでデバイスの材料とか買ってるのね」
「うん。どんなデバイスを作りたいかを先に決めておいて、部品をそれに合わせて改造してそのデバイスに合うように組んでいく。合わなかったら部品をまた改造し直しって感じだね」
「へぇ、このままでも使えそうだけど改造してんのか」
特にアスカロンやカリバーは全ての材料を原型を留めないほどに魔改造した特注品も特注品。なんなら半分はパーツを一から作ったりした物だ。
「最近では改造の仕方なんかもすずかちゃんに教えてる」
「へぇ、すずかが優秀なデバイスマイスターになる日は近いわね」
「なんなら既にただのデバイスマイスターとしてなら充分食べていけるレベルにまで成長してるよ」
「え、そうなの?」
教え始めてからたった約9ヶ月でそこまでの成長を遂げるとは思わなかった物だ。
最近なんてスノーホワイトを自力で整備出来るようにもなっており、割と複雑なシステムが組み込まれた神製のグラディウスやミラクルホープなんかも整備出来るほどの腕前になる日も近い。
「凄いわねぇ。嘱託で貰った給料全部デバイスの教本とか材料に当ててたのは知ってたけど、レオが素直に褒めるまでに成長してたなんて……」
「と言うかアリサちゃんもすずかちゃんからデバイスの整備のやり方とか習ってるんだろ? すずかちゃんから聞いたよ?」
「え、そうなのアリサ!?」
「べ、別にすずかがアウトプットした方が知識が定着しやすいって言ってたから、友達として教えてもらってただけなんだから!! 他意はないからね!!」
実にアリサちゃんらしい理由だった。
まぁそれでも本格的にデバイスに興味を持ったら聞きにくればいつでもはやてとすずかちゃんともども教えてあげるんで。
……それにしてもなんでそんな、顔を赤らめて焦ったように捲し立てたんだろう?
そんな事を考えているとヴィータちゃんが
「なぁ、はやてもレオとマリエルから色々教えてもらってんだろ? どんな感じなんだ? 事件が終わってから暇があったら勉強してるんだけど……」
「凄い勢いで成長してるなぁ。今はマリエルさんが特注で作ったストレージデバイス使ってるけど、年末あたりには二代目の夜天の書も完成するんじゃないか?」
「そうか! そのときにユニゾンデバイスも作るだろうし、アタシにも妹が生まれるのか〜」
リーン姉さんの言った通り、ヴィータちゃんは八神家では末っ子だから妹が生まれるのは大歓迎のようだ。
楽しみにしててくれな? 二代目夜天の書は大部分ははやてが作るっぽいけど俺も手伝ってはいるし、初代夜天の魔導書と同等以上の性能のデバイスにはなるだろうさ。
「アリサちゃん。そんなに熱心にデバイスのパーツを見つめてどうしたん? 気になる物でもあった?」
「なんでもないわ。ただ本局のメンテナンスルームよりも性能の良いパーツが揃ってるから、すずかが知ったら喜ぶだろうなって」
「でもぶっちゃけここ高いよ? 嘱託の給料じゃ一つパーツを買うのがやっとじゃない?」
「あら、確かにそうね。普段物を買うのに値段を見ないから気づかなかったわ」
これだから大企業のご令嬢は……。こっちじゃ日本円使えないんだから、これを機に物買うときに値段を確認する事を知れい。
その後必要なパーツを一通り買い込んで店を後にした。
「……投資である程度お金はあるし、こっちの通貨と両替さえできれば買う事が出来そうね。帰ったらリンディさんに相談してみよ」
「なにブツブツ言ってるのアリサちゃん?」
「独り言よ」
◇
俺の用事も済んだ事だしアリサちゃんとヴィータちゃんを連れてミッドを観光していた。
「あっちに遊園地があって、アトラクションがかなり充実してるらしい。ヤマトとデートするならあそことか良いと思う」
「そうねぇ。でも遊園地だとアイツはなのは達も誘いそうだし……。ここは不採用ね。でも海鳴市に遊園地はないし今度みんなで遊びに行きしょう」
「ヤマトは朴念仁だからなぁ。はやてなんて積極的にアプローチかけてるのに、なんで気づかないんだか……」
ヴィータちゃんは呆れたように呟いた。
「そういえばらしいって言ってたけど、レオは遊園地行った事ないの?」
「一人で行っても虚しいだけだし、ミッドに知り合いはいるけど一緒に遊園地行くほど仲良くないし……」
「スバルとギンガがいるじゃないの」
「実はあの二人と本格的に仲良くなったのって、本当ならつい最近だからねぇ」
でも考えてみれば確かにスバルちゃんとギンガちゃんいるじゃん。また今度誘っても良いかも知れないな。
ぐぅううう……。
ヴィータちゃんのお腹が鳴ったので時計を見ると昼の12時。
確かにそろそろ腹がへる時間帯だな。
「なぁレオお腹減ったー」
「レオ、ヴィータがお昼ご飯を所望よ」
「先に昼食を済ませるか」
その後いつも通り行きつけの喫茶店に入って昼食を済ませる。
ミッドで一番気に入った喫茶店なので自信がある。さぁヴィータちゃん。今君が食べているカツサンドのお味はどんな感じや!?
「美味い! メガウマだ!!」
「はやての料理には届かなかったかー!」
だが食後にいつもデザートで食べるタルトについてはギガウマの評価をもらった喫茶店なのであった。
「タルトも最高だけど、ここの紅茶美味しいわね。どんな茶葉を使ってるのかしら?」
「メニュー表に書いてあるけど、ミッドの茶葉を複数ブレンドした物っぽいよ」
「へぇ、茶葉が買えるところってあったりする?」
「この後行こうと思ってた百貨店の2階に茶葉コーナーあったはずだよ」
喫茶店を出た俺たちはミッドで一番大きな百貨店へ入り、一通り回るついでにアリサちゃんは茶葉を購入。
「……そう言えばこの百貨店にある服屋でアリシアちゃんとフェイトちゃんの姉妹コーデの服を買ったんだよねぇ」
「へぇ。あの二人の服可愛かったし興味あるわ。ヴィータ、私たちもフェイト達に対抗するわよ!」
「えー、お揃いは恥ずかしいだろ……」
……アリシアちゃんは別にヤマトの事好きでも無かったし、精神年齢が幼いからこそ服とかも一緒に見たけど、アリサちゃんには好きな人がいるし精神年齢もある程度成熟してる。
女子には女子の楽しみ方があるんだし、俺が近くにいたら邪魔かも知れないな。
「という事で、服屋の下の階にあるカードショップでも見て待ってるから、のんびり服を選んで来なよ。あ、ちゃんと値段は見ろよ?」
「待ちなさい」
アリサちゃんに肩を掴まれた。
「せっかくだからレオの服もコーデしてあげるわ。女同士一緒に楽しみましょ♡」
「ゑ?」
その後予想通り女装させられました。ゴスロリも渡されたけどこればかりは許して貰いました。なんでも言う事を聞く権利をここで使われなくて良かったと心の底から安堵しました。
その後もゲーセンだったり俺一推しのスイーツショップなんかを紹介していると、あっという間に時刻は夕方。
二人にも門限があるだろうし、俺も夕飯作らないとだからそろそろ帰らないとな。
「そろそろ帰るか」
「そうだな。そろそろ帰らないとはやても心配するだろうし」
「そうね。あんまり帰りが遅くなると、鮫島に叱られちゃうわ」
その後時空間転移で我が家の前に降り立った3人。
アリサちゃんが鮫島さんに連絡すると、またもや一分も経たずにショーファードリブンカーが俺の目の前に止まる。だから法定速度守れよ。
「それじゃ、今日は連れて行ってくれてありがとね。楽しかったわ。ヴィータ、送るわよ」
「ありがとアリサ。じゃあなレオー。また一緒に遊ぼうなー」
「どういたしまして。二人も気をつけて帰れよー」
珍しく素直にお礼を言ったアリサちゃんに目を見開きながらも、二人を見送った俺。
さーて、夕飯つくろ。