見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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新しい戦法。どうするかねぇ……

「俺もヤマトを見習って新しい戦法を作ろうと思う」

 

「おー!」

 

 俺特製のチャーハンを口いっぱいに詰め込んでいたひなちゃんがパチパチと手を叩く。

 

「それで新しい戦法ってなーに?」モキュモキュ

 

「正直まだ決まって無いんだねぇ。ひなちゃん、なにか良い方法ってないかな? それと口に食べ物入れて喋ったらダメって言ってるよね?」

 

「そうだった、ごめんなさい。モグモグ……ゴクン。……良い方法かぁ、うーん……よし、模擬戦しよ!! 強くなりたいなら鍛錬あるのみだよ!!」

 

 この子考える事を放棄しやがった。

 でもひなちゃんの言うことも一理ある。戦いながら自分を客観的に分析して見ればなにか掴めるかもしれないな。

 

「それじゃあご飯食べ終わって、少しゆっくりしたら外行こっか」

 

「うん!」

 

 食べてすぐ激しい運動をしたら、胃に入ったものが逆流しかねない。

 昼食を食べ終えた俺とひなちゃんは録画してたハム太郎(ひなちゃんが遊びに来た時のために録画してたやつ)を2話ほど見てから外に向かったのだった。

 

 そして所変わって海鳴市海上。

 結界を張り俺とエンジェルウイングを展開したひなちゃんは相対していた。

 以前までは行きつけの山の上で戦ってたんだけど、ひなちゃんと喧嘩して以降はなんとなくここが俺とひなちゃんの主戦場になってしまったんだよなぁ。

 

「ちょっと客観的に俺の戦い方を見直しながら戦うから、動きのキレは悪いかも」

 

「分かったー。ならひなも少しだけ手を抜いちゃうからゆっくり戦お」

 

「ありがとね」

 

 戦いながらの動きの分析や考察をするのに半分くらい脳のリソースを使うため、今日の戦闘ではマルチタスクはあまり駆使することが出来ない。

 無様な戦いをしてひなちゃんを心配させるわけにもいかないので、事前にひなちゃんに申告して置くと、ひなちゃんも多少手加減してやってくれるようだ。

 素直にありがたい。

 

「それじゃあいっくよー!」

 

「かかってきなひなちゃん!!」

 

 

 〜3時間後〜

 

「《シャイニングバスター・フルバースト》!!」

 

「あぁあああああああ!!」

 

「やったね。ひなの勝利だ!」

 

「あ、レオが海に落ちたー。今助けるからねー」

 

 結果は惨敗。

 撃墜して頭から海に落下した俺は海鳴市上空に結界が張られたため様子を見にきたアリシアちゃんによって救出されたのだった。

 

 その後海岸近くの公園でスポドリを飲みながらゆっくりと休憩する。

 

「相変わらず二人は凄いねぇ。私が来てから二時間も戦い続けるなんて、何を食べたらそんな風になれるの?」

 

「ゆで卵だよ」

 

「おでんの卵って美味しいよね〜」

 

「帰ったらママにおでん作ってもらおうかな……」

 

 冗談だよ。別に何食べても鍛錬次第でこうなれごめん今嘘ついた。これほどの身体能力は多分転生者が故だと思う。……いや、でもその理論だとすずかちゃんやはやてはどうなんだってなるよな……。いやあの人外二人と比べたらダメか。

 

「それで何か掴めた?」

 

「そうだねぇ。動き一つ一つをしっかり確認してみたけど……ぶっちゃけ俺って()()()()使()()()()()()()()()?」

 

「そう? 状況によって適切に使い分けてる印象だけど……」

 

「でもそれってデバイスの話じゃん。属性魔力って属性デバイスの動力にしか使ってないよな?」

 

「……確かにそうだね。考えて見ればレオってスフィアとかバスターとかバインドとか基本的な部分はしっかり押さえてるけど、それ以外に魔法らしい魔法ってあんまり使ってないかも。どっちかって言うとレオはデバイスで近接を仕掛けるタイプだよねぇ」

 

「そっか。れお君の魔力量ならはーちゃんみたいに大魔法をドーン! ってやる事も出来るもんね」

 

 俺には5Sの魔力があるんだから、大火球投げたり台風発生させたり辺りを洪水にしたり雷落としたりしても魔力ってたいして無くならないんだよなぁ。

 なのになんで今まで使ってないんだ? ……やっぱり脳死で適当にそれするだけだと踏み台っぽく見えるからだろうか?

 

 …………よし。

 

「ごめん。ひなちゃんアリシアちゃん。ちょいと一戦付き合ってもらってもいい?」

 

「いいよー」

 

「え、私も? ……でもひながいるなら大丈夫かな? それにレオの砲撃をくらうのもご褒美だし」

 

「え、キモ……」

 

「普通に引かれた!?」

 

「砲撃がご褒美? ……うーん、確かにれお君の攻撃は痛いけど安心感もあるし……それがご褒美なのかなぁ?」

 

「ひなちゃん、それを追求するのは危険すぎる。危険だからこれ以上アリシアちゃんの言う事を鵜呑みにしちゃダメだ!!」

 

「う、うん。分かった」

 

 

 ◇

 

 

 その後再び海上に結界を張って、ひなちゃんとアリシアちゃんのコンビと相対する。

 

「行くよー」

 

「いいよー。ちょっと危ない戦い方するから気をつけてねー?」

 

「はーい。それじゃひなから行っきまーす!!」

 

「フレーフレーひーなー」

 

 アリシアちゃんがポンポン型デバイスでひなちゃんを強化。

 強化されたオリヒロインは凄まじく恐ろしい速度で俺に速度の乗った体当たりを仕掛けて来ようとする。

 俺はファンメランを取り出すと、膨大な風の魔力をさらに注ぎ込む。

 

「《サイクロン》!!」

 

「え、きゃぁああああ!?」

 

「あ、ひな!? ってこれは私もヤバいのではぁああああ!?」

 

 ファンメランによりあおがれた風は、気流を乱すのではなく凄まじい威力の台風となってひなちゃんと後ろにいたアリシアちゃんを飲み込んだ。

 ……これ良いなぁ。気流を乱して飛べなくなったのではなく、そもそも吹き飛ばされて台風の中をグルグルと回ってるから碌に身動きが取れてないぞ。

 よし、この台風に……

 

「ちょっと熱いけど非殺傷設定だから翠屋のケーキで許してな!! 《サン》!!」

 

 魔力に物言わせて作り出した大火球を台風に投げ入れると、火球は凄まじい風速により火球は分解されて僅か数秒で台風は炎を纏う。

 おおう、これは台風の中はかなり悲惨な状態なんじゃ無いか?

 技の威力は分かった為すぐさまサイクロンを解除して二人を解放。そのまま重力に従い落下するが、海に落ちる前にすぐさま回収して海岸のベンチで休ませる。

 

「うへぇ……」

 

「うきゅう……」

 

 二人は黒焦げになって目を回していた。実験台にしてしまったのは罪悪感。

 これは翠屋のケーキじゃ足りないかもな。明日にでもおもちゃ屋でプリキュアのタッチコミューンでも買ってやろう。

 

 ……でも掴めたぞ。

 範囲が広くて威力の高い攻撃で一方的に嬲り倒す戦法。

 

 ゴリ押し殺法!!




 ゴリ押し殺法

 レオの十八番であった手数で攻める戦い方を捨てて、超広範囲に圧倒的な火力の大魔法を撃ち込みまくる。膨大な魔力と変換資質、そしてデバイスを通して培ってきた魔法の知識を活かした戦術である。
 ただし広範囲すぎて周りを巻き込むため、1対1もしくは仲間を範囲外まで逃さなければ使えない。
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