見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
新しい戦い方を習得したは良いが、ひなちゃんとアリシアちゃんを高火力の魔法の実験台にしたのは流石にまずいと言う事で、二人をおもちゃ屋に連れて行った俺である。
タッチコミューンで良いかなと思ったが、二人に選ばせた方が良いよな。と言うことでサプライズは無しだ。
「お詫びに好きな物一つずつ買うんで許してくだせえ」
「別にひな気にしてないよ?」
「私もー。悔しかったけどあくまで模擬戦だし、ボコボコにされても恨みっこなしでしょ? でも次はそうは行かないからね!!」
「ひなもひなもー!」
なんて優しい二人だろうか。こんな優しい子が俺のこと好きでいてくれるなんて俺は幸せ者だ……。(号泣)
だが直後ひなちゃんが、「あ」と何か思いついた様な顔をする。
「ねぇれお君。おもちゃは買わなくて良いからお願いを聞いてくれる?」
「なんでしょう? なんでも叶えさせていただきます」
「一緒にデートしよ!」
「あ、ひな抜け駆けー! 私レオとデート行きたい!!」
「それじゃ3人デートだー!!」
「おー!!」
二人はどうやら俺とデートをしたかったらしい。確かに最近外で遊ぶときはヤマトとかなのはちゃんとかが一緒だったし、ひなちゃんと一緒にいるときは大体俺の家に遊びに来た時だけ。アリシアちゃんに至ってはフェイトちゃんがいつも近くにいるから、そもそも二人きりと言えない環境だからね〜。
「分かった。それじゃあどこ行く?」
「うーん……あ、ハネキツネを探した管理外世界なんてどう? 日当たりのいい場所見つけたからみんなで日向ぼっこでもしようよ」
「いいね。川もあったし川遊びもしようよ!!」
行き先はハネキツネを捕まえた管理外世界に決定かな。森林浴が目的で座標をアスカに覚えさせてるからミッドに行く感覚で時空間転移可能だ。
もうお昼を食べてしまってるから弁当を作る必要もない。一度家に帰って動きやすい服に着替えたらすぐにでも出発出来るだろう。
「あ、ちょっと待ってて」
アリシアちゃんはそう言うと近くの柱の後ろに行く。
なんだろうと思って二人で柱を覗き込むとそこにいたのはフェイトちゃん。
「ごめんねフェイト。今からお姉ちゃんデートだから一緒に連れて行けないんだー。ごめんだけど別の所に遊びに行ってくれないかな?」
「うん、分かった。なら私もヤマトの所に行こうかな。それじゃあデートを楽しんでね。お土産話期待してるよ」
フェイトちゃんは良い笑顔でアリシアちゃんに手を振りながら行ってしまった。
「いやいやフェイトちゃんずっと隠れてたの!? てかそれストーカーじゃねえか!?」
「フェイちゃん怖い……」
「えー? 隠れて様子を見てるフェイトが可愛いし私は別に嫌じゃないんだけどな〜」
「アリシアちゃん。あんた大物だよ……」
シスコンもここまで来るともはや尊敬するよ。
……あ。てことは昨日ひなちゃん共々アリシアちゃんをボコボコにした件をフェイトちゃんは見ていた? それってフェイトちゃん経由で俺の手口がヤマトにバレるってことじゃ……。
だがアリシアちゃんに聞くと、昨日はちょうどなのはちゃんと嘱託の仕事に行ってたらしくいなかったんだと。
「そっか。確かにアリシアちゃんボコボコにしたらフェイトちゃんが有無を言わさずに襲いかかってくるはずだしね」
「いやいや模擬戦で流石にそれはないよ。フェイトだって分かってる筈だし。だから私がヤマトとかひなに撃墜されてもフェイト手を出して来ないでしょ?」
「……それもそっか」
「ねぇ早く行こーよー」
◇
一旦それぞれ家に戻り、動きやすい服に着替えてから再び集合して管理外世界へ移動。
いい場所を知っていると言っていたアリシアちゃんに滝の近くの日当たりのいい芝生に案内された。
「わ〜。滝きれーい。ママとパパにも見せてあげよ〜」
ひなちゃんは目を輝かせて滝をパシャパシャと携帯で撮る。写真に集中しすぎて川に落ちない様に気をつけなよ?
「ねぇ、レオは何やってるの? そんなにたくさんの木の枝とか集めて?」
「いや〜、ただ日向ぼっこするのも退屈だしね〜」
木の枝を魔力変換により発生させた熱で一瞬で乾燥されると、近くの川原でそれを組み立て俺の魔力を火種に焚き火を作る。
そして懐から取り出しますはbigマシュマロ。
「本日のおやつは焼きマシュマロなんていかがでしょう?」
「「わー!!」」
日向ぼっことは言うが日本時刻で現在15時。そろそろおやつの時間という事で何か持って行った方が良いかなと思ったのだが、マシュマロが目に入ったのだ。
え、なんで家にマシュマロがあったのか? チョコフォンデュにして食べる為ですけど何か?
一緒に持ってきた竹串にマシュマロを刺して火で炙り二人に手渡してやると、熱々のマシュマロに息を吹きかけながらゆっくり食べる。
「うーん。なんでマシュマロって焼くと美味しいんだろ?」
「どうしてだろうねぇ。そのまま食べるよりも、焼いた方が外はカリッと中はトロリとした食感になるからかな? それに表面のコゲがいいアクセントになるのかもね」
意外と食レポが上手いひなちゃんであった。
あんまり食べさせると夕飯が入らなくなる為、二つほど焼きマシュマロを食べさせてから焚き火は氷結魔法で消す。
本当魔法は便利だな。これさえあればサバイバル生活しても生きていけるんじゃないか? 水も氷結魔法で作った氷も炎熱魔法で溶かせば飲めるだろうし。
おやつの後は本来の目的であった日向ぼっこ。芝生に身体を預けると、太陽の光がいい感じに身体を温めて気持ちがいい。
「気持ちいいねぇ」
「そうだねぇ。ずっとこうしていたいや」
「はぁ……。たまにはこう言うのもいいねぇ」
…………おっと行けない行けない。眠りそうになってしまった。
携帯が一時間後にアラーム鳴る様に設定してっと……。よしこれで寝ても安心安全だな。
そしてそのまま睡魔に誘われて夢の世界にダイブしようとしていると、アリシアの声で意識が若干覚醒する。
「ここを提案しておいてなんだけど、これってデートって言うのかな? ただピクニックしに来ただけじゃない?」
「え〜、デートだよぉ。好きな子と一緒に過ごしてたらどんな過ごし方でもデートって言うんだよってママが言ってたもん」
「たまにはこう言うのもいいんじゃないの? ショッピングデートとかしたいならまた今度ミッドに遊びに行こうよ」
「それもそうだねぇ……ふわぁ」
それからは会話は無く、やがて意識は夢の中へと誘われた。
その後携帯のアラーム音で目を覚まして、溺れない様に細心の注意を払いながら川遊びを楽しんで解散したのだった。
たまにはひなちゃんとアリシアちゃんの二人で遊ぶのも楽しいな。