見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「起立、気をつけ、礼」
『さよーなら』
「はい、皆さん気をつけて帰ってくださいね〜」
よし学校終わり! って言うかなんでわざわざ帰りの会なんてするんだよ。今日分の授業終わったらそのまま解散でいいやろ。ほんと学校の教育システムは意味分からんわ。
「そう思うよなヤマト」
「同感だな」
「えー。先生からの連絡とかでたまに大切なこと言うし、帰りの会はあった方がいいと思うよ?」
すずかちゃんの言葉に俺とヤマトは息を合わせてせーの。
「「学内掲示板で充分だろ」」
「見ない人がいると思うよ?」
「「自己責任だろ」」
「ちょっと二人とも思考が大学生になってるわよ。私たちまだ小学生なんだから合わせなさいよ」
「でもアリサだって学内掲示板とかで充分だと思ってるだろ?」
「当たり前じゃない」
「アリサちゃんまで……」
すずかちゃんの呆れたような表情。
そんな下らない会話を繰り広げている俺たちの下になのはちゃん達がやって来る。
「ねぇねぇ。お父さんが今年も温泉旅行の計画を立ててるんだけど、来週末予定が埋まってる人っている?」
温泉旅行かー。去年初めて誘われて、フェイトちゃんを含めた7人で温泉入ったり一緒の部屋でキャッキャうふふしたりしたなー。
早いことであれからもう一年経つのか。やはり精神年齢が40代だからだろうか? 時間が経過するのがとても早く感じる。
「まるで二ヶ月前に温泉旅行行ったばかりなような気がする」
「温泉旅行編がこのサイトに投稿されて二ヶ月くらいしか経ってないからな」
「マジでか。作者も頑張るなぁ」
「メタ発言はやめなさい」
アリサちゃんに叱られた為メタ発言はここまでっと。
「すずかちゃんとひなちゃんは、忍さんと羽鳥さんがお父さんと計画立ててるし参加だよね」
「うん!」
「行けるよ〜」
「分かったの。それじゃあ、みんなはどうかな? ……よし、一番右端にいるヤマト君から教えてもらうの」
「暇だ」
「アリサちゃんは?」
「ヴァイオリン教室だけどパパに言ったらお休みもらえるから大丈夫」
「フェイトちゃんとアリシアちゃんは?」
「私たちはお休みだけど……」
「ママ達も一緒に行ける?」
「うん。お父さんが今夜にでも電話でリンディさんに聞くって言ってたの」
なのはちゃん曰く、基本士郎さんが年一で計画する温泉旅行は保護者にも声をかけているようで、子供だけ預かるのも親御さんが不安がるだろうからという配慮だそうだ。流石は士郎さん抜かりない。
「そっか。今年は母さんとお姉ちゃんと一緒に行ける……!」
「よかったねフェイト!」
「うん!」
フェイトちゃんは前回はジュエルシードで気を張っててあんまり楽しめて無かっただろうし、今年こそは心の底から楽しんでほしい……。そういう風な顔をしているなのはちゃんであった。
「はやてちゃんはどう?」
「予定はないで! ウチの子も参加してええんやろか?」
「もちろんなの。シグナムさん達にも予定が空いてるか聞いててほしいの」
「了解や。予定が埋まってても家長権限で開けさせるから安心してな!」
サムズアップでとんでもないことを言うはやて。なんて横暴な一家の大黒柱だ。闇の書の呪縛から解放された守護騎士は主に逆らえるようになってるっぽいし、叛逆を起こされてシグナムさんやリーン姉さんが家長になっても知りませんからね!!
「最後はレオ君なの」
え、俺? 何も無かったはずだけど……
懐から手帳を取り出して予定を確認っと…………。
「レオってば手帳に予定書き込んでるなんてマメだねぇ」
「そりゃあ少しでも脳を開けとかないといけないからな」
俺は模擬戦しているときや、デバイス製作などでマルチタスクを使用する関係上、常人よりも非常に脳を酷使する。
だがその分脳が疲弊してしまうのか、俺は些細な物忘れが激しいタイプ。
故に予定や忘れたら困る事などは手帳に書いていつでも確認できるようにしているのだ。
「ふーん、レオっておじさんっぽいね」
「グフッ!!」
アリシアちゃんの悪意なき言葉の刃が俺の胸を深く斬りつけ、俺は血を吐いて地面に倒れる。
このアラサーめ言ってくれるじゃあないか……。
「レオ君、寝転がったら汚いの。それでどう? 行ける? 行けない?」
「……あー。来週末はチンクが来る日だね。……まぁ帰ってから予定が入ったって連絡入れれば許してくれるっしょ」
「チーちゃんか〜、ひなまだ会ったことないんだよね〜。どんな子なの?」
「大人しくて正直者。そして意外とポンコツ」
「チンクちゃんはポンコツじゃ無いよ? 教えた事しっかり吸収してるでしょ?」
すずかちゃんはそう言うが、スパイであることを自分からぶっちゃけたのはどう考えてもポンコツなんだよなぁ。
まぁ自己申告してくれたおかげでスカさんが何か企んでるのではと疑心暗鬼になる必要がなかったのは事実なんだけどさ。
「面倒見も良いらしいよ。スバルが優しいお姉ちゃんが出来たって喜んでた」
「そう言えばチンクはギンガの妹になったんだよね?」
それは初耳だ。てっきりギンガちゃんよりもお姉ちゃんの立場になるのかと思ってたんだけどな。
詳しく聞いてみると、どうやらギンガちゃんとチンクによる姉争奪戦がナカジマ家で勃発。
ギンガちゃんが勝利したことでギンガちゃんがお姉ちゃんになったんだと。
「へぇ。ひなも会ってみたいなぁ」
「私も会ったことは無いのよねぇ。どんな子なんだろ」
「私も気になるの」
「ならチンクも……ナカジマさん家も誘ってみれば良いんじゃ無い?」
「こらこらアリシアちゃん? 子供の都合で急に人数増えたら、計画立ててる士郎さんに迷惑でしょうが」
「あ、そっか」
それにナカジマ家は日本通貨持ってないからここで旅行なんて……いや、それは俺がミッドの通貨と両替してやればいいか。どうせ邪神が支給してくれてる200万も生活費以外で使わなくて通帳がとんでも無い事になってるし。
「にゃはは。一応帰ったらお父さんに聞いてみるの。オッケーだったら連絡するからレオ君からクイントさんに連絡お願いしてもいい?」
「了解……そう言えばユーノ君には連絡した? 去年参加したのに一人だけ仲間外れってわけにもいかないでしょ」
「大丈夫、もう誘ったの!」
なんでも昨日のうちに無限書庫まで行って直接ユーノ君を誘ったのだとかなんとか。流石は飼い主、しっかりしてるなぁ。
その後適当に雑談してから解散して帰宅。
その日の晩、ご飯を食べてのんびりバラエティ番組を見ていたらなのはちゃんから連絡が来た。
『もしもしレオ君?』
「はいはーい、レオですよー。士郎さんはなんて?」
『お父さんが許可くれたの! みんな一緒の方が楽しいだろうからって!!』
「士郎さんの器のデカさには脱帽っすわ。ナカジマ家にはこちらから連絡入れとくな〜」
『はーい』
早速地下室に降りて、作業用PCからチンクに連絡を入れると、僅か数分で返信が来た。
『父上や母上に尋ねてみた結果、何としてでも休みを取って参加させてもらうとの事だ。旅行期間中はよろしく頼む』
よしナカジマ家も参加ね。メールでなのはちゃん宛てに今の所は参加という形で話を進めてるっぽいと送信して一息つく。
今年は去年以上に大所帯の旅行になりそうだな。個人的には楽しみだよ。