見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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今回はバス移動かー……高級バスやんけ!!

 旅行当日、集合場所であるすずかちゃん家でひなちゃんと駄弁っていると、ハラオウン家と共にナカジマ家の皆さんがやって来る。

 本局経由でハラオウン家の転送ポートに転移して海鳴市にやって来たわけだが、本来本局は関係者以外立ち入り禁止。

 だがクイントさんにゲンヤさんは陸とはいえ管理局員であり、スバルちゃんとギンガちゃんも定期的に本局で検査を行う関係上立入は許可されている。

 ナカジマ家だからこそできる転移方法と言うわけだ。

 

「レオ久しぶりー!」

 

「や、ギンガちゃん。元気にしてた?」

 

「もちろん! 最近新しい妹も出来たし、やる気がみなぎってるよ!」

 

 妹っていうと俺の所に来たのはギンガちゃんだけだが、スバルちゃんは一緒じゃないのか? そう思いあたりをキョロキョロと見回してみると、近くでスバルちゃんはなのはちゃんに抱きついていた。

 ほんとスバルちゃんはなのはちゃんが好きだよねぇ。

 

「それに最近は変な人に付き纏われることも無くなって、以前よりのびのび生活できてるわ」

 

「そっか、よかったねぇ」

 

 やはりあの組織は壊滅して良かったのかも知れない。

 俺がほっと胸を撫で下ろしていると、ギンガちゃんのそばで微笑んでいるチンクが俺の視界に入ってきた。

 そう言えば一応逮捕されて贖罪中の身とはいえあくまで、スカさんの指令でスパイをしてるチンク。もしスカさんがギンガちゃんとスバルちゃんを連れてこいなんて言ったら、戦闘力はゼストさんと同等レベルの彼女はあっという間にスカさんのところに二人を連れて行ってしまうだろう。

 

 ……全然よくねえな。まずはコイツにしっかり釘を刺しておかねば。

 

 無言でチンクの手を引き、翠屋の裏まで連れ出す。

 そのときギンガちゃんがボソリと「もっとお話ししたかったな〜」と言っていたが、後でお話ししような。

 

「なぁ? クイントさんからギンガちゃんとスバルちゃんのことは聞いてる?」

 

「二人の事? ……ああ、戦闘機人のことか?」

 

「うん。シャレにならないからスカさんから指令来ても絶対に二人は攫うなよ? 攫ったらどうなるか分かるな?」

 

「それについては問題ない。ドクターは今開発途中だった12番目まで完成させたら戦闘機人の研究からは手を引くと言っていた。少なくともドクターはスバルとギンガは狙っていないから安心してくれ」

 

「そうなん? でもスカさんが心変わりしてまた戦闘機人作り出したら危険だろ?」

 

「私としても姉と慕ってくれるスバルや、妹と可愛がってくれるギンガを悲しませたくはない。もしドクターが二人を攫えとオーダーが出したら本格的にナカジマ一家の子になるさ」

 

 そこまで言われては俺はもう黙るしかない。

 チンクは正直者だ。あまりに正直者すぎてスカさんのオーダーを俺に言ってしまうほどだ。

 なのでチンクがこう言ったなら、少なくとも彼女は白と確信してしまった。

 

「まぁスポンサーはうるさいらしいが……最悪2番目の姉が闇討ちしてくれるだろう」

 

「止めろよな? 流石に殺人は笑えないって。……そういえばスポンサーって言葉前から言ってたよね。興味本位で聞くけど誰なの?」

 

「管理局の最高評議会の脳みそ共だ。……あ、これ言っちゃダメなやつだった。やっぱり今のは無しで頼む」

 

「リンディさーん! このスパイがとんでもない事をぶっちゃけましたー!!」

 

「あ……ま、いっか。どうせ私たち姉妹を物扱いしかしないやつらだったし」

 

 とんでもない事をぶっちゃけてくれたチンク。最高評議会と言うと最近レジアスのおっちゃんにアイツらは注意しろって釘を刺された管理局の最高権力じゃねえか。

 こんな大スキャンダル見逃せる訳ないよな!!

 今の音声データが入ったデバイスを嬉々としてリンディさんの下へ持って行ったのだった。

 

「麗央君お手柄よ! 旅行が終わったらミゼット統幕議長やレジアス中将とか色んな人に情報共有して、みんなで追求しましょう!!」

 

 すっごい、いい笑顔のリンディさんであったとさ。

 

 その後リンディさんに最高評議会の不正の証拠を提出した帰りに、頬を膨らませるひなちゃんを発見。

 

「れお君、チーちゃんの独り占めはずるいよぉ。ひなもお話したい……」

 

 そういえばひなちゃん、チンクと話してみたいって言ってたもんなぁ。

 お友達を100人作るが今年のひなちゃんの年間目標みたいだし、ここは潔く退くとしよう。

 

「ごめんよー。それじゃあチンク渡すからゆっくりお話ししな?」

 

 俺は数歩後ろに下がると、ひなちゃんは「ごめんね。ありがと」と一言俺にお礼を言うと、チンクに詰め寄る。

 

「桃崎ひなです! よろしくねチーちゃん!!」

 

 初めて会ったチンクに挨拶するひなちゃん。

 だが挨拶されたチンクは挨拶を返さずに後ろをキョロキョロし始めた。

 

「あれ? チーちゃん?」

 

「……後ろには誰もいないぞ?」

 

「え、あなたチンクちゃんだよね?」

 

「ああ」

 

「だからチーちゃん」

 

「……………………あ、チーちゃんとは私の事か」

 

 まあ、前振りもなくいきなりあだ名で呼ばれたやそりゃ分からんわ。

 ひなちゃんはニコニコと笑いながらチンクと握手する。……と言うか、勝手にチンクの手を掴んで何回も上下に振る。

 これならチンクもひなちゃんと友人になるのは時間の問題だろう。俺は二人から離れて、ギンガちゃんの下へ帰還する。あ、スバルちゃんもいる。

 

「あ、レオ姉、久しぶり!!」

 

「久しぶりスバルちゃん」

 

 そしてしばらくナカジマ姉妹と会話をしていると、庭に複数のバスが入って来た。

 なんでも今回は人数が多いため車ではなくバスを貸し切って移動とのこと。

 

「私たち子ども組はこっちよ」

 

 アリサちゃんが指差すは大型バス。みんなで中を覗いてみると座り心地が良さそうな座席にフカフカのカーペット。しかも装飾も豪華と来た。

 

「うわ〜。すっごーい!!」

 

「ほんと凄いねぇ……」

 

 目をキラキラ輝かせるナカジマ姉妹。そしてなのはちゃんやひなちゃん、テスタロッサ姉妹にヤマトも目を輝かせていた。

 あ、俺の目も輝いてると思うよ。だってこれ明らかに高級バスじゃん! これで旅行だなんてテンション上げるなって方がおかしい!!

 

「もちろんよ。パパがバニングストラベルのいいバスを貸し切ってくれたの。あ、こっちのバスの方がグレードが高いらしいけど、こっちのバスはお仕事で疲れてる士郎さん達に譲りましょ」

 

「うーん、流石にこんないいバスを貸し切っちゃうのはやりすぎじゃないかな……」

 

 そして同じく日本有数の名家である月村家のご令嬢はバニングス家のご令嬢に苦言を呈すのだった。

 

「パパが張り切っちゃってね……」

 

 アリサちゃんは遠い目になった。

 なんでも当初は士郎さんがバスで行こうかと予定を立てていたらしいが、アリサちゃんから旅行に誘われたと知ったアリサちゃんパパが「去年は娘を連れて行ってもらったから、今年はお返ししなければ!!」と言ったんだと。

 

「私は貸し切るにしても普通のバスでいいって言ったんだけど、パパが聞かなくって」

 

「てっきりアリサちゃんが我儘言ったのかと思った」

 

「置いて行くわよ?」

 

 さて何はともあれ席を決めないといけないな。

 また今回もヒロインズ達はヤマトの隣の席をゲッチュする為にじゃんけん大会を開催するんだ。

 

「よーし、誰がれお君のお隣座るかじゃんけんしよ!」

 

「よーし、負けないからねー!!」

 

「私も負けないわよ〜。ほらチンクも!」

 

「私はどこでもいいよ」

 

 ……3人に増えたから俺の隣の席の取り合いも始まってたか。そして別に俺のことが好きではないチンクは辞退っと。

 

 その後、ヤマトの両隣はすずかちゃんとはやて。俺の両隣はギンガちゃんとアリシアちゃんでした。

 え、スバルちゃん? なのはちゃんの隣だよ。




 チンクが最近気になること

「私とレオって少し似てるよな……私ってクローン培養だし、もしやレオの母の遺伝子から作られたんじゃ……。今度ドクターに確認してみよう」
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