見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
温泉とサウナを存分に楽しんだ。夕飯も堪能した。ならば後は寝るだけだな。
でも寝るにはまだ早すぎるよなぁ。まぁテレビでも見ながらゆっくりしましょうや。
「こらアリシア。食べた後に寝転がると牛になるとプレシアさんや母さんに言われているだろ?」
「あー、でもそんなの迷信じゃーん」
この光景を見るとクロノ君とアリシアちゃんって兄妹っぽいよなぁ。
考えて見たらプレシアさんは俺が司法取引した事でかなり減刑されたとは言え、凶悪な次元犯罪者だった事実は変わらない。
故にリンディさんが監視役になって普段から行動を共にしてるっぽいし、必然的にフェイトちゃんとアリシアちゃんにとってはリンディさんはもう一人の母親と言っても良い。
兄妹っぽいではなく事実上義兄妹か。
「なぁレオ。アリシアをなんとかしてくれないか? 彼女は君の事が好きみたいだし、君ならなんとかできるだろう?」
…………。
「ねぇアリシアちゃん」
「なーにー? 私を起こしたいならレオが抱き起こしてくれない限り起きないからねー?」
「食べた後に寝転がると牛になるってのは迷信だけど、医学的には食後すぐ横になる行為は消化不良を起こしての胸焼けの原因になったり、胃が食べ物を消化しようと胃液をたくさん分泌している状態だから横になる事で胃液が食道に入って逆流性食道炎の原因になったりするよ?」
「…………」
「因みにひなちゃんのフェニックスウイングを頼ろうと考えてても無駄だよ。ひなちゃんのフェニックスウイングは病気の治療はできないから」
「……起きます」
「僕の想像の左斜め下の方法で起こすとは予想外だった」
いかんせんこの世界の住民……と言うよりは俺の周りの同級生なんかは精神年齢が実年齢より上をいっており賢い。故に迷信なんかで怖がらせるよりも、論理的にどういう不都合があるかを教えた方が良いのだ。
「「ぎゃくりゅーせーしょくどーえん?」」
「喉の病気だよ」
まだ医学的な説明は早かったのか、ひなちゃんとギンガちゃんは頭にハテナマークを浮かべていたので一言で解説してやると、「「病気!?」」と顔を真っ青にするのだった。
「別に食後に寝なけれりゃ問題ねーだろ。それにしても暇だな。なーレオー、トランプでも持って来てない?」
えー。なにか持って来てたっけ?
自分のリュックを漁って見るが何にも無い。そりゃそうだ、トランプとか楽しめる物なんかは普段ヤマトが持ってくるし俺は持ってこなかったなぁ……。
「あ、ならひな持って来たよ!」
ひなちゃんはそう言うと大きなリュックからトランプだったりジェンガーだったりオセロだったりを取り出す。
ひなちゃん一人一泊分の荷物の割には大きいリュックだなぁと思ったら遊ぶ物色々持って来てたのか。
「お、流石ひな! トランプから制覇していくか!!」
「おー!」
〜数分後〜
8人と言う大人数で行うと言う事で無難にババ抜きをしていたのだが…….
「うぅ、レオとクロノさんとチンクが強すぎる……」
「仕方ないよギンガ。3人とも僕たちの表情筋の微弱な動きで、ジョーカーかそうでないか識別してるみたいだし……。それにオセロに関しても先読みしてるっぽいからね」
いや、ユーノ君? 別に解説してないのにどうして俺らの手口を見抜いたんだ? 俺はこっちの方が驚きだよ。
「どうしてそんな事が出来るんだよ……」
「相手の微弱な表情を読み取れないと、この業界は生きていけないから」
「僕は執務官だから相手の取り調べなんかにも担当する。だから犯人の供述の真偽を確かめる為に観察眼は鍛えたんだ」
「私は……ドクターに色々と強化改造されてるからとしか言えないな」
チンク、お前少し適当じゃない?
でもまぁ視力とかを強化されてたら鍛えなくても表情筋の動きくらい見えるか。
「むぅううう! 次はオセロでしょーぶだ!!」
ひなちゃんはトランプを手早く片付けるとオセロを取り出して机の上に置く。
オセロは1対1でしか戦えないし、トーナメント戦でやろっか。
〜数十分後〜
「黒32個、白32個で引き分けか」
「もう一回やる?」
「いや、3回やって連続で引き分けなら何度やっても同じだろう。引き分けにしておこう」
「オケ」
引き分けのため優勝は俺とクロノ君の二人でした。
クロノ君はアースラで部下に指示を出したりする関係上展開を読む事とかに長けてるっぽいし、俺はすずかちゃんやはやてとたまにチェスをするからなぁ。それ以外にも恭也さんとか士郎さんとは将棋してるし、先読みはある程度慣れてるんですわ。
「うん。なんとなく分かってた。オセロって先の展開読まないといけないもん。勝てるわけないよね」
「うん。でもチーちゃんも凄いね。れお君に負けちゃっだけど2回引き分けていい勝負してたよ」
「ドクターに色々と強化改造されてるからだな」
「な、なら次はこのジェンガー? で勝負よ!」
「お、確かにジェンガーなら先読みは出来ないし、私達でも勝機はあるかも!!」
ギンガちゃんが取り出したジェンガーをみんなで組み立てる。
今回はみんなでやっていって崩した人は抜けていくスタイルでやって見るか。
〜数十分後〜
その後ギンガちゃん、ユーノ君と一人ずつメンバーが抜けていき、最終的にクロノ君とチンク、そして俺の戦いになったわけだが……
「……もうこれ決着つかないんじゃないか?」
「ああ。次で必ず崩れるな。次のターンは私の様だし私の負けか」
「いや崩すところないし引き分けでいいと思う」
タワーはもうどこのブロックも抜くことは不可能。
タワーは一段につき三つのブロックが並べられているのだが、全ての段の両端二つのブロックが抜かれているからだ。
「……うん。もう驚くのに疲れた」
「3人は凄い。もうそれでいいと思うよ」
「うう、せめてチンクには勝ちたかった。これじゃあお姉ちゃんの面目が……」
みんなはなんだか達観した様な表情でそう言うのだった。
少し手を抜いてやるべきだったかな?
「……そろそろ寝る時間だ。明日も7時には起きる様に言われてるし早く寝よう」
クロノ君の言葉に時計を見ると10時前。思った以上に熱中してしまった様だな。
俺的には寝るにはまだ早い時間だけど、アリシアちゃん達に早く寝る様に促すには俺も寝た方が良いしもう寝るか。
「よーし、誰がレオの上で寝るかじゃんけんだー!」
「アリシアちゃんは寝相が悪すぎるから却下。ギンガちゃんとひなちゃんで決めてください」
「そ、そんな……」
アリシアちゃんは崩れ落ちたのだった。
その後結局ギンガちゃんが俺の上で寝る事になり、ギンガちゃんの体温で温められながら静かに眠るのだった。
〜翌日〜
「んぅ……レオ、どこ行くの〜?」
「あ、ごめん起こしちゃったね。ちょっと朝風呂行ってくるよ。ギンガちゃんは寝てて」
「……私も行く」
その後寝ぼけたギンガちゃんを連れて温泉に行くと朝風呂に来たクイントさんがいたので母親にギンガちゃんは返して男湯に行くのだった。
おまけ 旅行後、スカリエッティ研究所にて
『ドクター。レオが食後に寝転がるのは医学的には食後すぐ横になる行為は消化不良を引き起こしたり、逆流性食道炎になる原因だと言ってた。食後にすぐ寝るメガネに注意を促してほしい』
「いつも私はそう言ってるんだが、クワットロは戦闘機人だから大丈夫と聞かないんだよ。……所で今日はそれだけで連絡をしたんじゃないだろ?」
『ドクターには敵わないな。……スポンサーの事が管理局にバレた』
「やっちゃったか」
『やっちゃった。……申し訳ない』
「別にいいさ。この際脳みそ共は邪魔だし管理局に処分してもらおうじゃないか。……なにか他に私に聞きたそうな話をしているな。パパになんでも聞いてみなさい!」
『そうか。それでは私の遺伝子の元になった人物について聞きたいんだが……』
「ククク、とうとう気がついたか。私が君をレオ君の助手にした理由が……そうさチンク。君の遺伝子の培養元は『『チンク姉何やってるの〜?』おっとすまない。妹が気がついてしまったからまた今度改めて聞かせて欲しい。レオから頂いた研究については後日送る。それでは』……この話はまた今度か……、ねぇウーノ? ちょっと聞いて欲しい事があるんだけど」
「なんですか? 今月はもうゲームは買わせませんからね?」
「それについては後でゆっくり交渉するけれど今は違う。チンクの培養元についてさ」