見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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この扉は古代ベルカの王族にしか開けられない扉なんだが……

 旅行から数週間ほど経ったある日の休日。一人であてもなくブラブラしたかったので以前ひなちゃんとアリシアちゃんの二人で遊んだ管理外世界へ遊びに来ていた。

 この管理外世界は俺らにとっては本当に関わりの深い世界であり、俺みたいに散歩や森林浴だったり、模擬戦の為に来たりと本当にお世話になっている。

 

「最近暑くなってきたけど、この世界はまだ良い感じに暖かくていいや」

 

 それに光合成で合成された出来立てほやほやの酸素を肺に満たすこともできるし、遊びに来るには本当にうってつけの世界だ。

 夏休みになったらみんなでバーベキューしに来るのもありかもしれんな。

 そんな事を考えていると、以前マシュマロを焼いた河原まで来てしまっていた事に気がつく。

 

「あれ? 俺ここから結構離れたところから散歩始めてたのに……。気づいてないだけで割と時間が経ってしまっていたのか? ならさっさと帰って昼ご飯食べてしまお……ん?」

 

『どうかなさいましたかマスター?」

 

「いや、なんか一瞬滝の奥に空洞があったような気がしたんだけど……」

 

『あー、隠しダンジョンってやつですか。見つかればそれはそれでロマンですし確かめてみたらどうですか?』

 

「そうだな。それじゃ早速《アルティメットプロテクション》!」

 

 傘のように滝にシールドを挟み込んで奥を見てみると……うん。やっぱり空洞があるなぁ。

 

「それじゃお邪魔しますよ〜」

 

 中に入ってみると予想通り洞窟。

 まさか滝の裏がこんな事になってるだなんて、ロマン溢れてるな。

 

「せっかくだしここを改装して秘密基地にしてみるか?」

 

『ガキですかあなたは。さては身体に引っ張られてしまっているパターンですか?』

 

「いやだって滝の裏に洞窟って少年心がくすぐられるじゃないか」

 

『申し訳ありません。このカリバー、少年心と言うものがいまいち分かっておらず全く理解しかねます』

 

 そんなくだらない会話をアスカとカリバーとしながら、スフィアを光源がわりに足元に気をつけながら進んでいく。

 ある程度進んでいくと、天然物の地面と壁と天井が人工物の建物っぽい床と壁に変わる。

 

「あらま既に改装されてた……いや、わざと滝の裏に洞窟掘って建造物を建てたって感じか?」

 

 それに壁に描かれてる紋様って……うん。間違いない古代ベルカのものだな。どうやらここは遺跡だったようだな。

 

「……お、分かれ道か?」

 

『ここから本格的に入り組んでいますね。いくらバリアジャケットを展開しているとはいえ、これ以上は遭難する危険が極めて高いです。リンディ様に報告して調査隊を派遣していただく事を推奨いたします』

 

「そうだな。確かにこれ以上は迷いそうだし一度帰るか」

 

 別に遭難した所でやばいと思ったら時空間転移でいつでも温かい我が家に帰れるのだが、カリバーの言うことも一理あるので一度帰宅する事にした俺であった。

 

 

 〜翌日〜

 

 一応リンディさんに遺跡を見つけた事を報告して、調査隊が派遣されるまでの数日間自己責任で遺跡の探索をする事を許可をもらい再び遺跡を訪れた。

 

『あ、あのマスター? ですからここは遭難する可能性が高いと……』

 

「うん。だからペンと紙を持って来た。それに水筒に軽食、予期せぬ事態で大怪我したときのためにひなちゃんのフェニックスウイングの効果を込めた発明品の一つ。“フェニックスカートリッジ”も用意してる。コイツをロードすれば大怪我でも回復する優れものさ!」

 

『ウチのマスターがとんでもないものを作ってやがった件について』

 

 もちろんひなちゃんに許可はもらって作ったし、ひなちゃんがいらない子にならないように自分用に3回分しか作ってない。

 それにフェニックスウイングの効果がある程度劣化してしまっており、大怪我しても動けるくらいには回復するがもし腕とか目とか欠損しても元通りにはならない。

 本来ならば本家と遜色ないレベルの回復量に色々手直しするのだが、勝手にひなちゃんのチート能力を利用してる手前これ以上好き勝手したくないため自重したのは言わなくても良い事だろう。

 

「そういえばアリシアちゃんが一緒に行きたいと言っていましたが、断ってよかったんですか?』

 

「あー、いいのいいの。こんな入り組んだ迷路、はぐれたら一貫の終わりだし」

 

 ヤマトや俺ならば遭難しても言霊だったり時空間転移なんかでいつでも逃げられるけど、その他の人はそうじゃないしなぁ。

 もしはぐれて再会できないまま永遠に彷徨い続ける事になったなんて事態になったら目も当てられない。

 故にアリシアちゃんの不満が爆発する前に。そして調査隊が派遣される前にこの遺跡を調べ尽くしてやろうと言う魂胆だ。

 

「深さ優先探索で右から順に探索していけば、いつかは最奥まで辿り着くだろ理論でやっていきます」

 

『『えー……』』

 

 ウチのデバイスどもは俺の考えに否定的だ。

 まぁそもそも深さ優先探索って洞窟とかを探索するための方法じゃなくて、グラフを探索するためのアルゴリズムの名称だから信用できないのは仕方ないだろう。

 でもまぁ元々ちょっとした冒険心で探索するだけだし、行き詰まったり遭難すれば転移で逃げれば良いからそこら辺は適当でいいだろう。

 

「さ、探索開始っと」

 

 

 〜数時間後〜

 

 俺は現在巨大な扉の前に立っていた。

 

『まさかあんな方法で最奥に到達するとは……』

 

『流石はマスター。運すらも味方につけるとは……』

 

「俺もまさかあれで上手くいくとは思わなかった」

 

 冒険してみた結果、この遺跡は宝物庫の様な物だった。

 おそらく古代ベルカの時代に存在した王が有事の際に備えて、財産の一部を辺境の世界に移したとかそんな所なんだろうな。

 そしてこの扉の向こうにはおそらく隠したものの中で一番価値のあるものが眠っているはず。

 

「……でもまぁ流石にセキュリティは万全か」

 

 トラップかもと思ってアナライザーで解析してみた結果、この扉は魔力を流しながら押さないと動かない仕組みになっており、しかもこの宝物庫の主もしくは直系の血族でないと扉は開かないっぽい。

 

『一応試してみたらどうです? マスターは古代ベルカの王族の血を引いてますしワンチャンがありますよ』

 

「おい待てアスカ。テメェ今さりげなくとんでもない事実をぶち撒けやがったな?」

 

 ここに来て新事実、我古代ベルカの末裔でした。

 なんでも女神側も俺をオッドアイで転生させるためにはある程度血統に辻褄を合わせなければならなかったらしく、とある王家の血筋をぶち込んで隔世遺伝という理由でオッドアイにしたらしい。

 

「よく覚えてないけど古代ベルカの王達って四期かそこらで出て来てたよな。俺四期でキーパーソンになるパターンじゃないですか」

 

『20歳で管理局をやめて半隠居生活を楽しもうと考えてたんでしょうが、原作からは逃げられませんね〜。ほらレッツチャレンジです。どうせ失敗してもAMF展開からの傀儡大量召喚だけだからマスターなら突破できますよー』

 

「普通に危険で草。まぁでもアスカの言う通り傀儡なら殲滅できるし、やるだけやってみるか」

 

 扉に手を置いて魔力を注入。直後機械音声が鳴り響く。

 

『魔力識別……魔王王家の魔力を確認。宝物庫のロックを全て解除します。お帰りなさいませ』

 

「……まさかワンチャンが当たるとは。ベルカ王家ってどれくらいあると思ってんだ? しかも魔王って、ウチの先祖やべえやつじゃねえよな? オラ心臓がバクバクして来たぞ……」

 

『マスター、お気を確かに』

 

 もしかしたら最奥まで辿り着けたのは運命的な何かなのかも……いや、それは無いか。

 でもまぁ中が見れるなら見学するだけ見学させてもらおう。

 あ、こっそり持ち帰るなんて野暮な真似はしませんぜ? ご先祖様に申し訳ねえからなぁ。

 

 そんな事を考えながら宝物庫のお宝などを眺めながら奥へと進んでいると、一つの銀色の水晶が目に入る。

 

「アスカ、カリバー。これって……」

 

『凄まじい量の魔力が内包されている……。間違いありません、ロストロギアですねぇ』

 

『いかがなさいますか?』

 

 うーん。流石にこれは見て見ぬ振りは出来ないよな。

 だからと言ってここの扉を閉めて見なかったふりしても、遠い未来で俺の子孫だったり強行突破だったりでロストロギアを見つける奴もいるかもしれないし……。

 そしてここは地球からもわりかし近い世界だから危ないだろうな。

 

 よし。

 

「これだけは封印してリンディさんのところに持っていくか。申し訳ありませんね、ご先祖の皆々様。このお宝だけはいただいていきますね」

 

 手早く封印して手に取るととても手に馴染む水晶を部屋から持ち出して扉を閉めると、地球に帰還してダッシュでハラオウン家に向かうのだった。




なのはでオッドアイだから辻褄は合わせないとね!!

それにしても……チンクと関わりがある。古代ベルカの王族の末裔。
……我が主人公ながら盛りに盛ったなぁ。(反省ちう)
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