見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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よしチンク、DNA鑑定行こうぜ?

 さて一ヶ月後の最高評議会討伐に向けて色々準備を進めなければならないのだが、その前に一つやるべき事がある。

 と言う事で毎度のごとく我が家にスパイに来ていたチンクに大切な話があると前振りをしてから告げる。

 

「チンク。お前魔王の心臓を触れるよな?」

 

「ああ、レオしか触れないはずなのにどうしてだろうな」

 

「魔王の心臓を触る条件はおそらく魔王家の血を引くもの。つまりチンクは魔王家の血を引いている……お前俺と血が繋がってるんじゃ無いか?」

 

「私もそれは思っていた。私達は顔がかなり似ているからな。ほら見ろ、髪型を合わせてお互い片目を閉じれば……ほら。ほとんど同じ顔だ」

 

 チンクが俺の背後に周りポニテにしていた髪を下ろして、自らの片目を閉じる。

 俺も空気を読んで左目を閉じて鏡とチンクを見比べてみると……あらやだそっくり。

 

「ほ、ほんとだ!? レオ君とチンクちゃん瓜二つだよ!!」

 

「実は生き別れた兄妹ってオチなんか!?」

 

「いえ、もしかしてレオとチンクってアリシアとフェイトみたいな……」

 

 デバイスの授業を受けに来ていたすずかちゃんとはやて、そして何故か遊びに来ていたアリサちゃんは驚いたような表情を浮かべた。

 

「今日の授業が終わったらDNA鑑定受けに行かない?」

 

「そうだな。あとドクターにも色々と話を聞かなければ」

 

 

 〜半日後〜

 

 その後授業を手早く終わらせて、本局で俺とチンクは精密検査を受けてみる。

 そして現在結果を待っているのだが……。

 

「なぜみんないるんだ? これは私とレオの問題なんだが」

 

「いや、目の前でド修羅場が起きてるんやから最後まで見届けなあかんやん?」

 

「うん。もしかしたら兄妹かもしれないし結果が気になっちゃって……」

 

「なのは達は私が呼んだわ。ただでさえ最近ロストロギアだったりで色々面倒ごと起きてるのに私達は蚊帳の外じゃ無い。いい加減首を突っ込ませなさい」

 

「そうだそうだ水臭いぞ? 俺とお前の仲じゃねえか」

 

「やめろヤマト。なんかキモい」

 

 後最高評議会の件については盛大に巻き込んでやろうと思ってたんだけどね? リンディさんが話すって言ってたから任せてたけどまだ言ってなかったんか?

 この際俺が話しておこうかと考えていると、深刻な顔のエイミィさんがやって来た。

 

「その顔……もしかしてですか?」

 

「うん。検査の結果なんだけど、レオ君とチンクちゃんの遺伝子……いや、レオ君の殉職したお母さんとチンクちゃんのDNAが一致したんだ」

 

「え……て事はチーちゃんはれお君のお母さんって事!? ひな、れお君のお母さんに結構失礼な態度取っちゃったの!?」

 

 ひなちゃんの天然ボケに盛大にずっこけた俺たち。

 彼女は俺の母親にあたる人のクローンってだけだから俺の母親では無いですよー? それにロリママは苦手な属性だからやめてねひなちゃん?

 

「ふむ、やはりそうだったか。レオ、私の事をお母さんと呼んでもいいぞ?」

 

「チンク、お前この世に生を受けてから今年で何年目だ?」

 

「8年目だが……」

 

「俺が歳上だな。ならばお前の方こそ俺の事をお兄ちゃんなりお兄様なり呼ぶべきでは無いだろうか!?」

 

「お兄様ってアンタねぇ……」

 

「それ絶対レオ君の趣味なの」

 

 呆れたような表情のアリサちゃん達であった。

 そんな中フェイトちゃんがおずおずと俺に話しかけてくる。

 

「ねぇレオ、チンクがお母さんのクローンだって知ってなんとも思わない? 大丈夫?」

 

「こらフェイト。そんなこと言うなんて……お姉ちゃんはそんな風に育てた覚えはないよ。悪い子にはこうだ!」

 

 アリシアちゃんに頬を引っ張られたフェイトちゃんであった。

 でもフェイトちゃんの気持ちも分からないでもない。何せアリシアちゃんやプレシアさんは受け入れてくれているけど、周りからはクローンだの。同情してるからだの言われているのを知っている。その度にヤマトがそいつらを黙らせているけど不安に思ってしまうのはしょうがないだろう。

 

「と言うかぶっちゃけなんとも思ってないんだよなぁ。そもそも俺は父さんも母さんも知らないし、二人に対しての情なんて持ち合わせてないからな〜。チンクに対しては知り合いが実は親戚でした、世間は狭いねぇって感覚?」

 

 それ以前に前世の記憶がある俺としては、父親母親なんてあのクソッタレども以外にいないからなぁ。

 ぶっちゃけ今世の親については、あくまで俺が一人暮らしをしてる理由づけ以外になんとも思って無かったわ。

 

「私もそんな感じだ。私の家族はドクターに頭のおかしい姉達に妹達。そしてナカジマ家の父上や母上に姉上とスバルだからな。正直気になったから調べただけだ」

 

「た、達観してるね二人共……」

 

 直後、ドアがバンと乱暴に開けられた。

 びっくりしすぎて口から心臓が飛び出る感覚でした。

 

「チンクとレオ君が兄妹だったって本当!!??」

 

 入って来たのはチンクの義理の母親であるクイントさん。

 そういえばさっきチンクが「レオと私は血が繋がってる可能性があるから調べてくる。帰りは遅くなるから夕飯はいらない」って連絡入れてたっけ?

 あの連絡を見て居ても立っても居られなくなったんだろうな。

 

「チンク、どうだったの!? レオ君は生き別れたお兄さんだったの!?」

 

「落ち着いてくれ母上。私はレオの母親の遺伝子から作られた戦闘機人だったと判明しただけだ」

 

「いきなりそんなこと言われても困るだけだろ? 俺から説明しますね」

 

 その後クイントさんに事情を説明すると、彼女はしばらく考える素振りをする。やがて考えが纏まったのか俺の方に詰め寄って来た。

 

「私の娘であるチンクの血縁なら私の息子でもあるってこと! レオ君、うちの子にならない!?」

 

「あ、一人暮らしが何かと楽なんで遠慮させていただきます。いやマジで」

 

「ガーン!!」

 

 ただでさえミゼットさんに羽鳥さんからも養子縁組の打診が来ていると言うのに、これ以上増えるのは勘弁してつかあさい。

 ただでさえこの歳(精神年齢的な意味)では義理の母親だったら祖母が出来るのに抵抗あるんだからさぁ。

 

「まぁそれはそれとして、母親のクローンって言うなら俺との関係はしっかり決めておいた方がいいと思うんだが……やっぱりお兄ちゃんと妹でいいだろ?」

 

「いや、別居してる母親と息子の方がいいだろう?」

 

「いやいや、親と子供が別居ってそれは不味いだろ?」

 

「そうか? ならば姉と弟だな。こればかりは譲れん」

 

「あのなぁ、チンクは俺よりも年下だろ? なら兄と妹の方がいいだろ」

 

「いや、私は妹達やスバルの面倒なんかを見ているし、姉という立場の方がやりやすい」

 

「…………」

 

「…………」

 

「「決闘だ」」

 

「どうしてそうなるの!?」

 

 その後手頃な無人世界に降り立って、姉(兄)の座を賭けた決闘を行いました。

 デバイスと投げナイフ、四属性の大魔法と爆発が入り乱れる地獄絵図となった果てに、俺が勝利しました。

 チンクは俺の事を兄と呼ぶようになりました。




ようやくチンクとのフラグを回収しました。

チンクがレオの妹になりました。
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